フリッツの最後の血を引くフレディ。そこには絶望した狼ではなく、狡猾に生きること声明した遠吠えだった。そして、本作戦におけるこのデブリーフィングがDAたちに襲い掛かる。
東京・某所
DAお墨付きの病院の待合室にて。
<<マイケル、ホログラムライトで本任務の件を伝えろ。>>
「了解。」
とホログラムライトを床に照らした。
データ媒体はないものの、リーからとあるデータを引き出していた。
そして5秒も経たない内にデータが表示された。
そのデータを見た楠木司令を始めとするDAのリコリスや千束、たきなが驚きを隠せなかった。
今回、行われた任務は”欺瞞工作と傭兵集団内部にいる
という点だった。
<<楠木司令。ラジアーターのインフラを先ず整備すべきだ。こんなにも分かり易い意図を含んだ任務に騙されないようにして欲しい。また易々と破壊されるインフラに問題がある。こちらの検証で小学生でも出来るDdos攻撃の重複ですら、ラジアーターは1秒足らずにくたばることが判明した。>>
「・・・では聞くが、なぜ我々がお前たちの任務にはぐらかすような事をした?」
楠木司令の指摘にハリスが答える。
「そもそもこの任務は、テロ加担者であるジョージを排除する為の欺瞞任務だ。DAは俺たち傭兵連中の実力をどこまで探る為の実験に過ぎない。なぁ、ジョン?」
「ハリスの言う通りだ。ラジアーターですら、俺たちの顔は割っていても実力を知らなかった。フレディの
<<その為、DAに対して敵対心があったジョージを排除するにはDAの力が必要不可欠だった。>>
傭兵らの答えにフレディがトドメの一撃を言い放つ。
「先程言わなかったか?”駒当然の人形”って。お前たちDAは子供たちを駒当然として送り込んでいるのは、こちらも”承知の上”で動いたことに過ぎない。」
誰もがあ然としていた。
リコリスを始めとする少女たちは傭兵如きに手中を転がしていたとは、露程思っていないだろう。
先程の殴り合いもDAを咎める口撃も・・・全て芝居に過ぎなかった。
この任務自体、DAが傭兵の嘘情報に握って参加したということになる。
多大な損害を出してまで行うほどだったのか?
傭兵の考えと収まりが付かない怒りがDAのリコリスたちには少なくともあった。
そんな怒りが傭兵たちに矛先を向けるものの、傭兵らは改めてデブリーフィングを行った。
フレディがリーに声を掛ける。
「リー、例のデータを送信してくれ。」
<<了解。今送る。>>
ホログラムライトに映し出されたデータが変わった。
本任務における主目標と副目標が表示された
主目標:
『テロリズム加担者の1人であるジョージの排除』
副目標:
『主目標が達成されるまでDAに悟られないように行動』
DAの連中は目つきを変えた。
その目つきは、
憤りを超えた負の感情だった。
だが、傭兵らがDAを騙したのは『お互い様』だと考えていた。
何せ、DAは傭兵の情報を握ったままフリッツらが入国するまでの2ヶ月間、フレディを追い回した挙句、追加の依頼まで受けさせては密輸取引阻止失敗や作戦そのものを隠蔽した。
だから『お互い様』で事を済ましていることになる。
あらゆるデータが表示されては消えていく。
まるで傭兵はDAの情報、特にラジアーターが取得した基に精査された情報の類いが出てくる。
データの類いは全てリーが補足説明してくれる。
圧倒的なデータ量。
DA情報部よりも精密且つ数十のデータが出てきては直ぐに消える。
これが傭兵の情報収集能力の底力であり、フレディ単独の諜報網だけでは物足りないからだ。
最後のデータが映し出された時にリーが通信越しで言う。
<<ーーーで?俺たちの情報は”ほぼ”出し終えた。これだけでは”等価交換”とは相応しくない。>>
リーの”等価交換”には、ジョージに始末されたフリッツとワタナベの2人のことを言っている。
追加情報でジョンが付け足す。
「今回のDAが追っている銃の密輸取引にジョージは関わっていない。この意味、わかるか?」
ジョンの言う通りDAが追いかけている件は、ジョージは”直接的に”関わっていない。
と示唆した上で楠木司令に問いかけた。
楠木司令は目を伏せて言う。
「我々の存在を知っている・・・ということか。」
「ああ。」<<その通りだ。>>
楠木司令の答えにジョンとリーが答える。
「確かに所属不明の工作員を始末していたのは確かだ。だが、その情報はどこから漏れていた?」
「「ラジアータ。」」
今度はマイケル、フレディが答える。
ため息を吐きつつも、楠木司令は肩を落とす。
「やはりか・・・だが、私1人で出来ることではない。」
「ダメだ。
「・・・」
楠木司令が黙るとフレディが突如よろめく。
寡黙のガウディーとハリスが咄嗟に支えるものの、機械化された身体が2人でも支えるには重かった。
それでもフレディは支える2人に離れるよう指示した。
ガタが着く前に終わらせたい・・・
というよりも戦場指揮官としてこれから立つ人間として、フリッツと同様に奮い立たせていた。
ここでくたばる訳にはいかない。
寧ろ、ここからが正念場とも言える。
フレディは補助動力が尽きる前に声を絞って言う。
「オーバーロードのデータはDAに送る。
<<もし、フレディが回復しきれてない内に依頼があるならば俺を通せ。>>
「
ノイズが酷くなる一方のフレディはジョンに託した。
「了解。マイケルとハリス、ガウディーはフレディを連れて行け。」
マイケルを含んだ3人は頷く。
「あとは、こちらで受け持つ。解散。」
傭兵らは解散した。
ジョンたちはDAに対して説得。
マイケルたちはフレディの”調整”。
それぞれ動き出した。
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本任務におけるジョージを排除した。
後は、銃密輸の真犯人排除のみである。
DA、喫茶リコリコのどちらかに肩入れしている人間が居る・・・
ということをオーバーロードことリーが絞った。
真島はあくまでもテロリズムを模した”駒”とリーは考えている。
テロリストが暴れまわれば、真犯人は絶対動く。
それを阻止するのが犠牲者が増えるだけの無能DAより、フットワークの軽い傭兵が
阻止させすれば、DAの連中が解決すればあとは楽である。
そして、傭兵らは再び再結成して世界に羽ばたいて行けばいい。
~国を救うのは傭兵ではない。
その国家行政や国民が行うことであって、傭兵は外部の人間という位置付けだ。~
フリッツが遺した言葉だ。
この言葉は傭兵らにとって染み込まれている。
それが作戦前のDA、喫茶リコリコ、傭兵の合同ブリーフィングでフレディが言った言葉と同意義である。
阻止するためには傭兵が必要であり、後は行動で示す。
傭兵は所詮、第三者なのだ。
わざわざ国家の治安組織に首を突っ込む必要なぞ、ありえないのだから。
次回⇒【フリッツの娘】
小話【偉大な漢の計画】
ジョンが、CIAの依頼からジョージがテロ加担者になるまでを1から100を、リーを経由してDAに伝えた。
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DA・・・いや国家機密レベルの治安組織が所属不明の工作員を始末していたのは、フリッツとリーが知っており、主にジョージが情報源として、国連を通じて働きかけていた。
ジョージの発信自体、不思議に思ったのがフリッツとリーだった。
国連を通してジョージが働いているのに対して、水面下ではフリッツがジョージの排除に向けた作戦を日本で行うことを決定づけることに。
その結果は、
半壊しつつも”成功”した。
今回は過程よりも結果が大事である。
勝ちは勝ちである。
フリッツが自ら居なくなったとしても、フレディが跡継ぎになれば問題なかった。
肝心の本人は当初、やる気なかったが・・・
今は違う。
奴は入れ替わった。
フレディの諜報網によって、DAの存在が未だに”生きている”こと確信したフリッツはフレディに内緒で作戦開始を行われた。
それは、ジョージを排除するのとフレディを後継者としてを同時に成し遂げる必要があった。
長い月日をかけて、噓八百を並べてDAを騙していくしかない。
だから本作戦には、DAに嘘の情報を握らせて仲人として実行した。
DAには、ジョージの偽情報と偽情報の細工を行ったフリッツとリーの力があった。
作戦には、犠牲の上で成り立っている。
フリッツとワタナベの犠牲でフレディという逸材が生き残り、傭兵らはフレディを支えるための精神的支柱となった。
そしてフレディは、調整次第で何時でもDAに介入することが出来る。
これもひとえに、フリッツが最期までを予想していた偉大過ぎた計画だろう。
最もフリッツの実力が歴史に残るほどの偉大な漢なのだが・・・
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全てを話した上で、ジョンは楠木司令を始めとするDAと喫茶リコリコに謝罪した。
だが、残された時間は無いと再三の忠告をして病院を後にした。
フリッツとワタナベをDAに残してー
~fin~
それでは、次回までごきげんよう。