そのポータルはVoidの中にあるVoidの過去。つまりオロキンが滅んだ直後の世界が広がっており、その中にはオロキンが残した過去の遺物というお宝があるのだとか。
それを狙って他の勢力もこぞってそれを奪いにくる訳だが、このポータルは特殊な装置にキーを挿すことでしか開く事が出来ず、また過去という次元に繋ぐという原理も作った意味も不明というこのVoidポータルは、それ故に開かれる時間が極端に短い。
なので入るのは良いが、すぐに帰ってこないと生成したポータルの次元側が、正常を保っていられず崩壊する。崩壊すると、次に生成するまで開くことが出来ず、実質一生閉じ込められることになる。
だから俺はこのポータルには出来れば入りたくはないのだが、救難信号は正しくこのポータルの先から発信されている。
と言っても実際この救難信号が正体不明のこともあり、正直言ってここで引き返しても良いのだが、正体不明だからこそ無視出来ないのもある。
それは、この先に入れば必ずと言って良いほどのいるグリニアの隊長がいるからだ。
グリニアの隊長こと、Captain Vorというテンノ内での別称で、Vorおじさんという機械兵がいるのだが、そのおじさんは既に3度のテンノに対する妨害の末に完全に殺されているはずなのだが、何回殺されても諦めないつもりか、以降まさかのVoidによって不死身の力を得たCorrupted Vorとして復活しており、俺らテンノはこのポータルに侵入するたびにコイツと戦う羽目になっている。
要はソイツを倒して、こっちに戻ってこさせないことが俺らの目的な訳だが、今より救難信号を調べるにおいて、もしVorおじさんが関わっているなら、無視出来ないということだ。
という訳で俺はポータルの中へ入った。
すると、すぐにLotusとOrdisとの通信に酷いノイズが走る。
『テンノ、通信を妨害する強力な電磁波を検知しました。すぐに通信が切断されます。原因の調査後修復しますので、その場で待機してください』
『オペレーター!? どこへ行ったのですか!? ジジジ……あぁ、なんてこった。通信が途絶えてしまった。オペレーター。すぐに迎えに行き……』
最悪の事態が起きてしまった。俺はこれからどうすれば良いというんだ。ただLotusともOrdisとも一切通信が繋がらないという状況は一応経験済みではある。
とりあえずまずは引き返そうと振り向くが、さらに最悪なことに、ポータルが閉まってしまった。
これにて俺はは戻れなくなってしまった。なんとか外部へ通信出来ない限りは。
まぁ、辺りを歩き回ればなんとかなるだろう。
そして、辺りを見回すとそこはエイドロンの草原だった。地平線まで無限に続く草原と、高段差の激しい地形。だか俺の知識と少しだけ違う所もあった。
「地球……なのか?」
もしここが地球で本当にエイドロンの草原なら、すぐ近くに人間たちのコロニーであるオストロンの開拓地。シータスがあるはずだ。
俺はすぐに草原全体のホログラムマップを開き、現在位置を調べようとするが、俺はそのマップのどこにもいなかった。
つまり、それはここは地球では無いことを指していた。
だがふと首を横に向ければ、そこには原生生物のクブロウと酷似した生物3体と、それに対する武器を持った3人の人間がいた。
人間の武器は剣、弓、盾をそれぞれ持っているようだが、なぜか人間の方が苦戦していた。
「ったく、何がどうなってんだよ!」
俺は頭が混乱するなか、背中にしまってある片手長剣のSKANAを引き抜き、わざわざ人間を見殺しにするのも後味が悪いので、warframeの状態のまま突進し、3体のクブロウ似の生物を1、2、3と、それぞれ一撃で両断した。
「え、よっわ……」
まさか一撃で斬れてしまうとは驚きだ。一体何に苦戦していたのか疑う程だった。
「シルバーウルフを一撃で……!? ば、化け物! 誰だお前は!!」
俺は静かに背中に剣をしまうと、なんと剣を俺に向けて怒鳴られた。まるで先程の生物の同じなのでは無いかと見られるように。