Relief song of midnight/宵と明星 作:野良ノルス
キャラ崩壊注意。滑り込みアウトな番外編、それではどうぞ。
「雪、すごい積もってるねぇ・・・・・・。」
カーテンの外に映る真っ白な景色を見ながら、僕は軽い欠伸と共にそう独りごちた。
昨日見た天気予報の感じだと、ここしばらくは雪が続くだろう。
「取り敢えず、奏を起こさなきゃ。」
この時期の、特にこの時間帯の奏は布団から出てこないので、手早く制服に着替えて奏の部屋へと向かった。
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「奏〜、朝だよ〜。」
「うぅ、もう少しもふもふの中にいさせて・・・・・・。」
予想通り特大フェニーくんを抱いて布団にくるまっていた奏を優しく揺する。
布団から出るのを嫌がる奏、はっきり言ってすごい可愛い。
出来ることならこのままにしておきたいが、生憎と今日は学校。休むわけにはいかない。
そんなわけでどうにかこうにか布団から引っ張り出した奏を着替えさせて、一緒にリビングへと降りてきた。
のだが、朝ご飯の間の奏はすごく不機嫌だった。
「もぐもぐ・・・もふもふの無い冬なんて無くなればいいのに・・・・・・。」
その理由は至極当然、寒いから。
最近は特に冷え込むので、ほかほかした布団の中は寒がりの奏にはまさに楽園とも言える場所なのだ。
学校があるからとは言え、そこから寒い外に出されればそりゃ不機嫌にもなるだろう。
「そんなに好きなの?あの毛布。」
むすー。とした顔をしながらトーストを齧る奏に、苦笑しながらそう問いかける。
因みに、奏がくるまってた毛布は僕が誕生日に奏に贈ったもの。
冬の夜は寒すぎて寝れないとお嘆きだったので、もっふもふなやつあれば大丈夫だろう。と思って贈ったのだが・・・・・・。
ちょっと予想外なくらいお気に入りになってしまっている様である。
「だって、あったかいし、拓人がわたしの為に選んでくれたものだし・・・・・・。」
「まぁ、気に入ってくれたのは嬉しいけどね。」
この後、所望されたのでしばらくハグをしたら機嫌を直してくれた。
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朝食を済ませて外に出ると、奏が一言───、
「えい。」
と言って雪をぶん投げてきた。同時に、後頭部に冷たい感覚がぶつかってくる。
学年が上がり、息抜きでスポジョイパークに時々行くようになってからと言うもの、奏の投球力レベルが着実に上がっている。
雪自体は柔らかいが、並の女子より高い奏の投球力によって放たれた雪玉はかなりの威力だった。
その後に起こった事といえば、振り向いた俺の顔面に同じ物が炸裂し、凍った床と雪に足を取られた俺が・・・・・・
「うわぁああ!」
盛大にすっ転び、背面から雪に埋もれた事位だろうか。って、冷静に状況説明してる場合じゃねぇ!
「冷ったぁぁぁぁぁぁぁァッ!!!」
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学校に着いた俺は、体中に着く雪を払いながら、教室へと向かった。
学校へ向かう道すがら、俺が反撃しないせいかはしらんけど、奏が雪を投げまくってきたのだ。
お陰で体は雪まみれになり、校門前で瑞希に大爆笑されてしまった。
だがまぁ、奏がずっと楽しそうに笑っていたので、良しとしよう。
「はぁ・・・おはようございまーす。」
「おはようございます!」
俺の気だるげな声に奏の元気な声が続く。
奏は今年全日に入ったばかりなのに、もうクラスに馴染んでいる。それどころか、休み時間にはクラスの女子達と談笑しているのだ。
人見知りだった昔の俺と一瞬で距離を詰めてのけたそのコミュ力を侮ってはいけない。
あの笑顔の破壊力は核ミサイルに匹敵する・・・・・・ッ!!(迫真)
とまぁ、下らない俺の考えは何処かに置いておいて。
今日は、奏とクリスマスデートをするのである。
昨日は皆で俺の家に集まり、クリスマスパーティーと洒落込んでどんちゃん騒ぎをしていたので、二人で過ごせなかった。
故に、二十五日以内ならギリクリスマスと言う暴論を行使して、今日の夜にデートをしようと、奏と約束をしたのである。
行く場所は内緒にしているので、奏の反応が今から楽しみである。
ちなみに、楽しみすぎて授業の間ずっと上の空で内容が一切入って来なかったのは些細な問題だ。(震えた声)
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家に帰ってきた俺は、着々と準備を済ませつつ、その時を待っていた。
ただ待っているのも暇なので、今日投稿する曲の仕上げをしていると、奏が部屋に入ってきた。
「奏真、準備終わったよ。」
「おっけー。じゃ、行くか。」
奏の準備が完了したことを確認した俺は、奏と共に夜の街へと繰り出した。
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side奏
奏真が今日デートに誘ってくれて、凄く嬉しかった。
奏真と歩く夜の街は、いつもよりキラキラしてて、凄くワクワクした。
でも、ちょっとしたハプニングが起きてしまった。
「うぅ・・・・・・お母さん、どこぉ・・・・・・?」
「う〜ん、全っ然居ないね〜。」
道の途中にあるビビットストリートで、迷子の女の子に出会ったのだ。
そしてふと、その子の隣にいる人が目に留まった。
先が青みがかっている黒のロングヘアを揺らし、女の子と手を繋いでいるのは・・・・・・、
「白石さん?」
白石さん。この場所で伝説のイベントを超える為に歌を歌っている人だ。
「あ!もしかして、宵崎先輩と明星先輩ですか!?ちょうど良かった!お願いします、手伝ってくれませんか?」
「その子の事?何がどうなってこうなってるの?」
「え〜っとですね・・・・・・。」
白石さんに事情を聞いた所、女の子の名前は晴宮花菜(はれみやはな)。お母さんと一緒に居たけど、人の波に揉まれてぬいぐるみを落としてしまい、探しに行ったらお母さんとはぐれてしまった。はぐれた後、白石さん達の歌が聞こえて、ここまで来た。で、歌ってた白石さん達がどうしたのか聞いた所拙いながらも事情を説明してくれて、今vivid bad squadの皆で彼女のお母さんを探してるんだとか。
「わかった、わたしで良ければ手伝うよ。ね、奏真。」
「ま、しゃーないな。さて、とっとと見つけますか。」
こうして、わたし達はしばらく、迷子の女の子である、花菜ちゃんのお母さんを探す事となった。
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ビビットストリート中をくまなく探し、ついには乃々木公園まで来た時に、やっと見つかった。
どうやらお母さんの方も、花菜ちゃんを探していたみたいで、見つかった時は泣きながら抱き合っていた。
「お姉ちゃん、お兄ちゃん!ありがとね!」
「本当に、ありがとうございました!」
花菜ちゃんの母親は、そう言って深々と頭を下げた。
「いえいえ、わたし達は手伝っただけで、探してくれたのはこの人達ですから。
「そうだったんですね・・・・・・。みなさん、うちの娘がお世話になりました。」
わたしがそういうと、今度はビビバスのみんなに頭を下げた。
「いえいえ、ほんと大丈夫ですんで。」
その後は彰人くんが猫被りモード(命名主:絵名)で応対し、花菜ちゃんの家族と別れた。
ビビバスのみんなも戻った頃には、夜も深まって、止んだ雪が再び降ってきた。
雪が木に飾られたイルミネーションに照らされて、まるで夜空の星が降ってきているかの様な光景を見ながら、奏真が呟いた。
「結構遅くなったけど、奏。メリークリスマス。」
「だいぶ遅いよ、奏真。メリークリスマス。」
そう言って、わたし達は短い口付けを交わした。
「また、こんな風に二人で、一緒にクリスマスを過ごしたいな。」
わたしの言葉に、奏真が微笑みながら言葉を返した。
「またじゃねぇよ。これからはもう、ずっと一緒なんだからな。」
わたし達の関係はきっと、側から見れば一つの呪いなのだろう。
だがそれでもいいと、わたしは思える。
「・・・・・・そうだね。」
だって、今のわたしは幸せだから。
あ、本編の更新はそろそろします。ではまた。