妖精の尻尾の双竜   作:uru1629

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クマさん武器楽しかった(≧∇≦)
クマスロのロマン性は素晴らしい(*’ー’)


呪いの島

 

「ちょっとどういう事!? 2階には上がっちゃいけないハズでしょ!!?」

 

「勝手に取ってきたんだ、オイラが」

 

「ドロボー猫ー!!!」

 

 

未だほとぼりが冷めないままルーシィがそう尋ねると、ハッピーは何でもないようにそう答え口をあんぐりさせた。

 

 

「とりあえず初めてだからな。2階で一番安い仕事にしたんだ。それでも700万Jだぞ!」

 

「ダメよ!あたしたちにはS級に行く資格はないのよ!!」

 

 

脱いでいた上の服を着て、マフラーを巻くナツは無邪気な笑みを浮かべた。

 

 

「これが成功したら、じっちゃんも認めてくれるだろ!」

 

「本当にもう、いつもいつもメチャクチャなんだからなぁ…。自分のギルドのルールくらい守りなさいよね」

 

 

しかしそんなナツに対してルーシィはドカッと椅子に座っては頬杖をつく。

正論を返すルーシィに、ナツは眉を顰める。

 

 

「そしたら、いつまで経っても2階に行けねえんだよ」

 

 

しかしルーシィは依然として行かないと突っぱねる。

行くなら二人でどうぞと口にしようとした時、ルーシィは彼女らの存在を思い出した。

 

 

「そういえばアンタたち、レアとフリーシャはどうしたのよ」

 

 

ルーシィがナツたちにそう聞いたその時。

突然ルーシィの背後でカーテンの開く音が耳に入った。

何事かと音の方向へ視線を向けると…。

 

 

「ナツー、ハッピー、汗流してきたかしらー」

 

「あ、ルーシィ。おかえりなの」

 

「きゃあああぁぁぁ!! 人の私物で何一風呂浴びてるのよ!!!」

 

「ふぎゅ!?」

 

「ぴぎゃっ!?」

 

 

いつも通りの赤いワンピースを着ているフリーシャと、なんとタオル一枚しか巻いていないレアが脱衣所から現れたのだ。

悲鳴をあげたルーシィだが、すぐに私物を勝手に使われたことに憤慨し、レアに向かってドロップキックをお見舞いした。

キックはレアの腹に見事命中し、くの字になりながらフリーシャを巻き込み、壁に叩きつけられた。

何気にルーシィが初めてレアとフリーシャに攻撃を命中させた瞬間である。

 

 

「だ、だって…ナツとトレーニングしてたら汗かいたから、シャワーしなきゃルーシィの家に臭いがついちゃうと思ったの…」

 

「まずあたしん家でトレーニングしないでよ!!」

 

 

ご最もである。

勝手に私物を使われてご立腹のルーシィは歯を剥き出しにしてグルルルと犬のような唸り声を上げている。

しかし相変わらず天然なレアはルーシィの唸り声など何処吹く風。

そのまま暖炉前にあった自分の服を手に取り()()()()()()()()()()()()

大事なことなのでもう一度。

ナツやハッピーといった男性陣がいる中、()()()()()()()()()()()()のだ。

 

 

「ってちょっとレア!! ナツが目の前にいるでしょ!!」

 

「? 何でルーシィは怒ってるの? 別にナツは今関係ないの」

 

「お願いだから羞恥心を覚えてッ!!!」

 

 

結局、ルーシィは無理やりレアを脱衣所へと押し込んだのだった。

因みに、ナツはレアがタオル一枚で現れた時からずっと顔を赤くしながら明後日の方向を向いていた。

意外とうぶなようだ。

後からルーシィが聞いた余談だが、筋トレ中のレアは何時ぞやのホットブラ&ホットパンツスタイルであり、それらも汗を吸収する素材の為そのまま使えるのだとか。

ホットブラ&ホットパンツスタイルは平気なのにそれ以上の露出は耐性が無いナツが少し不思議に思うルーシィだった。

 

 

〜〜〜

 

 

レアが服を着て、改めてハッピーはルーシィにS級のチラシを見せた。

 

 

「 "島を救ってほしい" って仕事だよ」

 

「ルーシィも行ってみないかしら?」

 

 

猫二匹の言葉にルーシィはオウム返しに「島?」と一言。

彼女の頭に思い浮かんだのは、青い海に白い砂浜といった綺麗な島だったが、それはナツとハッピーによって否定される。

 

 

「「呪いの島 ガルナ島」」

 

「呪…!! 絶対行かないっ!!」

 

 

目を点のようにさせたナツとハッピーは不気味な笑みを浮かべながら、低い唸り声をあげるような声で囁いた。

空耳かルーシィにはひゅうどろどろとありもしない不気味な音が聞こえたような気がした。

ハッピーが魚を半分分けると言ってもルーシィには効果が無い。

 

 

「ちぇーっ! じゃあ帰ろ」

 

「ん、拍子抜けなの」

 

「少しは頭冷やしなさいよねっ! てゆーかドアから出てって!!」

 

 

そうしてあからさまにムスッとした表情をしたナツら四人は窓から見える景色から姿を消した。

毎回この方法で侵入されているのであらば、ルーシィの防犯セキュリティにも問題あるんじゃないだろうか…。

ようやく追い出せたとため息をついたルーシィだったが、床に落ちていたあるチラシが目に入った。

 

 

「あれーっ!?紙おきっぱなし!!?」

 

 

ハッピーが盗んだというS級クエストのチラシがルーシィの家に置き去りにされていたのだ。

ルーシィは自分が盗んだように見えるのではと頭を抱えた。

しかし、彼女の視線はチラシの端にある報酬の所へ吸い込まれた。

 

 

「ウッソォ!? 黄道十二門の鍵がもらえるの!!?」

 

 

 

報酬欄に書かれていたのは700万Jに加え、金の鍵がついてくるというものだった。

魔導士の報酬として与えられる金の鍵となると、それは星霊魔導士の扱う黄道十二門の鍵に絞られるだろう。

そして、星霊魔導士であるルーシィからすれば、それは喉から手が出るほどの得物である。

ルーシィがナツたちを呼び戻すまで残り3秒。

 

 

〜〜〜

 

 

「うわーなつかしいっ!」

 

 

 

翌日。

結局金の鍵という報酬に釣られ、ルーシィたちはガルナ島に一番近い港町、ハルジオンに来ていた。

 

 

「ここってあたしとナツたちが出会った町よねー」

 

「なつかしい…って、そんな昔の事でもねえだろ」

 

「ルーシィばーちゃんみたい…プッ」

 

 

ルーシィが言った通り、ここはルーシィとナツたちが初会合を果たした町である。

しかしなつかしいと言うにはそれほど日は経っていないので、ナツにはマジレスされ、ハッピーには笑われる始末。

ムカついたルーシィはハッピーを一度睨んだ。

 

 

「いい? まずはガルナ島へ行く船を探すの」

 

「船だと!?」

 

「無理無理! ここからは泳いでいくの!!」

 

 

一度睨みきかせたルーシィはすぐに気持ちを切り替えてそう提案するも、酔いのせいで船に乗りたくないナツとレアは全力でルーシィを止めようとする。

しかし「そっちの方が無理」とルーシィに願いは届かず、ガルナ島へ行く船を探す事となった。

 

 

「ガルナ島? 冗談じゃねえ、近寄りたくもねーよ」

「勘弁してくれ、名前も聞きたくねえ」

「この辺の船乗りは、あの島の話はしねえ」

「呪いだ何だって縁起が悪ィったらありゃしねえ」

「何しに行くか知らねえが、あそこに行きたがる船乗りはいねえよ」

 

 

しかし、結果は散々だった。

尋ねる船乗りにガルナ島の名前を出すだけでこの有様だ。

話では海賊ですらガルナ島周辺の海域は避けて通るのだ。

 

 

「決定だな、泳いで行くぞ」

 

「泳ぐ? それこそ自殺行為だ。巨大ザメが怖くねえなら別だがな」

 

「ん! 近づいてきたら流し去ってやるの!」

 

「そうしたら私たちまで流されちゃうでしょうが!!」

 

 

ナツが嬉しそうにそう言うも、最後に尋ねた船乗りがそう忠告をした。

だがそんな忠告では止まる様子は無く、レアが力強く言い放った。

本気でやりかねないレアを、ルーシィは腕を掴んで止めたが…。

泳ぐことがほぼ決定となっている双竜の二人を置いてどうしようかと悩んでいるその時。

 

 

「みーつけた」

 

「グレイ!!?」

 

「何でここに!!?」

 

 

なんとここにいるはずの無いグレイが、彼らの背後から話しかけていた。

その答え合わせはすぐに行われた。

 

 

「連れ戻してこいっていうじーさんの命令だよ」

 

「どわーっ! もうバレたのかぁっ!?」

 

 

というのも今朝、ギルド内ではS級の依頼書が一枚消えたと大騒ぎになっていたのだ。

二人組の羽の生えた猫がちぎっていったというラクサスの証言から、犯人は双竜とルーシィだとすぐにバレ、最初はラクサス以外適任はいないと、マカロフから連れ戻すよう言われていた。

しかしラクサスはこれから仕事だと、マカロフの依頼を却下。

そこで手を上げたのがグレイなのだ。

双竜の二人組だとグレイ一人では役不足感も否めないが、ラクサスが行かないのであらば双竜と勝負になる魔導士も、その時点では居なかったのも事実。

 

 

「今ならまだ破門も免れるかもしれねえ。戻るぞ」

 

「破門!!?」

 

「やなこった!! オレたちはs級クエストやるんだ!!」

 

「オメーらの実力じゃ無理な仕事だからs級って言うんだよ!!」

 

 

グレイの脅しの言葉に反応したルーシィだったが、ナツとレアは止まる様子が無かった。

だがグレイも二人の情熱を認めてこのまま「はいそうですか」と送り出す人間でもない。

グレイは次の脅しに入る。

 

 

「この事がエルザに知られたらオメェ……」

 

「グレイ〜助けて〜〜」

 

「リーシャたち、三人に無理矢理連れてこられたのよ…」

 

「裏切り者共ォ!!!」

 

 

釣れたのは猫二匹。あまりにも早すぎる手のひら返しにルーシィはグレイの背後へと隠れたハッピーとフリーシャに怒鳴りつけた。

だが、やはりナツとレアは下がる様子が無い。

 

 

「オレはエルザを見返してやるんだ!! こんな所で引き下がれねえ!!!」

 

「レアたちの実力なら、レアたちが一番よく分かってるの!! 引き際も絶対に見誤らないの!!!」

 

「マスター直命だ!! 引きずってでも連れ戻してやらァッ!!!」

 

 

ナツとグレイに加えてレアも睨み合いに参加しており、一触即発の空気が流れる。

と思いきや、それはすぐに訪れる。

 

 

「ケガしても文句言うなよ!!」

 

「やんのかコラァ!!!」

 

「レアたちは行くの!」

 

「魔法? あんたら……魔導士だったのか…?」

 

 

手にそれぞれの属性の魔法を宿らせた三人に声をかけて喧嘩を止めたのは、意外にもルーシィたちが最後に声をかけた船乗りの男だった。

 

 

「ま…まさか、島の呪いを解く為に…」

 

「オウ!!」

「その通りなの」

「い…一応……ジシンナクナッテキタケド」

 

「行かせねーよ!!!」

 

 

何故か小刻みに体を震わせている船乗りの男はそう問いかける。

二人は力強く返し、ルーシィも自信なさげに返すと、グレイは目をクワッと吊り上げながら口を挟む。

だが、グレイの否定の言葉は、船乗りの男には届かなかったようだ。

 

 

「乗りなさい」

 

「マジで!!」

「ん!」

「おおっ!!」

「何!?」

 

 

男の思わぬ言葉に、四人はそれぞれ声を上げた。

その瞬間、ナツとレアはキュピーンと目を光らせ……。

 

 

「おりゃ!」

 

「ふん!」

 

「ふんごぉっ!!?」

 

 

ナツがグレイの顔面を踏みつけるように蹴り、レアはグレイの腹に掌底打ちを叩き込んだ。

結果、グレイの意識は簡単に吹き飛んだ。

力なく横たわるグレイを、ナツが肩に担ぎあげ船に乗ろうとする。

 

 

「ちょっと、グレイも連れてくの!?」

 

 

突然のナツとレアの奇行に、ルーシィは声を上げるも、次のナツの言葉に首を縦に頷かざるを得なくなる。

 

 

 

「コイツがギルドに戻ったら、次はエルザが来るぞ!!」

 

「ひいいっ!!」

 

 

そのまま一行は気絶したグレイと共に、S級の島へ船で向かうのだった。

 

 

〜〜〜

 

 

「…おぷ」

「うぇ〜…」

 

 

時刻はすっかり夜。

上弦の月がすっかり天高く昇ってる頃のこと。

船でガルナ島を目指すナツとレアは、すっかり船酔いでグロッキーとなっていた。

 

 

「今更なんだけど……ちょっと怖くなってきた」

 

「てめ…人を巻き込んどいて何言ってやがる…!」

 

 

膝を抱えて小刻みに震えているルーシィは、ダクトテープでぐるぐる巻きにされて拘束されたグレイにそう呟いた。

彼の魔法を発動する際、手のひらに拳を叩くという工程が必要になる。

そのため両腕を拘束さえすれば彼を封じ込めるのだ。

グギギギとルーシィを恨みから睨みつけ、その流れで船乗りの男に視線を移した。

 

 

「つーかオッサン! 何で急に船を出したんだ」

 

「……オレの名はボボ」

 

 

グレイの言葉に答えなのか否なのか、船乗りの男……ボボは少しの間を置いてから口を開いた。

 

 

「かつては、あの島の人間だった…」

 

「え?」

 

「逃げ出したんだ……あの忌まわしき呪いの島を」

 

「ねぇ…その呪いって?」

 

 

ガルナ島の出身という驚くべき情報にルーシィが小さく反応した。

しかしボボはそのまま話を続け、ハッピーが核心をつく発言に再び口をつぐむ。

押し黙るボボを、ルーシィは訝しげに見つめる。

 

 

「…禍は君たちの身にも降りかかる。あの島へ行くとはそういう事だ。

本当に君たちに、この呪いが解けるのかね?」

 

 

重々しげな雰囲気のまま口を開いたボボ。

すると、島が近くなってきたからか、海風が吹き荒れ、彼が纏っていたローブがバサッと舞い上がり、今までずっと隠れていた彼の左腕が顕になった。

 

 

「悪魔の呪いを」

 

 

肩から紫の異形の形の腕が伸び、肘から先はさらに黒ずみ、爪も鋭く伸びている。

まさに悪魔の腕であった。

その腕を見せられて、グレイ、ルーシィ、ハッピー、フリーシャはあんぐり開けた口が塞がらなかった。

 

 

〜〜〜

 

 

ガルナ島……。

月明かりが妖しく照らす……呪いの島。

 

今夜も島の頂上が…紫色に光る……。





キリが悪いかもしれませんが今回はここまで
ゴメンネ(。>_<。)
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