ドブカス魔法師禪院直哉   作:バチ柳

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Chu!投稿遅れてごめん


呪術師、襲来

 授業が終わり、多少くだらない話をして帰路に就く。部活に所属していない直哉にとってもはやルーティーンと化した行動だった。今日も例に漏れず教室から出ようとしたところで背後から呼び止められた。

 

「禪院」

 

「あー?なんや駿くん」

 

「禪院は討論会は見に行かないのか?」

 

 討論会。二科の連中が起こした放送室ジャック事件がきっかけのあれだろう。

 

「行かん。身の程知らずのカスに興味あらへんし」

 

「…禪院らしいな」

 

「そういう駿くんはどうなん?」

 

「僕は参加するさ」

 

「深雪ちゃんと真由美ちゃんの尻追っかける為やろ?」

 

「ああその通り…違う!今回はそれは関係ない。僕は風紀委員だからな。警備として参加するんだ」

 

「ほーん」

 

 今回は、ねえ

 

「…なんだよ」

 

「いーや?なんでもあらへんよ?まー精々警備頑張りや」

 

「なんだかなあ…まあいいさ。僕もそろそろ行かないとな」

 

 またな、なんて言って立ち去る森崎に目をやって、すぐに興味を失って目を逸らす。

 

「帰ろか」

 

◆◆◆

 

 我ながら丸くなったものだと、禪院直哉は思う。呪霊も居なければ、明らかな敵意を向けられることもない。小さないざこざこそあれ、呪術界に身を置いていた直哉にとってはあまりにも平和に過ぎる。

 故に、偶には大きなトラブルが起きてくれた方がありがたいというものだ。

 

「今みたいにな?」

 

 人気の無い廃墟。なんの目的もなくこんな所に来る訳がない。

 

「わざわざお膳立てしたったんやからさっさとしてくれへん?気ぃ使われへん男はモテんで」

 

「ははは、耳が痛い話だね。禪院直哉くん」

 

 芝居がかった台詞に目をやれば、伊達眼鏡をかけた細身の男が薄く笑みを浮かべていた。

 

「誰やねん、君」

 

「私がブランシュ日本支部のリーダー、司一だよ。先日は部下が随分世話になったようだ」

 

「部下…?ああ、あの素人連中か。雑魚すぎて思い出すんに時間かかってしもたわ」

 

「随分自信があるようだが…単身で敵地に突撃するのは些か早計ではないかな?」

 

「あ?」

 

 パチン、と一が指を鳴らすと、息を潜めていた兵士達が現れる。

 銃、銃、銃。殺しのためだけに作られた銃口が四方八方から禪院直哉に向けられていた。

 

「…………」

 

「部下から報告は上がっている。接近したら突然意識を奪われたとね。確かに厄介な魔法だが、対策すればなんてことはない、ただ近づかなければいいだけの話だ。詰みだよ、禪院直哉くん」

 

「…驚いたわ」

 

 勝利を確信した一の顔が歓喜に歪む。

 

「ははは、そうだろう、そうだろう!魔法を使えたとしても所詮は子供!圧倒的な暴力の前では「違うわボケ」…何?」

 

「この程度で俺に勝てると思っとるおめでたい脳みそに驚いたって言ってんねん」

 

 どちゅ。

 

「…あれえ?」

 

 そう間抜けな声を上げたのは誰だったか。頭部を失った胴体がゆっくりと倒れていく様を見上げ、それが自分の体であったことに気づき────

 

「あーあ、一人死んでしもたなあ。俺に一番近かったばっかりにや。可哀想になあ…思ってへんけど」

 

 仲間の突然死による思考の停止はほんの一瞬。それが終われば、先ほどまでの余裕は全て恐怖に塗り替えられた。

 

「うっ、撃て!撃ち殺せ!」

 

 恐慌状態にあっても、訓練された彼らの指はしっかりと引き金を引いた。発射された弾丸が特徴的な金髪に吸い込まれるように飛んでいき────当たった瞬間に砕け散った。

 

「馬鹿な…」

 

「一級術師様やぞ?そんなんが効く訳ないやろ」

 

◆◆◆

 

「さー、いよいよアンタ一人だけやなあ」

 

「クソ、クソッ!ふざけるなふざけるなふざけるな!たかがガキ一人に!」

 

 必死に逃げるが、ついに壁際まで追い込まれてしまう。

 

「あーあー、俺より詳しいはずやのに、自分から追い詰められてるんじゃ世話ないわな。じゃあまあ、そろそろ死んどこか」

 

「ま、待ってくれ!」

 

「待て言われて待つほど優しい人間に見えるん?」

 

「ヒ、ヒィッ!」

 

 血に染まった掌が迫り、目の前で、ピタリと止まった。

 

「…?」

 

 外から足音が聞こえる。魔法科高校からの増援だろうか。

 

「チ、命拾いしたなあ、アンタ。流石に今から隠蔽までする時間あらへんし」

 

 命拾い。命拾いと言ったか、この男は。安堵が全身を支配する。

 

「せやけど、口封じくらいはしとかんとな。おい、よく聞けや。直接・間接を問わず、俺に繋がる事は絶対に口にしないことや。そしたら命だけは助けたる」

 

「わ、分かった!絶対に誰にも言わない!だから」

 

「あーはいはい、そんならそれでええ。これは”縛り”や。破ったらまあ…死ぬより酷い目に合うで」

 

 そう言い残し、あっという間に禪院直哉(化け物)は消えた。ドカドカとこちらに足音が近づいてくるが、もはや逃げる気力もない。

 

「ははは…なんだ、アレは」

 

 あんなモノが、魔法だと言うのなら。あんな狂人が、魔法師だというのなら。

 

「最初から勝ち目なんて、無かったじゃないか」

 

 この日、司一の反魔法師活動家としての矜持は、完全に打ち砕かれた。




就活~やめたい~

ヒロインアンケートが結構拮抗してたのでなんか考えようと思います

次はちょっと早めに挙げられるといいなあ。早く内定出て…

ヒロインいる!?

  • いるよなぁ!?
  • いらねえよなぁ!?
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