真・恋姫†夢想 正義の後継者   作:シバヤ

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52話

 

官渡に着いて、オレは香風と共に桂花の作戦のために別働隊で行動している

護衛に星もいるから敵と接触しても問題はない

 

「まーくん、ここら辺なんだよね?」

「あぁ。目印となる木々もあったからこの近くなのは間違いない」

「…………あった。糧食」

 

そう、それは袁紹軍の兵糧

魔術により捜索範囲が人よりも広いためにそれを使って袁紹軍の後方にある、兵糧を探し、消すことが目的だったんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたたち五名の部隊は遊撃隊として行動してちょうだい」

 

遊撃隊、つまり機に臨んで適宜に攻撃することだよな

 

「でも桂花、オレは部隊なんて持ってないし何より今のオレには個々で戦えるほどの力が……」 

「あなたは香風の隊に付いてもらうわ。それに星も部隊を持っているから三人で行動をして貰うから大丈夫よ。私の読み通りなら、糧食が置かれてる位置がだいたい合ってるはずだからあなたにはそれを見つけてもらいたいの」

 

つまり視力の強化で捜索範囲を見つけて欲しいってことか

それに多少の範囲なら地を通してどこに何があるかだいたい把握することが出来る

 

「稟さまと風さまの助言と、わたしの記憶を元に周辺の地形の情報や兵糧庫となる地点の候補を幾つかに絞っておきました。今のわたしにはこれぐらいしかお力になれそうにないです……」

「ありがとう理央。それだけの情報があるならオレ自身も負担をかけずに済む」

「この作戦が上手くいけば戦はすぐに終わるわ。だからあまり魔術を使わずに済むと思うんだけど……」

「心配してくれてありがとう。大丈夫、二人の為にも絶対に成功させてみせるから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして見つけることはできた

この策はオレが知っている官渡の戦いでもあったものだから何も起きない限りはこの戦勝ちになるだろう

さて……後は燃やすだけか

 

「徐晃さま。火を放ってよろしいですか?」

「……うん。もったいないけど、やって」

「はっ!糧食と補充の矢に火をかけろ!森には燃え広がらないよう注意しろよ!」

 

これで作戦は無事に完了だな

あとは一気に畳み掛けて戦を終わらせるだけか 

 

「シャンは追撃する。あとよろしく」

「了解です!」

「オレも行くよ。作戦は終わったんだし、次の行動に移らなきゃ」

「いいの、星?」

「任務は達成したのだから本当は下がりたいのだがな。だが下手に止めるよりはある程度は進軍した方が正騎殿も引き際がわかるだろう」

「ごめん星……だけどやっぱりみんな戦っているのに後ろで見ているだけだなんてできないんだ」

「シャンも一緒だから、危なくなったら止めるね」

「うむ、頼りにしているぞ香風」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前方に戦ってる影が見える

あれは──

  

「季衣と流琉?あの二人は春蘭の補佐だったはず……」

「誰かと戦ってる?」

「あれは……顔良と文醜の二人とだ!」

「ならシャンに任せて」

 

というと香風は一気に二人の加勢に

さすがにあれには追いつけないや

 

「ちょっと香風!ボクたちの戦いの邪魔しないで……っ!」

「季衣さん、流琉さん!部隊から突出しすぎです!お二人は春蘭さまの補助だったでしょう!」

「え……?あっ!ほんとだ、いつの間に」

 

なんとか間に合ったか!

それに柳琳と華侖とも合流出来たようだ

季衣は戦いで気づいてなかったのか

 

「ならどうしよう。ボクらが退がったら、いっちー達が……」

「ここはシャンがやる」

「……星!香風と行けるか!?」

「えぇ。正騎殿は下がってくだされ」

「まーくんは、るー様と華侖さまと周りの敵をお願い」

「……わかった」 

 

本来ならオレが行きたいが、ここには星がいる

それに一緒にいるのは香風だ

連携もできるだろうし、ここの最適な人選は星しかいない

 

「周りの敵は私と姉さんと…………あら、姉さん?」

「華侖さまは、もう戦ってる」

「ここはあたし達に任せるっすー!早く退がるっすよ!」

 

さすが華侖だな

行動が早い、ていうか体が勝手に動いているのかな?

 

「何だぁ?次はあんたら二人で相手ってか?」

「そちらが二人ならこちらも二人、それでよかろう?」

「そういうこと」

「いいぜ、上等だ!」

 

本当なら関羽さん一人で相手だったが、星と香風なら結果は変わらないだろう

なら、オレは……今のオレが出来ることをやるべきだ

 

「なら……いっちー、またね!」

「おう!また美味いもん食いに行こうなー!」

 

こういう会話をしてるってことは仲が良いってことだよな

そんな中戦うなんて……なんか辛いな

 

「柳琳さま、ここはよろしくお願いします!」

「……よろしいのですか?あの二人を見逃して」

「十分戦ったしなー。それに……その二人もなかなかに強そうだし、楽しそうなもんだ!」

「もぅ……っ。でも油断しちゃダメだよ。文ちゃん」

「当然!なら、行くぜ!」

「…………来い」

「この二人は確実に倒しますので、背後はお任せ致します正騎殿」

「あぁ!全力で行ってこい!」

 

戦いが始まる

魔力回路に魔力を通し……準備はできた

少し左側が重いけれど、魔術を使うのにはなんの問題はない

ただどれだけの時間耐えられるかだ

 

「ならこちらも行きます。姉さん!」

「分かってるっす!」

「総員、突撃っすー!」「総員、突撃ーっ!」

 

星と香風は袁家の二枚看板、顔良と文醜を相手に

オレがは周りの兵士を相手にする

前衛は華侖、柳琳達に任せ後衛に位置し弓で援護射撃

いざという時の為に干将・莫耶は形だけで中身はほぼ空っぽだけど打ち合いが少しできる程度にして備えてある

ただの兵相手なら……3合が限界か

敵の後ろ側にいる兵には直接狙い、こちらの兵と打ち合っている兵には剣や槍の芯を狙い破壊とまでは出来ないが体勢を崩したり、武器そのものを弾き飛ばし隙を作っていく

 

「ぐっ……」

 

今までは投影魔術のお陰で矢の残量を気にせず射撃することができた

だが今はその魔術が安易に使えないから、元々の持っている矢の残量には限りがあった

当然矢は無くなり、その場で補充するためには投影魔術しかない

簡単な矢でさえ、投影するのに苦痛が起きてしまった

 

「敵が撤退していく……香風と星も見当たらないってことは敵の追撃に行ってるのか?」

 

あの二人なら深追いせず、引き際のタイミングも分かるから大丈夫だろう

オレの方も何とか多少の疲労と苦痛で終えることが出来た

……役目は果たせたから戻るべきだな、桂花や理央のためにも

 

「正騎さん、私たちは退りますよ」

「そうだな。あまり前に出すぎると他のみんなに余計な判断をさせてしまうかもしれないし」

「ありがとうございます。それに桂花さんと理央さん、栄華ちゃんに深追いするようなら止めるように言われてるんですよ」

「うっ……、その三人に言われてるんじゃあ……」

 

逆らったらまたお説教タイムあるだろうし、止めるように言われてるのに止められなかったって柳琳も責任感じそうだし……

もう勝ちは決まったようなものだし、オレと柳琳の隊の虎豹騎がいなくてもなんとかなるか

 

 

「ふふっ」

「どうした?」

「いえ、正騎さんが桂花さんたちには逆らえないのかなって思いまして」

「あー……まぁあの子達には色々と」

 

オレは彼女たちに逆らうことができない……と思う

理央は自分という武器を使って来るし、桂花と栄華って母さんみたいに気が強いからなぁ

父さんも母さんに逆らえないところがあるし……

これは女難の相を引き継いじゃったか

 

「私だって心配したことは沢山ありますよ?それなら私の言うことも聞いてくれてもいいんじゃないですか?」

「うっ、確かに……」

 

柳琳にも心配させちゃったことあるからな

ということはこの子の言うことも聞かないと不公平ってことになるし……

それに、柳琳はオレの中でもちゃんと守るべき人……大切な人の1人になっていることは変わりはない

 

「なんて、冗談──」

「わかった、柳琳の言うことも聞くよ」

「えっ?」

「柳琳にも同じようにいろいろと心配させたり迷惑かけてるからな。ならみんなと同じ対応しないと」

「……そうですか。それじゃあせめて私には甘えてください」

「……え?」

 

甘える?そんなことでいいのか?

でも、この世界に来て誰かに甘えることなんて確かになかったのかも……

桂花と栄華には頼りにして貰えるように頑張っているところを見せ、星には彼女の隣に並び立てるように必死になって、理央にはオレが守ってあげられる用に彼女の支えになれるようにしていた

 

「正騎さんは桂花さんたちにカッコイイ所を見せようと頑張りすぎたり頼られてるのに、その逆は全くしていません。ですからせめて私にぐらい甘えてください」

「本当にそんな要求でいいのか?」

「はい。私が望んでるのですから」

「……わかった。なにか辛くなったり、耐えられなくなったら柳琳に頼るよ。確かに彼女たちには情けないところは見せないようにしちゃってる部分はあるからな」

 

呂布に負けて以来は力を最大限に使ってる場面が多かった

そのせいで反動起こして、今は左側が麻痺してたり重く感じてたりするんだし

これはこれで情けないよな

 

「では、約束ですよ?」

「あぁ。その時はよろしく」

 

こうして官渡の戦いは勝利で終わった

その後、春蘭が主不在の南皮を陥落させて、河北四州は華琳の支配下に置かれることになったんだ

オレが知っている歴史通り、曹孟徳である華琳は今この中華一の勢力になりつつあった

オレがカリンの元に居られる為に……力を使えるようにしないと

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