尊敬してますアクア様!   作:天道詩音

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暑中見舞いです。


アツい日のアクセルにて

 

「あーつーいーですー……」

 

 家のリビングでめぐみんは、暑い暑いと言いながら力なくソファーに寝転んでいた。ここ数日アクセルを襲っている夏の暑さにやられて額から汗がしたたり落ちるほどの汗をかいている。そんな暑さの中、少しでも涼もうとローブの胸元部分を掴んでパタパタと風を送り込んでいる。こんなに暑いとその程度の風だと全然効果が無さそうだね……。

 

「ほんとに暑いよねー、ねえ『フリーズ』掛けて欲しいんだけどゆんゆーん……って大丈夫?」

 

 ゆんゆんにまた『フリーズ』を掛けて貰おうと、ゆんゆんが座っている方向に目を向けると、もう何て言うか溶けていた。テーブルに身体を投げ出してぐてっとしている。

 

「すとれごめん、もう魔力不足で使えないの……。朝からずっと使ってたからもう限界かも……」

「ほんと使えないですねーゆんゆんは」

「……もう、言い返す元気も無いわ」

 

 めぐみんもゆんゆんも本当に元気なさそうに項垂れてるし、私も暑さに弱い方だから限界が近いかも。何か暑さ対策をしないとパーティー全滅の危機だよね……熱中症で。

 

 私に使える魔法の中で暑さ対策に使えそうなのって何だろう――『クリエイト・ウォーター』で水分補給とか……? 

 

 うん、水分補給は大事だけどそんなに涼しくはならないよね……。それなら他に……あっ、これなら良いかも!

 

「私が『セイクリッド・クリエイト・ウォーター』で沢山の水を出すから水浴びしない? この前ゆんゆんと出掛けた時にお互い似合う水着を買ったし、せっかくだから新しい水着を着て遊んじゃおうよ!」

「すとれと水浴び!? 早くしよう!」

「ちょ、ちょっと待ってください! 本当に良い案だと思いますけど、何で二人で水着を買いに行っちゃってるんですか!? 私を連れて行かずに二人でこっそり出掛けるなんて許せませんよ!」

 

 ソファーに寝そべっていためぐみんは突然起き上がったせいで立ち眩みを起こしたのか一瞬身体が倒れそうになっていたけど、気にせず一気に捲し立てた。めぐみんはゆんゆんと私の二人で出掛けた事を怒っているけど、元々は三人で出掛けようとしてたんだけどねぇ、でも。

 

「ゆんゆんが誘ってくれたはずだけど、めぐみんがこんな日に外に出たく無いですって言って断ったって聞いたよー」

「すとれも一緒だって知ってたら行くに決まってるじゃないですか! あの時すとれも行くなんて聞いてないですし、こんな暑い日に出掛けるとかゆんゆんが暑さで頭おかしくなったのかと本気で思って断ったんですよ。なので私は悪くありません。悪いのはゆんゆんなので水浴びをするのは私とすとれだけにしましょう!」

 

 めぐみんは私の手を引いてから玄関に向かって歩き始めたところで、ゆんゆんにもう片方の手を掴まれたから進めなくなった。いきなりめぐみんが手を引いてきたから思わずついて行っちゃったけど、ゆんゆんも水浴びしたいよね。

 

「どう考えても悪いのは私を頭おかしな人扱いして誘いを断っためぐみんじゃない! しかもめぐみん水着持ってないでしょ、諦めて私とすとれが水浴びしてるのを眺めてたらいいのよ!」

「あっ、めぐみんの水着は私が選んで買っておいたよー」

「嘘でしょ!? あの時は私とすとれの水着しか買ってなかったじゃない!」

 

 ゆんゆんは私がめぐみんの水着を買っていた事が想定外だったのか私の腕に抱きついてきて、ゆさゆさと揺らして嘘だよねと何度も否定しようとしてるけど。

 

「一昨日めぐみんに似合いそうな水着を買ってきたんだよー。だって三人で水浴びに行こうってなった時にめぐみんだけ水着を持ってなかったら寂しくなっちゃうからね」

「さすが私のすとれです! 私の事を想って水着を買ってくれるなんてすとれは本物の親友ですよ、ゆんゆんと違って! ゆんゆんと違って……!」

 

 めぐみんも私の腕に抱きついてきたけど、すぐその後にゆんゆんに対して怒り出した。相変わらずゆんゆんに対しては何でも言えるからって強く言っちゃうんだよねー。

 

「二回も言わなくていいじゃない! ちゃんと私だって、次に三人で出掛ける時にめぐみんの水着を買ってあげようかなって思ってたのよ! だって三人で水浴びに行った時に私だけ水着が無くて水浴びできなくて、一人で膝を抱えて座り込んでジッと二人を眺めているなんて想像したら泣きそうになっちゃったんだもん」

「あっ……。ま、まあそれなら許してあげましょう……! ねえ、すとれ!」

 

 涙目になってから俯いて淡々とボッチな妄想を話し始めるゆんゆんを見て、言い過ぎちゃったのかと慌てたのか私にもフォローしてくださいって感じの眼差しを向けてきた。

 

「う、うん! 私達みんな水着を持ってるんだから仲間外れになんてならないからね! だから一緒に行こう!」

「めぐみん……、すとれ……!」

 

 きらきらとした幸せそうな目で私達を見てくるゆんゆんと、何とか泣かせずにすみましたって感じに一息ついて額の汗を拭ってるめぐみんの表情の対比が面白くて何だか笑っちゃった。やっぱり二人は仲良いよねー。ちゃんとお互いを思い合ってる感じがして見てると優しい気持ちになっちゃうんだよね。

 

「じゃあ水着に着替えてから裏庭に行こうか!」

「行きましょう!」

「うん!」

 

 寝室に戻って、クローゼットから水着を取り出して皆で着替えていく。

 

 ゆんゆんもめぐみんも恥ずかしそうにこちらへ視線を向けながら着替えているけど、三人で一緒に住むようになってから皆で着替える事なんて何度もあった訳だし、そんなに恥ずかしそうに顔を赤くしなくてもいいのにねー。

 

 そんな事を考えつつ、前屈みになって後ろに回したビキニの紐を背中側で結んでいく、なかなか後ろで結ぶのって結構難しいかも。

 

 私が水着に着替え終わってから少しして、二人も着替え終わったんだけど……、二人とも最高に似合ってるね!

 

 めぐみんにはバンドゥビキニってタイプの水着を選んでみたけど本当に似合いすぎだね! 胸に布を巻いているように見える水着だからめぐみんも色々気にせずに着れるかなーって思って選んだんだよね。下の水着はロングなパレオになっていて、どちらも黒色だからめぐみんの真っ白な肌に良く映えているし、水着の紐が赤色だから良い感じにアクセントになっていて凄いキュートだと思う。

 

「紅魔族らしい黒い水着ですね。これこそ私に相応しい水着です! 私に似合う水着を選んでくれてありがとうございます!」

「ふふっ、私もこんなに可愛いめぐみんを見れて嬉しいよ。着てくれてありがとうね!」

 

 紅魔族の人達って美人さんが多いけど、めぐみんってその中でも綺麗な顔立ちしてるよねー。ゆいゆいさんも凄く綺麗だし将来は絶対美人になっちゃうと思うな!

 

「めぐみんばっかりずるい……! ね、ねえすとれ……、私も見てよ……!」

「あっ、ごめんね! ……ゆんゆんはね、なんて言うか、その……えっちかも……」

「エッチと言うかもはや下品です! 何ですかその乳は……!」

「エッチで下品!? えっ、この水着可愛いよね!? 何でそんな風に言うのよ!?」

 

 真っ赤なビキニを着たゆんゆんが胸元を腕で隠しながらもじもじとこっちを見てくるんだけど……これはちょっと破壊力が凄いかも……!

 

 一緒にお風呂とか入ってる訳で、ゆんゆんの胸が羨ましいくらい大きいのは理解していたんだけど、ビキニを着ると更に強調されてるせいで、もっと凄い事になっちゃってるね……!

 

「もはや目に毒なので、ゆんゆんはここに残して二人で水浴びに行きましょう」

「あ、あはは……でも本当に似合ってると思うよ! えっちだけど……」

「目に毒とか、エッチとかって本当になんなの!? すとれだってビキニの水着を着てるじゃない! 私から見たらすとれの水着姿も凄くエッチなんだから!」

「えっ!? そ、そうなの!?」

 

 思わず両手で胸を隠しながら二人を見つめると目を逸らされた。めぐみんにもえっちだって思われてたんだ……。

 

「え、えっち……!」

 

 そんな目で見られているって思ったら凄く恥ずかしくて、少し涙目になりつつ二人にそんな事を言ったら、慌ててた様子で言い訳をまくしたててきた。

 

「す、すみません! でも似合っているのは本当ですよ! 布面積の少ないビキニとは言っても、純白なんです! 本来清楚に見えるはずの色なのにエッチに思えてしまうのは、その純白を汚してみたいと思ってしまう私の穢れた心がそう思わせてしまったのでしょう! つまりすとれの水着姿をエッチだと思ってしまうのは私が原因なのですとれは悪くありません!」

「ご、ごめんなさい! すとれは顔は幼い感じだけど身体は成長してるし、それがビキニで強調されちゃったから本当にエッチだなって思ってしまってごめんなさい! 私が選んだ水着をすとれが着てくれているってシチュエーションもすっごくエッチだって思ってしまって本当に本当にごめんなさい!!」

 

 えっちなのは二人の方だよね!? なんでそんな事を言い出しちゃってるの!?

 

「へ、変な事言わないでよ! ほら、頭冷やしに水浴びに行くからね!」

「そ、そうですね行きましょう! 変な事を言ってしまったのは暑さのせいですから! 暑さのせいですから!!」

「これも全部暑さが悪いのよ! だから私は悪くないの! 暑さのせいだから!!」

 

 水浴びに行くと言い残して部屋から逃げ出したら二人が言い訳しながら慌てて追い掛けてきた。

 

 三人で裏口の扉を開けて裏庭に行こうとしたところで玄関が開いた音がした。振り返ってみようとしたところで。

 

「ただいまなんですけどー! って皆なんで水着着てるの? あっ、もしかして水浴びするのとかだったり? 外暑すぎたし私も水浴びするわ!」

「お帰りなさい、アクア様! 一緒に水浴びしましょうね!」

 

 良いタイミングでアクア様が帰ってきてくれたから、一緒に水浴び出来るし嬉しいなぁ。じゃあ早速裏庭に――。

 

「ところでアクアは水着を持ってますか?」

「えっ、持ってないけど……」

「あっ……」

 

 わ、忘れてた-!?

 この前めぐみんの水着を買う時にアクア様の水着も買おうと思ったんだけど、サイズが分からなかったから今度一緒に買いに行こうとしていたって事を忘れてた……!

 

「ご、ごめんなさい! この前アクア様のサイズが分からなくて買えなかったんです。めぐみんのサイズは覚えていたので買えたんですけど……えーっと、今から買いに行きますか?」

「い、行かなくていいわ……。そうよね、皆水着なのに私だけ服着てるとかおかしいわよね……。だから三人が水浴びしてるところを端っこの方で座って眺めておくことにするわ……。そ、それくらいはいいわよね!? ダメなら『クリエイト・ウォーター』を使うだけのシャワーに徹するから一緒に居させて!」

「アクアさんが何時に無く卑屈になっちゃってる!?」

「い、一緒に水着買いに行きましょう! それから水浴びでも遅くないですから!」

 

 庭の端っこで膝を抱えて俯いていたアクア様が顔を上げるとキラキラとした笑顔を浮かべていた。

 

「皆ありがとう……! 本当に良い子達ね! めぐみんとゆんゆんも名誉アクシズ教徒に認定してあげるわ!」

「それは本当に結構です」

「絶対に無理です」

 

 あっ、アクア様が膝に顔を埋めて泣いちゃった。

 

 この後泣いているアクア様を連れて水着を買いに行って、皆でアクア様に似合う水着を選んだあたりで元気になってくれたから、その後の水浴びは凄く楽しかった。それに涼しかった!

 

 ちなみに裏庭を覗きに来たカズマ君はアクア様の『セイクリッド・クリエイト・ウォーター』で吹き飛ばされていきました。




すとれ
四人で水浴びをして涼しくなれた!
ゆんゆんの水着姿がエッチだった。めぐみんは可愛かった!

めぐみん
すとれの水着をエッチな目で見てた。

ゆんゆん
すとれの水着姿をエッチな目で見てた。

アクア
上は白色のビキニに水玉模様が描かれた水着、下は水色のロングなパレオの水着を選んでもらった。可愛い水着を選んで貰えて大満足。
水浴びで一番はしゃいでいた。

カズマ
潜伏スキルを使って裏庭を覗き込もうとするも、その瞬間に水浴びで楽しくなったアクアが調子に乗って使用した物凄い勢いの『セイクリッド・クリエイト・ウォーター』が顔面に直撃して気絶。
なお気絶したカズマをすとれが回復魔法で治療してる際にちゃっかり目を覚まし、バレずにすとれの水着姿をローアングルから見る事に成功した模様。


読んでいただきありがとうございます!
これからも不定期に更新していきます。
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