今こそ燃えろ黄金の小宇宙! ですわ!   作:とんこつラーメン

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こっちでもお久し振りです。








転んでもタダでは起きない人! ですわ!

 サーゼクス様たちが我が家に宿泊した次の日。

 お二人は午前中に駒王町を回り、色んなお店などを見てお土産などを買った後に、冥界にあるグレモリー邸へと帰っていった。

 なんでも、実はまだ邸宅に残している仕事が沢山あるらしく、実は今回の地上訪問はサーゼクス様の慰安も兼ねていたとか。

 本当はサーゼクス様が魔王としての権限をフルに使った我儘の結果だと、こっそりとグレイフィアさんに教えて貰ったんだけど。

 ここは姫として、サーゼクス様の名誉の為にも私の心の中に仕舞っておこう。

 

 アザゼル様は、朝からまた酒を飲もうとした所に部下の方からの連絡が入り、物凄く落胆しながら帰っていった。

 心なしか『しょぼ~ん』って擬音が見えてたし。

 あれが堕天使たちの総督とは…何とも言えませんわ…。

 気苦労が多い立場だとは思うけど、帰っていく時の背中は完全にそこらのおじさんと大差なかった。

 レイナーレは、あの方の一体どこに惚れたのかしら…?

 

 そして、貴鬼は見事に私の『蛇遣座(オピュクス)黄金(ゴールド)聖衣(クロス)』を修復して見せ、皆を驚かせていた。

 特に、帰る直前にそれを見たアザゼル様の喜びようったら、それはもう凄かった。

 まるで、新しい玩具を買って貰った子供のよう。

 幾つになっても、種族が違っていても、男の心の中には童心があるものなんですわね。

 私たちの想像以上に疲れてしまったようで、今は空いている部屋にて静かに眠って体を休めている。

 起きてきたら、何か精の付くものを作ってあげましょうか。

 

 とまぁ…ここまでが今朝までの話。

 貴鬼以外の客人が全員帰り、すっかりいつも通りに戻った我が家のリビングでは、皆がそれぞれにのんびりと過ごしていた。

 なんせ今日は日曜日。

 誰もが皆、心と体を休ませる大事な休息日。

 一部の人々を除く…ですけど。

 

 そんな日曜日の、もうすぐお昼に差し掛かろうとした…その時だった。

 いきなり、私の携帯に着信が来た。

 通話相手は支取先輩。

 別にそれ自体は全く珍しくはない。

 生徒会の方々とは前々からずっと親しくさせて貰っているし、プライベートで連絡を取り合うことも普通にやっている。

 だから、今回のこれも全く驚かない。

 その内容を聞くまでは。

 

「プール掃除ぃ?」

『はい。そうなんです』

 

 現役の高校生として縁が有りそうな無さそうな、そんな微妙な単語を聞き、思わず変な声が出てしまった。

 

『姫子さんはもうご存じでしょうが、リアスが部長と務めているオカルト研究部はあくまで表向きの顔であり、実際には町の管理を行っているのが実状です』

「そうですわね」

『ですが、それはあくまでリアス達側の事情であり、学校的には微塵も関係ありません』

「確かに」

 

 だって、駒王学園に通う人間の殆どが、生徒会とオカルト研究部の面々が実は悪魔であるということを知らない。

 そりゃそうだ。

 常識的に考えて、そんな存在がいるだなんて普通は考えない。

 悪魔だけじゃなく、神や天使、堕天使の存在だってそうだ。

 そういう意味では、私たち聖闘士も似たような立場だと言える。

 

『体面上とはいえ、部活の体裁を取っている以上はちゃんと部としての『成果』を出さなくてはいけません』

「当然ですわね。じゃないと、部活予算会議などで部費の計算が出来なくなってしまいますから。……あれ? ちょっと待ってくださいまし?」

『どうしました?』

「あの方々って…部としては一体何をやってるんですの?」

『特に何も。強いて言えば、放課後に呑気に紅茶を飲んでます』

「そ…それは…」

 

 幾ら理事長の妹とはいえ…流石にないですわね…。

 

『当たり前ですが、それを部活動とは決して呼べません』

「ですわね…ほぼ確実に、全国の学校に存在しているであろう、本当のオカルト研究部に喧嘩売ることになりますわ。というか、そもそもなんで『オカルト研究部』なんですの? 別に隠すだけなら、別の部でも問題なさそうな気がするのですけど…」

 

 もうちょっと簡単に表向きの成果を提出しやすそうな…例えば『情報処理部』とか。

 そんなデジタルな部活が、まさか悪魔の巣窟になっているとは誰も夢にも思わないでしょうし。

 

『単純に、自分たちが悪魔だからでしょう。リアスの考えそうなことです』

「あ…安直…」

 

 あの人にカモフラージュと言う概念は無いのかしら…。

 私たち聖闘士でも、表社会と接触する際には細心の注意をするというのに…。

 

『このままでは色々と拙いと考えた私は、せめてもの救済処置として、あることをリアスにお願いしたのです。それが…』

「先程仰った『プール掃除』なのですわね」

 

 やっと話が繋がった…。

 ここまで地味に長かったですわ。

 

『はい。部として何もする気が無いのなら、せめて学校に何か貢献をして貰おうと思い、オカルト研究部にプール掃除を頼んだんです』

「で、素直に引き受けたんですの?」

『引き受けてはくれました。一つの条件を飲むことで』

「条件とは?」

『プール掃除が終了し次第、自分たちに一番にプールを使わせること』

「それ…間違いなくプール掃除はおまけですわね…」

『でしょうね。今日は日曜日なので学校には殆ど誰もいない。魔力を使えばプール掃除なんて10分も掛かりませんから。後は、残った時間ずっとプールを満喫できる…そう考えたんでしょうね』

「その時の光景が容易に想像できますわ…」

 

 ぜ~ったいに頭の中で『計画通り』って顔をしてましたわね。

 グレモリー先輩って、そういうことには異常なまでに頭が回りそうですし。

 あくまで私のイメージですけど。

 

『流石に学校内なので変なことはしないと思うのですが、それでもやっぱり様子が気になってしまい…』

「私にグレモリー先輩たちの事を見て来て欲しい…と」

『そうなります。本当は私が行ければ、それが一番なのですが…実は夏休みには実家に一時帰省することになっているんです。その準備に追われてまして…』

「まぁ…それなら仕方がありませんわね。ん? 支取先輩が帰省なさるのなら、同じ立場のグレモリー先輩は…?」

『恐らく、なーんの準備もしてません。あの子の頭の中はプールでのんびりと過ごすことで一杯だったようですから』

「あの人は全く…」

 

 最近は少し真面目になってきたと思っていたのに…人間も悪魔もそう簡単には変わらないってことかしら…。

 

『姫子さんだけじゃなく、一緒に住んでいるアーシアさんやゼノヴィアさん、クラスメイトでもある兵藤さんや、お仲間であるクレイオスさんやソニアさんも一緒で構いませんから。で、もし大丈夫そうなら姫子さん達もプールでゆっくりしていってください』

「よろしいんですの?」

『全然構いません。リアス達とは違って、姫子さんは普段から学園のために頑張ってくれていますし、先の戦いでも非常にお世話になりました。それは他の皆さんも同様。なので、皆さんに限っては生徒会長権限で特別に許可します。じっくりと英気を養ってください』

「分かりました。そういうことなら、遠慮なく」

 

 なんだか意外な展開になってきましたわね。

 でも…ちょっと嬉しいですわ。

 こんなこともあろうかと、実はもう既に今年の新作水着を購入済みなんですの!

 聖闘士といえども女の子。

 遊ぶ時は全力で遊ぶと決めていますわ!

 アーシアさんとゼノヴィアさんはー…私のお古の水着で大丈夫かしら?

 念の為に、ちゃんとこまめに洗濯をしているから汚くはないと思うんですけど…。

 問題はサイズですわね。主に胸の。

 

『では、よろしくお願いします』

「はい。よろしくお願いされましたわ」

 

 ふむ…地味に楽しくなってきましたわ。

 まずはお義父さまに事情を話して、その後はアーシアさんとゼノヴィアさんにも同じことを話し、その後に兵藤さんやソニア達にも…。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

「と、言うわけで…やってきましたわ! 休日の学校に!」

 

 オカルト研究部以外のいつもの面々で、静かな校門前に立っている。

 手に持つのは鞄ではなく、水着の入ったバッグ。

 

「テンション高いなぁー…川上さん」

「夏ですので! それに、休日の学校って非日常感に少しワクワクしてますわ!」

「その気持ちは分るかもなー。学園祭の準備とかで合法的に夜遅くまで残ってると、ちょっとドキドキするんだよな」

 

 そんなこともありましたわねー。

 夜の学校…この単語だけでワクワクポイント激高ですわ。

 

「ふむ…まだ日本に来て日が浅いが、早くもこんな経験が出来るとはな」

「いつもは賑わっている学校が静かだと、こんなにも違和感があるのだな」

 

 気のせいかしら…クレイオスとソニアも楽しそうにしてませんこと?

 やっぱり、この二人も年相応な部分がある…と言うことなのでしょう。

 

「わ…私たちも一緒でよかったんでしょうか? しかも、姫子さんから水着までいただいて…」

「私たちは姫子の従者だ。彼女が行く所に私たちも着いていくのは当然だ。水着を貰ったのは嬉しかったが」

 

 アーシアさんはもっと気を抜いてもいいんですのよ?

 ゼノヴィアさんは相変わらず真面目…と思いきや、ちゃんと楽しむ気ではあるようですわね。

 

「それにしても、まさか支取先輩がオカ研にプール掃除なんて命じてたなんてな」

「オカルト研究部らしい部活を一切やっていない彼女たちへの、せめてもの救済処置らしいですわ」

「そういや…あの人たちが何か発表したりって話…一度も聞いたことなかったな…」

「でしょ?」

 

 このメンバーの中で私と兵藤さんだけが去年から学園に在籍している。

 だからこそ、改めて色々と考えるとオカルト研究部の違和感に気が付いてしまうのだ。

 

「そもそも…オカルトの研究って…何をするんだ?」

「「「「さぁ?」」」」

「学校の七不思議の調査…とか?」

 

 外国組は同時に首を傾げ、私は頭に思い浮かんだことを言ってみる。

 自分で言っておいてなんですけど、七不思議はないですわね…。

 他の学校ならいざ知らず、この学園でそんなことを言い出したら、それこそ本当にキリがない。

 私たち全員がその気になれば、七不思議どころか百不思議ぐらい余裕でやれてしまいますもの。

 

「ま…今までずっと表側のカモフラージュをサボってきたツケが今に回って来たってことなんでしょう。本人たちは、それ程気にしていないようでしたけど」

「適当でもいいから、なんか発表とかしとけばよかったのに…あの人たちなら普通に楽勝だろうよ…」

「それすらも面倒臭かったのやもしれん」

「哀れな…」

「なんだか部活って大変なんですね~」

「私たちもこれから頑張らなくてはな」

 

 って、つい校門前で長話をしてしまいましたわね。

 そろそろ校内に入りましょうか。

 早くプールに向かってグレモリー先輩たちの様子を見に行かないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いつになるか分からない次回…水着回。




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