妖精の尻尾の双竜   作:uru1629

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話が全然進んでなくて申し訳ないm(_ _)m
書きたいこと書いてたらあっという間に…(´・ω・`)


村人の秘密

 

「いあーーーーー!!!! 終わった終わったーーーっ!!!!」

 

「あいさーーーー!!!!」

 

 

バタバタが一段落ついた中、代表してナツとハッピーが喜色を浮かべて大声をあげた。

それで気が抜けたのか、ほかの面々も表情が柔らかくなった。

 

 

「本当…一時はどうなるかと思ったよ。すごいよね、ウルさんって」

 

 

ふぅと安堵のため息をついたルーシィがそう零し、師匠への尊敬の言葉にグレイが目尻をもう一つ下げて嬉しそうな笑みを浮かべる。

少ししんみりしていると、ナツとレアがぴょんぴょんと飛び跳ねた。

 

 

「これでオレたちもS級クエスト達成だーっ!!」

 

「やった! やったのー!」

 

「もしかして、あたしたち "2階" へ行けるのかなっ!!」

 

「はは…」

 

 

無邪気に喜んでいる双竜に感化されて、ルーシィも目をキラキラさせ始めた。

グレイも今回の件は色々と思うところはあるも、少なからず達成感はあるのか乾いた笑みを浮かべている。

だが、そうは問屋が卸さない。

そうやって喜んでいた面々を、エルザが睨みつけていたのだ。

ゴゴゴゴと威圧を放つ彼女に、6人は顔はサーッと青ざめて冷や汗がドッと流れ始めた。

 

 

「そうだ!! お仕置きが待ってたんだ!!」

 

「その前にやる事があるだろう」

 

 

一同の声を代表してルーシィが悲鳴をあげた。

しかしそれは他でもないエルザによって一旦ストップがかけられ、一同は思わず「え?」となる。

 

 

「悪魔にされた村人を救う事が今回の仕事の本当の目的ではないのか」

 

「あ…」

 

「S級クエストはまだ終わっていない」

 

「だ…だってデリオラは死んじゃったし……村の呪いだってこれで……」

 

 

エルザの言葉に、レアが何か気づいたような……というより、忘れていたことを思い出したかのような反応を示す。

しかしエルザの言ったことに疑問を浮かべたルーシィがそう言うも、フリーシャが口を挟んだ。

 

 

「ルーシィ、昨日の夜に遺跡の頂上でルーシィの星霊が言ってたことを思い出すかしら」

 

「え? えっと……リラの言葉かしら…? 確か……この島の呪いは…月の雫(ムーンドリップ)の影響…!! じゃあ、デリオラが死んじゃったからって…!」

 

「ん、結局何も変わってないの」

 

「そ、そんなぁ〜…」

 

「んじゃとっとと治してやっかー!!」

 

「あいさー!!」

 

「どうやってだよ」

 

 

エルザの言わんとしている事を理解して、ルーシィは落胆とする。

その一方で少々、いやかなり考えが楽観的すぎるナツがハッピーとハイタッチしながら軽いノリでそう言うも、グレイに呆れられた。

だが、今はもう最初の状況とは違って重要参考人がすぐそこにいた。

「あ」と思い出したかのように一同は岩に背を預けていたリオンとコユリの方へ目を向けた。

そのまま流れるように無言の圧を放ってキリキリ吐けと言外に語る。

だが、返答は望んでいたものとはかけ離れていた。

 

 

「オレは知らんぞ」

 

「右に同じく」

 

「何だとォ!?」

 

「とォ!?」

 

 

顔色一つ変えずにそう言い放つ二人にナツとハッピーはしらばっくれているのかと顔を顰めた。

 

 

「だって、あんたたちが知らなかったら他にどうやって呪いを…」

 

「3年前、この島に来た時村が存在するのは知っていた。しかし、オレたちは村の人々には干渉しなかった」

 

「その逆もそう。村の人たちから会いに来る事も一度もなかったわ」

 

 

ルーシィが問い詰めようと言葉を荒らげたが、それを遮ってリオンが語った内容に言葉を詰まらせる。

続いたコユリの言葉にさらに眉を顰め、代表してエルザが「3年間一度もか?」と問う。

それに対しコユリも首を縦に振った。

 

 

「そういえば、遺跡から毎晩のように月の雫(ムーンドリップ)の光が降りていたハズだよね」

 

「その前提があったら、この遺跡を調査しなかったのは確かにおかしな話かしら」

 

 

二人の告げた事実にルーシィも不信感を覚え、顎に手を当てて思考を巡らせる。

フリーシャもそれに乗っかって頭を働かせる中、再びリオンが言葉を発する。

 

 

月の雫(ムーンドリップ)の人体への影響についても多少疑問が残る」

 

「何だよ……今更「オレたちのせいじゃねえ」とでも言うつもりかよ」

 

 

言い訳にも聞こえるリオンの言葉にしかめっ面のナツが詰め寄るが、リオンは「考えてもみろ」と淡々と言う。

 

 

「3年間、オレたちも同じ光を浴びていたんだぞ」

 

 

リオンの告げたそれにルーシィを始めとして何名かが盲点だったと気付かされた。

何か対策を施したのではという反論もここでは飲み込まざるを得ない。

何故なら月の雫(ムーンドリップ)とは如何なる魔法をも解除する魔法なのだ。

そんな魔法を前にすれば対策の魔法など意味を成さない。

仮に長い時間を掛けて対策の魔法を施したとしても、当時氷を溶かすことにしか意識が向いていない3年前の彼らにそこに時間を描け掛けるとは到底思えない。

 

布や家の屋根も意味は無いだろう。

村の人たちと初対面した時、彼らは全身をすっぽり覆う布に身を包んでいたのだ。

悪魔化した部分を隠す意図もあるだろうが、単純にこれで対策出来ているのであれば現在村の人たちは呪いで苦しんだりなどしていない。

そうなると、「紫の月の光を浴び続けると悪魔化してしまう」という根幹を疑う必要性も現れ始めた。

 

 

「精々気をつけなさい。彼らは何かを隠している。まあ、ここから先はギルドの仕事よね? 事件の黒幕は黒幕らしくここでくたばっているとするわ」

 

 

コユリはそう言うとプイッとそっぽを向いた。

リオンも同じく何も言う気は無い、というか話せる事は話しきったので、コユリと同意見であることを示すためにコユリ同様顔をあさっての方向へ向けて口を閉じた。

そんな二人の少々傲慢な態度に思うところがあるのかナツとルーシィが何か言いたげに顔を顰め、ナツに至っては「そうはいくか」と咎めようと一歩前に出たが、その言葉は結局喉の奥へと引っ込んだ。

 

 

「じゃ、さっさと村に戻って事実確認に行くの」

 

 

何故ならレアがナツが言葉を発する前に行動に移した事でナツの発言のタイミングを奪ったからだ。

エルザも山頂でトビーからリオンらの事情は聞いてから必要以上に過去を非難する必要性は無いと判断し、レアに「そうだな」と言葉を零してまだ何か言いたげなナツを引っ張っていった。

一人、また一人とその場を去っていく中、グレイだけは未だにその場に残って傷ついている二人を見ていた。

 

 

「…何見てやがる」

 

「リオン、もう噛みつかないの…」

 

 

こちらを見つめるグレイを睨み返すリオン。

それと共に吐き捨てられたトゲトゲしい言葉をコユリがリオンの頭にチョップを落としながら諌める。

その光景にグレイは昔を重ねていた。

調子に乗って片手造形をするリオンに拳骨を落として諌めるウルと。

フッと微笑みを浮かべてグレイは口を開いた。

 

 

「コユリにも話したが、お前もどっかのギルドに入れよ。仲間がいて、ライバルがいて…。きっと新しい目標が見つかる」

 

 

一瞬ハッとなったリオンだったが、すぐさま仏頂面に戻ってまたそっぽを向いた。

 

 

「く、くだらん……さっさと行け」

 

 

いつもと同じ助言を一蹴するような一言だったが、それは確かに彼の心に刻まれていた。

さて今夜も紫の月が怪しく光り輝き、空から島を見下ろす。

 

 

〜〜〜

 

 

場所は移動して村の資材置き場。

 

 

「あれ? 誰もいない」

 

 

遺跡から戻ってきた妖精の尻尾(フェアリーテイル)一行だったが、今朝までいたそこに居るはずの村人の声は無くしんと静まっていた。

ナツとレアはここに来ていない故に知らないが、ルーシィらは間違いなくここで一夜を過ごし、ここから再出発した為間違いないと断言できる。

だというにも関わらず人っ子一人いない現状に疑問を覚える。

ハッピーとフリーシャが誰かいないかと大声で呼びかけ、グレイはとりあえず傷薬と包帯を拝借しようとテントに入った。

 

 

「皆さん!! 戻りましたか!? た…大変なんです!! とにかく村まで急いでください!!!」

 

 

そこへハッピーとフリーシャの声を聞きつけてか、村民の一人が大慌ての様子で走ってきた。

村が無くなったのにこれ以上何があるのかと思い、ルーシィらも走って村の方へと向かった。

そして、その場を目撃していた者たちは揃って目を見開いた。

 

 

「な…何これ……」

 

「村が…復活してるかしら……」

 

「昨日…村はボロボロになっちゃったのに……」

 

 

そう、シェリーらが振りまいたゼリーのせいで消えてしまった村が完全に元通りになっていたのだ。

クレーターのように窪んでいた地面どころか建物までも何もかも元通りの様に戸惑いを隠せない。

 

 

「どうなってんだコリャ…まるで時間が戻ったみてーだ!!」

 

「ん! レアたち何もやってないのに…!」

 

「せっかく直ったんだし、アンタ達は触らない方がいいと思う……」

 

 

村民たちが復活した村に有頂天になって狂喜している背景でナツが家をガンガンと、レアがノックの要領でコンコン叩いているとルーシィからそんな苦言が飛ぶ。

「どういう意味だ!」と憤るナツとレアにルーシィは微妙な表情を浮かべながら「そのままの意味よ」と静かに零した。

 

 

「あれ? そういえば……」

 

「ん…時間の魔法って……」

 

 

だが双竜はふと思考の海に落ちた。

といのも、この現象はついさっき肌身で感じたものだったからだ。

ボソッと思わず呟いた二人は仲良く「ほっほっほっ」と陽気に笑うあの狸爺を思い浮かべた。

 

 

「まさかな……いや、改心したとか…?」

 

「あんなつまらない事考えてた奴がなの?」

 

「だよなー…」

 

 

二人がそう思うのも無理は無いだろう。

デリオラを操って我がものとする等と考えていた男がそう簡単に改心する物なのかと。

悩んだ末に出した結論は…。

 

 

「ま……いっか」

「ま……いっかなの」

 

「あいさー」

「かしら」

 

 

思考放棄、終わり良ければ全て良しであった。

あまりにも強引な投げやり度にルーシィも「え? いいの…?」と思わず聞き返した。

と、ルーシィもふと村が消滅したと共に消滅したであろう自分たちの荷物をチェックしにルーシィらが借りた家へと向かうのだった。

 

 

〜〜〜

 

 

荷物の無事を確認したルーシィは村長の元へとやって来ていた。

彼はここに来た時から変わらず息子の墓の前であぐらをかいて座し、月の破壊を今か今かと待ち焦がれていた。

それは村が消滅しても、ボボの墓はレアが守って唯一無事だった故に変わらなかった。

ナツ達の戦闘の邪魔になるからと退散させられた後、走って戻ってきたくらいなのだから。

 

 

「村を元に戻してくれたのはあなた方ですかな?」

 

 

首を回してルーシィの方へと視線を向けたモカの質問に、ルーシィはタジタジになって否定の言葉を述べようとしたが、モカは話を聞くのが苦手なのかルーシィの返事を待たず言葉でまくし立て始めた。

 

 

「それについては感謝します。しかし!!魔導士どの!! 一体いつになったら月を壊してくれるんですかな!!!ほがーっ!!!」

 

「月を破壊するのは容易い…」

 

 

ひぇーっと悲鳴をあげるルーシィを見てか、エルザがさらっと爆弾発言を落としながら入る。

思わぬ朗報にモカはいつもの顰めっ面を破顔させ、仲間たちはエルザの発言に軽く引いていた。

 

 

「しかし、その前に確認したい事がある。皆を集めてくれないか」

 

 

だがそう言われ、再び話を先延ばしにされるのかとモカは再び仏頂面に戻る。

しかし依頼している側である上に勘違いではあるが村を直してもらったという恩がある故に素直にエルザの指示に従った。

村民たちは初めてナツたちと会合を果たした時みたく、村の内門の前に集まっていた。

 

 

「整理しておこう。君たちは紫の月が出てからそのような姿になってしまった。間違いないか」

 

 

妖精たちの代表としてエルザが村民たちの前に立ち改めてそう尋ねた。

 

 

「ほがぁ…正確にはあの月が出ている間だけこのような姿に…」

 

「話をまとめると、それは3年前からという事になる」

 

 

戸惑った様子でモカが答える。

エルザもそのまま話を続け、その確認に村民たちも「確かにそれくらい経つかも…」と少々曖昧な答えを返す。

 

 

「しかし……この島では3年間毎日月の雫(ムーンドリップ)が行われていた。遺跡には一筋の光が毎日のように見えていたハズだ…」

 

 

腕を組みながら門の周辺を歩き回るエルザ。

目も閉じて自身の考えを語っていた。

そのせいで、彼女は()()に気が付かなかった。

 

 

「きゃあ!!!」

 

ズボンッ!!!

 

 

ルーシィが仕掛けていた落とし穴である。

 

 

「お……落とし穴まで復活してたのか…」

 

「きゃ……きゃあって言った…ぞ……」

 

「か……かわいいな……」

 

「っていうか…敵の襲撃があったのにこんなお茶目したのは誰なの?」

 

「ルーシィに決まってるかしら」

 

「やっぱりなの…」

 

「あたしのせいじゃない!!あたしのせいじゃない!!!」

 

 

男性陣が落ちたエルザに対して呆然とし、レアとフリーシャはこのシリアスな雰囲気をぶち壊したルーシィをいつもにも増したジト目で見た。

現実逃避をするルーシィを背景に、エルザは穴から這い上がる。

 

 

「…つまり、この島で一番怪しい場所ではないか」

 

 

だがエルザは何事も無かったかのように続けた。

あまりの逞しさに賞賛した。

 

 

「なぜ調査しなかったのだ」

 

 

しかしその問いに村民たちはザワザワと声を上げて顔を見合わせた。

その表情は何処か険しい。

 

 

「そ…それは、村の言い伝えであの遺跡には近づいてはならんと……」

 

「でも…そんな事言ってる場合じゃ無かったよね。死人も出てるし、ギルドへの報酬額の高さからみても」

 

 

モカが代表して口を開いたが、ルーシィの的を射る発言を放つ。

村民たちのざわめきはどよめきに変わり、表情はどんどん険しくなっていく。

 

 

「本当の事を話してくれないか?」

 

 

モカの額につーっと汗が流れ落ち、その硬い口を開いた。

だがそれはナツらにとって少々納得が出来なかった。

 

 

「そ…それが……ワシらにもよく…わからんのです……。正直…あの遺跡は何度も調査しようと致しました。皆は慣れない武器を持ち、ワシはもみあげをバッチリ整え…何度も遺跡に向かいました。

 

しかし近づけないのです

 

遺跡に歩いても……気がつけば村の門。我々は遺跡に近づけないのです」

 

 

遺跡に近づけない。

あまりに突拍子の無いそれに言い訳では無いのかと疑うほどだ。

しかし、村民たちも揃って同じことを言い、さらにその表情は嘘とは思えない本気度があった。

村民たちもナツらも納得出来ない。

だがエルザ、そしてレアの二人だけは反応が違った。

 

 

「やはり…か」

 

「…あー……そういう事なの…」

 

 

明らかに理解したと取れる反応に、ルーシィは「え?」となる。

そんな様子を、遠くから観察していた者がいた。

 

 

「流石は妖精女王(ティターニア)。もうこのからくりに気がつくとはねえ。水竜(リヴァイアサン)も普段とは違い相当頭が切れる様子……ほっほっほっ」

 

 

自身の両頬を餅のように真っ赤に膨れ上がらせたザルティであった。

 

 

「ナツ…レア……着いて来い」

 

 

村民たちを一頻り見たエルザは村の見張り台に向かいながら換装を開始。

その状態でナツとレアに声をかける。

 

 

「これから月を破壊する」

 

「おおっ!!!」

 

「ん、了解なの」

 

「「「「……ええぇぇえぇっ!!!?」」」」

 

 

黄色を基調とし、頭に角のような装飾の鎧……名を巨人の鎧を身にまとったエルザの宣言した。

ナツは目を輝かせ、レアは淡々と了承し、ルーシィ、グレイ、ハッピー、フリーシャの4人は揃って大声を上げたのだった。





鉄の森編でブラフとはいえエリゴールの考えを見抜いたレアですから、これくらいの謎は解いて貰わないと。

誤字報告ありがとうございます!(´▽`)
直そう直そう思ったらズルズル引き伸ばしていた…。
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