~銃弾と対価~   作:クマぴょん

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※注意書き※
過去編とはいえ、フラグ伏線があることを留意していただきたい。

【前回のBullets Price】
DAすら上回る情報網で、DAとの共同作戦をもちかけたフリッツたち。DAとの一悶着は有ったものの、フリッツの言葉に事なきを終えた。そして、作戦開始前に旧電波塔に集まる老兵ペアとリコリス。
そして、老兵が語る過去と信念とは・・・


【ジョージの過去】

 

 

東京・旧電波塔

18時45分

突入まであと15分

 

旧電波塔の根元で春川フキ率いるチームが居た。

乙女サクラは不満そうに言った。

 

「先輩・・・あいつらまだ来ないですね・・・」

 

春川フキは真顔で答えた。

 

「まだ5分前だ。フリッツと言ってたな。奴は絶対に信用できる。」

 

そう確信したそのときだった。

老齢の声が春川フキたちに向けて聞こえる。

 

「おーい、お嬢ちゃん達か!」

 

フリッツと共に老齢の白髭が春川フキたちに手を振っていた。

春川フキたちはフリッツの外見はわかっていたが、隣に居る老齢の白髭はわからなかった。

だが、笑顔に満ちたその顔とは裏腹に、隠し切れない歴戦のオーラが春川フキには感じた。

老齢が口を開いた。

 

「お嬢ちゃんたちか!今回の作戦よろしく頼む。言いそびれた。俺はジョージ。フリッツから聞いてると思うが、対テロ専門家だ。自分でも言うのもなんだがな。」

 

老齢はジョージだった。

 

「これから戦う戦友だ。小さき戦士達よ。」

 

ジョージは春川フキに手を差し伸べた。

春川フキはジョージに答えてジョージの手を握った。

 

「ええ。よろしくお願いします。」

「あぁ・・・懐かしい。お嬢ちゃんの手は孫の手みたいだな。」

 

ジョージは春川フキの手で昔を懐かしむように呟いた。

ジョージの目は老練な目つきから悲しげな目をしていた。

 

「え?」

「いや、なんでもない。昔を思い出しただけだ。気にするな。」

 

フリッツはジョージの事情を知っていたが、あえて黙った。

フリッツとジョージの2人とリコリスたちの周りには不自然に誰も居なかった。

ジョージは、周りを見て昔話を話した。

 

「すまないな。フキお嬢ちゃん。君の手が30年以上前の孫の手そのものだったんだ。」

「・・・昔を伺っても?」

 

春川フキが普段言わないことを乙女サクラたちは驚いた。

ジョージは旧電波塔を見上げた。

 

「あれから・・・25年前だな。日本でテロが起きた。その時に日本当局を中心に日本で共同訓練していた俺たち、テロリストを追い詰めたCIAが召集された。恐らくDAもいた筈だろう。だが、現場に人質と息子家族が居ると思わなかった。日本当局からの情報が大きく違った事に俺は憤りを感じた。」

 

ジョージは煙草を取り出して、火をつけて煙をふかした。

 

「日本当局が突入を戸惑っている間に、銃声が聞こえた。それが人質の射殺の挨拶だった。俺たちとCIAは日本当局の静止を無視して突入した。だが、既に遅かった。硝煙と火薬、血の匂い、死後間もない骸が現場に漂っていた。」

「・・・リコリスは居たんですか?」

 

ジョージは点け始めた煙草を捨てて、コンバットブーツですり潰した。

 

「いや、居なかったな。だが、テロリストどもは始末されていることから、”Lycoris”は居ただろう。だが私にとっては最初で最後の一番の彼岸花だったな。日本旅行に居た息子家族を含め、人質全25名の死亡が確認された。だからといってお嬢ちゃんのようなエージェントやDAを責めるわけではない。情報の誤りと怠りがあった日本当局に対して、全世界の治安組織が叩き始めたんだ。恐らくそこが、日本当局の立場とDAの転換期だったんだろう。」

「・・・そうだったんですね。」

 

黙り続けるフリッツを横目にジョージはリコリスたちに問いかけた。

 

「お嬢ちゃんたちに聞きたい。何のために銃を握る?」

 

春川フキは乙女サクラたちを顔を見合わせる。

そして春川フキはジョージに振り向いて口を開いた。

 

「恩返しです。」

「ほう。そうか。」

 

ジョージは興味を持ったように返事をした。

 

「私達は孤児なんです。拾ってくれた恩返しそのものなんです。」

「ふむ。だから銃を取って、治安活動して”恩返し”をしてると。今になってフレディの気持ちが良く判ったよ。」

「・・・どうことっすか?」

 

ブリーフィングでフレディと険悪の関係にいる乙女サクラはムスッとした気持ちで返事した。

 

「あいつも自ら銃を取って、親父や革命軍に恩返しをした。ただ、あいつの場合は『誰の為でもなく己の運命の道だから』と言って武器を手にして戦いに挑んでる。俺もそうだ。出身だろうが組織に恩返しなんて関係ない。己を貫いて40年以上も戦ってきたんだ。なぁ?フリッツ。」

 

急にジョージに話をフラれたフリッツは淡々と答える。

 

「あぁ、俺たちの傭兵集団は誰かの為じゃない。己のために、信義を貫き通すのがモットーなんだ。大人だろうが子供だろうが、未練のある奴は遠慮なくやめさせた。・・・お嬢ちゃんのような子供が”恩返し”という曖昧な形で銃を取るのが、よく判らなかったんだ。」

「だから、息子には生半可な気持ちで銃を握させるのはやめさせたんだ。俺は代々軍人の家系でね。4人兄弟全員、軍人なんだよ。だが戦争やテロに絶えない世の中で、俺以外若くして死んじまったよ。」

「・・・」

 

リコリスたちは黙ってしまった。

今の日本はDAによって平穏と秩序が保たれている。

だが、ジョージの言うように世界中各地で戦争、紛争、テロ、クーデタが絶え間なく続いていた。

そんな世界で生き続けたフリッツたちと目の前にいる彼岸花たちとは世界は違っていた。

ジョージはこの雰囲気を打開するため笑って誤魔化した。

 

「ハハッ、すまないね。陰気くさい話をして。お嬢ちゃんたちさっきの話は忘れてもいいぞ。さて、あと10分だ。行こうか。」

「そうだな、ジョージ。お嬢ちゃんたちも準備いいか?」

 

 

次回⇒【突入】

 

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【メインキャラ】

フリッツ:

出身不明。60代だが傭兵歴35年の老兵。

かつてフランス外人部隊の第2外人落下傘連隊 (2e REP)の連隊長。

連隊長をフランス人以外の異例の選抜されたほどの実力者。

 

ジョン:

元アメリカ海兵隊のエリート偵察兵。フリッツの右腕的存在。

組織の全体のバランスを保つことが役割。銃の腕前はヘリコプターから200m先の頭部を精確に打ち抜くほど。

 

ワタナベ:

元自衛官。傭兵歴20年の古参。

フリッツと同様、フランス外人部隊の第2外人落下傘連隊 (2e REP)の背中を長年守りきった。尚、日本人だが約20年以上帰国していない。

 

マイケル:

元SAS。北アイルランドの紛争から唯一の生存者。

ジョンとはジョーク仲間であり相棒でもある。長年、アイルランドの対テロリストで性格が短気になってしまった過去がある。

 

リー:

現代情報戦と現代電子戦の天才。現代のアインシュタインとも呼ばれている。

上海のテロ事件を無血解決した事で、中国の英雄と言われてる。だが、彼の曾祖父の時から日本と関わりを持つが、出身は大陸であり偽名で活動してる。

 

フレディ:

9歳から少年兵として活躍した。東南アジアの革命軍の英雄の息子。

革命後は渡米。某組織で暗殺者と諜報員となった。旧世代の装備ながら闇社会の人間を多く闇に葬っている。旧ソ連のスパイ「ゾルゲ」と同様、国家の中枢部まで浸透することもできる。

多才な実力を持ちながら傭兵としては結構若い。

 

ジョージ:

元SAS。マイケルの元上官。

様々なテロ事件を解決した対テロリストのスペシャリスト。傭兵歴は2年と短いが、軍に在籍した期間が30年以上もあり、一時は最高職まで上りつめた。

ジョージとフリッツは義兄弟でもあるが、血は繋がっていない。

 

【本編ではほぼ出番がないジョージの部下】

ロック:

元アメリカ陸軍武器科。武器調達員の1人。

以前の共同作戦でジョージに最新武器提供から出会う。傭兵の活躍の裏で弾薬の製造、調達及び維持を支援する。

 

リック:

元アメリカ陸軍輸送科。武器調達員の1人。

以前の共同作戦でジョージの戦闘後方支援(CSS)で出会う。多才な運転技術を持っており、輸送兵站面では陸空海全てを制している。

 

チュレンコフ:

元カディロフツィ(ロシア連邦英雄アフマド・ハジ・カディロフ。名称:第141特殊自動車化連隊)。

モスクワテロ未遂事件でジョージと出会う。国家的忠誠という疑問を持ち、除隊後フリッツの傭兵集団に入隊。

 

アレク:

元ロシア連邦保安庁して元KGB。チュレンコフと戦友。

モスクワテロ未遂事件でジョージと出会う。銃の扱いは不慣れだが、フレディやリーの情報・電子戦を支援する側面をもつ実力がある。

 

ハリス:

元リビア国民軍。リビア内戦で複数の部隊を率いた実績がある。

戦っているうちに戦う意味を失う。自ら除隊後、新アレクサンドリア図書館テロ事件で自ら志願。

その後ジョージと出会い、彼の運命を変えたきっかけになった。

 

カウディー:

出身不明。50代で傭兵歴25年の古参。

各地の紛争地域を渡り歩き”紛争に現る死神”と呼ばれているほど、火器の扱いが特殊部隊レベル。ベオグラードのテロ事件でジョージの捕虜になった経緯がある。だが、ジョージの説得で改心。

以後、武器調達員の最強のガードマンが誕生する。




同志諸君、クマぴょんだ。

今回は2つほどお伝えしたい。
今話が投稿した段階で、私は中山競馬場にいるだろう。なので、投稿確認後の小話(活動報告)はかなり遅い時間か後日になる可能性が高い。
これが1つ。

もう1つは、リコリコスペシャルイベントは参加する傾向だが、その週は海外での取引があるため、帰国した足で向かうだろう。だが、当選するればの話だが・・・
因みにリアルで軍事関連の取引なので、防寒具が軍服姿しかないのは内緒話だ。アメリカ⇒イギリス⇒フランスの順で帰国する。

1つ目は以前、活動報告にお話したとおりだが、2つ目は急遽入ったお知らせと言う形でお送りした。
またなにかあったら活動報告でお話させてもらおう。
それでは次回まで、ごきげんよう。
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