ヤンデレひよりに愛される奴。

「あなた」は〜〜みたいな二人称小説です。

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ヤンデレ、ちょっとだけメンへ(コンプラ)ら入ってるかも。

 ヤンデレひよりでも大丈夫な方は、楽しんで頂ければ幸いです。


椎名ひよりと愛に溺れる

 高度育成高等学校の生徒であるあなたは、Cクラスに配属されていた。

 卒業したのち、望む進路に進めることが約束されているという謳い文句に心惹かれて入学したあなたとしては、何としてでもクラス対抗で勝たなければならない。なぜなら、その恩恵を受けるには卒業時にAクラスの生徒でなければいけないのだから。

 

 そのためにあなたは、独裁的なリーダーの龍園を恐れながらも、勉学に励み、日々体を鍛え、部活動にも精を出していた。

 

 この学校においては模範的な生徒と言えるだろう。

 とはいえ、厳しい戦いの中であれど――否、厳しい戦いの中であるからこそ、そこには癒しが必要である。

 

 

 

 あなたが同じクラスの女子生徒、椎名ひよりと特別な関係になるのに、それほど長い時間は必要なかった。共通の趣味、近い席。何よりも、椎名ひよりに心を奪われ、不器用ながらも積極的にアピールしたのが効いたのだろう。

 

 最初の特別試験である無人島試験の最中に――もっとも、龍園の戦略でほぼ全員船上だが――ひよりとあなたは恋人となった。

 

 この学校では簡単に退学になる恐れがあると言えども、普通以上の成績を収めてクラスに貢献している間は、所詮退学など他人事だ。そういう意味では、普通の学校と変わらない。

 そんなあなたにとって最早、学校はひよりと会うために存在しているようなものであった。

 

 

 だから、何かが狂っても、あなたはすぐにそのことに気が付かなかった。

 気が付いていても、そのようなものだと受け入れてしまっていた。

 だから、取り返しがつかなくなったのは。

 すべてあなたに原因がある。

 

 

 

 

「さっき、私とのデートだというのに、どうして他の女子生徒の方を見ていたんですか」

 

 両手は拘束されていて、両方の足は椅子の脚に括られている。その上椅子の背もたれにぐるぐる巻きに、ぎちぎちに縛り付けられているのだから、あなたは身じろぎ一つできない。

 あなたの眼前には、最愛のひよりがいる。光の消えた、狂気の泥の中に引きずり込まれたような濁った瞳をしたひよりだ。

 

 彼女のしなやかな指先があなたの顎に触れる。ゾッとするような、しびれるような感覚がそれだけであなたの全身を襲った。

 その指先は、あなたの顔の上をゆっくりと動いて、目の下の涙袋を軽く押した。ひよりはどこか楽し気な笑みを浮かべていた。まるであなたの肌の質感を楽しむように。

 

「私だけを見ていて欲しいのに。どうしてですか? 私よりあの人の方が魅力的でしたか?」

 

 

 先ほどまで感じられた狂気はどこへやら、急に悲し気な表情を浮かべたひよりに対して、あなたは必死に弁明する。

 

 ひよりが一番であると。ひよりだけが自分にとって大切な存在なのだと。

 

「でも、間違いなくあの人のことを見ていましたよね?」

 

 

 そう言われてしまえば、あなたは容易に反論できない。なぜなら、ひよりの言う女子生徒に視線が行ったのは事実だからだ。

 その生徒は同学年でありながらも、誰よりも女性らしい身体つきをしているものだから、ふとした時に目で追ってしまう。特に今日、ひよりとデート中にすれ違った時は、普段の制服姿ではなく私服だったのだから。

 制服では少し硬めの素材であるがために、多少なりとも抑えられていたであろうその破壊力。それが、私服の柔らかい材質の服では、他ではそう簡単にお目にかかれないほどの威力を発揮していた。

 

 あなたも健全な男子高校生である以上、どうしても女性を性的に見てしまう時はある。もちろん、誠実な男性であろうとするのならば、そういった目はなるべくひよりに対してだけ向けるべきだ。ひよりはそんなあなたの衝動を受けれてくれる女性であるのだから。

 しかし、悲しいかな。もともと生物の雄というものは不特定多数の雌に対して情欲を発露する。それが知性と理性の人間であっても逃れられぬ定めである事は、十年ちょっと生きただけでも嫌というほど理解してしまっている。

 

 弁明したいし、許して欲しい。あなたは完全に拘束された状態でも、やはりそういうことを考えてしまう。

 

 

 それを見逃すひよりではない。洞察力に優れた彼女は、あなたのそのような考えを手に取るように理解してしまったらしい。

 

「そうですか。私では満足できないんですね? 私では、魅力が足りないのですね? はい……もちろんそれくらいのことは私だってわかっています。彼女と比べて私は胸もそれほど大きくはありません。容姿も、全く自信がないと言えば嘘になってしまいますが、彼女のようにいつでも笑顔というわけではありませんし、明るい性格でもありません。無理をさせていましたか? 私なんかに合わせて、苦しませてしまいましたか?」

 

 そんなことを言うひよりに、必死にそんなことはないと告げる。あなたが好きになったのは、他でもないひよりなのだ。胸の大きさであれ、性格であれ趣味であれ。全てをひっくるめて、あなたが好きなのは椎名ひより以外にあり得ないのだから。

 

 必死にひよりに好きだと伝えるあなた。しかし、ひよりはいまだに不安そうな表情を変えない。いまだに無理をさせているのではないかと考えているようだ。

 

 今この場で愛をささやき続けたところで変わらないのかもしれない。

 

 それでもあなたは、今後二度とひより以外の女性を見ないと叫ぶ。誓う。

 

 心なしか、ひよりの瞳が、先ほどに比べて明るくなった気がする。ひよりは、キスをするのではないかというほどにあなたに顔を近づけて、瞳のその奥を覗き込んで。

 

「本当に、ですか? 本当に私だけを見てくれるんですね? もう、二度と私以外の女性に目を奪われないと誓えますか?」

 

 そう言うひよりに必死に頷くあなたは、これが何度目の事なのかと思い返す。

 ここまで念入りに拘束されたのは初めての事ではあるが、ベッドに縛り付けられて搾られた事や、三日三晩無休で求められたことはある。

 

 ひよりの悪癖と呼ぶべきか、嫉妬深く、あるいは自信がないのか、あなたが他の女性に目移りしないかと不安がることは珍しい事ではなかったのだ。

 

 それを魅力ととらえることもできたし、面倒だと吐き捨てることもできた。

 ただあなたも、これほどまでに嫉妬してくれるひよりに対して、歪んだ愛情を感じざるを得ないでいた。嫉妬に狂うひよりは、普段の冷静で知的な様子とは大きく異なり、あなたの事だけを考えて、あなたのためだけに他の全てを投げ捨てるようで。

 

 しかし、最近は不安の方が些か強くなっていた。

 あなたがひよりに向ける愛情は、最初から変わっていない。

 寧ろ、親や家の距離といったありがちな制限がなく、同じ環境で共に過ごす中で明らかに強くなっている。だというのに、ひよりがあなたの愛情に不安を感じる頻度は、度合いは、徐々に強まっているようにも思えた。

 

「ごめんなさい。こんな風に縛ったりして……痛くはありませんか? なるべく痛くないように、タオルで覆ったり、ファーの付いた手錠を選んだのですが。あっ……少しだけ跡が……ごめんなさい、でも、不安だったんです。あなたが本当に私のことを好きでいてくれるのか…………ん」

 

 拘束が解かれた後も、あなたは身体を動かせないでいた。ひよりがあなたの身体を撫でまわすのを、複雑な心境で眺めていた。

 

 ひよりは、あなたの身体を堪能するように、服を脱いで全身で擦るように抱いた後、そっと唇を奪う。

 

 そのあとの学生に相応しくない不純も、あなたはただ、受け入れる。あなたには、ひよりの狂気を、歪んだ感情を、病み切った愛を、受け入れる他に無いのだから。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

「あの日、約束しましたよね?」

 

 そんな出来事から二か月は過ぎただろうか。過酷な試験を乗り越えて、あなたのひよりに対する愛は、あの時以上に強くなっていた。

 

 だというのに。

 

 あの時のように椅子に縛り上げられたあなたの前で、ひよりは千枚通しを手にしていた。

 

 部屋の常夜灯の、薄暗い暖色の明かりを受けて。尚も、鋭く尖ったそれは、冷たい金属の光を湛えている。いったいその工具を何に使うつもりだろうかと、あなたは強い恐怖を感じた。あなたの体のどこかに突き刺すつもりなのかもしれない。二度と浮気ができないようにと言いながら、性器をズタズタに、使い物にできなくされるのかもしれない。

 

 自らの想像が、とめどなき恐怖心を加速させた。

 

「……? あまり怖がらなくて大丈夫ですよ。あなたにはなるべく痛い思いをさせません」

 

 言いながら、力強くあなたのことを抱きしめるひより。その言葉に安心することは出来ない。なるべくということは、間違いなく痛い思いをするはずなのだから。

 

 身体の震えは誤魔化せない。あなたの恐怖は、簡単にひよりにも伝わる。ひよりの言葉に安心できなかったあなたに、けれどひよりは慈愛に満ちた微笑みを見せる。

 

「心配せずとも、あなたの愛情を疑うわけではありません。あなたが、私のことを本当に大切に思ってくださっていることを、私は実感しています」

 

 言いながらひよりは、あなたに顔近づけて、じっと見つめてきた。まるで、最後にあなたの顔をよく見ておこうとしているように。

 慈しむように、心の底から大切そうに。あなたの全身を撫でながら、都度、口づけをするひより。

 

「『春琴抄』を、ご存知ですよね?」

 

 突然ひよりが言った。何の脈絡もない発言に、すぐには理解できなかったが、徐々にあなたは思い出す。『春琴抄』は、句読点が徹底的に排除された、特徴的な文章で書かれた文学の傑作だ。盲目の女と、その付き人の、マゾヒズムの――

 

 

 

 あなたは思い出す。

 『春琴抄』に登場する男は、愛のために目を潰すのだと。

 

 次いで理解する。

 ひよりがこれから何をしようとしているのかも。

 

「安心してください。まずは私からですから。あなたも、今の私を目に焼き付けておいて……二度と他の女性に目を奪わせない……ごめんなさい。私には他に方法が思いつきませんでした。こうしてしまえば、もう二度と本を読めなくなってしまいます……それでも、あなたに、他の人の方がいいと思われることの方が嫌です……!」

 

 あなたは必死にひよりを説得する。そこにあるのは、保身ではなく、純粋な愛であった。ひよりに辛い思いをさせたくない。痛い思いをさせたくない。せめて、潰すのは、自分の眼だけにして欲しいと。

 

 あなたの言葉に、ひよりは千枚通しを手放して。

 

「ごめんなさい……でも、不安なんです。今日も授業中に伊吹さんの方を見てましたよね……? 私よりも伊吹さんの方に魅力を感じてしまっているのではないか」

 

 縋り付くように、拘束されているあなたを抱きしめるひよりに、安堵と今更感じ始めた恐怖。

 そして、かつて感じたように、それほどまでにあなたに依存しているひよりに、あなたは優越感と危険な快感を覚えていた。

 

 

 

 ひよりはあなたを貪るように犯して、拘束を解き、ともに眠りについた。

 次に目が覚めたのは、すでに学校が始まっている時間帯。横にいるひよりは、いつもよりも無邪気に微笑んで、あなたのことを眺めていた。

 

「おはようございます。学校、サボってしまいましたね。でも、今はこうしているだけで幸せですし、学校に行ってしまうと他の女子生徒もいますから」

 

 ひよりに顔を掴まれて、唇を奪われる。そのまま、昨日の続きを求めるひよりにされるがままになりながらも、あなたは不安に感じざるを得ない。

 

 ひよりの愛情は狂気に近い。それも、底なし沼に、今もまさに引きずり込まれ続けている。いずれ、あなたの言葉も届かなくなってしまうかもしれない。

 

 

 

 

 あなたを求めるひよりに、あなたは答えた。

 ただ、ともに沈みゆく覚悟をもって。




挑戦的な作品になったのは自覚してるから。

 (二人称小説書いたのは)はじめてだから(評価)優しくしてね。はーと。

 気が向いたらヤンデレひよりに愛されて学校にいけないASMR台本風小説が続くかもしれないです。


 いつかえっちなバージョン書きたい。


 ひよりがアニメに出ましたね。動いて喋って感極まってあばばばばって感じです。

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