妖精の尻尾の双竜   作:uru1629

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始める前に一つ。
タグでもある「残酷な描写」が今回本格始動します。
そういうのが苦手な方はブラウザバックを推奨します…。

それでも大丈夫という方は、どうぞ。


堕ちるは妖精、昇るは竜

 

炎を纏った拳と鋼鉄の拳が交わり、互いの顔面に叩き込まれる。

その風圧は周囲のものを吹き飛ばし、観戦するものは近づくことさえ許されない。

言葉は無い。

あるのはシンプルな、暴力の応酬のみだ。

殴る、蹴る、殴る、蹴る。

ナツとガジルのどつき合いが激しさを増していく。

拳と拳、爪と顎、炎と鉄が真正面からぶつかり合い、激しい音を空間に響かせた。

 

一方で、レアは空を舞い、ブルームの伸びる触手を水の盾で弾きながら、その合間を縫って彼女も蹴りや拳を撃ちこんでいく。

互いに決定打を与えられずとも、その力は確実に削いでいた。

 

だが、攻防は次第に一進一退から傾き始める。

ガジルが地面に拳を突き立て、バリバリと床の鉄板を食らい始めたのだ。

 

 

「あっ! てめえずりィぞ!!!」

 

 

ナツが怒鳴った。

ガジルは鉄板をガジガジと噛み砕きながら、肩をすくめて笑う。

 

 

「じゃ、僕も~」

 

 

ブルームがぼやいた。

周囲を見渡した彼は、ぺたりとその場にしゃがみ込むと、右手を床に突っ込んだ。

誰もが驚いた次の瞬間——

 

ゴゴゴゴ……!

 

床下から「根」のようなものを引っ張り出してきた。

 

 

「な!? 何それ卑怯なの!!」

 

 

それは人工の魔力循環管、『魔導植物根』と呼ばれる人工植物である。

この超魔導巨人ファントムMkⅡの血管の役割を持つのがそれであり、同時にブルームの食事としても機能するものである。

ある程度まで引っ張り出したそれを、ブルームは力づくで引きちぎり、ぺろりと舌なめずりをする。

 

そして、迷いなくそれに被りついた。

シャクリ、という濡れた音と共に、その断面から魔力が迸った。

 

 

「食ったら力が湧いてきた……!」

 

「真似すんなーっ!!!」

 

 

ガジルの咀嚼音が止んだとき、彼の全身から凄まじいまでの闘気が溢れた。

鋼鉄の鱗は一段と硬質化し、筋肉が爆ぜるように膨れ上がる。

 

そして——

 

 

鉄竜槍(てつりゅうそう)鬼薪(きしん)!!!」

 

 

その咆哮と共に、ガジルの右腕が黒鉄色に染まり、槍のごとき鋭鋒を形成した。

次の瞬間、彼は疾風の如く突進し、鋼の乱打をナツに叩き込む。

 

 

「ぐぉああっ!!!」

 

 

ナツは咄嗟に炎の拳を以って応戦するが、その一撃一撃が鉄の質量と破壊力を帯びており、明らかに押し負けていた。

連打、連打、連打。

ナツの身体が跳ね、宙に浮き、壁に叩きつけられる。

 

 

「くそっ……どんだけ硬えんだ……ぶっ!?」

 

 

呻きながらも起き上がろうとしたナツの顔面に、さらなる一撃が突き刺さるように炸裂した。

 

一方、レアのほうも異変に気づいた。

 

 

「お前、今の……」

 

「んふふ、ごちそうさま……」

 

 

ブルームの背に、蠢く何本もの根が生える。

それは背骨をなぞるように這い出し、まるで竜の尾の如く——いや、オークの街で見たときよりももっと異様で、異形の樹木の触手が展開されていた。

 

 

樹竜乱尾(きりゅうらんび)

 

 

ブルームが軽く呟くと、その根が一斉にレアへと襲い掛かった。

 

 

「っ! 水竜の抱擁!!!」

 

 

レアは即座に自身を覆うように水流のバリアを展開する。

が、それをあざ笑うかのように、根が四方から殺到し、バリアを粉砕し、さらに全方向からレアの身体をなぶりつけた。

 

 

「きゃっ——! ぐ……っ、あ……!」

 

 

難を逃れるために一度跳びあがるも、その判断は間違いだった。

不安定な姿勢から跳びあがったレアは、空中で姿勢を崩し、その無防備な背に、巨大な根の一撃が炸裂した。

 

 

「っ、がはっ……!」

 

 

彼女の身体が地面に叩きつけられる。

水の魔力がばらばらと散り、湿った空気が血の匂いを帯び始める。

 

 

「ひとつずつ、削いでいくよ……優しくね?」

 

 

「レアアァァァ!!!」

 

 

ナツが吠える。

しかしその視界に映るのは、再び迫りくる鉄の槍と、蹂躙される少女の姿。

優勢は、完全に逆転していた。

 

 

~~~

 

 

「何!? さっきまでアイツら、ふらふらだったのに!!」

 

 

時はガジルとブルームが食事を終えた時点までさかのぼる。

急なパワーアップを遂げた二人に、ルーシィは理解に苦しむようにつぶやいた。

しかし、彼女の頭からは滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)の重要な特徴が抜け落ちていた。

 

 

滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)は自分と同じ属性のものを食べる事で、体力を回復させたり、パワーアップできるんだ……!」

 

「だったらナツとレアも自分の炎と水を……」

 

 

そこまで出た言葉の続きは、出る寸前で喉の奥に引っ込んだ。

滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)の致命的な弱点の一つ、自分の炎、自分の水は食べられないということを思い出したからだ。

 

 

「火!! 水!! アクエリアスはダメ……ここには水が無い……! そもそも火の星霊なんていたかしら……!!」

 

 

ガサガサと自分のポケットに手を突っ込んだルーシィだったが、致命的なことを思い出した。

 

 

「(鍵……なくしちゃったんだ……)」

 

 

彼女が攫われた際、星霊を召喚するための鍵を落としてしまっていたのだ。

鍵が無ければ星霊は召喚はできない。

 

 

「手元にあるのは、新しく手に入れたサジタリウスのみ……。契約もまだだけど、これにかけるしか!!」

 

 

もう片方のポケットから取り出した一本の鍵。

それはあの悪魔の島のクエスト報酬として手に入れた金の鍵であった。

 

 

「我……星霊界との道を繋ぐ者! 汝、その呼びかけに応え、(ゲート)をくぐれ! 開け、人馬宮の扉!!! サジタリウス!!!」

 

 

覚悟を決めたルーシィは鍵をかかげ、召喚の儀式を行う。

現れたのは弓を携えた、馬の被り物をした男性であった。

 

 

「はい~もしもし!」

 

「そうきたかっ!!」

 

「馬のかぶりもの!!?」

 

 

想像していた人馬とは違ったこともあり、ルーシィは目を丸くさせてツッコミを入れ、フリーシャが便乗した。

だが、今は時間が無い。

 

 

「細かい説明はあと! あんた火か水出せる!?」

 

「いえ……それがしは弓の名手であるからして~もしもし」

 

 

期待した結果は帰ってこなかった。

せっかく召喚したにもかかわらずこの窮地を脱することはできないことに、ルーシィは「あたしってば役に立たなすぎる……」と膝をついた。

 

 

「くそぉ! ボコすか殴りやがって……!!」

 

 

殴られ続け、壁に埋め込まれていたナツは隙をみて脱出し、全身に炎を纏った。

 

 

「火竜の劍角!!!」

 

 

炎を纏った体当たりは見事ガジルに命中した。

だが、並みの魔導士であれば一撃で沈める火力を持つそれでも、相手が悪かった。

 

 

「で?」

 

 

そう煽るように問うたガジルはナツの背中を殴りつける。

地面を跳ねたナツの後頭部をがっしり掴んだガジルは悪魔的な笑みを浮かべた。

 

 

「ハラが減ってちゃ力が出ねえか? だったら鉄を食いな!!!」

 

 

そのまま彼はナツの頭を地面にたたきつけ、ダメ押しとして腕を鉄棍に変えて伸ばしていく。

土を敷き均すように地面に擦りつけられるナツの顔からガリガリガリと人間からなってはならない音が響き渡る。

 

その反対では、レアもまた窮地に立たされ続けている。

 

 

「く……っ、レアは……まだ……!」

 

 

立ち上がろうとするレアの体を、ブルームの触手が容赦なく絡め取る。

足首を鷲掴みにされ、宙づりにされた次の瞬間——

 

 

「よ~いしょ♪」

 

 

ブルームの軽い声とともに、レアの身体が振り回される。

豪快な遠心力が彼女の細身を引き裂かんばかりに軋ませ——

 

 

「きゃああっ!!」

 

 

——地面へ背中から叩きつけられた。

 

 

「ぐ……ぅ、あ、ぐ……!」

 

 

なおも緩むことなく締め付けられる触手。

レアの喉が苦しげな呻きを漏らし、肘を突いて立とうとした瞬間、今度は背後からさらに一本の根が襲い掛かる。

 

 

「まだまだ~、もう一回!」

 

「ひっ……!」

 

 

振り子のように放り投げられ、再び地面に全身を強打する。

肺が押しつぶされ、上手く呼吸ができない。

ブルームは楽しげに、まるで人形遊びのようにレアを何度も何度も地面に叩きつける。

それは攻撃ではなく、完全なる制圧——ただの嬲り。

 

 

 

「うぅ……っ、ぁ……っ……!」

 

 

限界に近づいたレアの手が、虚空を掴もうとするように宙に伸びる。

 

——だが、届くものは、何もない。

 

一方、ナツもガジルの暴力の奔流に晒されていた。

 

 

「てめえ……レアをよくも……!」

 

 

ナツが顔を上げた瞬間、すかさず鉄棍が振り下ろされる。

まともに頬を撃ち抜かれ、血が飛び散る。

 

 

「弱えやつがお友達の心配してんじゃねえよ……」

 

 

ガジルの唇が吊り上がる。

そのまま鉄棍がナツの脇腹に突き刺さり、空気が肺から逃げていく。

 

 

「がっ……ぁあ……っ!」

 

 

崩れ落ちるナツ。

だが、足を止めぬまま、ガジルはその胴を掴み、肩に担ぎあげた。

 

 

「そろそろお開きだな」

 

 

ほぼ同時に、ブルームの触手が瀕死のレアの身体を持ち上げる。

彼女の四肢は弛緩し、気力の灯火は風前の灯となっていた。

 

 

「ねえガジル、せーので投げよっか?」

 

「おう、せーの、だ」

 

 

二人は力を込めた。

触手と筋肉がうねり、軋む。

 

 

「せーのっ!」

 

 

ズドォン!!!

 

二つの身体が、鉄と樹の力によって宙を舞う。

ナツとレアの躯が、仲間のいる方……ブレスによって空いた風穴の方へと放り投げられる。

ブレスによってえぐられた凸凹の地面に叩きつけられ、二人の体は崩れ落ち、ぴくりとも動かなくなった。

粉塵が立ち込め、戦場に一瞬の静寂が訪れる。

 

 

「そ……そんな……ナツとレアが負けるトコなんて……やだ…」

 

 

ルーシィの絶望が、戦場に響いた。

その声に応えるように、ガジルが低く笑った。

 

 

「見ろよ。おまえたちが守ろうとしているものを」

 

 

ガジルの言葉と共に、ナツとレアの意識に入り込むような不思議な感覚が広がっていく。

どこか遠く、深く、温かなはずの記憶が——今は酷く冷たい映像として脳裏に再生される。

 

ナツは見た。

レアも見た。

 

——妖精の尻尾(フェアリーテイル)が、音を立てて崩れていく。

幻などではなく、確かな崩壊の音が響く。

あのバーカウンターも、仲間と腕を競った石畳も、夜遅くまで続いた宴も、砂のように崩れ落ちていく。

全てが瓦礫と化し、塵となって消えていく。

二人はその場から動けない。

声も出ない。

ただ、壊れていくその家を、目の奥に焼き付けるしかなかった。

 

 

『妖精には尻尾があるのかないのか……もっとも、本当にいるのかどうかさえわからない。だからこそ、永遠の謎……永遠の冒険……そんな意味が込められておるんじゃ』

 

 

その言葉に、胸が熱くなったのを今でも覚えている。

孤独だった。

イグニールが……ゼルネールが目の前から消え、誰にも必要とされないと思っていた。

 

でも——

 

初めての喧嘩、初めての宴、初めての仕事……。

初めての「ただいま」。

 

バカみたいな言い争いも、しょーもない競争も、全てが愛おしかった。

 

レアは思い出す。

一度だけ、本気であの熱血野郎をぶっ飛ばしたことを。

それっきり、あんなに憎たらしかった少年は、今じゃ誰よりも頼れるパートナーとなったこと。

 

ナツは思い出す。

自分を本気で怒ってくれた、あの小さな背中。

冷たくてクールぶって、冷血女だと思っていたあいつは、ものすごく熱いやつなんだって思い知ったこと。

 

……たった一人、繋いでくれた仲間がいた。

一緒にバカをやって、一緒に怒られて、そして——

最後に笑って「いってきます」と言って消えてしまった、あの少女がいた。

 

リサーナ。

 

自分たちを繋いでくれた、最初の絆。

それでも、言えなかった。

ちゃんと見送れなかった。

あのときの「いってきます」に——

ようやく今、答えを返せる気がした。

 

ナツとレアの心が、ふと重なった。

そして——

 

 

「……いってらっしゃい」

 

 

その声は、風に溶けていく。

でも。確かに、心の奥で届いていた。

壊れたギルドを前に、二人の中に、もう一度“灯り”が点った気がした。

 

 

「た……立ち上がった……!! 嘘だろ……!?」

 

 

ファントムの魔導士のうちの誰かが言った。

その足はおぼつかない。

だが、間違いなく立って歩いていた。

 

 

「もういいよ……二人とも……あたしが、こいつらに捕まれば……」

 

 

見ていられなかった。

大声でそう言いたかった。

もう傷ついて欲しくない。

これ以上血を流してほしくない。

そう言いたかった。

だが——

 

 

「ナツもレアも……まだあきらめてないよ」

 

 

引き留めようとするルーシィの足を止めるように、ハッピーが言った。

その瞳には、涙が浮かび上がっている。

反対の足をみると、フリーシャも泣いている。

二人だって、こんなボロボロのナツとレアは見たくないはずなのに、その目で見届けようとしている。

 

 

「ギルドは崩れた」

 

「君たちは負けたんだよ」

 

 

ガジルとブルームの元まで戻ってきたナツとレアに彼らの無慈悲な宣告が告げられる。

次の瞬間、ブルームの触手がナツとレアをまとめて横へ吹き飛ばした。

 

まともに受け身も取れなかった二人は壁に激突し、再び地面に伏した。

 

 

「オレらは手加減って言葉知らねぇからよォ……本当に殺しちまうよ」

 

「まぁ、君たちがお望みとあれば? 僕たちも()()を持って、壊してあげるよ……」

 

 

ギヒヒと嗤うガジルとふふと哂うブルーム。

二人の魔の手が一歩、また一歩と近づいてくる。

 

 

「ジュピターの破壊、エレメント4との激闘……魔力を使いすぎたかしら! 炎さえ! 水さえ食べれば! ナツもレアも負けたりしないのよぉ!!!」

 

 

フリーシャの悲痛な叫びが轟いた。

それに対し、合点がいったと反応する者がいた。

 

 

「なるほど、少々誤解があったようでございますからして~もしもし」

 

 

ルーシィが召喚したサジタリウスであった。

彼は背負っていた矢筒に手を伸ばすと、一本の矢を取り出した。

 

 

「ルーシィ嬢は「あんた火か水出せる?」と申されましたので、それがしは「いいえ」と答えました」

 

 

矢を弓に構えながら語る彼に、ルーシィは疑問符を浮かべる。

 

 

「しかし……今重要なのは火や水を出すことではなく、「火」と「水」そのものという訳ですな~もしもし」

 

 

そう告げると同時に放たれた矢は、ナツらとガジルらの間を通り、その先にある機材に刺さった。

瞬間、矢が刺さった部分の機材が爆発を起こし、「火」を吹いた。

 

 

「火!!!」

 

「機材を爆発させて炎を!!」

 

 

続けて第二射を巨大なタンク目掛けて矢を放つと、今度は刺さることなく貫通した。

すると、そこから大量の水が飛び出した。

 

 

「水っ!!」

 

「射貫き方一つで貫通させることも粉砕させることも、機材を発火させることも可能であるからして~もしもし」

 

「凄い! 弓の天才なのね、サジタリウス!!!」

 

 

ガジルとブルームが予想もしなかった助太刀に目を取られている隙に、ナツとレアはその重い体を運んだ。

ようやくありつけた食事にナツとレアが食らいつくと、見る見るうちに二人の魔力があふれ出していった。

 

 

「ごちそー様。ありがとな、ルーシィ」

 

「ん、力が湧いてきたの」

 

 

二人の感謝の気持ちに、ルーシィは嬉しそうにうんと頷いた。

 

 

「魔力を補給できたくれーでいい気になるなよ!!!」

 

「これでやっと対等になれたことを忘れないでほしいかな!!!」

 

 

食事を終えたばかりのナツとレアに向かってガジルとブルームが突っ込んだ。

その瞬間のこと。

 

ナツの拳がガジルの顎を捉え、アッパーカットをお見舞い。

レアの脚がブルームの腹部に吸い込まれるように入り、カウンターキックが命中した。

その威力はさっきまでとは文字通りケタが違った。

反撃を食らうことを想定しなかった二人は揃って苦痛に呻く。

それは妖精の尻尾(フェアリーテイル)の双竜、完全復活を意味していた。

 

 

「レビィ、ジェット、ドロイ、じっちゃん、ルーシィ、そして妖精の尻尾(フェアリーテイル)

 

「どれだけキズつければ気が済むの……!」

 

 

ナツの燃えるような、レアの波打つような声が、空気を震わせる。

 

 

「鉄竜の咆哮!!!」

 

「樹竜の咆哮!!!」

 

 

ファントムの双竜は負けじと渾身のブレスを放つ。

鋼の嵐と樹木の奔流が合わさりながらナツとレアに迫る。

しかし——

 

ナツとレアは揃ってばっと両手を前に構えた。

その手に、魔法は一切使われていない。

それは、ただの打撃である——だが、その想いの重さは、何千何万もの魔力に勝っていた。

咆哮を真正面から受け止めると、その威力に地面が砕け、風が爆ぜた。

しかし、ナツとレアの瞳は一瞬たりとも揺らがなかった。

 

 

「な…なんだと……!!?」

 

「魔法も無しに……弾かれ……!!!」

 

「今までのカリを全部返してやる!!!」

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)に手を出したことがお前らの最大の間違いだったの!!!」

 

 

「バカな……!! オレたちがこんな奴等に……こんなクズ共なんかに!!! オレは……最強の……!!」

 

「負けられない……!! 僕らは……僕は……もう!!」

 

 

紅蓮火竜拳(ぐれんかりゅうけん)!!!」

 

群青水竜爪(ぐんじょうすいりゅうそう)!!!」

 

 

紅蓮の炎を纏った拳と、群青の水流を纏った脚の乱打が、ガジルとブルームに叩き込まれていく。

勢いそのままにそれは部屋全体にも響き、やがて巨人全体に悲鳴を起こさせる。

 

ガジルとブルームが意識を飛ばしてなお続いた攻撃は連続で爆発を起こし、それに連鎖してさらに爆発を起こす。

そうして、巨人の上半身がただの物言わぬ瓦礫へと化していった。

 

 

「もう…本当に……やりすぎなんだから…」

 

 

崩壊していくギルドからハッピーとフリーシャと共に脱出したルーシィは、再び魔力と気力を出し切って仲良く横になったナツとレアを見て、目尻に涙を浮かべながらも苦笑を浮かべていた。





登場できました滅竜奥義!
二度目の登場の合体魔法(ユニゾンレイド)は本当に想定外でしたが、ここの決着を書きたいがために頑張ったまである気がしなくもない…( *´艸`)
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