虚飾の魔女に憑依した事に気付いていないおバカ一般女性 作:ヤン基地
そして報告を、投稿が遅れた原因の一つではありますが、卒業制作で現在オリジナル小説を執筆しております。昔小説家になろうにて三話ほど投稿したっきり放置していたものを書いてます。
まだ書き溜め段階で何時になるかは分かりませんが、ある程度形になればハーメルンに投稿したいと思っております。モチベに繋がりますのでどうか応援をお願いします。
「う...ぁ....」
嫉妬の魔女から漏れ出る影が、辺り一帯を覆う。晴天の空は黒く染まり、緑一色だった大地は染みのように黒く広がっていく。
お茶会の雰囲気などまるで無く、そこには真っ黒に染まる絶望が侵食していた。
「ミネルヴァ、パンドラを頼む。ワタシは足止めをしよう。」
「これは!?一体何が起こったんですか!?」
「話は後!今は離れるわよ!」
狼狽える間も無くミネルヴァが、パンドラの襟元を掴み、後退する。その瞬間、耳を抑える程の轟音と衝撃が走った。カーミラとテュフォンは頭を抑えながら蹲り、ダフネに至っては棺に閉じこもっている。その光景が、嫌でも緊急事態である事を理解させられる。
「ワタシとセクメトが抑えている間に、キミ達は逃げなさい。パンドラの権能がまだ不明な以上、無闇に彼女に近づける事は出来ないからね。」
そう言う間にも轟音と衝撃が走る、そこにエキドナの魔法も加わり、地面がグラグラと揺れる。もはやそれは友人同士の関係ではなく、これが『魔女』同士の戦いである事を証明していた。
もうすでにカーミラとテュフォン、ダフネは避難している様だ。
...だというのに彼女は、『虚飾の魔女』だけは、逃げる素振りを見せなかった。
「何してるの!?早く逃げなさいよ!死ぬわよ!?あーもうイライラする!」
ミネルヴァの怒りの咆哮にさえも彼女は動じなかった。夥しい量の影の手がその目に移り、衝撃によって剥がされた地面の破片が飛んできているのにも関わらず、その場に立ち尽くしていた。
「...私は、確かに貴方達よりも彼女の事を知らないかも知れません。しかし、私は一ヶ月彼女と共に居たのです。サテラは見ず知らずの人であり、行き倒れの私に声を掛けてくれた。私はサテラに恩を返したいのです。...これは『愛』なのでしょう。」
そう言い、彼女はその影の爆心地へと進んだ。そして大きく深呼吸し、言い放つ。
「サテラ、どうか落ち着いて下さい。私には何故こうなっているかは、分かりません。でも私は確信しているのです。優しい貴方が、『この様な事をするはずが無いと。』だから、『お願いします。やめてください。』」
その瞬間、まるで『初めから何も起こっていなかった』かのように、場が静まり返った。真っ黒になった空は以前の青に戻り、染みのごとく黒が広まった大地は変わらない緑を映していた。
「は!?何!?何が起こったの!?」
一番驚いたのはそばにいたミネルヴァだろう。何せいきなり言葉一つで全てが収まったのだから。
「えっと...ただ『話し合いを試みた』だけですが...」
パンドラ本人でさえも驚きを隠せないようだが、『何故か』それは誰にも気付かれる事は無い。
「う...ごめんなさい。また迷惑を掛けてしまったわ...」
「サテラ!大丈夫!?」
すぐさまミネルヴァが駆け寄り、彼女を介抱する。
「...まあ、これで終わったのなら私も楽でいいさね、はあ。」
騒動が終わった後すぐさま寝るのは流石『怠惰』の魔女と言える。
「いやぁ、びっくりしましたけどぉ、皆無事で何よりですよぉ。」
「本当に...ちゃんと...大丈夫..何だよね?」
「ドラドラ、格好良かったぞー!」
遠くに避難していた三人も一連の流れを見ていたようであり、すぐに駆け付ける。
「...あの様子をみるに、アレは『虚飾の権能』。魔女因子の中で唯一確認されていなかったが、成程、彼女が...」
様子を見ていたエキドナが呟く。その目には嬉しさが混じっていた。
「見ての通りサテラは不安定でね、彼女は嫉妬の魔女因子に適合出来なかったんだ。そして今のような事が度々起こっていた。今までは何とかワタシ達で抑えることができていたのだけど、最近頻度が高くなっていてね...今回はパンドラのお陰で事なきを得たが、何時手が付けられなくなるか分からない。そこでだ、キミに折り入って頼みがある。恐らくキミにしか出来ない事だ。」
いつになくエキドナが真面目な顔をして彼女にとある頼みをする。
「この世界で最も強い三人を集めて欲しい。その三人をもって、サテラの魔女因子を分離させ、封印する。」
これが、『虚飾の魔女』が四英傑の一人『扇動者』と呼ばれるようになった始まりの物語であった。
どうにか投稿ペース上げていきたい...!