皆を救ったら二次災害が起きてた件について(最低速度投稿)   作:カツオ節太郎

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遅くなりました。
疲れた…疲れた…。

多分一番やばいと思います。


失落

 何もない景色。

 黒と白だけが交差している。

 

 亀裂の入った地面。

 折れた鉄柱。

 

 誰もいないセカイ。

 

「……顔色、悪い。……まだ悠のこ」

 

「大丈夫」

 

「あ……うぅ……」

 

 慄くミク。

 ……大丈夫。

 

 もう壊れてる。

 

 こんな気持ちになるなら。

 ……死ねばよかった。

 

 ……死ねないの。

 

 悠……貴方のせい。

 私を縛るから。

 

『ちゃんとご両親と話そう。大丈夫……俺も行くから。まふゆの思いを打ち明けよう』

 

『いたた……。だ、大丈夫だよ。部外者が割り込んだ訳だしね。当然の報い…まふゆ……凄い顔してるよ。ほらほら笑って、まふゆは笑ってる方が似合…いだっ!?ごめんって!悪かった! い"っ!?』

 

『…まふゆ? あ……えっと…最近、良く食べてるけど……その…もしかして太っだっ!?』

 

 手を引いてくれた彼は。

 ……もういない。

 

 また迷子。

 見つからないのに探し続ける。

 

 分かっているのに探し続ける。

 

 いい子になっても……意味はない。

 

 ……いないんだ。

 

 目尻が熱い。

 視界が歪む。

 

 溢れ出す涙。

 頬に流れ落ちていく。

 

「まふゆ…あ、の……」

 

「帰る」

 

「……奏は」

 

「まだ」

 

 奏も同じ……夢から覚めたくない。

 

 悠がいない現実を見たくない。

 ……目を閉じる。

 

 気付けば自分の部屋。

 ……薄暗い檻の中。

 

「……悠」

 

 貴方はいった。

 一緒に生きてくれるって。

 

 貴方はいった。

 一緒に死んでくれるって。

 

 なのに……貴方は。

 ……私を置いていった。

 

 嘘つき。嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき。

 

 貴方なんて……大嫌い。

 ……本当に…大嫌い。

 

「………………」

 

 壁に貼り付けた無数の写真。

 その全てに……悠が写っている。

 

 喜怒哀楽……。

 持ちえなかった色彩。

 

 千紫万紅。

 数ある写真。

 

 一枚を剥がす。

 一緒に撮った……写真。

 

「入るよ」

 

 お父さんの声。

 扉の開く音。

 

 写真を見つめる。

 

「…………まふゆ」

 

 背後の光。

 ……被る影。

 

「……出ていって」

 

 演じる必要はない。

 良い子なんていない。

 

 ……いらない。

 

「……悠くんには感謝してもしてきれない。彼は私達に大切な事を教えてく」

 

「出ていって!!」

 

 私に言わないで……。

 私は悠じゃない…! 

 

「お母さんも心配している。……ご飯、食べないか」

 

「……いらない」

 

 悠がいたから……。

 悠がいたから……私は……。

 

「……そう、か。部屋の前に置いておく」

 

 光は闇に飲み込まれる。

 

 未来に光は存在しない。

 あるのは後悔だけ……。

 

 ……虚無なら良かったのに。

 何も考えずにすんだのに……。

 

 貴方は私に喜びを与えた。

 生きる意味を、夢と希望を。

 

 貴方は私に悲しみを与えた。

 孤独の苦しみを、寂しさを。

 

 演技する必要もない。

 ……自然に笑えるから。

 

 本音が言える。

 真っ直ぐ歩くこともできる。

 

 誰かが作った未来じゃない。

 ……自分で未来を選べる。

 

 操り人形は終わった。

 

「……悠」

 

 未来は変えられる。

 ……そう言った。

 

 けれど━━

 過去は変えられない。

 

 貴方がいない現実は……。

 

 悠……貴方が私をこんな風にしたの。

 

 ……もう戻れない。

 

 呪縛は解けた。

 悠が解いてくれたから。

 

 貴方は呪いをかけた。

 私に……私たちに。

 

 生き続ける苦しみを……。

 

 心の中に生きている。

 ……綺麗事なんていらない。

 

 許さない。

 絶対に……許さない。

 

「…………」

 

 奏は悠に会いに行こうとした。

 ……会えるはずがない。

 

 分かっていながらも…。

 なけなし希望に縋り願いを求めた。

 

 夢でもいい。悠に会えるなら。

 

 …こんなにも死にたいと思う。

 その気持ちを押し殺して……。

 

 ……眠りにつこう。

 写真を抱きしめる。

 

「…………」

 

 閃光。

 雷鳴。

 

 雨が激しく叩きつけられる。

 

 横になる。

 冷たい床に背中を預け……。

 

 瞼を下ろ━━

 

 一筋の光り。

 通知音。

 

 …………絵名。

 

「なに」

 

「……まふゆ…」

 

 含みのある声色。

 嬉しさ、と…また違うなにか。

 

 奏が目を覚ました…? 

 ……それは良か━━

 

「病院で悠と会った」

 

「…………ふざけてる?」

 

「と、言うと思ったわ。写真送るから確認しなさい。本人曰く別人らしいけど」

 

「写真……?」

 

 2度目の通知音。

 

 ……え…。

 

 病院の廊下。

 病衣姿の悠。

 

 隣には花里…さん? 

 悠を支えながら笑顔で…。

 

 寄り添い歩く。

 …………………そ、う…。

 

「隠れて撮ったから少しブレてるけど。彰人の様子がおかしかったからまさかと思ったらねえ。流石に上げられな……まふゆ?」

 

「……本当、に悠…?」

 

 まだ決まったわけじゃない。

 だって…悠は死んだ……。

 

「多分? …奏のお見舞いついでに確認…あ、まふ…」

 

 スマホを落とす。

 ううん……決まっている。

 

 悠……悠…悠。

 

 行かない、と。

 行かないと……。

 

 檻から飛び出す。

 力の限り駆ける

 

「まふゆちゃん…やっと一緒に…」

 

「……」

 

「まふゆちゃん…? …まふゆちゃん!?」

 

「まふゆこんな夜遅くにどこに行くつも…まふゆ!」

 

 ……約束、守って貰わないと…。

 ね、悠……。

 

 一緒に━━

 

 △

 ▽

 

 腰を落とす。

 

 暗がりに雨。

 寄る辺なき真夜中。

 

 カーテン越しの一閃。

 激しい叫び。

 

 みのりちゃんは帰らせた。

 長居させる訳にはいかない。

 

 風邪を引いたら困っちゃうし。

 明日も学校なんだ。

 

 …泊まると言われた時は頭を抱えた。

 流石に不味い。

 

 何にしても…倫理的にも。

 

 みんなが心配する。

 ……みのりちゃんの変化に気づく。

 

 あの様子だと直ぐに気づかれる。

 目に見えて分かる。

 

 落ち着きがなくて夢に真っ直ぐな少女。

 隠し事も苦手なのに……俺なんかのために。

 

 なんとかしなきゃね。

 

「……?」

 

 扉が叩かれる。

 もう看護師さんは来ないはず。

 

 事故の件は学校に連絡済み。

 ……面会の時間も終わっている。

 

 …絵名と瑞希も流石に帰っている…はず。

 奏の病室は確認した。

 

 少しでもいい。

 あとで様子を見に……あっ…。

 

 ……そっか。

 あはは……あははは…。

 

 逃げられないんだよね。

 ……突き進むしかない。

 

 例えどんな壁が立ちはだかろうとも。

 足を止めることは許されない。

 

「……悠」

 

 許され……ない。

 許してほしい、です。

 

 びしょ濡れのまふゆ。

 …据わった目が心臓を締め付ける…。

 

 ……びしょ濡れ…? 

 

「……風邪、引くよ」

 

 なんで濡れて……。

 傘もささずに…。

 

 誰も止めなかったのかな。

 ……止められなかった、の間違い。

 

「……悠…でしょ」

 

 雨で張りついた髪。

 濡れて透けた服。

 

 足元には水たまり。

 滴り落ちる滴。

 

 微かな震え。

 

「風邪…引くよ」

 

「…………」

 

 立ち上がる。

 タオルを持ち駆け寄る。

 

 まふゆにタオルを落とした。

 

「先に着替え…」

 

 病衣しかないけど。

 風邪をひくよりは……

 

 視界が揺れ動く。

 火花が散る。

 

 ブラックアウト。

 

「い"っ…!」

 

 後ろに衝撃を。

 前には重圧を。

 

 痛みが目覚める。

 

 服を濡らし過敏に感じる。

 ……冷たさ。

 

「……嘘つき」

 

「っ」

 

 嘘つき……その通りだよ。

 大嘘つきで薄情者だ。

 

 両手が動かない……。

 動くことを諦めている。

 

 抵抗する気力すらない。

 痛くて満足動かせないのが本音。

 

 ……にしたい。

 

「……」

 

 泥のように重い。

 雨と汗が混じり合う。

 

 ジリジリと顔が迫…。

 ……え? 

 

「まふ…っ!」

 

 言葉は絶たれる。

 息が消える。

 

 視界は黒に覆われる。

 

 器官が絞まる。

 万力のようにキリキリ、と。

 

「……嘘つき」

 

「っ…か…」

 

 ダメだ…ダメだ…。

 腕を伸ばす。

 

 まふゆの肩を…。

 

「…安心して」

 

「く…き…」

 

「私もいくから」

 

 鎖のように強固。

 腕は曲がり力が抜ける。

 

 落ちる、腕…。

 

 ああ……どうしようもない。

 

 密室。

 止めるものはいない。

 

 そう、誰も……。

 

 俺も……止められな…。

 

 誰も? 

 外から聞こえる声。

 

「この部屋ですか?」

 

「はい。雨に濡れた女性が入って……」

 

 看護師さんと…男性……警備員? 

 あの……あのあの……。

 

「患者は?」

 

「昨日から男性の方が入院しています」

 

 え、あ、あっ……不味い不味い不味い! 

 

 この状況。

 …言い逃れができない。

 

 ダメだ。こんな……こと…!

 

「ま…ふ……ゆ…っ…!」

 

「……っ」

 

 緩む。

 なけなしの空気。

 

 渇望する。

 はぁ…かはぁ…。

 

 ベッドの下。

 ……確認される。

 

 クローゼット。

 ……隠れられない。

 

 ドアの死角。

 ……不安定。

 

 考えろ。

 …考えろ。

 

 ………。

 一か八か。

 

 覚悟を決める。

 

「…っぐ」

 

「っ!?」

 

 出せる全て。

 まふゆを押し退ける。

 

 ……深呼吸。

 時間は、ない。

 

 窓へ駆ける。

 …開ける。

 

 向かい風。

 顔を濡らしていく。

 

 雨が入り込む。

 即席の水たまり。

 

 あとは……。

 

「……悠」

 

「あとでね」

 

 腕を掴む。

 ……ベッド。

 

 共に入る。

 布団を被る。

 

 ……灯りを閉ざす。

 

 密着。

 温かくも冷たい。

 

 気持ち悪い。

 

「入りますよ」

 

 扉が開けられる。

 ……狸寝入り。

 

 心臓の鼓動。

 頭の中を駆けていく。

 

「叶音さん?…眠っている。水?…!…窓が開いて…」

 

 このまま……。

 

「……悠」

 

 腕の中のまふゆ。

 可能な限り抱き締める。

 

「静かに…バレ…っ」

 

「んっ」

 

 いっ…!?

 

 首筋を這いずる。

 肉に食い込む。

 

「叶音さん?」

 

「…………」

 

 足音が近づく。

 しまっ…!

 

 止まる。

 窓の閉まる音。

 

 足音は遠ざかる。

 扉が開き…外へと消えた。

 

 ………………。

 誰も…いない。

 

 ………………。

 よ、良かった…。

 

 音は止まない。

 

「…………」

 

 一難去ってまた一難。

 …真夜中。

 

 まふゆの両親も心配している。

 色々確執はあった。

 

 まふゆのことを愛している。

 ……その思いは本物。

 

 その愛がなんであれ。

 倒錯的であろうとも。

 

 ……はぁ…。

 

「まふゆ」

 

 閉鎖的空間。

 鼓動と息遣い。

 

「……まふゆ?」

 

 布団を退かす。

 薄暗い部屋。

 

 闇に慣れた瞳が映す。

 

「……寝てる?」

 

 目元の水。

 口元の紅。

 

「…?…ッ」

 

 首筋に触れる。

 ぬるりと…したナニカ。

 

 ……血…。

 う、うん。

 

 ……起こすのはやめよう。

 まふゆのスマホを借りて……。

 

「無理だね」

 

 せめて場所を移そう。

 奏の病室。

 

 様子を見るついで、に。

 

「……っとと」

 

 腕を骨折してるのになぁ。

 意外にも痛みはない。

 

 アドレナリン…。

 ははは…連絡した方がいいよね。

 

 スマホ…は、あれ?

 後で探そうか。

 

 △

 ▽

 

 ……ここは。

 

「あ、おはようまふ」

 

 瑞希?どうして……!悠は…!

 

「うわっ!急に飛び起きないでよ」

 

「…………」

 

 違ここは…奏の病室。

 夢…違う確かに……。

 

 覚えている。

 

 目に焼き付いた光景。

 

 手に残る握った感触。

 体に染み付いた匂い。

 

 舌に残る食感。

 …あの味。

 

 ……ふふっ。

 

「ま、まふゆ…?」

 

「なんでもない」

 

「全く心配したんだよ!急にまふゆのお母さんから連絡きてさー!……別人ってぐらいに丸くなったよね。ホントに…」

 

「うん。……帰らないと」

 

 ……まだ時間はあるから。

 

「あ、絵名が売店で買い物して……」

 

 …ね、悠。

 

「行っちゃった。…行ってよかった。……腰が抜けるかと思った」




アンケはどーしよか。
DNAは一致かな。なんとかなるはず。
これを書くためだけに添削しまくりました。
それでもこの始末。

今月はもう上げるか分からないです。
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