生活習慣ガラッと変わりましたuru1629です
これからさらに不定期になりそう……いや、今まで定期更新出来てた訳では無いですけど(´;ω;`)
「もうコソコソするのはゴメンだ!!!」
零帝が村の抹消命令を出してどうしようかとアタフタする中、ナツが瓦礫の上に立って叫んだ。
ナツは上を向いたまま頬をぷくーと膨らませる。
「邪魔しに来たのは、オレたちだァ!!!」
直後、デカデカと声を上げながらナツは空中にブレスを吹いた。
闇夜の中轟々と燃え盛る炎はこれでもかと言うほど目立ち、その場にいた全員の視線を集めた。
「あの紋章!
「なるほど…村の奴等がギルドに助けを求めたか」
自ら大々的に姿を見せたナツの右肩の紋章を見て、シェリーとユウカが反応した。
迎撃しようと戦闘態勢に入るが、それは他でもない零帝によって遮られる。
「何をしている。とっとと村を消してこい」
「お?」
「…え?」
「何で…?」
瞬間、空気が凍った。
ナツやルーシィだけで無く、ユウカら零帝一派の者たちも思わぬ言葉に目を丸くさせた。
ナツの問いかけに答えてか零帝が再び口を開く。
「邪魔をする者…それを企てた者……全て敵だ」
「何でえっ!!?」
理由を聞いて尚理解不能。
玩具を取り上げられた子どもの癇癪のような自己中心的な理由に、ナツの怒りのボルテージが上がる。
困っているから助けを求めるのは人としての当たり前の権利だ。
それを真っ向から全否定する零帝にナツとレアが駆け出すが、それよりも早くグレイが駆け出した。
「てめえぇぇっ!!! その下らねえ儀式とやらをやめやがれぇぇ!!!!」
鬼の形相を浮かべたグレイが左手に魔力を集中させて右の拳を叩きつける。
直後にそれを地面に叩きつけ、ズギャギャギャ!と鋭い氷柱を連ねさせる。
「氷!?」
グレイの魔法を見て、シェリーが驚愕の表情を見せた。
それもそのハズである。
零帝はグレイの攻撃を躱すのに大きく後ろに飛び、左手に魔力を集中させ、グレイ同様地面に叩きつけた。
するとどうだろう、彼が地面を叩きつけた部分からグレイ同様氷柱が連なり出したのだ。
「こいつも氷!!?」
今度はハッピーが代表して声を上げた。
グレイの蒼い氷柱と零帝の白い氷柱が互いに攻め合い、ちょうど中間点でバキィ!と音を上げながら交わる。
お互いの氷柱はギリギリと押し合い、最終的にパキィンと音を立てて崩れ去った。
「リオン…てめえ自分が何やってるかわかってんのか?」
唐突、グレイが零帝に向かってそう語りかけた。
思わずナツは「え?」と言葉を漏らす。
対して零帝はグレイの言葉に応えるように微笑を浮かべた。
「ふふ……久しいな、グレイ」
答えは是であった。
零帝……リオンとグレイがまさかの知り合いであることに、
だがすぐにそれは切り替えられる事となった。
「早く行け。ここはオレ一人で十分だ」
「はっ!」
「行かせるかっての!!」
「止めるの!」
リオンがそう声掛けをすると、シェリーたちはすぐに答えて山を降りて行った。
このまま行かせては村に被害が及ぶ。
すぐに動き出すナツとレアだったが、それは悪手だった。
「よせ!ナツ!!レア!!動くなっ!!!」
異変に気づいたグレイだったが忠告が遅すぎた。
「うおっ!」
「おおお!?」
駆け出したナツとレアの周りを突然冷気が包み込んだ。
冷気はすぐさま形となっていき、着実に二人を凍りつかせていった。
「ハッピー!フリーシャ!ルーシィを頼む!!」
「あいさー!」
「わかってるかしら!!」
すぐさまグレイは後ろにいた猫に指示を出し、それにすぐに応じるハッピーとフリーシャ。
リオンはただその様子を眺めているだけだったが、ハッピーとフリーシャがルーシィを連れて空へ逃げる中グレイの氷の結晶の弾を数発撃ってくるのに気づく。
それを片手で展開した氷のバリアで防ぎ、何ともなかったかのようにグレイと再び対面した。
「ハッピー!フリーシャ! ナツとレアを見捨てるの!!?」
一方空へ逃れたルーシィは納得いかないと自分を持ち上げているハッピーを見上げながらそう声を上げた。
しかし、それには答えられないと言うかの如く、村へ向かうスピードを上げた。
「あいつは、空間を冷気の魔法で包んでた!!」
「あのままじっとしてたら、次はリーシャたちが氷漬けになってるかしら!!」
ハッピーとフリーシャはそう言ってまっすぐ村の方を向いて飛ぶ。
二人の言ってることは理解できるが、感情が納得しないルーシィは「でも…」と続けようとするも、その言葉は喉の奥へ引っ込む事になる。
「全員やられたら、誰が村を守るんだよぉ!!!」
「今一番優先すべきは村の守護かしら!! わかったら後ろばっか見ないで前を見るのよ!!!」
そこには涙をグッと堪え、しかし目尻には溢れ出た涙が溜まっているハッピーとフリーシャの姿があったのだ。
今までに無い迫真な様子の二人に、ルーシィはすっかり熱が冷めた。
「ごめん……二人を助けたいの、ガマンしてたんだね…。きっと二人なら大丈夫よ!!
「あいっ!!」
「当然かしら!!」
ルーシィはそう発破を掛けて、今度こそ前を見る。
そしてハッピーとフリーシャも、それに応えるようにさらにスピードを上げたのだった。
一方場所は戻って山頂の遺跡。
未だに微笑を浮かべて余裕そうなリオンは、取り逃したルーシィたちに見向きもしない。
「スキを作って女と猫二匹を逃がしたか……。まあいい…奴等ごときじゃ、シェリーたちは止められんだろう」
「
仲間を侮辱されて怒り心頭のナツがリオンを睨みながらそう声を上げた。
しかし次の瞬間、彼の視界はガコッという音と共に斜めにぐらついた。
そのままさらに斜めになっていくも、ナツ自身はそれを正常に戻せない。
それもそのハズ、彼の体は先のリオンの攻撃によって氷漬けの球体になっており、それを追い討ちをかけるかの如くグレイが小突き、山の斜面を転がり出していたのだ。
そしてそれは、レアも同様だった。
彼女の場合はナツよりも重症で、顔や手足も含んだ全てが氷漬けとなっている。
レアは転がるナツにぶつかり、ナツ同様山の斜面を転がり出した。
「どぅおわぁあああぁあっ!!!? 何しやがるグレーーーーーーイ…!!!!」
ナツは転がりながらそんな悲鳴を上げ、やがて姿は見えなくなっていった。
そんな様子を見て、やはりリオンは微笑を浮かべている。
「相変わらずムチャをする。仲間じゃないのか?」
「アレはその気になれば氷ごと中身を破壊できる魔法だろ」
「なるほど。それでオレの魔力の届かない所へやった訳か。やればできるじゃないか」
「いい加減先輩ヅラすんのやめてくんねえかな」
冷やついたピリピリした会話に、儀式を行っていた謎装束の者たちは揃ってオロオロしている。
そんな中、グレイが鋭い視線でリオンを射抜きながら言葉を投げかける。
「リオン。お前はもう、ウルの弟子じゃねえ」
「お前もさ、グレイ」
グレイの言葉に何の狼狽えを見せる事無く、リオンはそう言いながら自身の仮面に手をかける。
カポッと音を立てながら、彼は淡々と言葉を紡ぐ。
「ウルはもう、この世にはいないのだからな」
「デリオラを封印する為に命を落としたんだ!! ウルの残したものを、テメェは壊そうとしてんだぞッ!!!」
一切感情の起伏が読み取れないリオンの様子に、グレイはとうとう激昂し声を荒らげた。
しかし、やはりリオンの様子は変わらない。
仮面を外し、顕になった逆立った銀髪が夜風に揺らされ、鋭い目がグレイを射抜く。
「記憶をすり替えるな…。ウルはお前が殺したんだ、グレイ」
「ッ!!」
「よくおめおめお生きていられたものだな」
返ってきたリオンの言葉に、グレイは思わず口篭ってしまう。
続けてリオンがそう言い、彼は眉を顰め、鋭い目をさらに吊り上げさせた。
〜〜〜
場所が再び変わって山から転げ落ちたナツとレア。
あまりの勢いでナツは頭から地面に埋まっていた。
そしてレアはというと…。
「オエェ……」
酔っていた……。
レアの魔法とはいえ冷気は食べることは出来ない。
しかし、形作られた氷ならば水温変化を用いて氷を溶かし食べる事ができる。
その結果、レアは自身の動きを封じる部分の氷を食べ、氷の球体内で自由に動けるようにはなった。
だが、山を転がる球体に酔いが酷い者を放り込めばどうなるか、それは火を見るより明らかだった。
「ウガアアアァァアアッ!!! グレイ……あのやろォ…おぼえてやがれぇ!!!」
埋まっていたナツはブレスを吹き出しながら飛び上がる事で地面に足を着ける事に成功し、未だに紫色に光る山頂を見上げながらそう悪態ついた。
その傍らで左手に火を宿して自分を凍らせている氷に当てる。
しかし、ジュウウウゥゥと音を立てるも氷は溶ける様子を見せない。
「しっかし、火で溶けねえってのはどうなってんだ?この氷…」
ある程度火を当てても溶けない様子を見て一度諦めたナツは手に宿した火を引っ込め、レアの方に向き直る。
「んな事やってる場合じゃねえ!! レア!早く村に行かねーと!!」
「ナツ、待ってなの」
手をバタバタさせて急ぎをアピールするナツだったが、酔いがある程度収まったレアが静止の声をかける。
「何言ってんだ! 早く行かねーと、村が消えちまうかもしれねえぞ!!」
「ん。だから、ナツは先に行っててほしいの。レアはこの氷を食べ切ってから向かうの」
そう言いながらレアは転がっていた時と同様、水温変化の魔法を用いて氷を溶かし、溶けた水を食べていた。
ならオレのも!とナツは懇願するがレアはすぐさま却下した。
単純な話だが時間が掛かるのだ。
レア曰く、内側の氷は自身の体温などもあってか溶けやすいのだが、外側になっていくに連れて氷の温度が低くなっており、溶かすのに時間が掛かる。
であれば、ナツが先に行った方がまだ効率はいいとの事だった。
「レアの氷が溶けたらすぐに向かうの。だから、フリーシャとハッピー、ルーシィに村のみんなをよろしくなの」
「……任せろ!! なんなら、レアが来る前にオレが全員倒してやるぅ!! ってクソ!!走りづれぇっ!!!」
レアの思いに応えたナツが勢いよくその場から駆け出した。
が、膝下まで凍っていることもあり、フラフラと随分不安定な走りを見せた。
一抹の不安を抱えたレアだったが、自分の今できることをと、氷を溶かす作業に戻ったのだった。
〜〜〜
再び場所は飛び、ハルジオンの沖。
一隻の船がガルナ島に向かっていた。
ただの船では無い。
大型の帆船で、てっぺんの旗には舌を出したドクロがデザインされている。
海賊船だ。
しかし、海賊船の割には活気が無かった。
それもそのハズ、クルーたちは軒並み意識を失っており、甲板で倒れていたのだから。
唯一意識のある船長らしき人物は舵をとっていた。
「あ…あんな島に何しに行くつもりでぇ…!!」
「いいから舵をとれ」
「ひっ!」
舵をとっていた船長は忌々しげに後ろの人物にそう悪態つくも、低い声で命令されて小さく悲鳴を上げた。
命令したのは紅い髪が海風になびく鎧の魔導士、エルザであった。
「勘弁してくれよ…! ガルナ島は呪いの島だ……噂じゃ、人間が悪魔になっちまうって…!!」
「興味が無い」
完全に萎縮しながらも何とかならないかとガルナ島の悪い噂を並べるも全て一蹴されてしまう。
ハルジオンの港でもエルザは、こき使おうと民間人に困る者が居ない海賊にガルナ島まで連れて行くよう言ったが海賊はこれを拒否、襲いかかるも返り討ちにあって今に至る。
その強さを知っている船長は仲間もいない状況では勝ち目が無いとただただ従うしか無かった。
「掟を破った者どもへ仕置きに行く。ただそれだけだ」
そう言ったエルザは目視で見えてきたガルナ島を睨みつけ、拳を固く握りしめた。
〜〜〜
「―という訳でね、これから攻めてくる奴らはみんなをそんな姿にした犯人なのよ。捕まえて元に戻す方法を聞くチャンスだわ」
ハッピーとフリーシャの二人が全力を出したことで、ルーシィたちはシェリーらが村に着くよりも前に到着し、村民にここまであった事、これから起こる事全てを話した。
思いもよらなかった事に村民は顔を見合わせてざわめく。
「捕まえるって言っても、あの三人たぶん魔導士かしら。簡単にはいかないのよ」
そんな中、真剣な面持ちでフリーシャが言う。
それに同意するようにルーシィも顎に手を当てて思考を巡らせる。
「そうね…。こっちの方が人数が多いとはいえ…魔導士はゼロ」
「ルーシィは戦わない設定なんだ」
「ホントこういう所で図太いかしら」
まさかの発言にハッピーはあんぐりとなり、フリーシャは眉間を揉む。
すると、何か思いついたのかルーシィはパンと手を叩いてニヒリと笑みを浮かべた。
「いー作戦思いついちゃった♡」
そう言ったルーシィだったが、猫二匹は揃って悪い予感がすると思ったのはここだけの話である。
私の名前
ちなグレイとリオン一戦目は全カットです。
原作と変わらないので…期待していたら申し訳ないですm(_ _)m