妖精の尻尾の双竜   作:uru1629

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あけましておめでとうございます(1ヶ月遅れ)
………
……

はい、ごめんなさいm(_ _)m
年末年始にユニバへ遊びに行ったのとホグワーツレガシー発売も相まってハリポタ小説に浮気してました( ̄▽ ̄;)
同時並行なんて始めたらいよいよ完結の目処が立たないのでコレが完結してからにします(何時になるんや……)

今回の話を読む至って先に一つ。
作者はラクサスは割かし好きなキャラですハイ。

決して彼を貶めようなんて考えていません


2階

 

「やっぱりシャバの空気はうめえ!! 最高にうめえっ!!」

 

 

翌日、なんだかんだあったものの三人は無事釈放され、ギルドに戻ってきていた。

そしてその三人のうちの一人であるナツはナツ専用のファイアグルメの一つであるファイアドリンクの入ったジョッキを片手に炎を吐きまくりながら「フリーダァァァム!!」と叫び自由を満喫している。

牢屋に入って一日も経っていない癖に。

そのやかましさに周囲は顔を顰め「もうちょっと牢屋に入っておけばいいのに」と内心呟くのだった。

 

一方そのパートナーであるレアはというと。

 

 

「やっぱり広い空間って最高なの…」

 

 

テーブルに頭を突っ伏して幸せそうな表情を浮かべていた。

どうやらレアにとって、あの牢屋の狭い空間というのはどうも落ち着かないらしく、ずっとソワソワしていたのだという。

こちらはこちらで自由を満喫していたのだった。

 

 

「結局形式だけの逮捕だったなんてね…。心配して損しちゃった」

 

「そうか!(カエル)の使いだけにすぐ帰る(カエル)!!」

 

「さ…さすが氷の魔導士……ハンパなく寒ィ…」

 

「……グレイ、溺れるのと流されるのどっちがいいの?」

 

「そんなに気に障ったか!!?」

 

 

ルーシィもレアと同様に頭をテーブルに突っ伏す。

だがその表情はレアとは対照的にゲンナリした様子であった。

先日のエルザ逮捕の一件の詳細は既に彼らにも説明済みであり、結果としては評議院に振り回されただけというスッキリしない終わり方がルーシィにとっては不満なのだろう。

その隣で手をポンと叩いて呟いたグレイの言葉に、エルフマンは白目を向いて鳥肌立たせ、レアはグレイに睨みきかせている。

レアのガチトーンの脅しに、今度はグレイがブルリと体を震わせる。

そんな茶番を繰り広げる中、エルフマンが今だに走り回っているナツへ声をかける。

 

 

「で、エルザとの漢の勝負はどうなったんだよナツ」

 

「漢!?」

 

「そうだ忘れてたっ!! エルザー!!この前の続きだーっ!!」

 

 

エルフマンに言われて思い出したナツは荒々しくジョッキをテーブルに置いてはエルザの方へ向き直る。

しかしそのエルザはというと「疲れてる」とナツの言葉を一蹴して食事をしているテーブルから動こうとしない。

だがそんなもの意に返さないナツは拳に炎を纏ってはエルザに突撃する。

 

 

 

「行くぞーーっ!!!」

 

「やれやれ」

 

 

そう零したエルザは小さくため息を吐く。

そしてその重い腰を上げて再び決闘が再開する。

かと思えば…。

 

ドゴォン!!!

 

「「「!!!?」」」

 

「仕方ない……始めようか」

 

「終ー了ー!!!」

 

 

エルザの換装によって取り出されたハンマーが向かってきたナツの顎にクリーンヒット。

大きく吹き飛ばされたナツは周囲のテーブルを巻き込み、最終的に壁に激突してノックアウトした。

呆気ない。

あまりにも呆気ない一連の流れに、ギルドは一斉にナツの醜態を笑う。

そんな中、ギルドの笑いに釣られるように笑みを浮かべていたミラが、隣にいるマスターマカロフの目がとろーんとしていることに気づく。

 

 

「どうしました、マスター?」

 

「…いや……眠い…。…奴じゃ」

 

 

ミラはその言葉に言葉を続けることが出来なかった。

なぜならミラは、力無くその場に倒れてしまったからだ。

そしてそれはミラだけではなかった。

 

 

「!」

「これは!」

「くっ」

「眠っ」

 

 

次から次へと、ギルドメンバーはその場に倒れていく。

しかし危険は無いようだった。

根拠は、倒れた者たちは多少の差異はあれど、全員共通して小さく寝息を立てていたのだから。

マカロフ以外の全員が寝静まった頃、人影が現れる。

 

 

「ミストガン……」

 

 

全身を黒いローブで包み込み、背中には大量の杖を背負っており、外見では男か女かも分からない。

ミストガンはまっすぐ依頼板(リクエストボード)に向かう。

一通り目を通すと、ミストガンは一番依頼料の高いクエストの紙を手に取ってマカロフの前に置く。

 

 

「行ってくる」

 

「これっ! 眠りの魔法を解かんかっ!!」

 

 

ミストガンから低い男の声が飛び出し、さっさとその場を後にしようとする。

マカロフが身を翻したミストガンにそう言うも返事は無い。

そのまま彼はまっすぐギルドの出口へと向かっていく。

 

 

伍……四……参……弐……壱……

 

 

瞬間、ギルドで眠っていた面々は一斉に目を覚ました。

しかし、さっきまでそこにいたミストガンは既に外の霧の中へと消えていた。

そんな中、ナツとレアは未だに眠りから覚めず目を閉じたまま寝息を立てていた。

 

 

「この感じは…ミストガンか…!?」

「あんにゃろォ…!!」

「相変わらず強力な眠りの魔法だね…」

 

「ミストガン…?」

 

 

覚醒すると同時に心当たりのあるギルドメンバーは口々にその名前を発するが、事情の知らないルーシィは眠そうな目を擦りながら聞き返す。

それに対してエルフマンが答えた。

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強の男候補の一人だよ」

 

「どういう訳か誰にも姿を見られたくないらしくて、仕事をとる時はいつもこうやって全員を眠らせちまうのさ」

 

「何それ! 怪しすぎ!!」

 

「だからマスター以外、誰もミストガンの顔を知らねえんだ」

 

 

エルフマンの言葉を継ぐようにグレイが説明をすると、ルーシィは露骨に目を見開いてミストガンという謎の男を怪しむ。

 

 

「いんや…オレは知ってっぞ」

 

 

グレイの締めの言葉に、突然そんな言葉が飛び込んでくる。

ミストガンの顔はマスター以外は謎というギルド内の常識をぶち壊したその男は二階に居るらしく、メンバーは揃って上を見上げた。

 

 

「ラクサス!!」

「いたのか!」

「珍しいな…!」

 

「もう一人の最強候補だ」

 

 

疑問に感じるよりも早く、グレイがそう口を挟む。

そして『ラクサス』の名前を聞き取ったナツも、ようやく目を覚ました。

 

 

「ミストガンはシャイなんだ。あんまり詮索してやるな」

 

 

逆立った金髪に側面から棘の生えたヘッドホンを付け、右目には稲妻のような傷跡。

黄土色のジャケットを着、上から黒のファーコートを羽織っている。

そしてその顔面には、これでもかという程の傲慢な笑みが張り付けられており、わかりやすく見下している。

 

 

「ラクサスー!! オレと勝負しろー!!」

 

「さっきエルザにやられたばっかじゃねえか」

 

 

先程目覚めたナツは数分前のことも忘れているのか、ラクサスにそう声を上げる。

呆れた様子のギルドメンバー全員を代表してグレイがそう呟くもナツには届かない。

 

 

「そうそう、エルザごときに勝てねえようじゃ、オレには勝てねえよ」

 

「どういう意味だ…!」

 

「お、おい…落ち着けよエルザ…」

 

 

ラクサスは嘲笑うかのようにそう返答し、場が凍りつく。

あからさまに下に見られる発言に不機嫌になりながらエルザはラクサスを睨み上げるも、ラクサスは揺らぐ様子が無い。

力を誇示するように両腕を広げた。

 

 

「オレが最強ってことさ!」

 

「降りてこいコノヤロウ!!」

 

「おまえが上がってこい」

 

「上等だ!!」

 

 

挑発を吹っ掛けるナツだが、逆にラクサスが挑発し返す。

それにいとも容易く乗ったナツはカウンター奥にある2階に通じる階段へと走り出す。

カウンターを乗り越え、階段を目の前にしたその時…。

 

 

「ぬえいっ!!」

 

「ぎゃっ!?」

 

 

マカロフがその小さな腕を伸ばした。

それと同時に伸ばされた腕はどんどん巨大化し、ナツまで到達すると何時ぞやの時と同様ナツを叩き潰した。

突っ伏された本人は潰された蛙のような声をあげながらもなんとか抜け出そうとじたばたしている。

 

 

「2階に上がってはならん。まだな」

 

「ハハッ。怒られてやんの」

 

「ラクサスもよさんか」

 

 

静かに言い放つマカロフにラクサスがバカにするように笑う。

それに対してマカロフも小言を入れるが言われた本人は聞こえてないのかのように身を翻す。

しかし姿が見えなくなる前に、ラクサスはもう一度下の者たちに睨みつけ、口角を上げた。

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強の座は誰にも渡さねえよ。エルザにもミストガンにもグランにも…あのオヤジにもな。オレが最強だ!!!」

 

「それは無いの」

 

 

高らかに宣言したラクサスだったが、たった一人、口を挟む者がいた。

さっきまでナツと同様ミストガンの眠りの魔法から目覚めていなかったレアであった。

 

 

「……何が言いてぇ」

 

 

そう小さく零したラクサスは既に、その表情から笑みが消えていた。

まだ眠いのか、レアは目を擦りながらも二階にいるラクサスを見上げる。

 

 

「だって、ラクサスの魔法じゃグランに通る技は少ないし、ギルダーツの前じゃそもそも通じるかどうか怪しいの」

 

 

淡々と言葉を連ねるレアに対し、ラクサスは額に青筋を立てている。

一部を除いた他のギルドメンバーはラクサスの怒りがいつ爆発するかをビクビクしながらも、誰も止められずただただ成り行きを見る。

 

 

「 "最強" って、 "最も強い" って書いて "最強" なの。ギルド内最強なら、ギルドメンバーに苦戦してちゃダメなの。それじゃ、ただ背伸びしてる男の子な…」

 

 

ドゴォン!!!

 

 

刹那、雷が落ちた。

比喩でも何でもなく、ラクサスの元に雷が落ちており、彼の周囲は黄色い稲妻がバチバチと迸っている。

 

 

「黙って聞いてりゃ随分な物言いじゃねえか?レア…」

 

「? 事実を言っただけなの」

 

 

しかしレアは相も変わらず無表情であり、一体何に対してラクサスが怒ったのかピンと来ておらずキョトンと首を傾げている。

そんなレアの様子に、ラクサスはどういう訳か溢れる魔力を収め、踵を返した。

 

 

「興が醒めた。だが、これだけは明言しておく。このオレが!妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強だってな!!!」

 

 

言うだけ言ったラクサスは、そのまま2階の奥へと姿を消して行ったのだった。

 

 

〜〜〜

 

 

「ミストガンもラクサスも、聞いた事ある名前だったなぁ」

 

 

その夜、ルーシィは帰路についていた。

川沿いを歩きながら、ルーシィは今日垣間見た妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強候補の者たちを思い出し、自分の所属しているギルドは凄いギルドなのだと改めて感心した。

さらにラクサスのあのちょっとした騒動の後の事。

ルーシィはミラから2階にあるS級冒険(クエスト)の存在を教えてもらった。

一瞬の判断ミスが死に直結する危険な仕事の存在に冷や汗をかいたのは記憶に新しい。

妖精の尻尾(フェアリーテイル)でも、S級の仕事を受けられる資格を持った魔導士はマカロフに認められた6人のみであり、命がいくつあっても足りないから目指すものじゃないと釘をさされた。

 

 

「明日から仕事がんばろー!!」

 

 

ルーシィにとっても命あっての物種と考えている為、S級の仕事については興味が無い。

というより考えたくもないため、自分のできる範囲で仕事を頑張ろうとそう声を上げる。

その仕事のためにも今晩はゆっくり休もうと自分の家の扉を開けると…。

 

 

「おかえり」

 

「おかー」

 

「きゃあああぁぁぁ!!汗くさーい!!!」

 

ドスッ!

 

「ふんごっ!?」

 

 

何故かルーシィの家の玄関で腹筋トレーニングをしている上半身半裸のナツと人間の片手用ダンベルを両手で持ち、上下にリフトしているハッピーが汗を撒き散らしながら歓迎したのだ。

もちろんそんな歓迎は真っ平御免なルーシィは悲鳴を上げながら腹筋で寝転がっているナツの腹にドロップキックをお見舞いした。

 

 

「筋トレなんか自分家でやりなさいよ!!」

 

「何言ってんだ、オレたちはチームだろ! ホラ、おまえの分」

 

「ルーシィピンク好きでしょ」

 

「それ以前に鉄アレイに興味ないですからっ!!!」

 

 

ご最もなことを叫んで出口を指差すルーシィだが、笑って流すナツ。

その流れでピンク色の鉄アレイを取り出した。

しかし筋トレとは無縁のルーシィは目を剥き出しながらキレのいいツッコミを返す。

筋トレに参加しないことを理解したナツは鉄アレイを懐にしまい、今度はハッピーと揃って腕立て伏せの体勢に入った。

 

 

「エルザやラクサスを倒すには、もっと力をつけねえとな!」

 

「あいさー!」

 

「あたし関係ないし…帰ってよ!」

 

「今日は修行でオールだ!!」

 

「誰か助けてぇぇっ!!!」

 

 

そのまま腕立て伏せを始めるナツとハッピーに変わらず説得を繰り返すも結局無視。

終いには泣き出しながら来ることも叶うことの無い助けを呼ぶ始末。

しかし、ナツはピタリとその動きを止めた。

 

 

「オレ、決めたんだ」

 

 

突然改まってそんな事を言うナツに、ルーシィは疑問符を浮かべる。

顔を上げたナツはいつものように不敵な笑みを浮かべていた。

 

 

「S級クエスト行くぞ!!ルーシィ!!!」

 

「S・級!!!」

 

「どーしたのよそれえええぇぇぇッ!!!!」

 

 

ナツの宣言と共にハッピーが大々的に見せたS級のハンコが押されたチラシを見て、ルーシィは今日一番の大声を上げながら冷や汗をダラダラとかいた。





既存キャラのオリジナルのセリフ考えるのってやっぱり難しいデスね……
一歩間違えると彼がジャイアンみたいなガキ大将になりかねない

ちなみに作者は寒すぎる親父ギャグは短気なので嫌いな人です
妹が親父ギャグが好きなのですが口走るたびにに(#^ω^)ピキピキってなってます
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