”餌”を蒔いた結果、もう1人の黒幕を引きずり下ろした。名は「吉松シンジ」。
彼にContactを取るのと、彼を始末する為に宣戦布告の一手を下したフレディ。アランとの全面戦争が喜劇となるのか?それとも悲劇となるのか?どっちに転んでもフレディは『やるしかない』と薄々思っていたー
東京・某所
ブリーフィング室
脳は欠けても、思考巡るのは容易い。
先の襲撃事件でも勘が冴えていた。
そのおかげで、千束殺害未遂で留めることが出来た。
今度はアラン機関・・・千束を襲撃し、
そして『脅し』という名の『宣戦布告』を行う。
椅子に座るフレディが苛立ちを隠せていなかった。
10分以上も前から吉松シンジの女性秘書である”姫蒲”に対して、Contactを取ろうとしていたが応答がないまま時間が過ぎて行く。
ここで切り上げたら付け上がる可能性もある。
忍耐強く待つ他なかった。
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さらに数時間が経過した。
こちらの忍耐力が上回ったか知らぬが、リーが左手を上げた。
「ご対面の時間だ。」
とフレディが独り言を言った瞬間、軍事用パソコンのモニターが切り替わった。
モニターに映し出されたのは、1人のビジネスマンだった。
フレディはリーに目配せすると、リーは頷いた。
Contactは成功した。
あとは、”全文”を言うだけだ。
その前にフレディが吉松シンジの思惑を”餌”にしてから、宣戦布告したかった。
フレディがモニターに映し出されているビジネスマンに声を掛けた。
「吉松シンジだな。」
モニターの男は暫く後に、
<<あぁ、そうだね。もう15年ぶりかー>>
と自語りされる前にフレディが吉松の言葉を遮る。
「そんなことはどうでもいい。お前に聞きたいことがある。」
<<・・・何の用かね?次のー>>
「何故、千束お嬢を襲撃した?」
吉松の言葉をことごとく遮るフレディの質問にー
吉松は大きくため息をついた。
<<君に答える必要はない。>>
「なら言葉を変えよう。アランの道義を反してまで千束お嬢を接することが目的か?違うか?」
<<ーあぁ、そうだ。>>
「この10年もか?」
<<あぁ。>>
吉松が、アランの理念を捻じ曲げてまで千束お嬢と接していた。
だが、襲撃する理由がない。
次の”餌”を撒く。
「もう一度聞く。何故襲撃した?」
<<アランの忠義に則って動いたと・・・言えばいいか?>>
「違うな。千束お嬢とずっと接しているならば、”アラン”という言葉は出ないはずだ。元来の力を出せないまま、生かすには惜しい千束お嬢を始末することにした。違うか?」
吉松はまたもやため息をつきながら背もたれに寄りかかった。
フレディは追撃した。
「千束お嬢は10年前のテロでほぼ単騎で制圧した実力を持っている。だから救いの手を差し伸べて、アランに引き込もうとしたが、お前は千束お嬢の”素質”に負けた。そうだろ?」
<<・・・何もかもお見通しか。>>
吉松は歪んだ顔で答える。
吉松にとって最悪の事態に陥った。
だが、吉松にはまだ切れるカードがある。
直後にそのカードは無くなるのだがー
「次は銃密輸取引の主犯は・・・お前だな。」
<<なんでそう言い切れる?証拠はあるのかい?>>
「ジョージを知っているな?」
<<いや、知らないな。>>
吉松は言い逃れようとしたが、フレディは
「いいや、お前は知っている。アイツのデータの中身にお前の名前と1000挺の銃密輸のデータを回収及び解析した。無論、”真島”を
<<ーあぁ、そうだな。>>
とうとう認めた。
いや、敢えて認めるふりをしたのか?
まだ分からない。
「日本から撤退しろ。真島も含めて、この国から全部出て行け。」
<<真島・・・も含めて?>>
「あぁ、そうだ。」
フレディの答えに鼻で笑う吉松。
<<もう手遅れだよ。烏羽竜司くん。>>
フレディの本名が吉松の口から漏れる。
が、一切の動揺しないフレディ。
<<”彼女”が動かないから真島くんを動かしている。その真島くんの行動を無理やり取り上げようとするのは感心しないな。>>
彼女とは千束のことである。
千束が
吉松の言葉に核心を得たフレディは、”宣戦布告”を行うことにした。
「お前と真島が手を引かないなら、こちらに考えがある。」
<<ほう?どうするつもりだ?>>
興味深々で悪魔の笑みを浮かべる吉松に衝撃の言葉の雨が降り注ぐ。
「真島を片付けてー・・・お前も消す。」
そう言ってフレディは軍事用パソコンを閉じた。
これでアランに対しての宣戦布告が出来た。
あとは
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だが、その裏ではー
千束たちの運命が大きく変わろうとしていた。
次回⇒【
小話【狂った世界】
東京・某所
フレディがアランに対する宣戦布告が終えたすぐのことであった。
リーがフレディとラジアータの情報を基にあらゆる分野での情報網の成果が出た。
それは以下の通り。
・楠木司令と真島が間接的に会敵したが、真島は逃亡済み
・たきながDAに再招集
・DAを餌に延空木でのテロリズム
という3つの情報だった。
最初の2つはラジアータで、最後はフレディが半年もかけて情報網という”クモの巣”に引っかかったモノだ。
DAも狂った組織なのか、秘密警察の上層部がテロリズムの主犯と会敵すること自体、馬鹿げた話である。
更に狂っていたのが、DAはマキャヴェリズムをテロリストの主犯である真島に唱えた。
そもそも、テロリストに権謀術数主義(マキャヴェリズム)を唱える時点で、DAとテロリストは同格であり、組織的にはDAは上であるが、やることは両者共に変わらないというものだ。
リーは悩む。
DAが”その程度”ならフレディが更に化ける。
下手すりゃDAという存在を消しかねない。
もし、そこに”子供たち”が阻むとなると、フレディの暴走は防ぐことは出来ない。
アイツは何より”子供たち”の為に戦ってきた存在で、フリッツの背中を追いかける存在だ。
もう、アランだけじゃない。
DAも狂った世界に放り込まれ、最悪の場合は”リスト”入りだって免れない。
そして、たきながDAに再招集されたことは、3つ目の情報に繋がる。
要は、『真島との最終決戦が近い』ということ。
だが、この情報をフレディに言うべきか?
特に1つ目の情報は危険性が高いが、DAがその気でいるならば、我々傭兵はそれに答えるまで。
『”喜劇”か”悲劇”か』
どっちに転んでも傭兵は生き残れる。
が、DAを滅ぼすのが先か、テロリズムを排除するのが先になるかはフレディ次第であり、彼自身の”Answer”なのだろう。
リーは決意した。
「賽は投げられた。」
という一言を残してフレディに秘匿通信を行った。
~fin~
それでは、次回までごきげんよう。