~銃弾と対価~   作:クマぴょん

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※注意書き※
今話が一番難儀した話になっている。突貫工事で作られたので、誤字脱字があったら指摘して欲しい。
また、ワイは「つまらない」と言った感想もアンチも受け付けている。その感想を踏まえてどういったものに改修・改善するのも一重に作品向上に繋がるとワイは思っているゾ。

【前回のBullets Price】
DAのあらゆる情報を網羅した傭兵集団。そしてDA以外にもCIAといった組織が関与しているなんて誰が予想しているのだろうか?そして、たきなが向けた矛先はフレディに・・・


【犬と狼】

 

 

喫茶リコリコ

 

「貴方は何が目的なんですか。」

 

井ノ上たきなの瞳はまっすぐで殺意が芽生えるほど語気が強い。

しかし、フレディは顔色変えず言う。

 

「フリッツとDAが組めば利害が一致する。それだけだ。」

 

あえて「俺たち」と言わないあたり、フレディの忠誠心は傭兵ではなくフリッツに有る事がわかった。

それで満足する井ノ上たきなではなかった。

井ノ上たきなは錦木千束に向き直り、買い物袋を持って言う。

 

「千束、これ持ってて下さい。」

「え?」

 

錦木千束は思わず素の声が出た。

 

「着替えてきます。」

 

と、井ノ上たきなは更衣室に向かった。

マイケルは井ノ上たきなの様子を見て感じた。

 

「あれは、殺しに来る気満々だな。フレディを完全に殺しにかかってる。」

「そうだなマイケル。フレディ、クライアントだからと言って手加減はするなよ。」

 

マイケルとフリッツの物騒な会話を聞いた錦木千束は2人に聞いた。

 

「・・・なにするつもり?」

 

フレディを除く傭兵全員が言った。

 

「「決闘だ。」」

「なんで!?そんなの駄目だよ!」

 

傭兵達の言葉に慌てる錦木千束。

ジョージは錦木千束に向かって歩み取り、こう言った。

 

「何故、フレディがたきなお嬢に対して喧嘩を売ったと思う?」

「何に?」

「DAだ。あいつを襲ったのはDAだからだ。だから元DAのたきなお嬢を煽った。違うかフレディ?」

 

ジョージがフレディに確認を取った。

フレディは体は不動で、口だけを動かした。

 

「あぁ、そうだ。DAに対して忠実なる”犬”なら、どんな反応を示すかって試してみた。」

「いくらなんでもおかしいよ!これから一緒に仕事するのに!」

 

錦木千束は感情をあらわになり、買い物袋を落とした。

だが、それでも動じない傭兵集団。

錦木千束はフレディにしがみつこうとしたが、中原ミズキにとっさに止められた。

中原ミズキだけじゃない。

フリッツやジョージと言った傭兵連中も止めに入った。

フレディに触れれば、どんな人間でも「死」に至るからだ。

そのやり取りを見てフレディは見下して言った。

 

「錦木、井ノ上に伝えろ。外で待つとな。」

 

そう言って、殺気だけを残して喫茶リコリコから出て行った。

 

------------------------------

 

不穏な空気感が漂う中、井ノ上たきなが制服姿で更衣室から出て来た。

井ノ上たきなは、フレディが居ないことに気づき周りに問う。

 

「”彼”は今どこに?」

 

錦木千束を始めとする喫茶リコリコの人間は黙る。

だが、ジョージが決闘の火蓋を切った。

 

「あいつなら外にいる。」

「わかりました。」

 

井ノ上たきなは頷いて扉に手にかけた。

錦木千束は呼び止めた。

 

「たきな!行っちゃダメ!」

 

井ノ上たきなは錦木千束に向き直る。

 

「何故です?彼はー」

「なにがあっても行っちゃダメなの!」

 

錦木千束の何が何でも止めようとするが、井ノ上たきなはそれでも外に出て行こうとする。

井ノ上たきなの行動を見たリーが井ノ上たきなを呼び止めた。

 

「井ノ上お嬢。フレディを殺れるなら殺っても構わん。だが、お前さんが戦闘不能になった場合は、そこで抵抗を止める事だ。DAに戻る為の命が惜しければの話だが・・・な。」

 

井ノ上たきなは、リーの条件を聞いたのか数秒立ち止まった後で無言で喫茶リコリコから出た。

 

------------------------------

 

喫茶リコリコの外には、フレディが背を向けて空を見上げていた。

 

「今日の空は、機嫌が悪そうだな・・・下手に殺めると不吉な結果になりそうだ・・・」

 

そう呟くフレディに、井ノ上たきなが喫茶リコリコから出てきた。

それでも空を見上げるフレディが言った。

 

「ようやく来たか。DAのお犬様が。」

 

と振り返って井ノ上たきなを見た。

井ノ上たきなはフレディを睨んで、

 

「そんな貴方は獣です。」

 

と言い返した。

フレディは微笑んだ。

 

「獣か・・・言ってくれるじゃないか。できれば狼と言ってほしいものだが・・・まぁいい。今日の俺の運勢は最悪だ。ましてや未成年の子供が銃を持つこと自体、実に感心しない。だが、それはそれ。これはこれだ・・・ここまで来れば関係ない。全力で殺しに来い。」

 

井ノ上たきなは、フレディの覇気に慄く様子も無い。

むしろ”こんなやつ”はとっとと始末した方が良い。

それがDAの為ならば。

井ノ上たきなは鞄にある拳銃を密かに構えようとしたが、フレディに看破された。

 

「やめとけ。そんな”おもちゃ”で俺を殺そうとするな。サシとの勝負をしようぜ。”おもちゃ”だと面白くないだろう?」

「・・・」

 

井ノ上たきなは無表情だが、内心舌打ちをした。

井ノ上たきなが拳銃を元の位置に戻していると、フレディがまた星空を見上げている。

 

「顔を見なくても、君の心から舌打ちするのが聞こえるよ。そして次の行動もね。」

 

ガキン!

 

甲高い金属音が鳴り響く。

井ノ上たきなの蹴りがフレディの左腕に直撃・・・

いや、受け止めたと言って良いだろう。

不敵な笑みをするフレディに対して、ハッと驚いた顔をする井ノ上たきな。

井ノ上たきなの目線の先には、フレディの左腕・・・もとい金属製の義腕が”そこ”にあった。

蹴りから素の構えに戻る井ノ上たきな。

だが、彼はカウンターや攻撃の素振りもしなかった。

むしろ、無防備に近い状態に立っていた。

”殺してください”と言わんばかりに立っていた。

井ノ上たきなは、益々困惑した。

 

(何を考えている?)

 

かと・・・

瞬間、井ノ上たきなの右足に激痛が走った。

 

「・・・っ!」

 

さっきの蹴りだろうか?

あの蹴りで、彼の腕に当てたものの、彼は顔1つ変えなかった。

苦痛に耐えて苦虫を噛んだような顔をする井ノ上たきな。

それに気づいたのかフレディは降伏勧告をした。

 

「とっととこんな下らんプライドなどの闘いなぞやめて、店の中に戻れ。じゃなきゃ、お前さんは直に動けなくなる。」

 

そんなの知ったこっちゃない。

そう思った井ノ上たきなは、次の攻撃を繰り出したのだった・・・

 

------------------------------

 

あれから15分。

 

喫茶リコリコの前に錦木千束やフリッツ、ジョージが居る。

路上では、フレディと井ノ上たきなが対峙している。

フレディが息が1つも上がっていない。

対照的なのは井ノ上たきなだ。

息が上がりながらも、果敢に攻撃を続ける。

それを見た錦木千束が止めに入ろうとするが、ジョージに止められた。

 

「彼女なりのプライドだ。見届けろ。」

 

と。

足を止めた私は・・・納得するわけがなかった。

でも、たきなのプライドを傷つけたのは間違いない。

それで激昂したのはまちがいなく、たきな本人だろう。

私自身が止めに入っても無駄だろう。

たきながDAに戻りたいのも解っている。

そんなたきなを咎め、貶したのは、あの男だ。

でも、あの男もDAに追跡され、襲われた身。

情報収集のために、傭兵集団よりも先に入国した直後に襲われているのだ。

互いの立場がわかっている以上、私が止める必要もなければ、この老兵の言う通り、このまま見届けるしかない。

 

一進一退の攻防・・・

いや一退一路の攻防だ。

まちがいなく、井ノ上たきなの不利だ。

フレディは「死を覚悟してる」からこそできる無防備の体勢。

井ノ上たきなこそ「死を覚悟してる」が、フレディと場数が違う。

あきらかに、歩んだ戦場の数でフレディの方が慣れている。

そしてー

井ノ上たきなの右拳を外に払い、フレディの右手首から刃物が飛び出して、井ノ上たきなの顔面に向かって突き進んだ。

 

「止め!」

 

フリッツの声でフレディはピタッと制止した。

刃物と井ノ上たきなの顔とは僅かに数cm。

 

「フレディ、やりすぎだ。」

 

フリッツの声に呆れるフレディ。

 

「”クライアント相手に手加減するな”と言ったのはフリッツだろう。」

 

フレディは、右手首の刃物しまい、フリッツに向き直った。

直後、井ノ上たきなは拳銃を取り出して、フレディに構えた。

だが、”心が読める”フレディ自身も同じ。

彼も後発式拳銃を井ノ上たきなの眉間を狙っていた。

”狼”の冷たい目線が井ノ上たきなの銃を見つめる。

”犬”の目線はフレディの頭を狙っている。

交差した銃は互いに動かず、互いにけん制するものであった。

井ノ上たきなが拳銃の引き金を絞ろうとした、その瞬間であった。

フレディの後発式拳銃が井ノ上たきなの拳銃を押し退けて、金属製の左肘が井ノ上たきなの顔面にヒット。

一瞬の隙に、井ノ上たきなの目線からフレディが消えた。

直後に膝裏を蹴られ、押し倒される。

井ノ上たきなの身体全体が路上に衝撃が走り、後頭部には銃口がコツッとあたった。

そして、フレディが口にする。

 

「ゲームセットだ。」

 

ジョージが呆れたように、路上に躍り出た。

 

「フレディ・・・お前なぁ・・・」

「ジョージ。終戦とおもったら仕掛けてきたのは、そっちだ。」

「だからといって、子供相手にやりすぎだ。」

「これが戦争なら一瞬だったがな?」

「わかったわかった。千束お嬢、行きな。」

 

錦木千束はジョージに応えて、井ノ上たきなの元に走り出した。

フレディに解放された井ノ上たきなは、頭から血を流していた。

 

「大丈夫!?たきな!」

「えぇ・・・しかし・・・」

「もうやらなくていいんだよ・・・」

「すみません。ついカッとなって・・・」

 

血は止まらない。

井ノ上たきなの意識が遠のいていく。

 

「たきな?たきな!しっかりして!」

 

錦木千束の懸命な呼びかけに応答せず、井ノ上たきなは目を閉じた。

それを見たフリッツが冷静に指示した。

 

「たきなお嬢を治療する。フレディは治療を。ジョージはたきなお嬢を担げ。急ぐんだ。」

「了解。」「了解した。」

 

 

次回⇒【治療ーそしてウォールナットとの接触】

 

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【メインキャラ】

フリッツ:

出身不明。60代だが傭兵歴35年の老兵。

かつてフランス外人部隊の第2外人落下傘連隊 (2e REP)の連隊長。

連隊長をフランス人以外の異例の選抜されたほどの実力者。

 

ジョン:

元アメリカ海兵隊のエリート偵察兵。フリッツの右腕的存在。

組織の全体のバランスを保つことが役割。銃の腕前はヘリコプターから200m先の頭部を精確に打ち抜くほど。

 

ワタナベ:

元自衛官。傭兵歴20年の古参。

フリッツと同様、フランス外人部隊の第2外人落下傘連隊 (2e REP)の背中を長年守りきった。尚、日本人だが約20年以上帰国していない。

 

マイケル:

元SAS。北アイルランドの紛争から唯一の生存者。

ジョンとはジョーク仲間であり相棒でもある。長年、アイルランドの対テロリストで性格が短気になってしまった過去がある。

 

リー:

現代情報戦と現代電子戦の天才。現代のアインシュタインとも呼ばれている。

上海のテロ事件を無血解決した事で、中国の英雄と言われてる。だが、彼の曾祖父の時から日本と関わりを持つが、出身は大陸であり偽名で活動してる。

 

フレディ:

9歳から少年兵として活躍した。東南アジアの革命軍の英雄の息子。

革命後は渡米。某組織で暗殺者と諜報員となった。旧世代の装備ながら闇社会の人間を多く闇に葬っている。旧ソ連のスパイ「ゾルゲ」と同様、国家の中枢部まで浸透することもできる。

多才な実力を持ちながら傭兵としては結構若い。

 

ジョージ:

元SAS。マイケルの元上官。

様々なテロ事件を解決した対テロリストのスペシャリスト。傭兵歴は2年と短いが、軍に在籍した期間が30年以上もあり、一時は最高職まで上りつめた。

ジョージとフリッツは義兄弟でもあるが、血は繋がっていない。

 

【本編ではほぼ出番がないジョージの部下】

ロック:

元アメリカ陸軍武器科。武器調達員の1人。

以前の共同作戦でジョージに最新武器提供から出会う。傭兵の活躍の裏で弾薬の製造、調達及び維持を支援する。

 

リック:

元アメリカ陸軍輸送科。武器調達員の1人。

以前の共同作戦でジョージの戦闘後方支援(CSS)で出会う。多才な運転技術を持っており、輸送兵站面では陸空海全てを制している。

 

チュレンコフ:

元カディロフツィ(ロシア連邦英雄アフマド・ハジ・カディロフ。名称:第141特殊自動車化連隊)。

モスクワテロ未遂事件でジョージと出会う。国家的忠誠という疑問を持ち、除隊後フリッツの傭兵集団に入隊。

 

アレク:

元ロシア連邦保安庁して元KGB。チュレンコフと戦友。

モスクワテロ未遂事件でジョージと出会う。銃の扱いは不慣れだが、フレディやリーの情報・電子戦を支援する側面をもつ実力がある。

 

ハリス:

元リビア国民軍。リビア内戦で複数の部隊を率いた実績がある。

戦っているうちに戦う意味を失う。自ら除隊後、新アレクサンドリア図書館テロ事件で自ら志願。

その後ジョージと出会い、彼の運命を変えたきっかけになった。

 

カウディー:

出身不明。50代で傭兵歴25年の古参。

各地の紛争地域を渡り歩き”紛争に現る死神”と呼ばれているほど、火器の扱いが特殊部隊レベル。ベオグラードのテロ事件でジョージの捕虜になった経緯がある。だが、ジョージの説得で改心。

以後、武器調達員の最強のガードマンが誕生する。




2023/02/25/0730にてあとがきの全削除及び追記。
詳しくは、活動報告にて(https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=293847&uid=405910)。


没ネタ【ワタナベと旧電波塔】

日本に帰国してから20年以上が経っていた。
あの”電波塔”には父が設計を携わっていた。
そのためか僅かながらの想いがある。
かつては世界最高峰の電波塔。
それが今では、「平和の象徴」ではなく「テロリズムの象徴」に見える。
私だってMr.フリッツと共に、テロリストを排除し続けてきた人間だ。
私たちが何が正しいのかはわからない。
だけども、あの電波塔は違う。
「平和」として振り向きながら、「犯罪の温床」にもなっている。
だから、DAという治安組織があるのは驚きを隠せなかった。
旧電波塔テロ事件。
私たちは、あのテロ事件を絶対に起こらないために依頼されたんだと・・・
私は思う。
内地の地に踏めた上に、あの電波塔を拝めることが出来たこと自体、奇跡に過ぎないのだ。
たとえ折れてしまったとしても・・・
私は私が出来る事をやろう。

~Fin~

それでは、次回までごきげんよう。

今作の質の向上アンケ

  • ルビ振りを基本に、若干の演出を含める
  • ルビ振りだけで良い
  • 現状維持
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