神様転生したけど、冷静に考えたら幽霊とかお化けが怖いので超絶除霊チート能力をもらった。   作:尋常時代

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ほのぼの会です。
誤字報告ありがとうございます。ほんとに助かりました。
それにしても、こんなに多くの方に見てもらえて、ほんとにうれしいです。
ありがとうございます。
もう少し、私の物語にお付き合いください。


これはちょっとしたお話

 

 

「だからさ、人の属性っていうのはさ、その人の魅力の一部でさ、時間をかけて育んでいくのであって、どんどん増やしていくってどうなのって俺は思うのよ。ほら、あれだよ、最近流行りの量産型ってやつ? みんな同じ髪型してさ、同じような服装着てさ、似たような性格になってさ、それでいて個性がないんだよね。でもそれってさ、ある意味一番の個性じゃないかなーとか思ったり思わなかったり。皆自分の個性って何だろうって考えながら生きてるんだろうけど、結局は他人との比較の中でしか自分を見出せないわけじゃん? でもその比較対象が他人の中にあっても自分の中になくて、自分の中の基準でしか判断できない。だから自分の本当の姿が見えてないんだよ。だって自分の姿が見えないんだからね。まあそういう意味では俺も同じかな。自分って何なのかなって考える時もあるんだけどさ、結局わかんないから結論は出ないわけ。それに、答えが出ちゃったとしてもそれはもうすでに誰かの作った価値観でしかないから、本当の自分が出した結果じゃない気がするんだよね。だから結局は自分で見つけるしかないのかなって思って。だけどさ、それが難しいから悩んじゃう訳で、なかなか上手くいかないから苦労しちゃったりしちゃうんだと思うんだ。ああ、ごめん、ちょっと話が逸れちゃったみたいだ。えっと何の話をしてたっけ? そうだそうだ、そういえば魔法少女物の話をしていたんだったね。違うっけ? いやぁ、まさかこんな話になるとは思っていなかったからびっくりしたよ。なんていうかさ、ほとんどの人は俺と似たようなものなんじゃないかな。きっと、普通の人と違うことに苦しんでいると思う。もちろん、それは悪いことなんかじゃない。むしろ素晴らしいことだと言える。普通とは違うということは、つまりは特別であるという証なんだ。特別な人間には必ず意味がある。そう、それは、世界に選ばれたという証明だ。だからこそ、俺達は世界をもっと楽しむべきだと思う。俺達にしかできないことをやっていこうぜ! 」

 

「……何の話?」

 

「なんで俺はボッチ何だろうって話」

 

「……聞き飽きた」

 

「そっか、じゃあいいや」

 

 俺は幼馴染ちゃんにひたすら愚痴っていた。ちなみに内容はないようです。なんでかって聞かれたら、転入してきてすぐ属性を三つも付け足してきた巫女服ちゃんが妬ましかったからだ。俺がこの学校に来て、ついた属性は詐欺師だったから余計に妬ましい。いや、属性は足し算すればいいってものじゃなくない? いや、属性って大事だとは思います。はい、大切です。しかし、その組み合わせはちょっと……、うん、まあ、その、なんだ、ね? ほら、色々とアレじゃん? 段階っていうものがあるじゃん。ミステリアスな雰囲気あったよね? それはもういいの? ミステリアスなの? キュートなの? どっちなの? 

 

 えっ? どっちか選べないよぉ! 的な感じじゃないの? 

 

 隣でぎゃんぎゃんわめく俺を虫を見るような目で見てくる幼馴染ちゃん。やめて、そんな冷たい目を向けないで。お願いします。

 

 しかし、本当に巫女服ちゃんは何者なのだろうか。見目麗しいただの可愛い女の子なのに、外見が特殊すぎる。まさか転入生に俺のキャラを完全に食われるとは。もっとキャラを差別化しろ! 俺を優遇して魅力をもっと前に押し出せ! と、俺は声高々に叫びたい。

 

 いや、別に巫女服ちゃんが悪いわけではないのだけれど。

 

 俺はため息をついて、幼馴染ちゃんの方に向き直る。

 

 ちなみに、今は放課後である。授業は終わっている。

 

 教室には俺たち以外に誰もいない。みんな帰って行った。

 

 机の上には筆記用具やノートが散乱している。

 

 そして、俺が幼馴染ちゃんに一方的に愚痴っている間に時間が経ち、夕日が差し込み始めている。

 

 ちなみに、幼馴染ちゃんはずっと俺の隣にいた。

 

 何をしていたかというと、一緒に勉強していた。

 

 幼馴染ちゃんは俺よりも成績が良いので、こうして俺が勉強を教えてもらっていたりする。は? 小学生の勉強なんて楽勝だろ? と思っているそこの君。小学生より勉強できないの? とか思ったそこの君。まあ俺もどうかとは思うけどさ、でも俺には前世の記憶があるから微妙に違う地理とか歴史に滅茶苦茶手間取るんだよね。なんか物理法則とかもちょっと違うしさ。「俺、転生物の主人公みたいだ」とか思ってちょっとうれしかったけどでも実際面倒なだけだよ。まあ、そういうわけで、俺は幼馴染ちゃんに泣きついているというわけである。

 

 ちなみに幼馴染ちゃんは学年一位だ。滅茶苦茶頑張ってる。それなのにこうして放課後まで勉強しているのは将来の夢はお医者さんだかららしい。すげぇ。天才かな? 誰かのように、困っている人を助けられる人になりたいのだそうだ。俺のことかな? 

 

 俺は立ち上がって、ぐっと背伸びをする。

 

 窓から見える空は、綺麗にオレンジ色に染まっていて、思わず見惚れてしまうほどだ。

 

 俺は、ふぅっとため息をついて椅子に座っている幼馴染ちゃんの方を見て、笑いかける。

 

「もう暗くなってきたし、そろそろ帰ろう」

 

 幼馴染ちゃんは少し不満そうな顔をしていたが、こくりと小さくうなずいた。どんだけ勉強が好きなんだ。俺はできるだけ勉強をしたくないのに。

 

 そうして俺と幼馴染ちゃんは帰り支度を済ませて、教室を出ていく。

 

 廊下に出ると、ひやりとした空気が頬を撫でた。

 

 季節は冬。吐く息は白く染まり、外気に触れている肌の表面が冷たくなっていくのを感じる。

 

 寒いなぁと思いながら、玄関に向かって歩いていく。もうすっかり誰もいない校舎はとても静かだった

 

 学校というのは不思議な空間だと思う。いつもは大勢の生徒がいる場所だが、誰もいないときに限って、まるで世界から切り離されてしまったかのような感覚に襲われる。俺はこの雰囲気が嫌いではない。普段とは違う光景を見るたびに、非日常を感じられてわくわくしてくるからだ。

 

 

 

 幼馴染ちゃんと一緒に帰る途中、河川敷に寄った。土手の上に立って、川を眺めながら歩く。

 

 水面が黄金色にきらきらと輝いて、とてもきれいだ。

 

 川の向こう岸では子供たちがサッカーをしている。元気の良い掛け声がここまで聞こえてきた。

 

 俺と幼馴染ちゃんは手を繋いで歩いている。手をつなぐことは幼いころからの習慣みたいなものだ。俺たちが物心つくころにはすでにこうしていた気がする。

 

 夕暮れ時になると、急に冷え込んでくる。幼馴染ちゃんの手は冷たい。氷を握っているのかと思ってしまうくらいに冷たい。

 

 だから俺は彼女の手を温めるように、ぎゅっと握ってみる。

 

 幼馴染ちゃんはびくりとして、こちらを見上げてくる。

 

 俺はそれに構わずに、そのまま歩き続ける。

 

 幼馴染ちゃんは相変わらず無表情のままだったが、心なしか嬉しそうであるように思えた。

 

「それにしてもさ、よくそんなに頑張れるよね。将来何になるにしても、今からしっかり準備するって、大変じゃない?」

 

 幼馴染ちゃんはこくりとうなずく。

 

 彼女はあまりしゃべらないタイプなのだが、なぜか会話が成立する。不思議だ。

 

 幼馴染ちゃんの夢は、お医者さんになることだ。それもただのお医者さんじゃなくて、優秀な外科医になりたいのだそうだ。

 

 幼馴染ちゃんは、小さいころからずっと、自分の夢のために努力を重ねている。毎日遅くまで勉強して、休日も遊ばずに、勉強ばかりしている。彼女が目指しているのは、国内有数の超難関大学だ。

 

 でも、わざわざそこまでしなくてもいいんじゃないかとも思う。

 

 だって、幼馴染ちゃんは頭が良いし、成績優秀だし、優しいし、性格も良いし、料理もできるし、家事全般も得意だ。

 

 幼馴染ちゃんは容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能、品行方正、眉目秀麗、才色兼備、深窓の令嬢、立てば清楚座れば大和撫子、歩く姿は百合の花、まさに完璧超人である。まあそれは言いすぎだけど、とにかくすごい女の子だということは間違いない。

 

 これだけ何でもできたら、将来は何になったとしても成功すると思うけどなぁ……。

 

 俺は彼女に質問を続ける。

 

「なんでそんなに頑張れるの? やっぱり、自分の決めた道だから?」

 

 幼馴染ちゃんは再びこくりと首肯した。その顔は無表情だが、どことなく誇らしげに見える。

 

 きっと、自分の意志を貫くことが、嬉しいのだろう。

 

 俺は彼女の横顔を見ながらそう思った。

 

「人助けがしたいの?」俺がそのことを口にすると、決まって幼馴染ちゃんはこんなふうに答える。

 

 ──人を助けたいわけじゃない。人を助けることのできる人間になりたいの。

 

 このセリフを聞くたびに、幼馴染ちゃんらしい考え方だなぁと感心してしまう。鬼リピしてしまう。

 

 幼馴染ちゃんはクールな性格なので感情表現が苦手だが、本当は優しい子だ。

 

 俺は幼馴染ちゃんのことを知っている。

 

 俺は幼馴染ちゃんのことを誰よりも理解できているはずだ。たぶん。

 

 それなのに……俺は幼馴染ちゃんの力になれていない。

 

 もっと力になってあげたいんだけど、俺にはできることが少ない。

 

 何か幼馴染ちゃんの助けになることはできないだろうか。

 

 こんな時、俺の特別な力なんて何の役にも立たないのだ。

 

 俺が悩んでいると、ふと視界の端に動くものを見つけた。

 

 そちらに目を向けてみると、一匹の猫が歩いていた。

 

 黒い毛並みの、キジトラ柄の子猫だった。

 

 まだ生後数か月といったところだろう。子猫はゆっくりとこちらに向かって歩いてきていた。

 

 俺は子猫を驚かさないよう注意しながら近づき、そっと抱き上げる。

 

 

 

 子猫は嫌がる様子もなく、大人しく抱かれてくれた。

 

 子猫を抱きかかえるのは初めての経験だが、子猫はおとなしいので、特に問題なく捕まえることができた。

 

 幼馴染ちゃんはその様子を見て、わずかに微笑む。

 

 俺はそんな彼女を見て、ほっとする。

 

「可愛いね」

 

 幼馴染ちゃんはこくりとうなずいて、子猫に手を伸ばす。

 

 彼女は子猫の頭を優しくなでると、とても穏やかな声で言った。

 

 ──かわいい。

 

 そしてまた、俺と幼馴染ちゃんは手をつないで歩き出す。

 

 夕日が沈むころ、俺たちは家にたどり着く。

 

 玄関を開けると、母親が出迎えてくれていた。

 

 どうやら、今日は早く帰ってこれたようだ。

 

 

 

 母親と幼馴染ちゃんが仲良さげに話し始める。幼馴染ちゃんが楽しそうな笑顔を見せるのは珍しいことだ。

 

 俺には全然見せないその笑顔にジェラシーを感じながら、リビングへと向かう。

 

 ソファーに腰掛けると、幼馴染ちゃんも隣に座った。そのまましばらく、無言の時間が続く。

 

 やがて幼馴染ちゃんが口を開いた。……わたし、おなかへった。

 

 確かに、もうすぐ夕食の時間だ。

 

 俺は立ち上がるとキッチンへ向かう。

 

 冷蔵庫から取り出した食材を使って、手際よく料理を始める。

 

 幼馴染ちゃんはそんな俺の姿をじっと見つめている。

 

 いつものことなので、別に気にしない。料理ができるまでの間、幼馴染ちゃんはずっと俺のそばを離れなかった。 ちなみに、今日のメニューはオムライス。幼馴染ちゃんの大好物なのだ。俺は幼馴染ちゃんの視線を浴びつつ料理を作るという体験をしながら、料理を完成させる。

 

 出来上がったオムライスをお皿に盛りつけ、テーブルの上に並べる。

 

 最後にケチャップをかけると完成だ。

 

 料理が完成すると、両親と幼馴染ちゃんの四人で一緒に食べる。

 

 食べ終わるころには、すでに夜の9時を過ぎていた。

 

 ピンポンとチャイムが鳴った。

 

 幼馴染ちゃんはインターホンを取る。

 

 画面に映っているのは幼馴染ちゃんのお母さんだった。

 

 幼馴染ちゃんは少しだけ嬉しそうに頬を緩ませる。

 

 ──お母さん! 

 

 ──あら、香織! 遅くなってごめんなさいね。元気にしてた? 

 

 ──うん。……ちょっと待っててね。今開ける。

 

 幼馴染ちゃんは玄関の鍵を開けると、扉を開く。幼馴染ちゃんのお母さんはスーツを着て、手に買い物袋を下げている。

 

 幼馴染ちゃんの両親は共働きなので、こうして帰ってくるのが遅い。帰ってくるまで一人にならないように俺の家に来ている幼馴染ちゃんをこうして迎えに来るのだ。

 

 幼馴染ちゃんのお母さんは、俺の姿を見ると、小さく頭を下げる。

 

「こんばんは。いつも娘がお世話になっております」

 

「いえ、こちらこそ」

 

 幼馴染ちゃんのお母さんは、幼馴染ちゃんに似て美人だ。背が高く、スタイルも抜群で、モデルのような体型をしている。

 

 俺の母親なんかよりよっぽど美人だ。正直うらやましいと思うことがある。

 

 幼馴染ちゃんのお父さんは、仕事が忙しくてあまり家に帰ってこない。お父さんは大変だ。家族のために働くってのは、なかなかできることじゃない。

 

 俺もそういう父親になりたいと思っている。

 

 

 

 幼馴染ちゃんのお母さんは、スーパーのレジ袋から、いくつかの食材を取り出すと、俺に手渡した。

 

 そして、俺の母親の方を見て、軽く会釈する。

 

「それじゃあ、今日もありがとうございました。お邪魔しました。……ほら、香織、帰るわよ」

 

 幼馴染ちゃんは、名残惜しそうな表情を浮かべながらも、素直にうなずく。

 

「わかった……。また明日ね、──くん」

 

 幼馴染ちゃんは俺に別れを告げると、俺のお母さんにも挨拶をして、玄関を出ていく。

 

 幼馴染ちゃんのお母さんは、もう一度俺に礼を言うと、幼馴染ちゃんと一緒に帰っていった。

 

 ……。 さて、俺もそろそろ寝るとしよう。

 

 俺は自分の部屋に戻ることにした。

 

 階段を上り、部屋の中に入る。なんか窓が開いて寒いし紙が散乱してる。

 

 拾い上げてみると、その中には「飯食わせろ」「遊べ」などと書かれた紙が散乱している。

 

 俺はため息を吐くと、それらのメモを破り捨て、掃除を始めた。

 

「それにしても、俺にできることって何なんだろうな」

 

 ふと、そんな疑問が湧いてきた。すごい力を持ってたら、もっと悩まなくて済むと思ってたんだが。

 

 幽霊とか、妖怪とか、悪魔とか、神とか、天使とか、宇宙人とか、異世界人とか、未来人だとか、超能力者だとか、霊能力者だとか、予言者だとか、預言者だとか、魔法使いだとか、呪術師だとか、陰陽師だとか、魔術師だとか、忍者だとか、召喚士だとか、錬金術師だとか、サイキックだとか、エスパーだとか、そんな特別な存在になったとしても、特別な力を持っていたとしても、結局のところ、目の前の傷ついた人にはハンカチぐらいしか渡せないのだ。そんな力がなくても助けられるなんて、前世では当たり前にみんなしてきたことなのに。

 

「勉強もできないしな」

 

 これは前世からそうだったけど。でも、まあ。

 

「とりあえず、俺にできる範囲のことをやってみるか」

 

 それが一番いいような気がした。たぶん、それでいいのだ。

 

 

注釈ありとなしを書いてみましたが、改めてどちらがいいか聞いてみたいです。

  • 注釈いる
  • あってもいい
  • なくてもいい
  • 完全に要らない
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