夢で見たことをそれとなくして小説にしました
夢の中だと、この二人の人物以外に怪物がでたりドラ○もんが登場してわけのわからないバトル展開もありましたが、本当にわけが分からないのでカットしました。
暗い夜道を私は一人歩いていた。
私は片腕を事故で失ってからも陸上部を続けている。今日も部活の帰り道だった。日が暮れると少し肌寒い季節になってきたなと思いながら、いつものように家へと向かっていた。
すると、後ろから誰かが走ってくる音が聞こえてきた。振り返ると思った通り弟のしょーたがこちらに向かって走ってきていた。
「姉ちゃん!こんな時間まで何やってんだよ!」
私よりも年下のくせに生意気なこと言ってんじゃないよと心の中で思いながらも心配してくれていることに嬉しさを感じていた。
「ごめんね。ちょっと終わるのが遅くなっちゃって」
「もう遅いんだし早く帰ろうぜ」
そう言い終わると彼は私の腕を掴み走り出した。
「ちょっ……待って……」
突然引っ張られたことに驚きながらもなんとかついていこうとしたその時、足元に転がっていた石ころを踏んでしまいバランスを崩してしまった。
そのまま地面に倒れ込むかと思った時、左腕を強く掴まれ引き寄せられる感覚があった。どうやら転びそうになったところをしょーたが助けてくれたようだ。そして私たちはそのまま地面へ倒れた。
「大丈夫?怪我はない?」
私が無事を確認するように聞くと、
「あぁ、俺は平気だよ。それより姉ちゃんの方こそ足とか捻ったりしてないか?」
と逆に心配されてしまった。
「うん。ありがとう、おかげで助かったわ」
それから私たち二人はゆっくりと立ち上がりお互いの服についた砂埃を払っていた。
「そろそろ帰らないと母さんたちに怒られちゃうぞ」
「わかってるわよ」
こうして私たちはまた一緒に帰ることにした。
「ねえ、しょーた。最近学校は楽しい?」
ふと私は聞いてみたくなったことを弟に尋ねてみる。
「楽しいに決まってるだろ!そんなこと言う姉ちゃんこそ楽しいのかよ」
「えっ……」
まさか自分にも質問されるとは思ってなかったのだろう。彼女は答えられずにいた。
「姉ちゃんさ、いつも陸上頑張ってすごいと思う。でもさ、なんか最近無理して明るく振舞ってるように感じるんだけど俺だけかな?」
「そんなことないわよ。だって私は元気なんだもん」
嘘だ。本当は辛くて仕方がなかった。片腕を失ってからコーチの態度は豹変した。今まであんなに優しかった人が急に厳しくなったのだ。そのせいで部員たちも近寄ろうとしなかった。それがとても寂しく感じられた。だけどそんな気持ちを弟には知られたくはなかった。だから強がりを見せた。しかしそれは逆効果だったようで、
「姉ちゃん。何か辛いことがあるなら俺に相談しろよ。俺はいつでも力になるからさ」
と言ってくれた。嬉しいけど今はその優しさが痛かった。
「本当に大丈夫だから気にしないでいいからね」
そう言うと、これ以上何も言わないようにした。するとしょーたは何も言わず黙ったまま私の手を繋いできた。
「姉ちゃんの手冷たくなってるじゃん。」
しょーたの手はとても暖かく、冷え切った私には心地よかった。思わず涙が出そうになるほどに……。
「しょうがないじゃない。もう秋になったんだから」
「そうだな。早く冬になってほしいよ」
「なんでそうなるのよ!」
「だって寒い方が手が温まるじゃん」
「もう、馬鹿なこと言ってないで帰るわよ」
なにを言ってんだか。