鬼殺隊監査役・東雲麟矢   作:SS_TAKERU

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お待たせいたしました。
少々遅れてしまいましたが、クリスマスプレゼント代わりに投下します。

今回、獪岳の過去を独自に設定しております。オリジナル設定が苦手な方はご注意ください。

お楽しみいただければ幸いです。




玖之巻 -麟矢、最終選別へ(転)-

慈悟郎視点

 

「………」

「………」

 

 それぞれに木刀を構え、庭で向き合う獪岳と麟矢。

 

「善逸、よく見ておくのじゃぞ。あの二人の戦いは、必ずお前の糧となる」

 

 隣で正座する善逸にそう告げながら、儂はゆっくりと手を上げ…

 

「それでは…始めぇ!」

 

 試合の開始を宣言した。

 

「シィィィィ…」

 

 先手を取ったのは獪岳だ。雷の呼吸、その呼吸音を響かせながら、麟矢との間合いを一気に詰め―

 

「雷の呼吸。肆ノ型」

「「遠雷(えんらい)」」

 

 横一文字に木刀を振るうが、それは麟矢が両手に持つ木小太刀で受けられる。今のは…

 

「雷の呼吸。弐ノ型」

「「稲魂(いなだま)」」

 

 続けて、半円を描くように木刀を振るい、高速五連撃を繰り出すが、こちらも全て受けられてしまう。間違いない! 麟矢は―

 

「お前、なんで俺の繰り出す攻撃を()()()()()()んだよ!」

 

 獪岳の攻撃を先読みしておる!

 

 

獪岳視点

 

「お前、なんで俺の繰り出す攻撃を先読み出来るんだよ!」

 

 思わずそう叫びながら、目の前の男から距離を取り…俺は木刀を構え直す。どんな絡繰りか知らないが、動きが先読みされる以上、迂闊に手を出すのは…

 

「雷の呼吸…いえ、全集中の呼吸における基本の五流派については、徹底的に分析していますから。型の名前だけじゃなく、内容も熟知していますよ」

 

 なん、だと…。

 

「耀哉様の御厚意で、産屋敷邸に保管されていた書物を徹底的に読み込む事が出来ましたからね」

「………」

 

 とんでもない事をなんでもない事のように言ってのけるその姿に、俺は初対面の時から感じていたこの男…東雲麟矢が()()()だという事を再認識した。

 何故大嫌いなのか? 答えは簡単だ。こいつは多分()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 立ち振る舞いや言葉遣い。そして何より目を見ればわかる。こいつは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 真っ当な両親。惜しみなく注がれる愛情。恵まれた者だけが持つ自然な心の余裕。

 俺が求めてやまないもの全てを自然に持っている。だから、俺はこいつが大嫌いだ。

 

「書物で読んだから先読み出来るだと? そんな事が出来てたまるか! 一度や二度山勘が上手くいったからって!」

 

 叫ぶようにそう言いながら、俺は下段に構えた木刀を上段に振るう。

 

「雷の呼吸。伍ノ型」

「「熱界雷(ねつかいらい)」」

 

 直後放たれた斬撃波を、東雲は必要最小限の動きで回避する。だが、それは想定内。

 回避によって生じた僅かな隙を利用して、俺は間合いを詰め―

 

「雷の呼吸。参ノ型」

聚蚊成(しゅうぶんせい)ら―」

「させませんよ!」

 

 目標の周囲を回転しながら波状攻撃を仕掛ける『聚蚊成雷』を放とうとしたが、東雲の体当たりで出掛かりを潰されてしまう。

 くそっ、本当に先読みされているっていうのかよ! 俺は体勢を立て直そうと再び距離を取ろうとするが―

 

「隙ありっ!」

 

 それを先読みしていた東雲が木小太刀の片方を投げつけてきた! 咄嗟に木刀を振るってそれを弾くが―

 

「ッ!?」

「………」

 

 次の瞬間、東雲の持つもう一本の木小太刀。その切っ先が俺の喉に突き付けられていた。

 

「そこまでじゃ。この勝負、麟矢の勝ち」

 

 先生の声と共に木小太刀のが引かれ、俺と東雲は互いに礼をする。負けた…。

 いや、これはあくまでも試合。命のかかった実戦じゃない。生きてさえいれば何とかなる。死ぬまでは負けじゃない。生きてさえいれば、いつか勝てる。勝ってみせる。

 俺は自分にそう言い聞かせ、先生のもとへと向かうのだった。

 

 

麟矢視点

 

「獪岳。今の試合で、何故お前の動きが麟矢に先読みされ続けたか、理由がわかるか?」

「東雲くんは無学な俺と違って、頭が良いようですからね。その為では?」

 

 桑島様の問いかけに対し、表面上は丁寧にそう答える獪岳。うん、隠しているつもりだろうけど、俺への敵意がだだ漏れだよ?

 

「たしかに、麟矢の頭脳は優れておる。じゃが、それでは理由の半分じゃ」

「では、残りの半分は?」

「………本当なら、もう少し後に伝えるつもりじゃったが…」

 

 そう言って一旦言葉を切る桑島様。俺の考えが当たっていれば、きっと()()()だよな。

 

「獪岳。お前の剣は…()()()()()

 

 やっぱりね。

 

「……は?」

 

 理解出来ない。と言いたげな表情の獪岳。桑島様もどう説明すれば、獪岳を傷つけずに済むか迷っているようだ。

 

「僭越ながら…」

 

 ここは俺が嫌われ役になるとしよう。

 

「獪岳くんは相当な稽古熱心とお見受けしました。先の試合で使っていた型の全て、書物に記されていた()()()()()()()()()()でしたからね」

「傍から見て、惚れ惚れするような…と言うのは、あのようなものを言うんでしょう。素晴らしい練度です。しかし…」

「正確な動き、理想的な動きであるからこそ、()()()()()()()()()()()()()()()

「っ!?」

「これがきちんとルール…規則の決まった試合の場や剣舞を披露する場なら、それでも良いでしょう。しかし鬼殺隊の隊士に、実戦の場に求められるのは、型の美しさではなく、戦況に応じた臨機応変さです」

「恐らくですが獪岳くんは、守破離の破の段階に入ろうとしているのでは? と愚考します」

「………」

「あの、しゅはり? って何ですか?」

 

 俺の発言に対し、無言のままの獪岳に代わるかのように『守破離』という言葉の意味を問うてくる善逸くん。

 

「安土桃山時代の茶人で、豊臣秀吉の側近でもあった千利休の『規矩作法(きくさほう) 守り尽くして破るとも離るるとても(もと)を忘るな』という言葉を基にした言葉で、茶道や武道における修行の過程を表したものです」

「その通り。修業とは師匠から教わった基礎を愚直に磨き、身に付けていく『守』。他流派の技等も参考にして、身に付けた基礎を自分に合う形へ変えていく『破』。そして最後に新しい自分だけの技を生み出す『離』。この三つの段階で構成されると言われておる」

「へぇー…守破離かぁ」

 

 感心したような声を上げる善逸くん。獪岳はまだ無言のままだが…

 

「獪岳。お前のこれからの目標は、これまで磨き上げてきた型を敢えて崩し、己に最も適した形へ変えていく事じゃ。困難な道のりとなるが、その為の手助けを儂は惜しまんからな」

「……はい!」

 

 桑島様の声で、ようやく口を開き―

 

「よし、では昼の鍛練再開じゃ!」

 

 話は終了。鍛錬再開となるのだった。

 

 

獪岳視点

 

 あの男…東雲麟矢が来て3日が経った。正直な話、奴が大嫌いな事に変わりはない。変わりはないが…

 

 -善逸くん、あと3分。3分だけ頑張ってみましょう!-

 -同じ鍛錬でも1時間…60分続けるのではなく、3分続けるのを20回繰り返すと考えれば、気が楽になるでしょう?-

 

 奴は隙有れば怠けよう、逃げようとする善逸を何故か気にかけていて…そのせいかこの3日、善逸は一度も逃げ出していない。

 それは、これまで逃げた善逸を連れ戻す為に先生が費やしていた時間が、指導に向けられるという事。先生から直に指導を受ける時間が増えたことに関しては、感謝してやってもいい。

 そこまで考えたところで、俺は一旦余計な考えを頭から追い出し―

 

「シィィィィ…」

 

 俺は雷の呼吸の呼吸音を響かせながら、木刀を構える。

 

「雷の呼吸。弐ノ型」

「稲魂」

 

 そして弐ノ型・稲魂の動作を行うと、そのまま間を置かずに―

 

「参ノ型。聚蚊成雷」

「肆ノ型。遠雷」

「伍ノ型。熱界雷」

「陸ノ型。電轟雷轟(でんごうらいごう)

 

 参ノ型から陸ノ型までの動作を一気に行っていく。これまでの鍛錬で体に刻み込んだ動きは、一部の隙もないという自負がある。

 だが、俺に与えられた課題は、この動きを敢えて崩し、自分により適した動きへ変えていく事。これはかなりの難も―

 

「おい、盗み見るんならもう少し隠れろよ」

 

 盗み見ると言うにはあまりに堂々としている東雲に気づき、思わずそんな声が漏れる。

 

「あぁ、これは失礼。声をかけようと思ったのですが、集中を切らせては悪いと思ったので」

 

 そう言いながら水の入った竹筒を差し出してくる東雲。俺はそれを受け取り―

 

「それで何の用だ? ただ単に俺の鍛錬を見に来たって訳じゃ…ないんだろ?」

 

 そう問いながら、竹筒に口をつけていく。そして竹筒の中身を飲み干した頃…

 

「単刀直入にお聞きしますね。獪岳…悲鳴嶼行冥という名前に聞き覚えはありますか?」

 

 不意打ちのように聞かされた名前に、俺は思わず竹筒を落としてしまった。

 

 

麟矢視点

 

「単刀直入にお聞きしますね。獪岳…悲鳴嶼行冥という名前に聞き覚えはありますか?」

 

 そう尋ねた途端、手にしていた竹筒を落とし、目に見えるレベルで動揺する獪岳。

 

「…な、なんで…その、名前を……」

 

 やがて絞り出すように出した声も、とても弱々しいものだ。

 

「半月ほど前にお会いしました。悲鳴嶼様は今、鬼殺隊最高戦力の一人…岩柱でいらっしゃいます」

「行冥さんが、柱? だって、あの人は…死刑、囚に……」

「その件ですが、鬼殺隊当主、産屋敷耀哉様の御尽力で、冤罪である事が証明されています」

「そ、そうかよ…」

 

 呆然と呟きながら、首から下げた勾玉を左手で握る獪岳。そろそろ仕掛けてみるか。

 

「獪岳。あの日、悲鳴嶼様の寺に鬼を招き入れたのは、君だね?」

「ッ!」

「言っておきますが、証拠は揃っています。嘘や誤魔化しはするだけ無駄ですよ」

「………」

 

 敢えて淡々と、追い詰めるように放った言葉に無言のまま、ただ勾玉を握る力を強めていく獪岳。やがて―

 

「あぁ、そうだよ。俺があの日…寺に鬼を招き入れた」

 

 半ば自棄になった表情で、獪岳は己の罪を認めた。

 

「あの日あなたは寺のお金を盗み、それを他の子ども達に見咎められて、夜の内に寺を追い出された。そして行くあても無く彷徨う内に、鬼と遭遇してしまった」

「その通りだよ! 今みたいに戦う術なんて持っていないガキ1人。生き延びるにはあぁするしかなかったんだよ!」

「そりゃあ、心は痛んださ。追い出されたとはいえ、一緒に暮らしていた奴らを売ったんだからな。だけど、そうしなきゃ、俺が喰われてた」

「自分を犠牲にその他大勢を助ける? あぁ、そんな事が出来る奴は、さぞご立派な聖人君子様だろうよ。だけどな。俺はそんな事御免だ。俺は生きていたかったんだよ!」

 

 これで満足か? そう言いたげな表情で一気に捲くし立て、荒れた息を整えながらそっぽを向く獪岳。

 

「自分の命と他人の命。2つを天秤にかけて、他人の命を選べる人間はそう多くはありません。俺だって、他人の命を優先すると心に決めていますが、場合によっては揺らぐかもしれない」

 

 ましてや子どもの頃の獪岳には、生き延びる道はそれしかなかった。決して許される行いではないが、生きようとする意志を否定する事もまた許されない。ある意味、この問題は正解が無いのだから。

 

「まぁ、それはそれとして…どうしても気になる事があるんですよ」

 

 ここで俺は話題を一部転換し、前世で目にした()()()()について獪岳へ問う事にした。

 

「獪岳。あなたはどうして、お寺の金を盗もうとしたのですか?」

「そ、それは…あ、遊ぶ金が欲しかった。それだけだ」

「嘘ですね」

「な、なんで嘘だと言い切れる!」

「当時、悲鳴嶼様のお寺は極貧そのもの。悲鳴嶼様が食事を削らなければ、子ども達の食事を賄う事すら難しい程だった」

「実際、米を買う金が足りないと悲鳴嶼様が悩んでいる姿を、沙代さんが覚えていました」

「沙、代…生きて、いたのか?」

「はい、悲鳴嶼様が守り抜いて、子ども達の中で唯一の生き残りとなりました」

「そう、か…」

「話を戻します。そんな状態のお寺に金があったとしても大した額にはならない。その事はあなたもよく理解していた筈です」

「………」

「それにも関わらず、お金を必要とした。何故か? それは()()()()()()()()()()()()()()()

「………やめろ」

「何の為に必要だったのか? その答えは…」

「…やめろ」

「さっきからあなたがずっと握っている、その勾玉が関係している。違いますか?」

「やめろぉぉぉぉぉっ!」

 

 俺の問いかけに耐え切れなくなったのか、絶叫と共に膝から崩れ落ちる獪岳。そして、ゆっくり10数えられるだけの時間が経った頃…

 

「あぁ、そうだよ…あの時俺は、()()()()()()()()()()金が必要だったんだ……」

 

 ボロボロと涙を流しながら、獪岳が真実を語り始めた。

 

 

獪岳視点

 

「あぁ、そうだよ…あの時俺は、こいつを取り戻す為に金が必要だったんだ……」

 

 善逸みたいに情けなく涙を流しながら、俺はこれまで隠し続けていた過去を少しずつ話し始めた。

 

「行冥さんに拾われるまで、俺の人生はどん底そのものだった」

「母親は俺が4つの時に流行り病にかかってあっさり死んじまったし、父親は碌に仕事もせず酒と博打に溺れた穀潰し。俺が7つの時に、泥酔したまま橋から川へ落ちて土左衛門になっちまった」

「親類はいないし、父親が迷惑のかけ通しだった隣近所にも頼れない。もう乞食になるしか道はなかった」

「乞食としての生活は単純だった。奪うか奪われるか…奪えれば生き延び、奪われれば死ぬ。幸いにも俺は奪う側で、生き延びる事が出来た」

 

 そう、喰える物は何でも喰った。喰える物が無ければ、泥だって喰った。

 

「そんな獣同然の生活を3年続けたある日…俺は行冥さんに拾われた」

「汚らしい乞食のガキだった俺を寺に連れてって、握り飯をくれた。風呂に入れてくれた。寝床をくれた。奪うか奪われるか、それしか知らない俺に分け与えるって事を教えてくれた」

「そして、喧嘩っ早くて気に食わない相手は容赦無くぶん殴っていた俺に、この勾玉をくれたんだ…」

 

 -次に喧嘩をしそうになった時は、この勾玉を握って心を落ち着けなさい-

 -この勾玉を通して私は、御仏は、お前を見守っているよ-

 

「この勾玉を握っていたら、不思議と喧嘩をしようって気持ちが薄れた。獣から人間に戻れたんだ…」

「その内、寺には俺みたいな子どもがどんどん増えて、最終的には9人だ。生活は苦しかったけど…でも毎日が暖かかった。だけど…」

「あの日、昔俺が叩きのめした奴らとバッタリ会っちまった。喧嘩を売られて…だけど俺は勾玉を握って、我慢した。殴られても蹴られても、我慢したんだ! でも…」

 

 -くそっ、殴っても蹴ってもやり返してこねぇ…面白くねぇ!-

 -おい、こいつ勾玉なんか握ってやがる。そこそこ良い物じゃねえか?-

 

「あいつら、俺の勾玉を無理矢理…! 殴られて気を失って…気づいた時には、勾玉は屑屋*1に売られてて…買い戻すには金が必要だったんだ!」

「なるほど…事情は分かりました。だけどその時、悲鳴嶼様に全てを打ち明けていれば」

「言える訳ないだろ! 行冥さんに貰った勾玉が奪われたなんて………いや、そうだよ。あの時、正直に打ち明けていれば良かったんだよ。でも、あの時は…何とか勾玉を買い戻そう。少しの間だけお金を借りよう。それしか思いつかなかったんだよっ!」

 

 子どもの様に泣き喚きながら、後悔を口にする獪岳。それを無言で見つめながら、俺は前世で見かけた…『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』という考察が正しかった事を確信し、静かに溜息をついた。

 悲鳴嶼様から貰った勾玉で人間らしさを身に着けた獪岳は、奪われたそれを取り戻そうと焦る余り、寺の金に手をつけるという短絡的な手段に出てしまった。

 獪岳の犯行を見てしまった子ども達は、寺の苦しい状況と悲鳴嶼様の苦労を知るが故に、問答無用で獪岳を追い出すという短絡的な手段に出てしまった。

 その結果、獪岳は鬼と遭遇し…最悪の結果を招いてしまった訳だ。そして…

 

「獪岳。あなたが鬼殺隊に入ろうとしているのは、罪滅ぼしの為ですね?」

「………そんな上等なものじゃない。ただ…あの時俺の代わりに差し出す羽目になった8人…信太、五郎、小助、三平、哲夫、ミツ、千可、沙代…あいつらに合わせる顔が無いだけだ」

 

 口では否定している獪岳だが、贖罪の意識がある事は間違いないだろう。

 

「あぁ、くそっ…墓場まで持っていくつもりで、心の奥底に封じ込めていたのに…お前のせいで、また向き合う羽目になっちまった」

「それは失礼。でも、自分を顧みる良い機会になったのでは?」

「……お前、嫌な奴ってよく言われるだろ」

「何を仰います。こう見えても品行方正、公明正大で通っているんですよ?」

「絶対嘘だろ…」

 

 そう言って静かに笑う獪岳。先程までと違い、どこか憑き物が落ちたような顔をしている。 

 

「必要なら、私から悲鳴嶼様に手紙を送っておきますが?」

「………いや、いい。最終選別を突破して、鬼殺隊の隊士になれたら…自分から会いに行くよ」

「わかりました。すみませんね。修行の手を止めさせてしまって」

「まったくだよ。ほら、サッサと自分の修行へ戻れ」

「そうさせてもらいます」

 

 こうして俺達は互いの修行へ戻った訳だが…この一件で、獪岳に何かしらの良い影響が出る事は間違いないだろう。俺も負けずに頑張るとしますか!

*1
現代でいう廃品回収業者




最後までお読みいただきありがとうございました。
次回、麟矢が全集中の呼吸に開眼!?



※大正コソコソ噂話※

この一件の後、獪岳にはちょっとした変化が訪れ、善逸くんへの当たりが少し柔らかくなりました。
厳しい物言いは相変わらずですが、クズやカスとは言わなくなり、時々ではありますがアドバイスを送るようにもなっています。
もっとも善逸くんが気味悪がってしまう為、すぐに怒声が飛んでしまうとか…
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