後輩は心の怪盗団   作:どうまん

4 / 13
ペルソナ使い

「……ここに居るんだっけ」

 

 立ち入り禁止の屋上。

 ドアを開ける。

 

 えーと、蓮は……いたいた。

 

 金髪の少年少女の間に挟まり談話している。膝の上には黒猫が丸まっていた……。

 

 友達ができたみたいで安心した。

 

「!……せ……先輩」

 

「おっとと……危ない」

 

 間髪入れず突撃してくる。

 膝から転げ落ちる黒猫。

 

 分かっていたはずなのに尻餅をつく。

 膝の上に蓮が……。

 

 ……そんなに積極的だったかな。

 

 2人は呆然としている。

 黒猫はにゃーにゃー鳴いていた。

 

「…ふへぇ」

 

 暑苦しい。

 

「……別人じゃね?」

 

「うーん……どうだろ」

 

 言いたいことは分かる。

 こんなに酷くなかったと思う。

 

 ……思いたい。

 

「友達が困ってるよ」

 

「……あ」

 

 パッと素早く……嘘。

 渋々離れてくれた。

 

 はぁ…自己紹介だね。

 2人の前に立つ。

 

「こんにちは。蓮の友達だね。俺は天宮憂。よろしく」

 

 先に男の子。

 手を差しだす。

 

「……あ、うす。坂本竜司…です」

 

 恐る恐る握ってくれた。

 しっかり握り返す。

 

 見た目に反して良い子かな。

 次は女の子。

 

 外人さん?

 

「高巻杏です。よろしくお願いします」

 

 ハーフかクォーターかな?

 

 抵抗なく握ってくれる。

 ベタベタするのも失礼だから押さえつつ握り返す。

 

 よし、自己紹介は終わり。

 

「蓮がお世話になってます。これからもよろしくしてあげてください」

 

 色眼鏡無しで見てくれている。

 蓮にはこういう子達と繋がりを持って欲しい。

 

「あ、いや……寧ろお世話になってんのは…」

 

「……私達、というか」

 

 ……訳ありなのかな。

 そっか、蓮は……変わらないんだ。

 

 全く……。

 

「…先輩」

 

「出しゃばり過ぎたね。一個上だけどそんな畏まらなくていいよ。…可愛い猫だね」

 

 にゃーにゃーと鳴き続ける黒猫を持ち上げる。

 

 あ、大人しい。

 

「お利口さんなんだね。えらいぞー」

 

 撫でくりまわしても怒らない。

 ゴロゴロと喉を鳴らしてくれる。

 

 黄色い首輪がトレードマーク。

 

「……モルガナ…!」

 

 ギリィ…と擦れる音。

 ……ど、どうしたの蓮。

 

 そんな黒猫を睨み付けて……。

 ……モルガナって名前なんだね。

 

「モルガナかー」

 

 もふもふ。

 

 △

 ▽

 

 至って普通だった。

 

 レンが盲目的に愛する男。

 変わり様には驚いた。

 

 あのレンが甘えた声で……。

 ……寒気がしてきた。

 

 恐怖もヒシヒシとこの身に伝わる。

 

 だって今もワガハイのことを親の仇のように睨んでるんだぞ!?あとが怖い……。

 

 2人もレンと距離を置いている。

 あ、これ助からない……?

 

 戦慄と絶望が交差する。

 ……コイツはワガハイのことを撫でくりまわす。

 

 荒々しくもなく、優しくもない。

 ただ普通に愛でている。

 

 ……普通だったんだ。

 蓮と同じ力を感じる。

 

 弱々しいが……それでも確かに感じた。

 コイツは……()()()()使()()、だ。

 

 ただ…レンはおろかワガハイやリュージ、アン殿には遠く及ばない。低級シャドウを倒すのが精一杯だろう。

 

 どんなペルソナを持っているのか反逆の意思はなんなのか……気になる点はある。

 

 知ったら驚くだろうな。

 ……黙っておこう。

 

 レンだって巻き込みたくはないだろう。

 ワガハイもだ。

 

 ……ウイがいなければレンと会うことすら叶わなかったかもしれない。

 

 レンを見てわかった。

 ウイはレンの精神的支柱。

 

 ウイに何かあればレンは一瞬で崩れる。

 弁慶の泣き所に近い。

 

 なら尚更巻き込めない。

 レンはジョーカー。切り札なのだから。

 

 他にもあるんだけどな。

 なんか、こう……()()()()を感じたんだ。

 

 前にどこかで会ったような…そんな気がする。

 

 メメントスやパレスはないだろう。

 ……ワガハイの言葉を認識できていない。

 

 ペルソナ使いだよ、な?

 

 もしかしたら認知した上で演じている?

 幻聴だと聞き流している可能性があるのか?

 

 ……試してみるか。

 

「おい!ワガハイの声聞こえてるか!」

 

「どうしたのモルガナ?」

 

「オマエがレンの大大大好きなアマミヤウイだろ!!」

 

「怒ってる?撫で過ぎちゃったかな。…あ、どうした蓮」

 

 あ、やべっ…。

 顔が活火山になったレンが……ミギャ!?

 

「おいおいおいおい」

 

「あ、死んだねこれ…」

 

 く、首がしま……リュージ…アン殿、助け……。

 

「モルガナが……」

 

「……ないのに」

 

 私だってしてもらったことがないのに…って人間の男女でさっきのは普通に不味いだろ。

 

 ワガハイも人間だけどな!

 今は猫だけど……猫じゃねーよ!

 

「?」

 

「……あっ」

 

 チャイムがなった。

 …お昼ご飯食べてなかったな。

 

 あ、待ってくれレン!

 さっきは悪かった!

 

 ……悪かったから頭を掴むのはやめ━━

 

 △

 ▽

 

 可愛かったなぁモルガナ。

 

 次はクラスで自己紹介。

 良い関係を築いていきたい。

 

 あ、どうせだし蓮と一緒に帰ろう。

 ついで蓮がお世話になってる人にご挨拶に行かないとね。

 

 確か喫茶店……だっけか。

 コーヒー好きだしこれからお世話になるかもね。

 

「よし…頑張りますか」




次はパレス編かなぁ?
知らぬ間にイセカイナビが生えてていつの間にか迷い込む。

モルガナが懐かしさを感じたのは多分、カロリーヌジュスティーヌと同じ理由。

弱いとも言っていたけどコミュが全部リセットされているからです。ワイルドはあらゆるペルソナを使える代わりに絆を紡いでいかないと成長しないから…ある意味蓮との絆?はあるけれど…。
それでも一から築いていかないといけないので……。

普通のペルソナ使いの方が実は成長早かったりして。

次回の次回

  • パレス編
  • コミュ編
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。