転生したら姫ギルだったんだが。 作:Crimson Wizard
今他作品を優先して上げてるので、終わったらもう少し話の内容濃くします。
さて……スレイン法国もこれで我が手中に収まった。
「で、貴様は何の用だ?鉄屑」
「鉄屑とは、随分と酷い言い様じゃないか。」
わざわざウルクに侵入してきたこの空の鎧。
まあ恐らくアーグランド評議国の
「王の座に不法侵入とは、これはまた随分な命知らずが居たものよ。」
「……君は、この世界の人間では無いんだろう?プレイヤーかい?」
恐らく本体では無いだろうが、まあ戦う気があるのならばこの様な鎧で正面から来る事はないか。
「否だ、我はそのプレイヤーとやらではない。」
「それじゃあ、君は今後……この世界で何をするつもりだい?」
この世界で何をする……か。この質問の答え次第では敵対するつもりなのだろう。馬鹿正直に答えてやる義理はないが、まあそうだな。
「特に何かするつもりは無い……今のところはな。周辺国があまりにもだらしない故、我が傘下にするつもりではあるがな。」
「世界征服でもするつもりかい?」
「はっ!……貴様は知らんだろうが我は文字通り世界の全てを手中に収めた事があるのだ。今更世界征服になど興味は無い。」
そう言うと鎧は考え込むような仕草をする。
「もし君が、この世界を害するのであれば、僕は君を殺すだろう。」
「ほう……この我を殺すと。良いだろう。では今すぐ、貴様の本体を連れて来るがいい。少し遊んでやろうではないか。」
この我を殺すと言うのであれば、それなりの力はあるのだろう。ここ最近はまともな戦いなどした記憶がない。……エルキドゥとの余興くらいか。
「……まあ良いだろう。君の力がどれほどのものか、確かめさせてもらうとしよう。だけど、僕の本体は動けないんでね、この鎧で相手をするよ。」
「……戯け、その玩具で我の相手が出来るとでも思っているのか?まあいい、着いて来い。」
ふん、興が削がれた。この鎧では相手にならん。
「……ここなら広い。何処からでも掛かってくるがいい。」
我がそう言うと、鎧は周囲を旋回している武器を飛ばしてきた。
「戯け、その程度の攻撃が当たるか。」
我は武器を抜かずに回避に徹する。この程度、まともに相手をする意味もない。
「……君は武器を使わないのかい?」
「使うまでもないというのが分からんのか。……もういい、これで終いだ。」
我は宝物庫を解放すると周囲に金色の紋様が浮かび上がる。そのまま鎧に向けて射出する。
鎧は避けるが、次第に数に押されていく。
「これらは全てただの剣だ。何の特殊能力も付与されていない。それを回避するしかない貴様に、我をどうこう出来るはずもあるまい。」
最後に、鎧を囲む様に
「これにて終いだ。余興にもならん。この程度で我を殺すとは、大言壮語にも程がある。」
「……どうやら、君の言う通りらしい。だが、君が世界を害するのであれば、僕は必ず君を殺しにくる。」
「それもまた一興だ。その時は本体で来るといい、そうでなれけば話にならん。」
そう言うと、鎧に付与していた力を解除したのか、鎧はただの鎧となって崩れ落ちた。
「さて、昼餉の時間だ。……シドゥリは居ないのだったな。誰に用意させるか。」
我は鎧を放置したまま王の座へと戻るのだった。