本章の時系列について:
アニメ本編で言うと8話の直後。
何故かというとフレディの諜報網から得た情報量は膨大で、1つ1つ解読するのはとても非効率で、まとめて解読した結果が遅すぎた結末に繋がる。
【前回のBullets Price】
敵データを回収する為に全3チームに分けることにしたが、リコリス側の躊躇いもあったのか分隊を含む7チームが本作戦を行うことが決定。しかし、千束は思う。
「千束の信条と傭兵集団の信条が違う。」
ーーーこれが千束にとって引っ掛かる一面だった。
東京・旧芝浦ふ頭
ゼロアワーまであと5分
<<ーーー総員、準備できたか?>>
オーバーロードが各部隊に促す。
<<こちらMike0-1はHotelの援護射撃についた。>>
<<同じくJuliett各分隊は襲撃態勢に移行した。デカい花火が見れると思うぜ。>>
<<FoxtrotはLimaと準備が出来てる。>>
<<了解した。総員へ、秒読み開始。>>
オーバーロードの秒読みが開始された。
その一方、ゼロアワーまでの秒読み開始されてから間もないが、千束がふと考えていた。
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フリッツさんとこの司令官さんから秒読みを開始してから、時間が過ぎていくばかり。
作戦開始までもどかしい私と不安の私が居る。
敵はフレディさんが仮にあっていたとしても50人は居る。
私たちは非殺傷弾で行動不能にしても、フリッツさんたちがトドメを入れてしまう。
どうすればいいのだろうか?
幾ら敵とはいえど、幾らテロ組織で犯罪者集団でも、命は救いたい。
無碍にしたくない。
それが私の・・・千束たる信条だ。
あの時、フレディさんが言っていた”方針”は、私の信条とフリッツさんたちの信条が違うから。
私のせいでフリッツさんの全戦力で陽動作をーーー
千束を見守る中、たきなは声をかけようとしたが、フリッツに阻まれた。
「千束お嬢、大丈夫か?」
「へ?あっ!大丈夫でっ、です!」
千束の驚きにフレディがからかった。
「それにしては固まってるじゃねぇか。もっと楽になろうや。」
「・・・」
フレディの軽口に千束は黙る。
そんな中、フレディがある提案をした。
「”方針”が気になるなら、今から変えても構わないよな。フリッツ?」
「あぁ。100%ではないが非殺傷弾で敵戦力を封じ込めよう。」
まさかフリッツの傭兵集団が千束と同様に”方針”を変えてきたのだ。
フリッツらFoxtrotは、非殺傷弾にマガジンを取り替えて、フレディは手榴弾の一部を催涙ガスにM5A2の40mmグレネード弾を排莢しては催涙弾に切り替えていた。
この光景を見て、千束は困惑している。
千束だけじゃない。
たきなも同様に困惑していた。
千束は言う。
「え?で、でも・・・」
「さっき、言わなかったか?」
「さっき?」
フレディの問いに首を傾げる千束。
「
フレディの答えにたきなが問う。
「つまり、私たちDAが解決するべき・・・ということであってますか?」
「そういうことだよ。たきなお嬢。」
フリッツは満面の笑みで答える。
フリッツの笑みの真反対の男が居た。
アラン機関との二重スパイであるジョージである。
ジョージにとって、フリッツは邪魔者であり、強いて言えばその弟子であるワタナベやフレディの存在も鬱陶しい。
国家転覆を企むジョージとそれを防ぐフリッツらに大きな亀裂が走っていた。
この亀裂は修復が付かないぐらいである。
そんなジョージを他所に、フリッツやワタナベ、フレディの3人はLimaの2人と談笑していた。
「俺たちは単なる部外者だが、世界平和の為に武器を取っている傭兵にすぎない。ワタナベもフレディもジョージでさえも、俺に賛同してくれた。」
「Mr.フリッツの言う通りです。」
ワタナベが言い終わると、ジョージを除くFoxtrot全員が非殺傷弾に切り替えていた。
フリッツやワタナベ、フレディでさえもLimaの2人と談笑していた。
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ただジョージは違った。
フリッツやワタナベとLimaの片割れであるたきなに明確な殺意があった。
フレディはジョージですら恐れる存在。
本気出される前に、フリッツを殺めれば士気は崩れる。
そしてフリッツの背中を守り続けるワタナベの排除。
最後に、元DAであるたきなだ。
千束はフレディの隠密行動や身体隠しを理解している時点で、ジョージにとって脅威である。
ならば、その片割れであるたきなは、実力はあっても千束ほどの実力はない。
狙うならば”この作戦”に賭けるほかなかった。
あの時、真島と会ってはアイツらにバレそうになったが今になっても遅い。
この作戦自体、罠だと知らずにまんまとハメられるとはな・・・
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フリッツを始めとする連中にとって最後の談笑とは思わない事態がこれから陥る。
そう、ジョージの策略によって・・・
次回⇒【凶弾】
小話【”喫茶店”】
とある旧コンテナ船。
そこには真島らが潜むアジトとなっていた。
そのアジトに”ある老齢の男”が現れた。
ジョージである。
ジョージは真島にある情報をリークするためにやって来た。
アジトにいる連中は、大層驚いた。
ジョージが歩いている横に真島が居るからだ。
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部屋を移して、真島とのサシの会話で・・・
「で?お前の手引きもあって傭兵を丸ごと潰すのか?」
「あぁ。ある程度の情報を横流した上で、罠を仕掛けた。お前の頼りなさそうな部下を借りたい。」
真島がジョージに睨み、そのジョージは情報をホログラムで提供した。
「50かつ戦力にならそうな奴らでいい。その分の補填はアランの連中がやってくれる。」
「信用になんねぇなー」
「んじゃ、今ここでお前さん始末したっていいんだぜ?10年前の恩を忘れたわけじゃないよな?」
真島にとって10年前のテロでの負傷はある意味幸運だった。
まさか対テロ戦争に費やしていた奴が、自ら梟のチャームを掲げてテロリストを助ける・・・とはな。
ハッ!
笑えるな。
面白ぇ、乗った。
「わりぃ・・・お前の情報を受け取る。」
真島の心の底には、悪魔の笑みが浮かんでいた。
ジョージからデータを受け取った代わりに、傭兵も潰せる上に、DAと”バランス”になれる。
一石二鳥だ。
真島はジョージからデータを受け取ると、マスクデータをジョージに渡す。
ジョージは無言で立ち去ろうとすると真島が言う。
「てめえはいいのか?」
「あぁ。それがアランの為ならば・・・な。」
ジョージはアランの狂信者である姿を真島に見せた。
「お前もつまらねぇな。」
真島が笑ってジョージの背中を逸らし、再び正面を見ると・・・
ジョージの姿はなかった。
真島は思う。
(どいつもこいつも狂ってるな。この国も世界もアランも・・・)
~Fin~
それでは、次回までごきげんよう。