妖精の尻尾の双竜   作:uru1629

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お久しぶりです
相変わらず駄文です…
覚えている方はどれくらいいらっしゃるだろうか……


チーム

 

現在、ルーシィは感動していた。

ハコベ山への道中、ルーシィはある悩みがあった。

単純明快、これから住む場所のことだ。

しかしその悩みはマグノリア帰って割とすぐに解決した。

商店街近くの家賃7万Jの家。

ルーシィはここに住むことになっていた。

7万Jとなると少し高く感じるが、ルーシィ曰く、7万にしては間取りも広いし収納スペースも多い。

新築同様の真っ白い壁に仄かに香る木の香り。

レトロな暖炉に加え、竈までついていた。

 

 

「いいトコ見つかったなぁ」

 

 

現在入浴中のルーシィはご満足気に背伸びした。

風呂からあがり、体を拭き、タオルを体に巻いて、自分がこの家で一番気に入っている自分の部屋に入ると。

 

「よっ」

 

「ん!」

 

「あたしの部屋ーーー!!!」

 

 

まさに我が物顔でソファに座り、バリバリお菓子を零しながら食べてるナツ。

その傍らで正座しながらストローをさしたジュースを飲んでいるレア。

さらに小さなテーブルに座り、はぐはぐと口いっぱいに魚を食べているハッピーと、ちまちま魚を食べているフリーシャがいた。

 

 

「何であんた達がいるのよーー!!」

 

「「まわっ!!?」」

 

 

ルーシィの回し蹴りが見事ナツとハッピーに命中し、壁に叩きつけられる。

ちなみにルーシィはレアとフリーシャも狙ったが、レアは首をクイッと曲げ、フリーシャは翼を出して飛んで逃れたのだった。

 

 

「だって、ミラから家決まったって聞いたから…」

 

「聞いたから何!? 勝手に入ってきていい訳!?

親しき仲にも礼儀ありって言葉知らないの!? あんた達のやった事は不法侵入! 犯罪よ!! モラルの欠如も良いトコだわ!」

 

「オイ…そりゃあキズつくぞ……」

 

「キズついてんのはあたしの方よー!!」

 

 

ルーシィは蹴り飛ばしたナツにヅカヅカ詰め寄り説教垂れる。

そこにレアもジュース片手に割って入った。

 

「ルーシィ、諦めるの。ナツもレアもお互いの家でよくやるから慣れた方が身のためなの」

 

「あんた達普段何やってんのよ!」

 

 

逆効果だった。

ルーシィのツッコミに、ナツは情けない表情を見せる。

レアはこれといって表情の変化を見せなかったが、ナツと自分でこれが日常の為、何がダメなのだと不貞腐れている。

 

 

「いい部屋だね」ガリガリ

 

「爪研ぐなっ! 猫科動物!!」

 

「ホント、何でこの家今まで使われて無かったのかしら」

 

「飛ぶのも禁止っ!!」

 

 

ルーシィがナツとレアと絡んでいる隙に、ネコ二匹は自分の本能のままに行動を起こす。

ルーシィがネコ達の対応に当たっていると、自由になったレアが、机に置いてあった紙の束を手に取った。

 

 

「ん? コレ何なの?」

 

 

不思議に思って中身を読もうとしたレアだったが。

 

 

「ダメーー!!」

 

「!?」

 

 

血相を変えたルーシィがレアからぶんどり、胸に抱えた。

 

 

「なんか気になるな。何だ、ソレ」

 

「ん。気になるの」

 

「何でもいいでしょ!!

てかもう帰ってよーー!!!」

 

 

ナツとレア、二人揃って興味津々にルーシィの抱える紙の束を見るが、ルーシィも譲る気は全く無い。

ルーシィの必死に訴えるも。

 

 

「やだよ。遊びに来たんだし」

 

「遊ぶの!」

 

「超勝手!!」

 

 

二人も譲る気は無かった。

 

 

「てかルーシィ。グレイじゃないけど服を着るかしら」

 

「あんた達のせいよ!!」

 

 

〜〜〜

 

 

「まだ引っ越してきたばっかで家具も揃ってないのよ。遊ぶモンなんか何もないんだから紅茶飲んだら帰ってよね」

 

 

ナツとレアに紅茶をだして不貞腐れるルーシィだったが。

 

 

「残忍な奴だな」

 

「あい」

 

「人の心無いの?」

 

「かしら」

 

「紅茶飲んで帰れって言っただけで残忍だの人の心無いだの……」

 

 

ナツとレアの言葉にいよいよルーシィも怒りを露わにする。

仏の顔も三度までである。

しかしそんな事は知らないナツはある事を思いつく。

 

 

「そうだ! ルーシィの持ってる鍵の奴等全部見せてくれよ」

 

「ん。私も気になるの」

 

 

ナツの提案にレアも便乗する。

しかしルーシィは変わらず不貞腐れている面持ちのまま答える。

 

 

「いやよ! すごく魔力消耗するじゃない。それに、鍵の奴等じゃなくて星霊よ」

 

 

ルーシィがそう答えるが、ハッピーが続けて口を開いた。

 

 

「ルーシィは何人の星霊と契約してるの?」

 

「6体。星霊は1体2体って数えるの」

 

 

ハッピーの疑問にルーシィはプラスアルファして答え、三本の銀の鍵ともう三本の金の鍵を分けて出した。

 

 

「こっちの銀色の鍵がお店で売ってるやつ。時計座のホロロギウム、南十字座のクルックス、琴座のリラ。

こっちの金色の鍵は黄道十二門っていう(ゲート)を開ける超レアな鍵。金牛宮のタウロス、宝瓶宮のアクエリアス、巨蟹宮のキャンサー」

 

「巨蟹宮!!! 蟹か!?」

 

「カニー!」

 

「うわー…また訳わかんないトコにくいついてきた」

 

 

ルーシィがそう説明すると、ナツとハッピーがほとんど関係無い所に食いつき、ルーシィは額を抑える。

黙っているがレアとフリーシャはというと…。

 

 

「(カニ…美味しそうなの)」

 

「(煮ても焼いてもいいし……カニ味噌はどうするかしら…)」

 

 

似たり寄ったりの思考であった。

と、ルーシィがハッと何かを思い出した。

 

 

「そーいえば、ハルジオンで買った子犬座のニコラ、契約するのまだだったわ。

ちょうどよかった! 星霊魔導士が星霊と契約するまでの流れを見せてあげる」

 

「おおっ!!」

 

 

ルーシィがそう言って立ち上がり、それに釣られ他の4人も立ち上がった。

 

 

「血判とか押すのかな?」

 

「痛そうだなケツ」

 

「お尻?」

 

「そっちのことじゃないかしら」

 

 

ナツ達のコントを一通り流し、ルーシィは銀の鍵を取り出した。

 

 

「血判とかはいらないのよ。見てて。

我…星霊界との道を繋ぐ者。汝…その呼びかけに応え、(ゲート)をくぐれ」

 

 

そう唱えると、空中に鍵穴のような物が現れ、それは形を崩れ円となり、次第に大きくなる。

 

 

「開け、子犬座の扉。ニコラ!!」

 

 

ルーシィが次にそう唱えると、辺りは一瞬カッ!と眩しく光り、次の瞬間バフっとルーシィの目の前に煙が現れる。

煙が晴れ、現れたのは…。

 

 

「プーン!!」

 

 

二頭身に真っ白い体、角のようなとんがりコーンのような鼻。

何とも形容し難い生物が現れた。

すたっ!と着地すると、ニコラと呼ばれたその星霊は体を小刻みに震わせている。

 

 

「ど…どんまい!」

 

「失敗じゃないわよー!」

 

 

ナツの言葉にルーシィは拳を上げてそう思いっきり返す。

よく見ればニコラもルーシィの真似をして拳を上げている。

ナツ達の反応は似通ったものだった。

ただ一人を除いては……。

 

 

「…! 何この子……かわいい……!!」

 

「プ〜ン」

 

「やだ! レアわかってるじゃない!!」

 

「そ…そうか?」

 

 

ナツ達が微妙な反応を示すなか、唯一レアだけが食いついた。

レアはニコラを抱え、キラキラした目で見つめている。

 

 

「ニコラの(ゲート)はあまり魔力を使わないし、愛玩星霊として人気なのよ」

 

「ナツ〜。人間のエゴが見えるよ〜」

 

「うむ」

 

「人間誰しもエゴの塊かしら。人間に限ったものでも無いかもだけど」

 

「なんか悟り開いてるわよ!? この猫!!」

 

「プ〜ン」

 

 

割かし失礼な物言いにレア以外のそれぞれの反応を見せる。

と、ニコラのレアの腕から抜け、ルーシィの前に立った。

 

 

「じゃ……契約にうつるわよ」

 

「ププーン」

 

 

ルーシィはそう言ってメモ帳を取り出した。

 

 

「月曜は?」

 

「プゥ〜ウ〜ン」

 

 

ルーシィの問いにニコラは首を横に振った。

 

 

「火曜」

 

「プン」

 

 

今度はこくんと首を縦に振った。

 

 

「水曜」

 

「ププーン」

 

「木曜も呼んでいいのね♡」

 

 

その後も淡々と契約が行われていく中、残された四人はポカーンとなる。

 

 

「地味だな」

 

「あい」

 

 

耐えきれなくなったナツがそう呟き、ハッピーが答える。

ルーシィがメモを終え、ニッコリとした。

 

 

「はいっ! 契約完了!!」

 

「ププーン!!」

 

 

ルーシィがメモ帳を懐に仕舞い、ニコラは飛び跳ねた。

 

 

「ずいぶん簡単なんだね」

 

「確かに見た感じはそうだけど、大切な事なのよ。

星霊魔道士は契約…すなわち約束ごとを重要視するの。だからあたしは絶対約束だけは破らない…ってね」

 

「ホへぇ」

 

 

何気に深い言葉だったので、レアはそう零して感嘆した。

 

 

「そうだ! 名前決めてあげないとね」

 

「ニコラじゃないの?」

 

「それは総称でしょ」

 

 

そう言ってルーシィは顎に手を当てて考える。

しばしの無言の中も、ニコラはピクピクと震えている。

やがてポンッと手を叩き、ルーシィがしゃがんだ。

 

 

「おいで! プルー」

 

「プーン!」

 

「プルぅ?」

 

「プルー! 語感がかわいいの!」

 

「やっぱり!? レア分かってるわね!」

 

 

ルーシィの名付けの感性にまたもやレアだけが共感を示した。

ナツとハッピーの顔は疑問に満ち、フリーシャは何故かドヤ顔していた。

 

 

「プルーは子犬座なのにワンワン鳴かないんだ。変なのー」

 

「プーン」

 

「あんたやフリーシャもにゃーにゃー言わないじゃない」

 

「にゃー」

 

「そんな取ってつけたかのように言わなくていいわよ!!」

 

 

フリーシャとルーシィでそんな漫才を展開すると、プルーはルーシィの腕から抜け出し、ナツとレアの前で踊り始めた。

 

 

「な……何かしら」

 

「何かの儀式かしら?」

 

 

プルーが最後に腕を頭の上でまるっと作ると、謎のダンスを終えた。

 

 

「プルー!! おまえいいコト言うなぁっ!!」

 

「なんか伝わってるし!!」

 

 

ナツはプルーの目の前にガバッと前かがみになり、レアにも伝わっているようで、ナツの隣でウンウンと激しく頷いていた。

 

 

「星霊かぁ……。

確かに雪山じゃ牛に助けてもらったなぁ」

 

「そうよっ! あんたはもっと星霊に対して敬意を払いなさい」

 

 

ルーシィはナツのハコベ山でのタウロスへの仕打ちに憤慨していたが、ナツは聞こえていないかのように考え込む。

 

 

「あん時はルーシィがついてくるとは思わなかった」

 

「ん。でも、結果ルーシィがいなかったらマカオを助けられたかどうかも怪しかったの」

 

ナツに続いてレアも口を開く。

 

 

「ナツ。どうしたの?」

 

「レアもどうしたのかしら?」

 

 

二人して珍しく考え込み、ナツがバッと立ち上がった。

 

 

「よし、決めた!! プルーの提案に賛成だ!

レア、お前はどうだ?」

 

「ん、私も賛成。ルーシィ。

私たちでチーム組むなの!」

 

 

レアがルーシィにそう提案を持ちかけた。

 

 

「なるほどーっ!」

 

「確かにそれはいいかもしれないかしら。

ルーシィもまだ妖精の尻尾(フェアリーテイル)で仕事に行ったことが無いし、リーシャ達がサポートする形で着いていけば丁度いいのよ」

 

 

ネコたちも賛成の意を示した。

そしてルーシィも。

 

 

「いいわね、それ!! 面白そう!!」

 

 

満場一致だった。

こうして滅竜魔導士と星霊魔導士のチームが爆誕した。

 

 

「さっそく仕事行くぞ! ホラ!!もう決めてあるんだー!!」

 

「もう♡ せっかちなんだからぁ〜」

 

 

ナツがそう言って机にバンッと依頼書を叩きつけ、ルーシィは文句垂れるが満更でもない様子で依頼書を手に取った。

 

 

「シロツメの街かぁ……。

うっそ!!! エバルー公爵って人の屋敷から一冊の本を取ってくるだけで20万J!!?」

 

「な!! オイシー仕事だろ?」

 

 

確かに一見お得だった。だがこういう場合大抵は裏があるものだが、それにルーシィが気づいたのは少し後になってからだった。

それは依頼書の端の方に書かれていた内容だった。

 

 

『エバルー公爵

※注意 とにかく女好きでスケベで変態! ただいま金髪のメイドさん募集中!』

 

 

そういうことである。

ルーシィも金髪。つまり……。

 

 

「ルーシィ金髪だもんな」

 

「ん。メイドさんの格好で忍び込んでもらうの!」

 

「あんたたち、最初から……」

 

 

ルーシィはプルーと同様にピクピクと体を震わせ、最終的には、

 

 

「ハメられたーーーっ!!!」

 

 

体を捻ってうがーっと唸った。

そんなルーシィを見て、ナツはニヒリと悪い笑みを浮かべる。

 

 

「星霊魔導士は契約を大切にしてるのかぁ」

 

「ん。えらいの」

 

「ひでえーーーっ!!!

騙したな!! サイテーー!!」

 

 

ルーシィはそう言ってナツとレアに噛み付くが。

 

 

「ん? 何も騙してないの。チーム一緒に組むし、ただ一緒に仕事行くだけなの」

 

「純粋か!!? メイドなんてイヤよ〜っ!」

 

 

レアの天然が炸裂してあっけらかんと躱される。

メイドを嫌がるルーシィに、ナツがさらに追い討ちをかけた。

 

 

「少しは練習しとけよ。ホレ……ハッピーに言ってみろ。『御主人様』って」

 

「ネコにはイヤ!!!」

 

 

今日も今日とてルーシィは絶好調である。

そんな嫌々なルーシィを引っ張って行きながら五人はシロツメの街へと向かった。

 

 

〜〜〜

 

 

ナツ達がルーシィの家を出た数時間後、レビィ達が依頼板(リクエストボード)の前に立っていた。

 

 

「あれ? エバルー屋敷の一冊20万Jの仕事……誰かにとられちゃった?」

 

「えぇ……ナツとレアがルーシィ誘って行くって」

 

「あ〜あ……迷ってたのになぁ……」

 

 

レビィの疑問にミラが答えた。

答えを聞いたレビィはあからさまに不貞腐れる。

 

 

「レビィ……行かなくてよかったかもしれんぞい。

その仕事…ちとめんどうな事になってきた……たった今依頼主から連絡があってのぅ」

 

 

そこへ割って入ったのは総長(マスター)のマカロフだった。

 

 

「あ! ギルドマスター」

 

「キャンセルですか?」

 

「いや……」

 

 

ミラの質問にマカロフは不敵に笑った。

 

 

「報酬を200万Jにつり上げる……だそうじゃ」

 

「10倍っ!!?」

 

「本一冊で200万だと!!?」

 

 

これだけでギルド中がザワザワと騒がしくなった。

200万ともなれば、それは討伐系の仕事と変わりなかった。

急に値上げしたそんな仕事を逃して勿体ない思いをしている中、半裸のグレイがニヤリと笑ってタバコを吹かした。

 

 

「面白そうな事に……なってきたな」

 

 

〜 一方その頃シロツメへ向かう馬車では 〜

 

「馬車の乗りごこちはいかがですか? 御主人様、お嬢様」

 

「「……冥土(メイド)が見えるの」」

 

 

ナツとレアが馬車で酔いつぶれ、ルーシィがお返しと言わんばかりに煽っている。

苦しみのあまり、レアの口癖がナツにうつっていた。

 

 

「御主人様役はオイラだよ!!」

 

「うるさいネコ!!」

 

「リーシャにもお嬢様って言ってみるかしら!

ホラ、リーシャの足でも舐めるのよ」

 

「もっとイヤよ! 黙りなさいネコちゃん達!!」




全く関係無いですけどイカちゃんで塗りたくるゲーム楽しすぎません?
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