今まで「カタクラフト」と描写していましたが、翻訳プログラムの誤訳です。
正しいのは「カタフラクト」です。
原因は古代ギリシャ語をAIが日本語として識別・翻訳出来なかったからでした。
詳細はこっち( https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=302107&uid=405910 )。
【前回のBullets Price】
千束のモットーに合わせたフリッツ、ワタナベ、フレディ。だが、これを良いとしない人物が居た。ジョージである。ジョージは予めDAには噓の情報を流しており、噓の作戦を機に傭兵集団を壊滅、あわよくばリコリスたちを消そうと目論んでいたのだったーーー
東京・旧芝浦ふ頭
ゼロアワー
<<ーーー総員、作戦開始!>>
オーバーロードの一声で作戦が開始された。
Juliettの攪乱砲撃で仕掛ける。
直後のFoxtrotとLimaの一点陽動と同時にHotelがデータ回収を行う。
この時点で、MikeはHotelの退路を確保する。
敵が混乱する最中に陽動を仕掛ける為、Hotelは銃弾が飛び交う中に敵の懐に入り込む。
安全が確保するまではMikeが行うが、その後はHotel任せである。
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JuliettとMikeの援護により、Hotelが敵中枢に懐に入ったとオーバーロードから連絡が入る。
オーバーロードからの連絡を受け、Juliettは攻撃を停止し、一点陽動を仕掛けるFoxtrotとLimaが始まる。
時間との戦いだった。
Hotelがデータ回収するまで、約50人の敵を6人で受け持つ。
ただ、陽動部隊の配置が悪すぎた。
Foxtrot2-FのフレディとNovemberの千束が最前線で戦い、他4人が倉庫出入口付近で中距離での援護射撃となっていた。
更にFoxtrot2-Fは非殺傷弾を装填した予備の銃器、ロスモア236コンバット・ショットガンに催涙手榴弾と言った具合でNovemberに合わせた銃火器を使用していた。
その為、最前線の2人は必然と近接射撃に特化しており、Foxtrot2-Jことジョージを見張れない立場に居た。
当然ながらLimaの2人には、Foxtrot2-Jが裏切り者とは思ってもいなければ言ってもおらず、ましてや傭兵内の問題に依頼元であるDAには通告する義務は無い。
では、Foxtrot1-FのフリッツやFoxtrot1-Wのワタナベはどうなのか?
2人はTangoと共に、最前線を維持しているFoxtrot2-FとNovemberの援護射撃に集中しており、オーバーロードとDA本部、
仕掛けるなら今だと考えるFoxtrot2-J。
Foxtrot2-Jは手始めにTangoを負傷させて、贄としてFoxtrot1-Fか1-Wのどちらかをテロ組織に始末させる。
計画が上手くいくためにFoxtrot2-Jは秘匿回線である人物に連絡を取った。
<<Rot。作戦開始だ。>>
<<わかった。無茶するなよご老人。>>
<<”ロボット”の癖に・・・癪だな。>>
とFoxtrot2-Jは秘匿回線を切る。
Foxtrot2-Jの得意の忍び足でTangoの裏に回る。
戦意を削るためにTangoの右足首を狙った。
不幸中の幸いかTangoがFoxtrot2-Jの不穏な動きを察知して振り向く。
が、遅かった。
放たれた銃弾はTangoの右足首を掠り、傷口から血が噴き出す。
Tangoの異変は陽動作戦に参加している全員が気づく。
特にNovemberは。
「たきな!?」
と叫ぶが、その声はFoxtrot2-Jの銃弾によってかき消される。
次はFoxtrot1-Wの頭部に徹甲弾を弾倉全弾撃ち込み、再起不能となった。
最早作戦どころじゃなかった。
たきなは、傷口を防ぎつつ自分を撃ったジョージに、
「ジョージ・・・さん・・・?」
と銃口をジョージに向けるが銃床で沈黙させられた。
遮蔽物からはみ出し、倒れてしまったたきな。
「tirer!」
ジョージがフランス語で「射撃開始」を合図した瞬間、敵の銃口は一斉にたきなに向く。
フランス語と敵の動きを同時に察知したフレディが動くものの遅かった。
放たれた制圧射撃はフレディに当たり、フレディは制圧射撃による銃弾の雨で倒れ、膝から崩れ落ちては倒れては血の海が広がっていた。
残りの銃弾がたきなに襲い掛かる。
その時だった。
たきなを庇い、全身で受け止めた1人の老兵が居た。
名もなき傭兵集団を伝説的な偉業を達成させ、世界トップの傭兵集団にさせた漢、フリッツだった。
フリッツはたきなを覆いかぶさるように全身を盾にした。
アサルトスーツはたきなに向いており、フリッツが受けた銃弾はプレートの無い背中で受け止めた。
たきなは解らなかった。
数秒の制圧射撃をフリッツ1人でたきなを救い、フレディも救助しようと試みたが無防備な背中で受け止めては倒れる。
ジョージは息絶えたワタナベと死にぞこないのフリッツを見て高笑いした。
運よくフレディまで巻き込めた。
これ程にない高揚感だった。
あとは、フリッツという人生を終わらせるだけだった。
そうーーー終わらせる筈だった。
自慢げのジョージに予期せぬイレギュラーが発生する。
制圧射撃に巻き込まれたはずのフレディが、全身血だらけでジョージの顔面を殴り、ジョージは大きよろめく。
フレディの血の雨は、フリッツやたきな、ジョージにも降りかかる。
力振り絞ってフレディは千束に叫ぶ。
「千束!たきなと一緒に逃げろ!」
千束に戸惑いの間があったが、フレディは最後まで叫び続けた。
「この作戦で死んでいいのは、”俺たち”で充分だ!」
満身創痍のフレディに放たれた一言が千束を動かした。
千束の信条の為に戦ってくれた3人を無碍にしたくなかった。
千束は制圧射撃の中、応戦しつつフリッツがたきなを庇った山のそばに寄る。
千束が来たのを知ったのか、フリッツはたきなを差し出す。
フリッツは最後まで千束とたきなに笑顔で送る。
千束はフリッツの笑みを見ては目を逸らし、たきなの肩に手を伸ばして共に倉庫を出た。
フリッツは笑みを浮かべた後に、立ち上がり倉庫の出入口を防ぐような形で立っていた。
そして最期は、敵の制圧射撃を最後まで受け止めた事により、彼は・・・
ここで命を絶つ。
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一方、満身創痍のフレディとジョージは殴り合っていた。
”傭兵の狼”と”偽りの神々に仕える狼”同士で決着しようとした。
かたや戦友で、かたや家族だったもの同士が敵対心をむき出しで殴り合っていた。
ジョージは焦りを感じた。
フレディはこの状態でもまだ息絶えずに戦う術を持っている。
それぐらい厄介な存在だ。
千束という小娘の方が、まだマシな方だと今更ながら後悔している。
このままこいつを生かしていた場合、自分の命はともかく国家転覆どころか真島やアラン機関に顔向けできない。
最悪の場合、命恩人であるアラン機関に泥を塗ってしまう。
なら、ここで始末するしかなかった。
そうもいかないのがフレディにはあった。
傭兵という家族と共に約20年も過ごしてきたフレディ。
その家族を、親父を・・・殺めたジョージにはここで始末する以外、有り得ないからだ。
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倉庫の外に出ててきた血塗れのLimaを見たJuliett1-1ことジョンは異常事態に気づく。
ジョンはリックに指示を仰ぐ。
「1-2!オーバーロードに通達!Emergency!」
「了解。」
ジョンは足を負傷しているたきなを背負い、カタフラクトの座席に座らせては治療を始める。
千束はジョージの狡猾さ、命を顧みない行動に出たフリッツとフレディを見て、ただ呆然としていた。
フレディがブリーフィングの最後に言った言葉と倉庫に出る直前の言葉がようやく理解できた。
何のために傭兵が武器を握ってDAの依頼を受けたのか、何のためにDAや喫茶リコリコを戦友として見たのか、なんとなくではあるが千束には理解しつつある。
千束がアスファルトの地面に座り込もうとすると、リックが肩を貸す。
「諦めたらダメだぜ、千束お嬢。」
と、リックは千束をカタフラクトに載せて、たきなの傍に居させた。
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<<ーーーわかったこれからどうすればいい?>>
オーバーロードと通信しながら、ジョンはたきなの治療を行っていた。
混乱を極めたこの作戦。
ジョンは撤退を提言した上で、倉庫の破壊も提言した。
オーバーロードの答えは一刻も早く欲しい状況であった。
Limaの撤退は、Foxtrotが
もし、次の矛先が春川フキ率いるHotelと護衛のMikeに向けられたら、手も足も出ない状態で戦力投入が出来ないまま作戦が失敗することを意味する。
Foxtrotが壊滅状態であるこの中で、作戦継続は不可能であり、必然的に撤退するしかなかった。
<<わかった。Juliett1-1の発言は最もだ。総員に告ぐ。Foxtrotが壊滅状態により作戦は中止!Hotelは撤退しろ。>>
オーバーロードの撤退命令が下った。
<<・・・了解しました。>>
Hotelは躊躇ったのか不明だが、一瞬の間があった。
オーバーロードはそんなHotelを無視した上で次の指示を伝えた。
<<Juliett2-1はHotel回収後、各自撤退しろ。>>
<<2-1、了解した。>>
<<Juliett3-1とMikeと共に倉庫を破壊せよ。>>
<<こちらMike、了解。>><<3-1は了解した。>>
<<Juliett1-1、聞こえるか?>>
<<こちら1-1。現在、Tangoを治療しつつ1-2と共にFoxtrotの撤退を待っている。>>
<<それは許可できない。撤退しろ。>>
<<ふざけるな、その命令は受けつけない。>>
ジョンは激怒した。
Foxtrotが命張って壊滅するまで、Limaを救ったのに対して、オーバーロードはFoxtrotを見捨てろと言うのか?
ありえなかった。
だが、オーバーロードの言葉でジョンは絶望の淵に立たされる。
<<フリッツとワタナベは・・・KIAとのことをフレディからの信号を受信した。ーーー諦めろ。>>
オーバーロードが苦し紛れに答えた。
ジョンは苦渋の決断に迫った。
作戦目標である倉庫はすでに破壊されつつある。
もはやFoxtrotを救うことは不可能に近い。
<<・・・了解した。撤退の準備を開始する。アウト。>>
ジョンは通信を切って、憤りを隠せなかったのか自身の装備を投げつけた。
「・・・畜生!あいつらは無駄死にかよ!」
憤るジョンの様子と通信を聞いた千束は、ジョンに声を掛けた。
「ジョンさん・・・」
「・・・あぁ、済まない。取り乱してすまなかった・・・帰還だ。リック!」
ジョンは帰還しようとリックに指示したが、千束は諦めない。
「私、倉庫の中に行きます。」
ジョンは首を振った。
「・・・Foxtrotは死んでいる。諦めるしかー」
「いえ、フレディさんがまだ生きてます。」
ジョンの言葉を遮るように千束は答える。
それでもジョンは首を縦には振らなかった。
「Foxtrotは生きる力を君たちに託したんだ。これ以上・・・どうしようもできない。」
「それでも・・・私は行きます。」
千束はカタフラクトを降りて、全壊寸前の倉庫に向かった。
ジョンは半ば諦めたかのようにうなだれた。
そしてため息をつく。
覚悟を決めたのか、ジョンは投げ捨てた装備を装着した。
「千束お嬢、俺も行く。」
千束はジョンに振り返って頷く。
「リック!たきなお嬢のことは頼んだ。」
「ええ!死んでも守って見せますよ!」
ジョンは頷き、千束と共に破壊されていく倉庫に向かった。
次回⇒【死闘の末】
小話【絶望】
オーバーロードの撤退命令は、DA本部や喫茶リコリコにも届く。
そして、オーバーロードの言葉・・・いや正式にはフレディの信号により、関係者は絶望の淵に立たされた。
DA本部には楠木司令が。
喫茶リコリコにはミカやミズキ、クルミが。
楠木司令はショックが大きかった。
もうあの子同様に、あの父親にさえ逢えないのが非常に悔やまれる。
あの時、犯人引き渡しの際になぜ・・・
なぜ逢わなかったのか?
楠木は「司令」という立場で逃げてしまった結果、今更もう逢えない仕舞いになっていた。
楠木の心はとても苦しく、涙をこらえていた。
喫茶リコリコでも同様だった。
千束を助けたこと。
たきなの面倒まで見たこと。
クルミを追い詰めたが見逃したこと。
あの傭兵集団は食うに食えない存在で、頭目を筆頭に頼もしさの他にどこか愛着のある漢らしさがあった。
だが、本作戦で少なくとも2人が散って1人は生死不明ということだ。
頭目のフリッツと背中を守り続けた唯一日本人生まれのワタナベ。
そして信号を発したフレディは生死不明のままである。
千束とたきな、クルミ・・・
いや、喫茶リコリコに救いの手を差し伸べた同時に3人消えたのも過言ではない。
言葉にできない・・・出来るわけがない。
2つの拠点にいる関係者は哀しみのあまり、時間が途方に過ぎていった。
~Fin~
それでは、次回までごきげんよう。