作中、敵をバッタバタと倒していますが、チートではなく。そもそもゲーム内のwarframeでは機械人間をサクサク切り裂いているので、原生生物やその他の、異世界で言う中の弱小に当たる魔物は、warframeの武器では一撃という補正で書いています。
使用フレームはExcaliburですが、武器は様々なものを使い、modも多くだすつもりです。
「俺は怪しい者じゃない」
不審者は身分を聞かれると大体このように言うとテンノの中では相場が決まっている。
ただ、怪しいことに事実変わりは無いので、俺はすぐにオペレーターのArthurとしての姿を持って彼らの前に出た。
「こっちに来るな化け物ッ! シルバーウルフを一撃で叩き切るなんて、ゴールドランクの冒険者でも厳しいぞ……」
化け物とは心外だな。でも此処は確かにVoidのポータルを通ってきた別の世界だということは認識済みだ。
だがそれでも尚、まさか当たり前な知識すら違うだなんて。ゴールドランクの冒険者なんて聞いたことが無いし、シルバーウルフは……。コーデックススキャナーで調べれば分かるか……。
俺はひとまず彼らを無視して、ヘッドマンディスプレイ型のコーデックススキャナーを頭に装備し、既に真っ二つに切り裂かれたシルバーウルフと呼ばれる生物をスキャンしてみる。
スキャナーは瞬時に動物の3体の死骸を認識し、秒でスキャンを完了させ、俺は手からシルバーウルフのホログラムを投影する。
「うむ。やはりクブロウと酷似しているな……だが、あと2回か……」
「おい!! さっきから何をやっているんだ!!」
そうだ。この人間もスキャンしておこう。これも3人じゃ情報が足りな過ぎるが、今やっておいて損は無いだろう。
「何をって、みりゃ分かるだろ。あぁ、分からないか。どうすれば怪しい者じゃないって信じてくれるんだ?」
「だーかーら! お前は誰だって聞いているんだろ! どこから来た、何処の生き物……? 種族か? それと名前は?」
「所属と名前のことを言っているのか。そうだな。俺はArthur。宇宙のリレーから来たテンノだ。
あぁ、そう。機械だよ」
「アーサー……? 機械? テンノ? え、宇宙から来た!?」
「宇宙ってか、正確には異次元だけど。ほら、言っても分からないだろ? 俺はこのシルバーウルフからお前らを助けてやったんだ。何者かを知るにはとりあえず信じてもらうしかないだろ」
なんてことを言っているが、彼らも俺にとっては人間に酷似した何かであり、彼らが人間だと断定している訳ではない。よって全く別の種族の勢力の生物兵器という可能性もあるから、そう易々と油断は出来ない。
ただ見るからに彼らに悪意は感じても、敵意や殺意は感じない。だから俺はひとまず。彼らと停戦の約束をしたいだけだ。
「くっ……シルバーウルフに苦戦していたのも事実だからな……。あ、ありがとう……」
「感謝を言えるだけ十分だ」
さて、この世界にて第一の生物を見つけたのは良いが、こちらには生憎LotusやOrdisとの通信が途絶えていて、自由に動ける身ではない。ここは“道案内"を彼らに頼むしか無いだろう。
「さてそれはそれだ。俺はこの世界のことを何も知らない。だからそうだな。出来る限り静かな場所に連れてって欲しい。この草原じゃなくて、本当に何もない静かな場所だ」
そう聞くと彼らはヒソヒソと相談すると、割とすぐに答えを出してくれた。
「それなら……静かってわけではないけど、ついこの前まで何も無かった静寂の荒野なら良いかもしれないな」
「ついこの前まで……?」
「うん。ほんの数時間前なんだけど、ドデカイ鉄の円盤がその地に落ちたとかで、様々な国の研究員がこぞってそれを囲んでいるんだ。今なら一般人の侵入も許可されているから、そこに行かないか?」
「それはつまり、それを撤去できれば静かに戻ると言うことか。面倒だな。まぁいい。お前らがそこが一番静かだっていうならそうなんだろうな」
正直言って鉄の円盤は俺も気になっている。全身鉄の姿でいるwarframeの姿をみるだけで彼らは俺のことを化け物と称した時と同じく。機械に疑問符を浮かべた時もそうだが、この世界はwarframeを作るほどの技術は無いと察する事ができる。
いやそもそも、機械という概念すらない可能性だってあり得る。
だからその鉄の円盤は俺も知る必要がある。
「じゃあ行こう。途中で魔物も出て来るから注意してくれ。静寂の荒野までにいる魔物は俺らでは少々荷が重いから、今までは馬車に乗らせて貰っていたんだけどな。
Arthurがいるなら心配もないか」
なにか勝手に護衛扱いされているが、別にいいか。報酬はあとから貰えば良い。
そうすると俺はwarframeのExcaliburに戻り、彼らと移動を開始した。
◆◇◆◇◆◇
道中、シルバーウルフを数体と静寂の荒野圏内に入ると、ハードストーンと呼ばれる石の魔物と出会ったが、全て一撃で葬った。
「ハードストーンまで一撃かよ……もしかしたらArthurの持ってるその剣が凄いのか?」
「いや、それは関係無いと思う。別に石を叩き切るように作られていないし。この世界の魔物が貧弱すぎるんだろ」
「Arthurのいた世界がますます気になるな」
これによって、シルバーウルフとハードストーンのスキャンが完了した。今は確認できないが、Ordisとの通信が戻ったら調べてみるとしよう。
そういう所で俺はやっと静かな場所。静寂の荒野に突如現れたという鉄の円盤を発見した。
「なんてこった。こんなところにあったのか」
「え、Arthur? 知ってるのか?」
「寧ろ探していた物だ」
それはなんと、だだっ広い荒野の広場のど真ん中で、着陸していたオービターだった。
特に損傷している部分はなく、俺はOrdisとの通信が可能がオービターに近づく。すると、近くにいた白衣の人間に止められた。
「ちょっとちょっと! 見るだけなら良いけど不用心に触らないくれ! 危ないだろう!」
「いや、心配ない。Ordis! 寝てないで起きろ!!」
「いや、君何をして……」
そうするとすぐにオービターが再起動する音が荒野中に響き、周囲にいた白衣の人間らが驚き、すぐさま近くから離れる。
『ワァッ! 驚かせないでクダサイオペレーター。荒んだ空気と淀んだ風に晒されながら気持ちよく寝ていたというのに。
なかなかオペレーターがワタシを見つけてくれないから、寂しくてオペレーターをベッタベタと触る人間共をあと少しで蹂躙する所でした……』
「ったく……減らず口は変わらないな」
「Arthur! 一体なんなんだよこれ!」
そう目覚めたOrdisと談笑していると、背後から先ほどの冒険者となのる男が慌てて話しかけてきた。
「それはそうと、今すぐ近くの町に行きたい。大丈夫着陸することなんてないから。ここが何処なのか、救難信号はなんだったのかを知る必要があるからな」
『オペレーター。その必要ハありまセン。ここに着陸する際にもう調べ済みです。救難信号を発していたのは、ここよりすぐ西の方角にあるドゥームス王国という場所のようデス。すぐにそちらへ向かいまショウ』
「救難信号……? え、ちょっ、まっ、Arthur! 戻ってこい! Arthur!!」
俺はとりあえず目的を優先に、その場にいる人間たちを置いてオービターに乗り込み、その場を去った。