鬼殺隊監査役・東雲麟矢   作:SS_TAKERU

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伍拾漆之巻を投下します。
お楽しみいただければ幸いです。


伍拾漆之巻 -新たな柱の誕生-

麟矢視点

 

 不死川兄弟の関係が改善されて一週間が経った。俺や特別遊撃班『離』の面々は任務に駆り出されることなく、鍛錬と休息の日々を過ごしている。

 もっとも、鍛錬と休息の日々を過ごしているのは俺達だけではない。煉獄様達『柱』の面々も、この一週間は任務に出る事なくご自身の邸宅やその近辺で過ごされている。

 無限列車の戦い以降、鬼…厳密には柱を駆り出す程強力な鬼の活動が激減し、それぞれの地域を担当する班だけで十分に対応出来るようになっている。

 耀哉様や悲鳴嶼様、宇髄様は鬼の活動が激減したことに対して()()()()()()と考えられているようだが…前世の記憶(原作知識)を持つ俺に言わせれば十中八九、()()()()()()()()によるものだろう。

 実際、無惨は十二鬼月の下弦の内、下弦の壱・魘夢と下弦の伍・累を除く四体を処刑している。処刑などせず、炭治郎君や柱の皆様への刺客として用いれば、何かしらの成果を得られたかもしれないのに…

 

「そんな風だから、頭が無残とか言われるんだよなぁ」

 

 思わず口から出た呟きに苦笑しつつ、俺は現在進行中の地稽古へ視線を戻す。そこでは、煉獄様と善逸君の激闘が繰り広げられていた。

 

 

煉獄視点

 

「壱ノ型、霹靂一閃(へきれきいっせん)!」

「肆ノ型、盛炎のうねり!」

 

 我妻少年の放つ霹靂一閃と、俺が放った盛炎のうねりが正面からぶつかり合い、同時に距離を取る。

 

「流石だ!」

 

 刀身全体に皹の入った木刀に目をやり、大きく頷く。嘗て鳴柱として名を馳せた桑島慈悟郎殿の愛弟子と聞いていたが、見事な剣技だ!

 

「煉獄様、こちらを」

「済まない! 後峠殿!」

 

 音も無く俺の背後に立たれていた後峠殿から差し出された新たな木刀を受け取り、一振りして構えを取る。我妻少年も新しい木刀を手にしたようだ。

 

「さぁ、我妻少年! 遠慮はいらない、どんどん打ち込んで来い!」

 

 

玄弥視点

 

 善逸、猪之助、炭治郎の順で地稽古が行われ…最後は俺の番だ。

 

「次は君の番だな! 不死川少年!」

「はい! お願いします!」

 

 俺は地稽古の際に使う…小銃*1を模した形の木銃を手に炎柱様の前に立つと、一礼して構えを取る。

 

「その構え…槍術か棒術を基にしていると見た! 遠慮はいらない、どんどん打ち込んで来い!」

 

 声と共に構える炎柱様。その瞬間、俺と同じくらいの上背*2だった炎柱様が数倍にデカく見えた。これが柱…半端ない威圧感だ。だけど怖気づいてなんかいられない。

 

「うぉぉぉぉっ!」

 

 俺は自分を鼓舞するように咆哮を上げると、木銃を六尺棒の様に何度も回しながら、炎柱様へ向かっていく!

 

 

「よし! ここまでにしておこう!」

「あ、ありがとう、ございました…」

 

 炎柱様に打ちのめされて地稽古は終了。当たり前だけど一本も取れなかった。だけど、少しだけ…十本の内二本か三本くらいは、あと一歩のところまで行けた。

 亀みたいに遅い歩みだけど、強くなれている。その実感を静かに噛み締めていると…

 

 

「麟矢様、お客様がいらっしゃいました」

「邪魔をする」

 

 女中頭の絹江さんに連れられて、兄ちゃ…風柱様が鍛錬場にやって来た。

 

 

実弥視点

 

「玄弥ァ、煉獄に随分やられたみてぇだなぁ…」

「う、うん…あ、はい。風柱様」

「こういう時は兄貴で良いんだよ」

 

 俺の声掛けに対する返事を律義に言い直す玄弥に苦笑しつつ、俺は東雲の背後に控えていた後峠さんに頭を下げる。

 

「後峠さん、今日はよろしくお願いします」

「風柱様にご満足頂けるかはわかりませんが、微力を尽くさせていただきます」

 

 そう、今日東雲邸(ここ)を訪ねたのは、玄弥の様子を見に来たのもあるが…後峠さんと手合わせする為だ。

 先だって手合わせした煉獄が、その実力を絶賛していた。俺も色々と学ばせてもらおう。

 

「僭越ながら審判を務めさせてもらう! 双方…礼! 構えて!」

 

 煉獄の声が響く中、俺と後峠さんは互いに一礼し、構えを取る。そして―

 

「始め!」

 

「シイアアアア!」

 

 開始と同時に俺は前に出た!

 

 

「そこまで!」

 

 煉獄の声が響き、俺と後峠さんはどちらからともなく構えを解き、一礼する。

 激しい攻防を繰り広げた俺と後峠さんだったが、勝敗は付かず…強いて言うなら守勢に回ることが多かった俺の負け…だろう。

 

「後峠さん、ありがとうございました。この手合わせ、百日の稽古にも勝ります」

「お役に立てたならば、何よりです」

 

 後峠さんへ丁寧に礼を述べ、俺は鍛錬場を後に…

 

「あ、不死川様も昼食食べていかれませんか?」

 

 しようとしたところを東雲に呼び止められた。

 

「あ、いや…今日は後峠さんとの手合わせで来てるんだ。昼飯を馳走になるわけには―」

「遠慮は無用だぞ、不死川! 俺などこの三日間、竈門少年達の指導に来ているが、毎日昼飯を御馳走になっている!」

 

 俺の声を遮るように響く煉獄の声。いやお前は少し遠慮しろ!

 結局、押し切られる形で昼飯をご馳走になることになった。まぁ、一緒に飯を食えることを玄弥も喜んでいるし…良しとしておこう。

 

 

煉獄視点

 

「お待たせ致しました。本日の献立は『タンシチュー』『フェットチーネのカルボナーラ』『キャベツとサヤエンドウのペペロンチーノ』になります。あとバゲットも用意しておりますので」

 

 東雲が手づから皿に盛ってくれたたんしちゅう。深皿の中央に厚く切られた牛たんが二枚配置され、形よく切り揃えられた人参とじゃが芋、丸ごとのマッシュルーム(つくりたけ)が脇を固める。

 濃い茶褐色のそおすは琥珀色の輝きを放っており、その香りは芳醇そのものだ。

 

「では、いただくとしよう。いただきます!」

 

 両手を合わせ、早速食べ始める。手に取った銀色の匙で牛たんを押すと、形を保てる限界寸前までよく煮込まれていた牛たんは繊維に沿って簡単にほぐれる。

 

「なんだこりゃぁ、こんなに柔らかい肉は初めてだ…」

 

 驚きを隠せない不死川を横目に見つつ、一口。

 

「美味い!」

 

 口に入れた瞬間蕩けていく牛たんは、噛む必要が全く無い。飲めると言っても良い。付け合わせの野菜も実に良い味だ。

 

「美味い! 美味い! 美味い!」 

 

 たんしちゅうを堪能しつつ、ふぇっとちいねのかるぼなあらと言う洋風うどんも肉叉*3に絡めて一口。

 

「これも美味い!」 

 

 

実弥視点

 

「美味い! 美味い! 美味い!」 

「これも美味い!」 

 

 美味いを連呼する煉獄に苦笑しながら、俺も肉叉を手に取り…かるぼなあらと言う洋風うどんを一口。

 

「美味ぇな…前に食ったしちゅうとかいうのは、乳臭いだけで美味いと感じなかったが、こいつは美味い」

「…何処の店で食べられたかは存じませんが、市井の店にはキチンと修業したのか怪しい店もありますからね。不死川様もそういった店で食べられたのでは?」

 

 レストラン東雲やビストロド東雲で食べていただければ、そんなことは無かったと思いますよ。と続ける東雲。ついこの間まで東雲を毛嫌いしていたから、東雲(こいつ)の実家が経営している思わしき店には近づかなかったなんて、言える訳…いや、そんなことはとっくに把握してやがるな…

 

「まぁ、今度寄らせてもらう」

 

 俺はそう言って、かるぼなあらを食べ進める。本当に美味ぇな、かるぼなあら。

 

 

麟矢視点

 

 昼食を終えた後、煉獄様と不死川様は暫く寛がれ…炭治郎君達を指導してから帰宅された。夕食を食べていかれるよう勧めたのだが…

 

 -夕飯まで御馳走になるわけにはいかねぇ。気持ちだけ受け取っておく-

 

 不死川様がそう言って、煉獄様を引っ張って行った。遠慮しなくても良かったのだがなぁ。

 

「…ん?」

 

 そんなことを考えていると、鎹鴉のモーリアンがこちらへ飛んでくるのに気付いた。左腕をそっと差し出し、止り木代わりに使ってもらう。

 

「カァァァ、オ館様カラノ手紙、持ッテキマシタ。カァァァ」

「ありがとう」

 

 背中へ背負う形で結びつけられた風呂敷包みを見せながら、来訪の目的を告げるモーリアンに俺は一言お礼を伝え、風呂敷包みを解き、中に入っていた手紙に目を通していく。

 

「…至急相談したいことがある…か。モーリアン。耀哉様に手紙の件、確かに了解いたしました。明日の朝一で参上致します。と伝えてくれるかな?」

「カァァァ、ワカリマシタ。必ズオ館様ニオ伝エシマス。カァァァ」

「お願いしますね。あ、あと帰る前にマヨネーズとベーコンを食べていってください」

「カァァァ、アリガトウゴザイマス。カァァァ」

 

 

 翌日、俺は夜明け前に家を出て、産屋敷邸を訪れた訳だが…

 

「来たか、東雲」

「よぅ、相変わらず速いな」

 

 案内された座敷には、先客として岩柱・悲鳴嶼行冥様と音柱・宇髄天元様の姿があった。

 

「悲鳴嶼様、宇髄様、お待たせして申し訳ありません」

「いや、我らも数分前に来たところだ」

「約束の時間に遅れたわけでもねぇ。気にすんな」

 

 俺は一礼し、お二人の後ろに正座する。そして―

 

「お館様のお成りです」

 

 数分後、襖の向こうから輝利哉君の声が聞こえた。俺、悲鳴嶼様、宇髄様はすぐさま姿勢を正し、頭を下げて、耀哉様を迎える体勢を取る。

 輝利哉くんとひなきさんの肩を借り、ゆっくりと座敷の中へと進まれる耀哉様。そのままご自身の席へと腰を落ち着けられ―

 

「よく来てくれたね、行冥、天元。そして麟矢君」

 

 微笑みと共に俺達へ声をかけてくださった。

 

「お館様におかれましてもご壮健でなによりです。益々のご多幸を切にお祈り申し上げます!」

「ありがとう行冥。夜明け前から呼び出すことになってしまい、すまなく思っているよ」

「勿体無いお言葉でございます! お館様のお呼びとあらば、我ら隊士は何時いかなる時であろうとも、駆け付ける所存!」

「麟矢君も、突然の呼び出しに応じてくれて感謝しているよ」

「勿体無いお言葉です。悲鳴嶼様ではありませんが、私も耀哉様の為、何時いかなる時も動ける準備は整えております」

「ありがとう」

 

 そんなやり取りを交わし、耀哉様と俺達は本題へと入っていく。

 

「無限列車の一件で、上弦の参の頸を刎ねることが出来た。千年を超える鬼殺隊の歴史において、初めての快挙だ。頸を落とした者の名は…麟矢君。君がよく知っているだろう?」

「第十四班所属の隊士、獪岳です。階級は甲。私の知る限り、最も柱に近い実力の持ち主…その一人です」

「上弦の鬼の頸を刎ねた隊士、獪岳。彼の功績を讃える為にも、新たな柱として迎え入れたい。だが…」

「……柱の座は既に全て埋まっている。地味に厄介な問題だ…」

「柱の定員は古来より九人。柱という字の画数が九画なのがその理由。この九という数に、長く我らは己を合わせてきた。しかし、獪岳を柱とせぬのは…道理に背く」

 

 耀哉様の声に続き、宇髄様、悲鳴嶼様も口を開く。柱という字の画数から定員を九人と定めたのは、長きに渡る伝統。安易に伝統を変えてしまうのは、決して良いこととは言い切れない。

 伝統を尊重しつつ、新しい風を吹かせるには…さて、どうするべきか…

 

「…待てよ」

 

 その時、一つのアイデアが頭に浮かんだ。これならば上手くいくかもしれない。

 

「支柱という言葉があります。『柱』とは鬼殺隊を『支える』存在。ですから、『支』という字の画数四画を足すのは如何でしょう? 九に四を足して十三。こうすれば、柱をあと四人増やせることになります」

「なるほど、少々理屈っぽいが筋は通っているな。俺が面白いと思うぜ」

「うむ。それに十三という数字は十三仏*4にも通ずるものがあり、鬼殺隊にとって縁起が良いとも言える」

「では、近日中に開く緊急の柱合会議で、柱の定員を十三人に増やすこと、獪岳を新たな柱に推薦することを議題として挙げようと思う」

「お館様の御心のままに」

 

 耀哉様の言葉に、代表して悲鳴嶼様が返答し、頭を下げる。そうだ、獪岳を柱に推薦するなら…

 

「一つよろしいでしょうか。獪岳同様、無限列車の戦いで力を示した者がおります。第二十一班所属の隊士、犬塚剣造。彼の階級も甲で、十二鬼月の討伐実勢こそありませんが、既に五十体を超える鬼を討伐しており、柱への昇格条件は満たしております。彼もまた、最も柱に近い実力の持ち主であると言えます」

「犬塚…たしか、波の呼吸とかいう独自の呼吸を使う奴だったな。一度だけ共闘したことがあるが、俺と同じ二刀流で、なかなか派手な刀捌きだったことを覚えてるぞ」

「では、獪岳と犬塚剣造。両名に柱への昇格が内定したことを伝え、念の為柱へ昇格する意思があるかどうかを確認してほしい」

「御意」

 

 こうして、俺達と耀哉様の話し合いは終了した。さて、獪岳と犬塚氏に手紙を書かないといけないな。

 

 

行冥視点

 

 お館様との話し合いから三日。

 獪岳と犬塚剣造を東雲の家へと招き、柱への昇格を望むか否かを問う日がやってきた…。

 面談の時間より一時間ほど早く東雲の家を訪ねたのだが…

 

「岩柱、悲鳴嶼行冥様でいらっしゃいますね」

「うむ…」

「お待ちしておりました。私、東雲家執事、後峠喜代晴と申します。麟矢様は離れの方でお待ちです。どうぞこちらへ」

「お手間をおかけして、申し訳ない」 

 

 私を出迎えた後峠という御仁、私の光を失った目でも解る。相当な手練れだ。私自身、煉獄や不死川から聞かされていなければ、動揺を隠せなかっただろう。

 とにかく、後峠殿に案内され、私は東雲宅の離れへと移動する。

 

「悲鳴嶼様、よくお越しくださいました。獪岳達が到着するまで、暫く時間があります。どうぞ、お寛ぎになってください」

「世話になる」

 

 東雲が自ら引いてくれた椅子に腰を下ろす。ふむ、この座り心地、相当良い敷物を使っていると見える。

 

「紅茶は初めてでいらっしゃいますか? 慣れない内は渋みを強く感じてしまうかもしれませんので、遠慮なく砂糖を入れてお飲みになってください」

「うむ」

 

 東雲の言葉に頷き、私は紅茶茶碗に手を伸ばす。

 

「……うむ、香りが良いな。それにこの渋みが頭をすっきりとさせてくれる」

「それは何よりです。獪岳はこの渋みが苦手のようで、砂糖をたくさん入れていました」

「そうか。この渋みの良さはある程度年を取らないとわからないだろうな」

 

 そんな話をしながら穏やかな時間を過ごすこと約一時間。

 

「麟矢様。獪岳様と犬塚様がお越しになられました」

「お通ししてください」

「かしこまりました」

 

 遂にその時がやってきた。私は一度だけ深く呼吸を行い、気持ちを切り替えていく。

 

 

獪岳視点。

 

 東雲から、鬼殺隊監査役『梁』として送られてきた手紙。それを読んだ時、正直目を疑った。俺が新しい柱に内定し、それを受けるかどうか…意思を問いたい。 

 正直な話、まだ先生の下で修業に励んでいた時なら、東雲と出会って己の過去に向き合う前なら、何の躊躇いもなく受けていただろう。

 しかし、今の俺は過去を償う為に刀を振るっている身。そんな俺が柱なんて責任ある地位に就くことが許されるのか?

 

「犬塚剣蔵」

「はっ!

 

 東雲の家に向かう間も、到着してからもそんなことをずっと考えている間に…面談が始まってしまった。 

 

「これまでの戦いぶりや素行、調べさせてもらった。正直に言って…非の打ち所がない」

「お褒めの言葉、恐縮です」

「それでは問う。新たな柱として、その任に当たる覚悟はあるか?」

「…私は刀を振るうことしか知らぬ無骨者です。しかし、鬼狩りとして無辜の人々を守ろうという気概は、だれにも負けぬつもりでおります。非才の身ではありますが、柱の大任務めさせていただきます」

 

 そう言って、深々と頭を下げる犬塚。覚悟が決まっているな…迷い続けている俺とは大違いだ。

 

 

「獪岳」

 

 穏やかな…だけど強い意志を感じる行冥さんの声。俺は無言で頭を下げる。

 

「無限列車での戦いにおける上弦の参討伐。これは鬼殺隊の歴史上、類を見ないほどの大きな功績だ」

「あれは…俺、私一人の手によるものではありません。共に戦った炎柱様や東雲、犬塚の助力があったからこそ…」

「たとえそうであったとしても、頸を刎ねたという事実は変わらぬ」

「………」

「それでは問う。新たな柱として、その任に当たる覚悟はあるか?」

 

 行冥さんの声が響く。俺は己の迷いを正直に、言葉にしていく。

 

「………俺は過去に罪を犯した咎人です。その罪を償うため、刀を振るい…鬼と戦っています。そんな俺が、柱という責任ある地位に就いても良いのでしょうか?」

「獪岳、それは―」

 

 東雲が何かを言おうとした時、行冥さんがそれを止めた。そして…

 

「獪岳。己の過去に負い目を感じるのであれば、その負い目を持ったまま立て。君の負い目が、誰かの明日を救う。人は弱い。そして時に愚かだ。だが、弱く愚かな故に、強い。己の弱さ、愚かさをを知る者が、柱足り得る」

「そうですよ獪岳。大切なのは未来にどう進んでいくかです。まぁ、宇髄様のように言うのなら…派手に転んだ奴が、派手に立てばいい。地味に倒れ込んだなら、派手に起きろ。と言ったところですかね」

 

 行冥さんと東雲の言葉が、俺の心に染み込んでいく。負い目を持ったまま立て。大切なのは未来にどう進んでいくか…か。俺は覚悟を決めた。

 

「…柱の大任、務めさせていただきます」

 

 どこまでやれるかわからない。それでも、力尽きるその日まで、俺は鳴柱として戦おう。

*1
日輪刀を銃剣として装着した状態

*2
煉獄杏寿郎177cm、玄弥175cm。離に参加して三ヶ月で、玄弥は15cm身長が伸びた

*3
フォークの漢字表記

*4
冥界の審理に関わる十三の仏のこと。また十三回の追善供養をそれぞれ司る仏としても知られる。




最後までお読みいただきありがとうございました。


※大正コソコソ噂話※

麟矢の家で昼食をご馳走になって以来、洋食がマイブームになった不死川様。
三日に一度は風屋敷の近くにあるビストロド東雲に通い、様々な洋食を食べています。
現在のお気に入りは、ハンバーグとエビピラフ、そしてカルボナーラだそうです。
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