人気ボカロ曲わたしのアールを小説にしてみました。

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初めまして、パンドラの匣と申します。
元からストーリーがある曲を文章にしたら初めてでも上手くできるのではと思い。深夜テンションで和田たけあきさんのわたしのアールを小説にしてみました。
色々と拙い文章で申し訳ないのですが、初めてだから仕方がないと思っていただけると光栄です。

※独自の解釈があります。解釈不一致だと思った方はすぐにこの小説から離れてください。


わたしのアール

「この学校は珍しく屋上が解放されてるんだなぁ。」

 

わたしは靴を脱ぎかけて一人ぽつりとつぶやいた。

でもそこで気がついた。柵の奥にいるその子に。

気がついてしまった。気がついてはいけなかった。

三つ編みだった。悲しそうな顔をしていた。

それを見るとつい声をかけてしまった。

 

「ねぇ、やめなよ」

 

三つ編みの子は驚いた様子だった。わたしだって驚いた。

どうしてこんなことを言ったのだろう。

口をついて出ただけだった。ホントはどうでも良かった。

先を越されたくない。なんとなくそう思っただけだった。

 

そう考えていると三つ編みの子が語り出した。

初心な失恋の話を。

どこかで聞いたことがある話だった。

 

「運命の人と出会ったんだ。どうしても愛されたかった。

最初は一目惚れだった。でも話すたびに惹かれていった。

言葉の端々にこもった彼の優しさに、

いつも他人を思いやるその声色に。

だけど彼には幼馴染がいた。

周りから早く付き合えと囃されるくらいには仲が良かった。

わたしと話してる時でもわたしじゃなく幼馴染を見ているようだった。

放課後彼を呼び出して告白した。

答えは案の定『ノー』だった。

『 ずっと好きな子がいるんだ 』ってにやけながら言っていた。

気持ち悪かった。世の中全てが嫌になった。

生きていく勇気はもう無かった。」

 

慰めるべきだったと思う。

でもわたしの口から出たのは全く別の言葉だった。

 

 

「ふざけんな!!」

 

 

久しぶりに声を荒らげた。

三つ編みの子は目を見開いて驚いていた。こんなことを言われるとは思っていなかったのだろう。

わたしもこんなこと言うと思わなかった。

頭とは裏腹に言葉は次から次へと口から出ていく。

 

「そんなことくらいでわたしの先を越そうだなんて!

欲しいものが手に入らないなんて、奪われたことすら無いくせに!」

 

言うだけ言ってわたしは目を逸らした。

なんでこんなことを言ってしまったんだろう。

 

「話したら楽になった」

と言って、三つ編みの子は消えてった。

 

目を離した隙にここから飛び降りたんだろうか。

わたしがそうするつもりだったように。

でもこんな気分じゃ今日は無理だ。

そう思ってわたしは屋上をあとにした。

 

 

 

 

 

さぁ今日こそはと意気込みわたしは今日も屋上にいった。

また靴を脱ぎかけたところで気がついてしまった。

ここから飛び降りようとしている人影に。

背が低かった。無表情だった。

私はそれを見てまた昨日と同じように声をかけてしまった。

 

「ねぇ、やめなよ」

 

私が声をかけると背の低い子はわたしに気が付き、語り始めた。

クラスで孤独だった話を。

また聞いたことがある気がした。つい最近すぐ近くで。

 

「無視されて、奪われて、居場所がないんだ。

最初は些細なことだった。

陰口や、根も葉もない噂。

でもそれがだんだんヒートアップしてきて、ついには掃除で集めたゴミを頭にかけられたり、わたしのノートや教科書をビリビリに破いて川に捨てたりし始めた。

それを先生も黙認していた。

私だけプリントが配られない。クラスメイトに大声で陰口を言われる、通りすがりに唾を吐きかけられる。臭いと言われ下水を頭からかけられる。

クラスの中でわたしは空気。クラスの中でわたしに人権はない。クラスではわたしは人間ではない。

もう何も感じない。まだこれが続くのならわたしはもう耐えられない。

わたしはクラスが嫌いになった。世界が嫌になった。」

 

優しくして欲しいのだと思った。

だが私は背の低い子の言葉に心底ムカついた。

 

 

「ふざけんな!!」

 

それは心からの叫びだった。

背の低い子の表情は全く変わらなかった。彼女が何を考えているのが一向にわからなかった。

わたしは何も考えずに心から出た言葉をひたすらに吐き出し続けた。

 

「そんなことくらいでわたしの先を越そうだなんて!

それでも家では愛されて、温かいごはんもあるんでしょ!?」

 

言いながらわたしはキッと彼女を睨みつけた。

 

「お腹がすいた」

 

と泣いて背の低い子は、消えてった。

 

おかしい。

今日は目を離してなんかなかったのに。

どこへ消えたんだろうか。そもそも最初から彼女はいたのだろうか。

怖くてわたしは飛び降りる気が起きなかった。

 

 

 

次の日も

 

 

 

次の日も

 

 

 

そうやって、何人かに声をかけて、追い返して。

わたし自身の痛みは誰にも言えないまま。

でもそのおかげで気がついたことがひとつある。

彼女たちは〇〇〇〇〇だったことに。

 

そんなことを思い返して今日も屋上にいる人影に気がついた。

何人目かにあったんだ。黄色いカーディガンの子。

彼女はわたしが声をかける前に語り始めた。いつも聞いているような、わたしと似たような悩みを。

 

「家に帰る度に増え続ける痣を消し去ってしまうためここに来たの」

 

と言った。

 

それを聞いた瞬間、わたしはつい口について出てしまった。ホントはどうでもよかったのに。思ってもいないことを。

でも、声をかけてしまったんだ。

 

 

「ねぇ、やめてよ」

 

 

あぁどうしよう。

この子は止められない

わたしには止める資格がない。

それでも、

 

「ここからは消えてよ。」

 

君を見ていると苦しいんだ。

 

「じゃあ今日はやめておくよ」

 

と目を伏せたまま消えてった。

 

今日こそは、誰もいない。わたしひとりだけ。

そう思いながら今日も屋上にひとり佇む。

誰にも邪魔されない。邪魔してはくれない。

今までいた彼女達を思い出す。

 

三つ編みの子

背の低い子

黄色いカーディガンの子

 

彼女たちはみんな...

 

「カーディガンは脱いで

 三つ編みをほどいて

 背の低いわたしは」

 

そう...

 

「今から飛びます」

 

わたし自身だったんだ。




皆さんどうでしたでしょうか?
まず僕から一つ言わせてください。
こうな小説を最後まで見ていただきありがとうございます。
この小説を読んで原曲が気になった人はぜひ聞いてみてください。
神曲ですので٩(ˊᗜˋ*)
気に入って頂けた方はまた会いましょう。


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