神様転生したけど、冷静に考えたら幽霊とかお化けが怖いので超絶除霊チート能力をもらった。   作:尋常時代

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ミステリアスなクールビューティ

 流行りなのか? その理由? 

 

 聞きなれぬ自己紹介をするその女の子を見ながら俺は思う「トンでもねえ奴と、同じ時代に生まれちゃったナ」と。

 

 

 

 冬休みが終わって、やってきたのは一月。

 

 始業式の日、教室に入ると、いつものように席に座っていた幼馴染ちゃんの表情が少しだけ嬉しそうに見えた。

 

「どうしたんだ?」

 

「転校生が来るんだって」

 

 知らないの? と首を傾げる彼女。その顔には可哀そうなものを見る目*1が見え隠れしている。

 

 クラスの大多数*2ではすでに噂になっていたらしい。少し周りを見渡すと、その話題で持ちきりのようだった。

 

 なるほど、俺は少し考えて、この世界に来たときから変わらない笑顔で、彼女に笑いかけた。

 

「ああ、俺はボッチだからな」

 

 俺は泣いた。だってそうだろ! 友達ができると思ったんだよ! だけど現実はいつだって非情だ…………。

 

 俺は自分の机の上でうずくまってメソメソしていた。

 

 隣の席の彼女はそんな俺を見て、呆れたように溜息をつく。

 

 そして俺に向かって手を差し伸べた。

 

 それは、とても小さな手だったけど、今の俺にとってはどんな宝石よりも輝いて見える。

 

「早く友達作ってね、見てて悲しくなるの」

 

 俺はまた泣いた。あまりにも若すぎる周りに合わせられないわが心。これもまた青春というべきか……? 

 

 なんて考えながら彼女の手を掴んで立ち上がる。

 

「ありがとう」

 

 お礼を言うと、悲しそうに視線を逸らす彼女。かわいいぜ、まったく! その時、教室の扉が開いて先生が現れた。

 

 彼女は、トコトコ椅子に戻って行く。俺はまた座った。なんで立ったの*3? 

 

「皆さんおはようございます。今日も元気に行きましょう!」

 

 教壇に立った見知らぬ女教師の言葉を聞いて俺は思わず呟く。というかうちの担任*4は? 

 

「あれっ? だけどなんか見たことあるような……」

 

 どこか懐かしい声に記憶をたどるが、思い出せない。

 

「えーっと、それでは、皆さんに新しいクラスメイトを紹介します。さあ入って」

 

 俺の考えを無視して話は進む。

 

 まあいいか。

 

「はじめまして」

 

 聞こえてきた透き通るような声に、教室が静まり返る。

 

 黒く艶やかな髪に白い肌、大きな瞳に桜色の唇。腰に日本刀を佩く堂々とした佇まい。

 

 まるで精巧に作られた人形のような美少女がそこに立っていた。あと巫女服。

 

 しかし彼女の姿を見ているとなぜか、不思議な感覚に陥る*5

 

 初めて会うはずなのに、初めてじゃない*6気がするのだ。

 

「それじゃあ、黒板に名前を書いてくれるかな?」

 

 彼女はゆっくりと首を振って拒否して話し始めた。

 

「この度は宗教上の理由でこの学校に転校してきました──―」

 

 こうして俺の新しい学園生活が始まった。

 

 ──────

 

 

 

 いや!? どういうことなの!? というかあの女教師は誰なの? ほんとに何? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺とは違って、休み時間のその巫女服の子はクラスの人気者になった。

 

「ねえねえ名前は?」

 

「ごめんなさい、どうしても教えられないの。なにかあだ名を考えてくれたら嬉しいわ」

 

「どうして転校してきたの?」

 

「絶対に成し遂げないといけないことがあるの。ごめんなさい、詳しくは言えないの」

 

「好きな食べ物は?」

 

「……内緒です」

 

 などと会話をしている。次々と質問を投げかける生徒たちにも動じず、淡々と答えていく彼女。

 

 いや、ほとんど答えてなくない? それでいいの? 

 

 でもその姿は、まさにミステリアスでクールビューティーといった感じだ。

 

 その刀は何? という質問になぜかこちらを見ながら「刺し違えても為さねば為らぬ使命があるのです」と答えるのはなぜ? 

 

 次々と話しかけられる彼女を見ていると少し複雑な気分になる。

 

 自己紹介でやらかした俺とお前、何が違う*7の?

 

 別に悲しいとか思ってないからな! 美少女無罪か? でも俺も美少女のほうが好きなので言葉には出さない。

 

 転校生バフがあるからみんな物珍しさだろう。最初だけだ! 

 

 そういうことなんだろう。きっと。多分。

 

 まあでも俺には関係ないことだ。ボッチだし。俺はそう思いなおして、授業の準備を始めた。

 

「ねえ、隣の席の人。ちょっといいかしら?」

 

 突然の問いかけに俺はビクッとして*8振り向いた。そこには巫女服の彼女が微笑みながら立っている。

 

 俺は驚いた。なぜならこのクラスで俺に話しかけてくれるのは幼馴染ちゃんだけだからだ。

 

 それすらも、もう飽きてきたのか最近はあまり喋ってくれない。友達が増えてきたから割り振り時間が短くなったのだ……。

 

「な、なんだ?」

 

「そんなに警戒しないでほしいのだけど……。あなたに聞きたいことがあるのよ」

 

 彼女は苦笑しながら言った。

 

「ぼっちのこの俺に聞きたいことだって……? 一体何を聞こうってんだ……」

 

「あなたは、幽霊って信じる?」

 

 俺は思わず固まった。おいおい、ヒロインの登場か?

 

 この世界に来てから、幽霊の類には出くわしていない。だけど転生させてきたやつがいたのでいると思っている。

 

 だが……。

 

「どうしたの? 黙り込んでしまって。大丈夫?」

 

 彼女は小首を傾げて俺の顔を覗き込む。俺の目と彼女の目があった。俺はゴクリと唾を飲み込み、口を開く。

 

「いや、すまない。俺は見たことがないけど、いるんじゃないかなって思っている」

 

 俺は慎重に答えた。かつての自己紹介のトラウマを思い出してしまったからだ。

 

 彼女はそれを聞くと嬉しそうに「そうなのね!」と言った。

 

 そして、続けて言う。

 

「私は霊を見ることが出来る*9んだけど、最近変なものが見えるの」

 

「へー、へ、へんなもの……? それはいったい……?」

 

 俺は少しワクワクしてきた。新入生に帯刀巫女服霊感少女が入ってきたからだ。おいおい、俺の時代が始まっちゃうのか? 修正パッチ来たなこれ。というかほんとに幽霊いるんだ。いや、信じてるけど、()()()()()()()()()し。おいおいテンション上がってきたぜ、まるで異世界に来たみたいだぜ。

 

「それはね……、黄昏時に現れるの。気持ち悪くてこの世と思えない醜い体をした男の話」

 

 俺は思わず、彼女に近づいてその手を握った*10。彼女の体はとても冷たく感じる。

 

 すると、俺の手もひんやりとした感覚*11に包まれる。

 

「なあ、なんか困ってることがあったらさ、格安で解決してやるよ」

 

 俺は真剣な表情を作り、この新鮮な依頼人候補を逃さまいとした。

 

 

*1
いつもの目

*2
俺以外

*3
雰囲気

*4
冴えないおっさん

*5
クールジャパン

*6
この前追い返された

*7
ミステイクでイカレポンチ

*8
ボッチしぐさ

*9
悲しい嘘

*10
依頼人の気配に敏感

*11
気のせい

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