「ミャクミャク様」とは大阪万博のキャラクターのあいつのことです。
善神っぽいミャクミャク様とナルトの織り成す物語…的なものです。
「自分のルーツ」がテーマ、なはず。
筆者は「ミュウツーの逆襲」が大好きなので、それに引きづられてるかもしれません…。
ピシャン、ピシャンと音が響く先で青い何かが蠢く。自分の中のこの世界にはもう何回も来た。
通路を水浸しにした水はどこか青くて、あいつを思い起こさせる。
その水が流れてくる先に行くと少し神々しい雰囲気がしてあいつの青い手が伸びてくる。
「うわ! いきなり伸ばしてくんな! びっくりするってばよ!」
少し怯えたような口調で叫んでしまって、ビクッと伸びてきた手が震えて縮こまる。
「……わりぃ……ほら、水持ってきたってばよ」
そう言うと、ピクッと体が震え青い身体に目の前で変わっていく。あっという間に大型犬サイズになった。
持ってきた水筒の注ぎ口を、白い口のようなところに傾ける。ちょぼちょぼと滴り落ちる水を吸収している姿は少しだけ可愛くて、赤いのに囲まれた青い目がほほ笑んだ気がした。
「やっぱり旨いのか? この水。オレも美味しいから好きだけど……ウッキーくんもこの水やるとすくすくと育つんだってばよ」
それを聞く青い目はどこか優しくて、出会った時を思い出す。
水筒の中の水は、木の葉の森の中にある湧き水だ。火の国の豊富な木が清い水を作り出す、って昔イルカ先生が言っていた気がする。
昔、食べるものもなくて外食しようにも嫌な目で見られるのも嫌で、森に入り込んだことがある。
その時に見つけたのがこの湧き水だ。
でも湧き水の水を見つけたときに岩に足を滑らせて、意識を失ってしまった。
その時に出会ったのが、今目の前にいる青い身体をしたこいつだったんだ。
────-
(回想始め)
「う……ん……ぅ~~ん……、……いってぇ……。……ここどこだってばよ……」
岩に頭を打ち付けた激痛で脳内に光が走り、意識がどっかに行って……気が付いたらこの水路にいた。
「……なんだってばよここ……オレってば森の中に……」
初めてこんな場所に来て、正直おっかなびっくりだった。
正直言うけど、オレは幽霊が怖い。だからここも幽霊が出るんじゃないかと思った。
「……ひぇ~~……幽霊出ませんように……」
持ち前の根性で、水路を警戒しながら歩いていく。途中であることに気づいた。
「これ……水の流れ……水が流れて来るならそこから出られるかも……」
そう思い水の流れを辿って歩いていく。
着いた先には大きな扉が待っていた。
「……一体これなんなんだってばよ……」
訝しんで少しして、いきなり扉から青い触手のようなものが伸びてきた。
「!!! いったいなんだってばよー!!!」
青いものに恐怖して入り口の方に一目散に走っていく。
でもその先には青いなにかで塞がれているのが見えた。
「まずい……出れねぇってばよ……」
そして扉の方を見ると、赤いなにかに青い目みたいな何かが浮かんでいるのが見えた。
「!! ギャ──!! おばけ──ー~~!!?!」
幽霊が苦手なオレは、当然のように気絶してしまった。
「……う~ん……つめたいってばよ……」
気が付いて、すぐそばに青い身体をした犬みたいなのがいるのが見えた。犬?
「一体なんなんだってばよ……」
青いゲルみたいな体をした犬。周りには目玉みたいなのも浮かんでいる。少し怖い。
でもせっせと顔を舐めてくれる。舌が冷たくて少し気持ちいい。
「お前……一体……それにさっきの青い目は……、……もしかして、おまえか……?」
それに気づくと自分でも自然と顔がこわばってしまうのが分かった。青い犬は意気消沈してシュンとしているのが見えた。
「……いや、さっきは少しびっくりしただけだってばよ。ごめん」
そう言うと、途端に青い犬は尻尾を振って嬉しそうにしているのが見えた。
意気消沈してシュンとしたのを見て、こう言ったのは、自分も周りにされたからかもしれない。
怖がられて、怯えられて、避けられる。自分が一番されて嫌だったことだ。
この頃はまともに自分を見てくれるのは、一楽のおっちゃんと三代目のじいちゃんくらいだった。
だからオレは真正面から先入観とかなしで向き合ってくれる喜びを知ってる。多分そうしたかったんだと思う。
「でもなんでこんなところで……」
するといきなり青い肉球で眉間のあたりを触られた。つめてぇってばよ!?
そしていきなり睡魔が襲ってきた。
「……いきなり……ねむく……なって……( ˘ω˘)スヤァ」
あえなくオレは夢の中に旅立った。
──────
(以下、ナルトは[ナ]、ミャクミャクは[ミ]を台詞の前に置きます)
ナ「……うう……ん……なんだ……ここは……草原?」
ミ「ここは、ぼくの、ゆめのなか」
振り返るとさっきの青い犬がいた。
ナ「お前! 喋れるのかってばよ!」
ミ「いまは、きみとはなせる、ゆめのなかだから」
そして、青い身体が犬の形から人の形に変わっていく。
ナ「お前……一体……」
ミ「ぼくは、きみのなかにいるもの、ふういんされてる」
ナ「オレの中に!?
ミ「しょだいほかげにふういんされた、だからずーときみのなか」
ナ「…………」
ミ「さみしかった、はなしてくれてありがとう」
その姿を見ていると、何故か昔の自分が思い起こさせられて放っておけなかった。
ナ「オレってばまたお前と会いたい。話したいってばよ」
ミ「あいにきてくれたら、うれしい、はなしたりは、ゆめのなかでしかむりだけど」
ナ「また話せるってばよ」
そしてあることに気づいて、頬を掻きながらこう聞いた
ナ「そういや自己紹介がまだだったな。オレの名前はうずまきナルト! お前の名前は!?」
ミ「……ぼくのなまえは、みゃくみゃく」
ナ「ミャクミャク! いい名前だってばよ!」
それを聞いた途端、草や何もかもが淡くなって空に吸い込まれていく。
ナ「これって……」
ミ「ゆめがとけていく、でもまたきみにあえる、いつでも、ありがとう」
その言葉が耳に届いた瞬間、意識が遠のいていった。
────-
「……うーん……あれ? あいつは?」
大きな扉が目前に見えて、今は夢が解けたのが分かる。そして隣にはさっきの青い犬がいた。
「あ! ミャクミャク! まだ色々話したいことがあるんだってばよ!」
そう言うと首をフリフリされた。
「……もしかして……夢の中でしか話したりできないとか?」
そう言うと、首をコクンとされた。当たりのようだ。少しだけ苦笑いしてしまう。
「う~ん……じゃあ遊ぼうってばよ! 話せなくても遊ぶのはできるってばよ!」
そう言うと目が途端にキランとして、イイノ!? と言っている気がした。
「あぁ! 勿論いいってばよ!」
すると、青い犬の体が変形し変質して、スライムみたいになっていく。
「え? あ、ちょ……」
そしてスライムが覆いかぶさって体を覆いつくしていった。
「なんだってばよこれ──!!」
(回想終わり)
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「いや~~初めて会った時は酷い目にあったってばよ……」
そういうと、隣にいるミャクミャクはシュンとしてしまう。
「あ、いや、別にそういうんじゃないってばよ! ちょっとびっくりしただけで」
そう言って慰める。少しだけ機嫌が戻ったようなところで、ミャクミャクの真正面に顔を近づける。
少しだけ、相談したいことがあったからだ。それは……
「なぁ……ミャクミャク。オレってば火影になりたいんだってばよ」
それを聞いているミャクミャクも真剣そうな面持ちのようだった。
「オレってば里の皆に、オレの事を認めさせてやりたい。でもそれだけじゃなくて、お前のことも、だってばよ」
今思えば、あれだけ自分が里の皆に煙たがれ、腫れもの扱いされたのは、このミャクミャクが封印されていたからだろう。
外見が少しだけ、他の人と違うから。そんな理由で迫害される。自分も恥ずかしながら、最初に対面したときは気絶してしまった。
でもこいつ自身、ずっと封印されてきたらしい。本人が言うには初代火影の頃から。
相手を憎むのは簡単だ、だって相手のことを考えなくて済むから。
でも、こいつ本人と触れ合ってしまえばそんな化け物じゃなかった。ただ気持ち悪いからと封印されただけで……少し無邪気で、遊び方を考えてほしいなと思うときもあるけど。
里の人もきっと知らないから怖いんだろう。触れ合って、相手のことを知ればそんなことはなくなる。
もう自分がどうとか、外見だとか、変えられないことでいちいち悩んで、憎しみを募らせるのは沢山だった。
「きっとお前も、里の人にちゃんと見てもらえば、受け入れてもらえるってばよ。だってお前はこんなに優しいんだから」
それを聞いているまだ青い身体をしたこいつも同意するように吠えた。
「二人で一緒にやっていこうってばよ」
みんな知ってさえくれればそれでいい。そうしたいと、その時のオレは願って、青い身体のあいつと約束したのだった。
なんだか最初に思い描いていたのとなんか違うなぁ…と思いながら執筆
最後に「みんなに認めさせてやりたい」を書きたいがあまり、善神っぽすぎるミャクミャク様になりました(ナルトとの和解の仕方がね…)
もっと里の中でミャクミャク様がどう思われているのか、とか書きたかったのですが力尽きて断念。書けたら書く。
今のところ、続きを書く予定はありません。
誰か続き書いて? (需要があればですが…)