神様転生したけど、冷静に考えたら幽霊とかお化けが怖いので超絶除霊チート能力をもらった。   作:尋常時代

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私にいったい何ができるんだろう

 私には自慢の父様がいる。威厳に満ちた父様だ。でもそんな父様の様子が最近変だ。何か隠し事をしている気がする。

 

「どうしたんですか?」

 

「……いや」

 

 私の問いかけに言葉を濁す父様。いつもならすぐに教えてくれるはずなのに目を逸らされる。その顔はどこか暗い。

 

「なにかあったんですか? 父様がそんな顔をしていると、私も悲しくなります」

 

「すまない。だが、今は言えないんだ」

 

 いつか話すから、もう少しだけ待っていてくれないだろうか、そう言って父様は微笑む。

 

 私はそれ以上何も言えなかった。だって私を安心させるような、優しい笑顔だったから。だからこれ以上聞くことが出来なかった。

 

 そして、そんな父様を見て胸騒ぎを覚える。嫌な予感がするのだ。父様に何かあるんじゃないかって。

 

「……分かりました」

 

 だけど私は納得して、うなずく。今の父様に、これ以上聞くことはできそうもなかったから。

 

 それに、話してくれると言ったのだ。信じよう。

 

 父様はほっとしたように微笑むと、私の頭を撫でる。

 

「大丈夫だよ。心配してくれてありがとうね」

 

 くすぐったくて、私は思わず笑ってしまった。すると、父様もつられて笑う。

 

「無理しないでね」

 

「うん。わかった。じゃあそろそろ仕事に行かないとだから行くね」

 

 やっぱり父様といる時間は好きだ。こうやって笑い合えるだけで幸せな気持ちになる。きっとこの時間が好きなんだと思う。ずっと続けばいいなって思うけど、最近の父様はあまり笑ってくれない。だから、もっと笑ってほしいなとも思った。

 

 でも私に何ができるのだろう。

 

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 それがとても悔しかった。だからせめて私が守れる範囲では守りたいと思った。

 

 でもそれはただの自己満足かもしれない。本当に守ることが出来れば良いんだけど…………。

 

 

 父様を見送ると、また部屋に戻る。

 

 今日は父様がいないから、1人でゆっくりしようかなと思った時だった。

 

 部屋の扉をノックされた。

 

 ガチャッとドアを開けるとそこには姉さまがいた。

 

「あら、お出かけするところだったかしら?」

 

「ううん。ちょっと休憩しようと思ってただけ。それよりどうしたの姉さま?」

 

 姉さまの方から私を訪ねてくるなんて珍しい。少しだけびっくりして固まってしまったが、なんとか返事をする。

 

 すると姉さまは少し不安そうな表情で私を見た。その様子に私は首を傾げる。姉さまが私を訪ねるときは大抵何かしら理由があるからだ。

 

 しかも私にしか頼めない事*1というのがほとんどなので、用件は何だろうと身構えてしまう。……どうしたんだろう? 不思議に思いながらも私は姉さまの言葉を待つ。またプリンを買ってくればいいのだろうか?

 

 だけど姉さまは何も言わずにじっと私を見つめるだけだった。

 

 しばらく沈黙が続く。私は痺れを切らして声を掛けようとしたその時、やっと姉さまが口を開いた。

 

 そして出てきた言葉は──―

 

 信じられないものだった。

 

 

 

「あなた、次の学期には転校して、自分とこの神様、妖怪、魑魅魍魎ぶっ殺した核弾頭みたいな少年と一緒に人生過ごすことになりそうだわよ」

 

 

 姉さま*2は真剣な表情で言う。正直、何を言っているのかよく分からなかった。

 

 えっと……。いきなりすぎて頭がついていかないというか……。……あれ? なんか聞いたことがある単語。それって確か……。

 

 混乱しながらも私は何とか思い出そうとするが、頭が回らずに結局意味がわからず聞き返すと。

 

「え? まだわからないの? だからあなたがあの神殺しの少年と組むことになるって言ってんの!」

 

 

 

 

 姉の言葉が真実であったとわかるのは、正月の事だった。

 

「わが娘よ、お前に重大な任務を与える」

 

 有無も言わさぬ口調で告げる父親に対して、少女は眉一つ動かさずにうなずいた。前よりも焦燥しているように見える父様を助けたいと思ったからだ。

 

 しかし、父様の話を聞くと、私は唖然としてしまった。

 

 

 

 

「そういうことだ。だから今のうちに心の準備をしておきなさい」

 

 父様は言うだけ言って去って行った。残された私は呆然として立ち尽くすしかなかった。

 

 どうしてそんなことになったのか訳が分からない。姉さまの話ではあの男の子とペアを組むということらしいけど……。

 

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 おそらく何か考えがあってのことだろう。

 

「でも……」

 

 本当に大丈夫なのかな。父様と別れた後、私は一人自室で悩んでいた。

 

 私は父様みたいに強くないし、賢くもない。

 

 それでも私は父様の娘だから。

 

 大切な家族を守りたい。

 

「このまま何もしないで後悔するくらいなら、私は動く」

 

 だって私は父様を信じてるから。きっと私達を守ってくれる。

 

 だって父様は私達の事を愛してくれているもの。だから大丈夫だよ。

 

 でも私は……

 

 

 

 

「この度は宗教上の理由でこの学校に転校してきました。宗教上の理由で特定個人には名前を知られたくないので名前は教えられません。仲良くしてくれると嬉しいです。よろしくお願いします」

 

 こうして私の長い長い学校生活が始まった。でもやっぱりこの理由は難易度高くない*3

 

 神様? 

 

 

*1
パシリ

*2
未来予知が使える

*3
たぶんベリーハード

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