神様転生したけど、冷静に考えたら幽霊とかお化けが怖いので超絶除霊チート能力をもらった。 作:尋常時代
反応を見ながらどっちも少しずつやっていこうと思います。
難しい…
お気に入りが500を突破しました……凄すぎる……そんなに見てくださってるのですね……
みんなそんなにトレンチコートのおじさんが好きなのですか?
私は皆さんが好きです……
黒スーツのお兄さんの用事が終わった後、俺は全裸で満ちたグラウンドから目を逸らしながら「疲れちゃったナ……早く家に帰って寝ようかな……」とか考えつつ、校舎に戻ろうとした。大量のおっさんはあの黒スーツのお兄さんが何とかするそうだ。というかこれ以上おっさんを視界に入れることが苦痛で仕方ない。というかお嬢様がいつの間にかいなくなってる。もう帰ったのだろうか。
俺が今すべきことは、さっさと帰宅することだ。しかし、そう思った矢先だった。
背後に何かの気配を感じて振り返ると、そこにいたのはなんと、全身真っ白の女の子だった。
髪は白く、瞳は紅い。身長は小学生くらいだろうか。まるで作り物のように整った顔立ちをしており、可愛らしい少女だった。だが、その白い着物を着た美しい少女を見た瞬間、俺は思わず息を呑んだ。
彼女の肌や着ている服に至るまで、全てが純白だったからだ。
そして、その白い少女を見て、なぜか既視感を覚えた。
(あれ? あの子の腕に巻いている布、どこかで見たような気がするような……)
なぜこんな時間に子供が一人でいるのか。
とりあえず彼女をこのまま放置していてもまずいと思った俺は、声をかけようとした。
だが、それよりも先に、彼女が口を開いた。
その透き通るような綺麗な声で、彼女はこう言った。
──―お腹が空いたわ。
第一印象は、なんだこのガキは、だ。いきなり現れて、空腹を訴えるとはどういうことだ。この状況分かってんのか。このクソ寒い中、いつまでもいたいわけではないのだ。とにかく事情を聞こうとする。
だが、彼女は再び同じ言葉を繰り返しただけだった。
一体何がしたいんだよこの子は……。
そう思って頭を抱えると、彼女は突然、こちらに向かって駆けてきた。目の前で止まって、じっとこちらを見上げてくる。そして、そのまま動かない。これはつまりアレですか。もしかしなくても、俺について来たいということなのか。ラブコメ始まった? やめてくれよ、まだ脳内をおっさんに支配されてるんだ。整理する時間をくれ、明日また来てくれよ。
「彼女は
……式ねえ、まぁ、確かにそれっぽい感じはするが、見た目はただの少女にしか見えない。式というのは、陰陽師が使役している使い魔みたいなものだと思うのだが、それにしては随分と幼い。「いらなくなったら壊してくれればいい」と言われたが、貰い物を壊すのってなんか嫌じゃない? そもそも連絡手段は携帯でよくない? 陰陽師のイメージ戦略なのだろうか。なら名刺とかも結構イメージを壊すと思うけれど。
だが、ここで食い下がるのも面倒なので、大人しく従うことにした。
「まあ、よろしくな。えっと……」
名前を聞いていなかったことに今更気付く。どうしようかと思っていると、 彼女の方が自ら名乗りを上げた。
──
こうして、携帯扱いの美少女との奇妙な同棲生活が始まったのであった。
もちろん噓である。
そんなん親が許してくれないからな。うちの両親になんて説明するんだ。話によるとどんな扱いをしてもいいらしいので普段は近くの茂みに放置しておくことにする。だが、一つだけ問題がある。どこに行こうにもずっと後ろからついてくるのである。
──おなかがすいた。外に住まわせるのはやめろ。人権を守れ。
そう言いながら、俺の後ろをついて回るのだ。
だが、そんなことを言うたびに、少女は頬を膨らませて怒るのだ。
しかし、どうしたものか。このままでは日常生活に支障が出る。
そこで俺は閃いてしまった。そうだ、クーリングオフしよう。
というわけで、俺はこの前もらった
そこは普通の一軒家であり、表札には土御門と書いてある。はえー、陰陽師も思ったより普通の家に住んでるんだな。
インターホンを押した。しばらくすると、ドアが開いて、すぐ閉じられた。すごい勢いで閉められた。そして何か怒鳴り声のようなものが聞こえてしばらくした後、一人の女性が顔を出した。年齢的に、二十代くらいだろうか。黒髪に眼鏡をかけた、優しげなお姉さんのように見える。この人が、黒スーツのお兄さんの家族だろうか?
彼女は、俺の顔を見た途端、ものすごい表情を浮かべたが、すぐに元の優しい顔に戻った。
そして、にこやかに挨拶してくる。
──初めまして。
その口調からは敵意は感じられない。だが、その目は明らかに俺のことを警戒していた。
まるで、得体の知れない虫を見るかのような視線だ。ひどくない? 母さんがカーテンにカメムシがついていた時の顔してるんだけど。
だが、俺は負けじと笑顔で返した。
「実は、お宅の娘さんを預かっているんですけど」
黒スーツのお兄さんから渡された少女を彼女に見せると、彼女は眉間にシワを寄せ、険しい顔をした。
そして、俺に向かって、冷たい声で言ったのだ。
「あなた、騙されてるわよ」
……はい? 俺は耳を疑った。いやいや、まさか。いくらなんでもそれはないだろう。
この子は確かに似てないがこの子も一応は陰陽師の関係者なのだ。
そう思い、反論しようとしたのだが、その前に彼女が口を開いた。
「あなた、どうしてここに来たの?」
その問いに対し、いや、この不良娘、不良品という意味だが。を返却しに来たと正直に答えると、彼女は違うわ、と言った。
「この家にどうやってたどり着いたの? この家の住所、知らなかったでしょ」
そういわれ、黒スーツのお兄さんから渡された名刺を見せながら、ここに来た理由を説明する。
だが、彼女は首を横に振って否定する。
そして、彼女はこう続けたのだ。
「
……はい? 思わず素で聞き返してしまった。え、どういうこと? どういうことなの? 彼女の説明はこうだ。
しかし、目の前の女性は至極真面目な顔で言うのだ。
だから、今すぐ帰って。そう言って、玄関を指差す。
……いや、この娘返却しに来たんですけど。そう言って抗議すると、
──―帰れ! そう言って、扉を思い切り閉められてしまったのであった。
俺は泣いた。あの人の好さそうな黒スーツの人に騙されていたのだと知って、ショックで泣きながら帰った。帰り道、公園の前を通りかかると、ベンチに座っている少女を見つけた。その子は巫女服を着ていたが、転入生とシルエットが違った。猫耳がついている。
眼鏡とマスクを着けているせいで誰かはわからない。そもそも俺は傷心中なのだ。人の顔なんてよく見ない。
後ろをついてくる白い疫病神を引き連れて、俺は家に帰って布団かぶって寝た。
明日はいいことがありますように…………
「ふん……、いくら巫女へ手を出されようが、やはり神域以外には手を出しては来ないのだな」
神域とは、神々が住まう場所。つまり神の領域である。この世界には、神域と呼ばれる領域が幾つか存在している。
そして、それら神域にはそれぞれ神がいる。例えば、北欧神話ではアースガルドという神界が存在するとされているし、ギリシャ神話ならばオリュンポス山があると言われている。また、神道においては高天原と呼ばれているらしい。
ちなみに、私が今いるこの場所は、地球上に存在する神域の一つ。
この神社の主の名は、スサノオノミコト。日本神話における最強の男神であり、アマテラスオオミカミの弟でもある。
「しかし彼も容赦がないというか、年頃の少女を家の外に放置するかね……普通」
あれでも私の大事な相棒なのだがね。私はあの少年に渡した式、
先日、私は彼女にとある頼みごとをした。それは、彼女にしかできないことだった。
それは彼の傍での情報収集。彼がどのような人間なのかを見極めることだった。
だが、それは結果として難航した。
何を考えているのか悟らせないためか、用心しているのか、決して自身に近づけさせることをしなかったからだ。結果は芳しくなかった。
しかし、収穫がなかったわけではない。私が妖狐に持たせたのはただの紙切れではない。呪符の一種だ。
それを肌身離さず持っておくことで、ある程度の場所を私の元へ教えてくれる。
だが、あくまである程度だ。それに、私が作ったものなので完璧に安全とは言えない。
それでも、無いよりはましだろう。何せ、相手はあの神殺しだ。下手に刺激してはこちらの身が危ない。
だから、まずは様子見。そして、彼がどのように動くのかを知る必要があった。
私にできることは限られているが、それでもできる限りのことはしよう。
しかし……贅沢を言うならばその内面を少しでも知りたかったのだが。
彼は、私を理解してくれるのだろうか。
「それにしても……イレギュラーなことが起こりすぎるのは何故なんだ……」
そう独り言ちると、背後から声をかけられた。
振り向くとそこには、
その男の背筋はピンと伸びていて、その瞳は鷹のように鋭い眼光を放っていた。
一見すると、威圧感のある人に見えるかもしれない。だが、それは決して見た目だけではない。
その身に纏うオーラは、まるで熟練の武闘家のような気迫を感じさせるものだった。
──あの少年をどうするおつもりですか。
そう問うてきたその人物に、私は答えなかった。
「私は、あの子の教師です。それは教職を辞しても、一度私の教え子となった以上、あの子を危険な目に合わせたくない」
ふむ、教師……ね。…………なるほど、そういうことか。いや、こんな変態教師がいてたまるか! 思わず内心で突っ込んでしまったが、それも仕方ないだろう。
……ふざけた男だ。子供を教え導く教師が、露出などという異常なことを望むとはな。
貴方は間違っている。そう告げてやった。
そう、目の前の男に言ってやる。すると、男は一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに元の表情に戻った。
何か思うところがあったのか、それとも別の理由があるのかまではわからないが。
すると、今度は男が口を開いた。
「なるほど、あなたも苦しんでいるのですね。おそらくは……自身の使命と、そしてそれを果たせないことへの苦悩」
……何の話だ? 全くもって意味が分からん。何なのだ、こいつは。
私はただ──しようとしているだけだ。なのに、この変態は一体何を言っているんだ。
「どうやら私たちの間には相互理解が足りないようですね……。よろしいでしょう、お話をしましょう。
………………
「失敗したかなあ」
私は後ろで何やら張り切っている変態の視線を受けながらそう独り言ちる。私は、あの変態が嫌いだ。生理的に無理だ。だが、この変態には
だからこそ、こうする羽目になっている。
この変態は、私と同じように人の道から外れた者だ。
そして、私と同じく、人の道を外れてしまった者の気持ちが分かる人間だ。
自分の理想と、現実との乖離。
そして、それはきっと、誰もが乗り越えなければならない壁なのだ。
だが、それでも人はその壁に何度もぶつかり、そして折れてしまう。
しかし、この男は、違った。
その度に立ち上がり、前を向いてきた。
それは、並大抵の人間ではできないことだろう。
だが、それでもこの男は諦めなかった。
どんなに絶望的な状況であっても。
それは、凄まじいと素直に称賛に値する。
そんなことを考えながら歩いていると、目的の場所へと着いた。
そこは、先日訪れた場所だった。神域であるここには、いくつもの鳥居が存在している。だが、そのどれもがボロボロだったり、汚れていたりと、あまり綺麗なものとは言えない。まあ、私は正月に来たことがあるので別に感慨深いこともないのだが。
そこは、鎮守の森の中でも奥まった場所にある、小さな社だった。
「こんなところに社があるとは……」
そう呟き、辺りを見回す。知らないのも当然だ。ここは、普段誰も訪れることのない場所だからだ。
私は、この場所を知っている。
ここに祀られているのは、土地神だ。
この土地の守り神であり、同時に厄除けの神でもある。そして神がおわすその場所は聖域とされており、神主以外は立ち入ることが許されていない。そして誰かが侵入した際、すぐさま知らせが入る。
つまり……
「何をしに来た
そう言い放ち、私の目の前に現れた人物は、俺の良く知っている人物だった。
その身には巫女装束を纏っており、腰まで伸びた黒髪は、艶やかでとても美しく見える。
だが、その瞳は冷たく、鋭い眼光を放っていた。
気に食わない。ここにたどり着くまで
おそらく警報を聞いてから、急いでやってきたのだろう。
だが、それも仕方のないことだと思う。何故なら……
神にとって俺の存在は、正しく些末な事なのだ。
「
俺は目の前の、実の父親にそう声をかける。すると、その目は更に鋭くなり、射抜くような視線を向けてきた。
そして、ゆっくりと口を開く。
その言葉は、冷たいものだった。
「自ら出ていったお主が、──────今更何用じゃ」
そう言われ、思わず苦笑してしまう
。
確かに、何もかも捨てて家を出た身だ。それに、今まで連絡一つしなかった。
それがいきなり帰ってきたと言われれば、そうなるのも仕方ないと思う。
だが、今はそれどころではないのだ。そう思い、事情を説明しようとしたところで、先に口を開かれた。
親父は、少しだけ
しかし、それも一瞬のことだった。すぐに元の表情に戻り、話を続ける。
「お主が何をしたところで
「ああ、そうかもしれないな。でも、やってみないとわからないだろ? 」
すると、親父の方からため息が聞こえてくる。
「……好きにせい。わしには関係ない。わしにもまた、できることなど、何もないのだ」
その顔に諦めのような感情が見え隠れする。それは、今まで見たことがない表情だった。疲れ果てた男の表情だった。
そして、最後に一言だけ、こう言った。
「だがな、お前は、間違っている」
その目には、確かな怒りの色があった。
「お主が
だがな……
だが、それだけ言うと、親父は踵を返し、その場を去った。
去り際に、こちらを一睨みしてから。
宣戦布告のようなものをしに来たのだが、予想に反し、何事もなく終わってしまった。
私は、あいつが嫌いだ。いや、あの男自体が嫌いだ。あの男は、私と同じだ。
私と同じで、人とは違う存在だ。異常な力を持って、異常な姿でいる人間だ。
なのに、あの男は、私とは違い、人のために行動できる人間だ。
「あの人が、あなたのお父様ですか……。なんとも、
後ろで黙って話を聞いていた変態は、私に向けて、そう告げる。
私は、この男が苦手だ。私と違い、人の気持ちがわかる人間だからだ。
そして、私がかつて持っていたものを持っている人間だからだ。
だが、それでも、その気持ちを表に出してはならない。
この変態の前では、絶対に。気持ち悪いし。
「しかし、あの御年で全身ピンクのフリフリ巫女服、きらきら光る魔法のステッキ、しかも魔法少女物。そして極めつけにロリババアキャラの父親ときましたか……、ふむ…… 意外とありですね」
こいつの前でだけは、絶対に!
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