アサイラム映画の代表モンスター、メガ・シャークが艦これの世界に迷い込んでしまった!

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メガ・シャークvs艦これ

・艦これじゃない方の世界/太平洋

 

「ソナー探知!」

イージス艦『タイコンデロガ』のCICで、報告したソナー員の後ろに艦長と副長が立った。

「奴か?」

「メガシャークです!間違いありません!」

「『ニミッツ』に報告。奴を見つけた、とな」

「了解!」

副長が去った後も、『タイコンデロガ』艦長はソナー画面を注視し続けた。

 

空母『ニミッツ』では、『タイコンデロガ』からメガシャーク発見の報告を受けて艦隊に戦闘態勢に入るよう指示が出されていた。

「攻撃隊を発艦させろ」

「了解、攻撃隊を発艦させます」

空母『ニミッツ』艦長の号令で、飛行甲板に待機していた戦闘機隊がカタパルトを蹴って次々と発艦していく。

 

空母『ニミッツ』を中心とするアメリカ艦隊は、ハワイから出航して世界を荒らし回るメガシャークなるモンスターを追っていた。

その全長たるや、500メートル。

 

繰り返して言うが、500メートルだ。文字の打ち間違いではない。

 

「一体何度出て来たら気が済むんだ」

空母『ニミッツ』艦長の忌々し気なセリフの通り、この規格外にも程があるサメは、これまでにも何度も出現し、その度に七つの海を股にかけて人類を悩ましてきたのである。

「艦長、攻撃隊が全機発艦しました」

「よし。メガシャークの位置は?」

「我が艦隊より11時の方向、5キロメートル先です」

 

一方イージス艦『タイコンデロガ』では、メガシャークの新たな動きを探知していた。

「これは…」

先程のソナー員が驚いた表情で艦長を振り返った。「艦長!メガシャークがこっちに向かって来ます!」

「何だと!」

ソナー画面では、メガシャークを示す巨大な影がこちらに物凄いスピードで向かって来ている様子が映っていた。

「このままだとこちらに到達します!」

「くそっ!すぐに攻撃しないと!」

 

しかしメガシャークはそんな暇を米艦隊に与えなかった。

艦隊が攻撃準備に入る間に、メガシャークは瞬く間に艦隊の真下に潜り込み、旗艦の空母『ニミッツ』の船体に体当たりした。

空母『ニミッツ』の乗組員達は、その衝撃で殆どがよろけるか壁や床に叩き付けられ、飛行甲板の縁に駐機していた艦載機は海に落下してしまった。

「くそっ!何なんだ一体…!?」

空母『ニミッツ』艦長がぶつけた額から血を流しながら起き上がった時、メガシャークは深海から一気に空母『ニミッツ』の船底目掛けて突進していた。

衝突する直前でメガシャークは体を反転させ、長大な尻尾で全長300メートル以上の巨大軍艦を空中高く弾き飛ばしてしまった。

 

乗組員達が悲鳴を上げる中、空母『ニミッツ』は縦にクルクル回転しながら数千メートル上空まで達すると、今度は艦首を下にして落下し始めた。

落下するその先には、メガシャークが巨大な口を広げて待ち構えていた。

 

そして落下してきた空母『ニミッツ』を、そのままの勢いで艦首から豪快に呑み込んでしまったのだった。

 

「『ニミッツ』が食われた!」

取り巻きの艦艇の見張り員達が指さしながら口々に叫ぶ。

「くそお!敵討ちだ!」

「攻撃開始!」

怒り狂った艦長達は、まだ海面から顔を見せているメガシャークの巨大な背びれに向かって砲撃を始めた。

砲弾はメガシャークの巨大な背びれに次々直撃するが、メガシャークは悠々と泳いでいる。

「魚雷発射用意!」

次にVLSが開いて対潜魚雷が準備される。

「発射準備完了!」

「撃てえ!」

それぞれのイージス艦から一斉に対潜魚雷が発射された。

ロケット推進でメガシャークの上空に達すると、パラシュート降下に移り、着水すると魚雷はパラシュートを切り離してメガシャークを追いかけ始めた。

 

そのメガシャークはと言うと、またも深海に逃げ込み始めた。

数十本もの魚雷がその後を追いかける。

 

だが、メガシャークの方が逃げ足が速かった。

魚雷は水圧に耐え切れず、次々と爆発したのであった。

 

噴き上がる太い水柱に、イージス艦の乗組員達は思わず声を上げた。

「やったか?」

「確認中です」

イージス艦『タイコンデロガ』では、ソナーで確認作業が行われていた。

 

しかし魚雷攻撃をかわしたメガシャークは、逆襲の為に潜航を中止し、反転すると艦隊に向かって垂直に浮上し始めた。

 

その様子は、イージス艦『タイコンデロガ』でもすぐに確認された。

「メガシャークはまだ生きています!」

「何だと!」

 

しかし、メガシャークが魚雷の誘爆で発生した煙の中に突入した時、奇妙な事が起こった。

メガシャークは煙の中に突入したは良いが、そのまま姿を消したのである。

アメリカ艦隊の方も、待てど暮らせどメガシャークが現れないので不思議がっていた。

 

そしてどうやら、メガシャークが忽然と姿を消したらしいという事が分かり、調査が行われた。

 

翌日、ハワイの米太平洋艦隊司令部で報告が行われた。

「つまり、メガシャークはこの世界から姿を消した、という事かね?」

「その通りです提督」

提督の質問に、男性士官は頷いた。「艦隊が魚雷攻撃を行い、魚雷がメガシャークの潜る水深の水圧に耐え切れず爆発した時、一種のワームホールが現れたのです」

「異次元へ続く扉の事か?」

「仰る通りです」

「それで?」

「メガシャークは、どこか別の世界に行った。という結論に達しました」

「なるほどな」

提督は革張り椅子の背もたれに背中を預けた。「つまり、この世界から奴を厄介払い出来たという事だな。空母『ニミッツ』を失ったのは辛いが、これ以上の船を失わずに済んだと考えよう」

 

 

・艦これの世界/太平洋上

 

艦上偵察機彩雲は、深海棲艦の機動部隊に触接中だった。雲の中に巧みに隠れながら、空母ヲ級を中心とする機動部隊の情報を、横須賀鎮守府に送信し続けていた。

 

と、その時だった。

空母ヲ級が首を傾げて下を見た瞬間、深海棲艦の機動部隊全体を巨大な水飛沫が包んだかと思うと、全長500メートルもの巨大なサメが姿を現した。

 

深海棲艦にとっては体当たりを受けたに等しく、そのまま木の葉を散らすように四方八方に弾き飛ばされてしまったのであった。

彩雲に乗る妖精達が目を見張る中、メガシャークは勝ち誇った雄叫びを上げると海中に姿を消した。

 

知らせはすぐに横須賀鎮守府に伝えられた。

「提督!彩雲から緊急入電です!」

軽巡娘の大淀が、一通の電文を持って慌てて提督執務室に飛び込んできた。

「どうしたんだ一体。まずは落ち着け」

秘書艦の赤城と打ち合わせをしていた提督は、まずは落ち着くように促した。

「は、はい。報告します」

大淀は息を整えると、電文に目を落とした。「我、全長500メートルもの巨大ザメを発見せり。横須賀鎮守府に向かって進撃中の模様」

「500メートルだと!」

「はい」

「打ち間違いじゃないのか?」

「いえ、提督。確認しましたが、確かにそうだと」

大淀も困惑顔である。

一方の赤城は何故かうっとりしている。

「500メートルですか。ボリュームあって美味しそうですね」

「うーむ、これは一大事だな。こっちに向かっているというのか?」

「はい。彩雲の報告では」

「よし。聯合艦隊の総力をもって阻止するぞ。総員に呼集をかけるんだ」

「はい!」

大淀は敬礼もそこそこに、執務室を出て行った。

 

艦娘達は全長500mもの巨大ザメを退治すべく出動した。

便宜上メガシャークと名付けられたそのモンスターは、横須賀鎮守府に向かっているらしい。

提督の指示で、艦隊は3つの防衛線でメガシャークを迎撃する事にした。

 

第1次防衛ラインは、伊号潜水艦を中心にした潜水艦部隊である。

「来たわ!」

伊168がメガシャークを視認した。「凄くでかいわね」

「魚雷発射用意でち!」

伊58や伊168を始め、伊8、伊19、伊13、伊14、伊26、伊504、伊400、伊401、伊47、呂500、まるゆといった面子が魚雷の発射準備を行い、それぞれが発射準備完了を告げる。

「発射!」

伊168の号令一下、魚雷が一斉発射された。

 

だがメガシャークは下降して魚雷をかわすと、そのまま潜水艦娘達の真下まで移動すると浮上を開始し、背中で押し上げるようにして潜水艦娘達を空中高く弾き飛ばしてしまった。

「きゃああああああああああ!」

悲鳴を上げながら潜水艦娘達は、先の深海棲艦達のように空中を舞い、海面に次々と叩き付けられた。

 

メガシャークはそんな様子を尻目に第1次防衛線をあっさり突破していった。

 

「第1次防衛線突破されました!」

「くそっ。みんな無事か?」

大淀は首肯した。

「はい。でもみんな大破していて、追撃不能です」

「そうか。すぐに救援を送ろう…第2次防衛ラインはどうなっている?」

 

その第2次防衛ラインは、空母娘や水上機母艦娘、そして航空巡洋艦娘を中心とした機動部隊だった。

空母は赤城、加賀、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴、大鳳、雲龍、天城、葛城、祥鳳、瑞鳳、龍鳳、鳳翔、龍驤、千歳、千代田、飛鷹、隼鷹、大鷹、神鷹、ガンビアベイ、サラトガ、イントレピッド、ホーネット、グラーフツェッペリン、アクィラ、アークロイヤルから成り、水上機母艦は秋津洲、コマンダンテスト、瑞穂、日進から成り、航空巡洋艦は最上、三隈、鈴谷、熊野、利根、筑摩、ゴトランドから成っていた。

そして軽巡洋艦娘や駆逐艦娘が彼女達の護衛についていた。

「メガシャーク、攻撃圏内に入りましたあ!」

無線機から鈴谷の声が報告した。

「赤城、了解。第1次攻撃を開始して下さい!」

赤城の命令を受け、水上機隊が対潜爆弾を一斉投下した。

 

対潜爆弾はメガシャークの周りで次々炸裂し、メガシャークは吼えながら海面に浮上した。

「メガシャークが浮上したわ!」

加賀が言った。ここからでも巨大な背びれが見える程に、メガシャークは大きかった。

「第2次攻撃開始!」

赤城は次の一手を打った。

上空待機していた艦戦、艦爆、艦攻の夥しい群れがメガシャークに向かって機銃掃射や急降下爆撃、水平爆撃、魚雷投下を行った。

 

次々爆発するが、メガシャークは怯まず空中に向かってジャンプした。

「あ!こっちに来る!」

飛龍がこちらに向かって落下してくるメガシャークを指差した。

メガシャークは機動部隊の真ん中にダイブした。

 

凄まじい衝撃に機動部隊は弾き飛ばされ、散り散りにされてしまった。

混乱する機動部隊を尻目に、メガシャークは第2次防衛ラインを突破した。

 

「第2次防衛ラインが突破されました!」

「損害は?」

「空母の全員が大破。護衛も多数損傷しましたが、誰も轟沈はしていません」

「グヌヌ。最終防衛ラインに賭けるしか無いな」

「そうですね」

大淀が通信機を置いて立ち上がった。「提督、私も行ってきます」

「分かった。気を付けるんだぞ」

「はい」

 

 

そして最終防衛ライン。

浦賀水道の入り口前に待機するは、戦艦や重巡を中核とした水上打撃部隊だった。

大和、武蔵、長門、陸奥、伊勢、日向、扶桑、山城、金剛、比叡、榛名、霧島、アイオワ、コロラド、サウスダコタ、ワシントン、イタリア、ローマ、ビスマルク、ネルソン、ウォースパイト、ガングート、リシュリューを中心とし、重巡洋艦娘や重雷装巡洋艦娘、軽巡洋艦娘、駆逐艦娘がメガシャークが来るのを待ち構えていた。

「こちら朝潮!メガシャークが最終防衛ラインに迫ります!」

「了解。皆さん、砲撃準備を!」

大和がそう言った瞬間、メガシャークがまたもジャンプした。

空母機動部隊を蹴散らしたのと同じ戦法で水上打撃部隊を壊滅させようと言うのだ。

 

が、大和は落ち着いていた。

「全艦、砲撃開始!薙ぎ払え!」

23隻の戦艦の主砲が今や遅しと火蓋を切った。

重巡部隊の砲撃も加わり、凄まじい轟音と爆炎が当たりを包み混む。

 

砲弾はメガシャークの顔面に全弾直撃した。

それでメガシャークの勢いが減殺され、呻き声を上げながら海中に落下した。

メガシャークは水上打撃部隊に背を向けると、一度距離を取り、また反転して向かって来た。

「メガシャーク、再度こちらに向かって来ます!」

「雷撃開始!」

大和がそう命令すると、重雷装巡洋艦の北上、大井、木曾を始め、重巡、軽巡、駆逐艦達が一斉に魚雷を投下した。

 

3桁の魚雷がメガシャークに迫る。

しかしメガシャークは着弾直前で体を回転させると、尻尾で魚雷を空中に弾き飛ばした。

 

空中に舞い上げられた魚雷群は、水上打撃部隊に向かって落下してきた。

「Oh shit, not good」

アイオワがそう呟いた直後、魚雷が雨あられと水上打撃部隊に降り注いだ。

爆発があちらこちらで起こり、艦娘達の悲鳴が上がる。

 

その中をメガシャークは悠々と突っ切って行った。

 

「メガシャーク、最終防衛ラインを突破!」

大淀の代わりに通信席についていた明石が叫んだ。

「なん…だと…」

提督も呆然とするしかない。

聯合艦隊の総力を持って構築した防衛ラインが、短時間で突破されたのだ。

「どうします!?」

「今考えてる」

と、明石がヘッドフォンに手を当てた。

「あ、新たな情報が入電!」

「何だ?」

「これは…深海棲艦の大艦隊が本土に接近中との事です!」

「何だと!こんな時に…いや、待てよ。いい方法を思いついた!」

提督は通信室を飛び出した。明石もそれについていく。

 

2人は建物を出て港に向かって走って行った。

メガシャークはもはや横須賀鎮守府の目と鼻の先の距離に迫っていた。

「どうするんです!」

「奴を深海棲艦の前に誘導する!」

「でもどうやって!?」

「これに乗る!」

言うが早いか、提督はモーターボートに飛び乗り、エンジンを始動した。

「提督、私も!」

「君は残れ。危険なミッションだ」

「では、これを!」

明石がそう言って提督に差し出したのは、12.7センチ連装砲だった。駆逐艦娘が使う主砲だ。

「有難う!」

提督はそれを受け取ると、モーターボートを発進させた。

 

提督はモーターボートをメガシャークに向かって突進させた。

「来い化け物!この俺が相手だ!」

提督は連装砲を片手撃ちでメガシャークを狙い撃った。

 

砲弾はメガシャークの背びれに命中した。

それを受けてメガシャークは針路を変えてモーターボートを追い始めた。

「よし、良いぞ!」

提督は後ろを振り向いた。

メガシャークはモーターボートの後ろにピタリとついていた。

「そのままついてこい!」

何故か追い付かれないまま、提督はメガシャークを浦賀水道の出口まで引きずり出し、そのまま太平洋に出た。

 

やがて深海棲艦の大艦隊が見えて来た。

水平線を覆い尽くす規模だ。

その上空では深海棲艦の艦載機がわんさか飛行している。

 

仲間をやられた仇討をしに来たのだ。

「よし、後は頼んだぞ!」

提督はモーターボートを反転させて本土に戻って行った。

 

メガシャークは新たな敵を見つけると猛然と突っ込んで行った。

深海棲艦は空と水上から渾身の一撃をメガシャークに加え、そしてメガシャークは消滅した。

 

 

・艦これじゃない方の世界/ハワイ

 

「提督、大変です!」

1人の士官が執務室に飛び込んで来た。

「なんだ朝から騒々しいな」

「メガシャークが現れました!この前ワームホールに消えた奴です!」

「なんだと!?」

 

 

完

 

 


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