転生しても戦争だった  ~数多の転生者が歴史を紡ぎ、あるいは歴史に紡がれてしまう話~   作:ガンスリンガー中年

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さて、凍土のヤベー奴出したら、砂漠のヤベー奴出さんとw
ただし、前半(18歳制限にかからん程度の微エロAIイラスト付)と後半の温度差注意です。





第352話 転生狙撃手の帰省休暇と”ローマ”の休日?

 

 

 

 さて、慣例的に大きな作戦の前には軍人には少し長めの休暇が与えられるという。

 まあ、「思い残すことなく大切な人と過ごせ」という最後の晩餐めいた心意気なのだが……

 なので、御多分に漏れずこの男も”家族の元に”戻っていた。

 

 

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「「「「「おかえりなさいませ♡ 兄さま♡」」」」」

 

「おう。只今、みんな元気に大きくなってる、息災なようで何よりだ」

 

 そう、ここはリビア三国連合(トリニティ)キレナイカ王国、サヌーシー教団の本拠地にある通称”قصر المجاهدين(Pasr Almujahidin)(意訳:英雄宮)”。

 要するに下総兵四郎(シモヘイ)、いやアラビア的には”魔弾の勇者(سحر البطل آرتشر رصاصة:Sahar Albatal Artashar Rasasatan)”こと”ヘイシロー・シモサ”の為に用意されたされた王宮敷地内の離宮だ。

 厳密には、その宮殿のリビングと呼んで然るべき場所なのだが……あんまり”ベリヤの人形館”と絵面が変わらないとか言ってはいけない。

 

 

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「「「「「うん♡ みんな頑張ってみんなで元気なお兄ちゃんの赤ちゃん産むよぉ♪」」」」」

 

 いや、ここ何人の美少女? 美幼女?がいるんだろうか……まあ、全員孕んでるってことは見た目は幼くても初潮(ブルーグ)はお迎え済みってことなのだろう。

 少なくともどこぞのグルジアンのように怪しげな薬物を使ってる形跡はない。

 ちなみにサヌーシー教団には「未熟でも安全に出産できる」秘伝だか秘術があるらしいのだが……ひょっとしてそこらへんはファンタジー路線なのだろうか?

 ここにいる娘たちは全員、正妻であるキレナイカ王家の末姫、”ナーディア”の妹だ。正確には妹ではなく妹分、親戚筋の血ももちろん混じっているが、血の繋がりの無いサヌーシー王国名門の次女以下の生まれの娘も多い。

 ぶっちゃけ、今や狙撃でイタリア人と無国籍テロリスト化した元フランス人を狙撃で刈りまくった”砂漠の英雄(ムジャヒディン)”の名声と権威はリビア三国全域で凄まじく、血族を重んじるアラブ的価値観からその血(子種)を取り込む事に価値を見出す家などごまんといる。

 事実、銃一つで稼いだその圧倒的な”戦果”から、シモヘイの名声はかつての”アラビアのロレンス”すらもリビアにおいては「過去の遺物」に変える程だった。

 というか、今に始まったことではなく、事後に乱入され初っ端から奇襲で食われた(笑)。

 ちなみに映像化された娘たちはその時の面々ではなく、その後にシモヘイが”帰省”する度に鼠算式に増えていった(そしてせっせと種付した)面々だ。

 アラブ世界は元々多産奨励の文化風習がある(つまりそれだけ過酷で死にやすいという裏返しでもある)が、どうやらシモヘイもすっかりアラブ世界に染まり子沢山のようだ。

 まあ、それはそれとして、

 

 

【挿絵表示】

「お帰りなさい。あなた♡」

 

 何はともあれ美しい妻の出迎えというのは喜びひとしおというものだ。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 さて、そんな家族団欒を楽しんでいた時に……

 

「お楽しみの最中、悪いね。大尉殿」

 

 そう訊ねてきたのは毎度おなじみシモヘイの相方、相変わらず下の名前がイマジナリーで行方不明なスポッターの小鳥遊君で、

 

「いや、別にお楽しみ中って訳じゃなかったが……」

 

「いや、ベッドルームで幼子の孕んだ腹を嬉しそうに撫でまわしてりゃおなじでしょーが」

 

 そう呆れる小鳥遊に

 

「幼いか?」

 

 心底疑問な表情のシモヘイは、

 

「ナーディアとそう歳は変わらんぞ? ほれ、小鳥遊君も前に会ったことあったろ?」

 

 

【挿絵表示】

「「「「「お久しぶりですわ♡ タカナシ様♡」」」」」

 

 なんと前述のナーディアと事後のシモヘイに”我、奇襲ニ成功セリ(トラトラトラ)!”を成功させた強かな娘たちのまさかの再登場だった。

 ちなみにシモヘイの感覚だと立派に年長組である。

 

「すっかり立派なレディーになったろ?」

 

「あー、大尉殿の世界観と価値観はさておき、ちょっとばかり上層部(うえ)は大騒ぎになってますぜ?」

 

「……何があった? いや、場所を変えるか」

 

 急にシリアスに空気を換えるシモヘイ、いや兵四郎。

 こう言う部分は、まだまだ現役の叩き上げ軍人だった。

 ただ、このノリに慣れてる小鳥遊も只者ではない気がする。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 さて、場所は密談できる書斎。

 お茶を運んできたのは小鳥遊にとっても戦友でもあるナーディアで、彼女は気を利かせて既に退室していた。

 

「大尉は、イタ公艦隊の生き残りがナポリに逃げ込んでいたのをご存知で?」

 

「そのくらいはな。確か戦艦”ローマ”を中核とする30隻程度のそこそこ強力な水上砲雷戦部隊だったか? ……まさか、攻め込んできたのか?」

 

「まあ、そういう表現でも間違いじゃないでしょうが」

 

 小鳥遊は困ったように頭を搔き、

 

「ナポリを出港して、シチリア島を大きく回り込んでやってきたんですよ。”投降”しに」

 

「……は?」

 

「厳密に言えば、連中が哨戒に出ていた皇国海軍(ウチ)の面々に白旗掲げながら国際チャンネルの無線で言った台詞はこうです」

 

”我々はイタリア王立(・・)海軍軍人として『正統なる王(・・・・・)』にお仕えするために馳せ参じた”

 

「ってね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*************************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少し状況を補足しよう。

 事の発端は、日本皇国がタンザニアで英軍の捕虜になっていた三代目アオスタ公爵、”アルヴァトーレ・ディ・サヴォイア=アオスタ”を譲り受け、同じく国外で捕虜となったがイタリアのムッソリーニ政権より帰国受け入れを拒否された哀れなイタリア軍捕虜の御旗として担ぎあげた事に始まる。

 

 皇国の目論見としては当初、そう大それたものではなく、「イタリア攻略戦において捕虜帰還事業の傍らで占領統治の片棒を担いでくれればよい」程度の物だった。

 実際、最前線で戦ったりそれを支援する兵力よりも、既に抑えた土地の占領を維持する方が人手が必要なことはままある。

 実は占領地の治安悪化というのは古来より、占領統治失敗→戦線崩壊→占領地よりの撤退→敗戦コンボの原因になったりするのだ。

 

 占領統治に自軍戦力を割きたくない日本皇国は、アオスタ公に白羽の矢が立てたのだ。

 アオスタ公爵家っていうのは正確には”サヴォイア=アオスタ家”と言って現イタリア王家”サヴォイア家”の正式な分家であり、ちゃんと「イタリア王室の一員」と公文書にも記され、アルヴァトーレ自身にも王位継承権がある。

 

 そして、ムッソリーニの「帰還受け入れ拒否」に対して義憤にかられたアルヴァトーレは、皇国の提案を受け入れ、自ら「帰国を許されなかった自国民の為に立つ」ことを承諾した。

 そしてアルヴァトーレ自身が音頭を取る形で元イタリア軍捕虜で結成されたのが、反ムッソリーニ国外勢力の”イタリア解放軍(リベリツォーネ・イタリアーノ)”という訳だ。

 結成されたのは日本が強い地盤を持ち、イタリア人には因縁の土地であるリビアだが、故郷にいち早く帰れるというのでギリシャで捕虜になった面々を預かっていたトルコなどからも続々と参加者が集まり(そりゃあ日本皇国がケツ持ちするって宣言した訳だし)、最終的には50万人近い軍勢へと膨れ上がっていた。

 蛇足ながらこれでも捕虜全員という訳ではなく、収容所でお留守番気分の面々もいる。いや、どんだけイタリア軍捕虜がいるんだよという話だが……

蛇足ながら流石に皇国軍の最新装備を渡すわけにもいかず(渡しても使いこなせないという理由もある)、装備は没収していた”赤い悪魔(しゅりゅうだん)”などを除くイタリア軍装備で、いいとこ軽装歩兵だが、まあどこぞの赤い悪魔ならぬ”赤い使い捨て無賃傭兵”よりはマシだろう。

 50万丸ごとの軽装歩兵というのもそれはそれで前代未聞だが。

 

 ついでに言うとこのアオスタ公、中々のアイデアマンで「戦力としてそこまでアテにせず、帰郷させるのがメインなら郷土連隊式にしてみれば?」と言いだしたのはアオスタ公だ。

 

 まあ、アオスタ公が王族でありながら16歳の成人前に王様に直談判して第一次世界大戦に参戦した……なんてのはイタリア人の中では有名な話であり、そのヒロイックなカリスマ性から祖国では、特に軍人の間では王様や王子よりも人気が高い。

 武断的で漢気に溢れ、その在り方は正しくイタリア的な意味での”益荒男(Maschio)”っぷりである。

 

 なればこそ、「ムッソリーニに尻尾を振った現王や王子よりも我らが王に相応しい」という声が自然発生的に生まれるのは不思議ではない。

 むしろ、「切り捨てられた側に(率先して)立つ唯一の王族」となれば猶更だ。

 そもそも、”バルボ元帥暗殺事件”よりこっち、ムッソリーニに対する軍人の信頼度や忠誠度は急降下爆撃も真っ青なだだ下がり状態だったのだ。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 そして、こんな『美味しい状態』を絶対に見逃さない種族がいた。

 そうブリk……失礼。英国人だ。

 シチリア人生活協同組合(シチリアン・マフィア)を楽しく脅迫(オハナシ)した後、暇を持て余していた(?)英国が誇る対外諜報部は即座に動き、彼らのネットワークを通じてこう情報を垂れ流したのだ。

 

『ムッソリーニに見捨てられた将兵たちを率いて、祖国イタリアを正すため真なる王”アルヴァトーレ・ディ・サヴォイア=アオスタ”がついに立つ!!』

 

 と。ついでにイタリアでは報道管制も相まって疑惑どまりだった上記の”バルボ元帥暗殺事件”の真相も一緒にばら撒いたのだ。

 流石は同じ王国。王国民というものの本質やツボをよくわかっていた。

 まずは静かなる蜂起を始めたのは、「見捨てられ海外に置き去りにされた軍人」たちの家族だった。

 数十万の、下手したら百万に届こうかという兵士の家族だ。それは無視してよい数字ではない。

 無論、アオスタ公爵家も呼応して無言の圧力を発し始めた。

 そして、その帰国が許されなかった将兵の家族や親族にも軍人はいるのだ。

 

 その結果として起きたのが、今回の戦艦”ローマ”を中心とするイタリア残存艦隊の離反であった。

 最もその中には当然打算もある。

 艦隊首脳部の中にはタラントで何が起きたのか、あるいはリビアやギリシャでイタリア人が日本人にどういう目に合わされたのか正しく理解している者も少なくなかったのだ。

 最高潮だった時のイタリア艦隊で袋叩きにされたのに、搾りかすの現状で戦えばどうなるか……火を見るよりも明らかだった。

 

 さて、ちょっと因縁を感じる話をしよう。

 史実のヴィットリオ・ヴェネト級戦艦4番艦”ローマ”は、連合軍に投降しようとした所をドイツ軍機の「裏切り者への制裁」にあい、人類史上最初の「空対艦誘導弾で沈んだ船」となった。

 1943年9月8日の事であった。

 

 だが、今生でドイツ軍機が飛来することは決してない。

 当然である。ムッソリーニがドイツが禁忌としていたユーゴスラヴィアにちょっかいをかけて、ヒトラーが恐れていたチトーを覚醒させてしまったのだ。

 その報復としてヒトラーは、”非常事態発令:A-88(アントン・アハトアハト)”を発動させた。

 これはシンプルに一切の合意を必要としない”イタリアに対する一切合切の絶縁”であり、それは現在も継続されている。

 つまり、イタリアに何があろうともはやドイツが動くことはない。

 だが、事態はそれだけではない。

 この時代、ドイツ側に石油を供給していたのはルーマニアのプロイェシュティとハンガリーのナジカニジャで、今年後半にはかつてイタリアが占領していたリビア産の油もそこに加わる予定だった。

 そして……その油が入ってきてないのだ。一滴も、イタリアには。

 つまり今のイタリアは、備蓄石油とお世辞にも質が良いとは言えない人造石油(ベルギウス法やフィッシャー・トロプシュ法の石炭液化プラントは以前にドイツから導入していた)で何とか耐え忍んでいる有様だった。

 

 実は、今回の投降劇の遠因には、この石油問題(つまり艦隊を十全に動かすだけの重油がもう無かった)もあったりするのだが……

 そして、ドイツの攻撃を食らうこともなく何の因果か日英の軍艦にエスコートされ入港したイタリア艦隊は、整備不足や資材不足で状態があまりよくなかったのだが……せめてアオスタ公の乗艦として名前からしてうってつけな旗艦”ローマ”だけでも最低限のメンテナンスが施される事が決定された。

 

 そして正式に”イタリア解放軍(リベリツォーネ・イタリアーノ)”旗艦兼司令部として戦列復帰したのが、イタリア攻略戦発動日……1943年9月8日だったのである。

 

 まさにこれが『因果律が仕事した』と言うべき事象であろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、”ローマ”出奔?で、先ずはこの話のノルマ達成。
ノルマとはって?
”日本皇国(主に首相と軍部)に対する頭痛・腹痛(ダメージ)の種”因子ですw

ただ、流れ弾? 残当?でアオスタ公にもコラテラルダメージが……

そしてシモヘイ、久しぶりの帰郷でも元気いっぱいのようです。
王家末姫で正妻のナーディアちゃん、前回の帰省では出産終えてからまだ日が経ってなかったので休養期間だったようで、今回はお腹周りはスッキリしてますw
まあ、その分、妹分達がどことは言いませんが膨らませてますが。

ちなみにまだまだ英雄宮には女の子の人数はいますが、実は志願者は輪をかけて多くシモヘイの戦場から帰ってくるたびに増大するネームバリューのせいで比例するように増える一方。
それを厳選してるのが、ナーディアちゃんとその近侍達という裏話があったり。
まあ、命が軽いこの時代、生存環境が厳しい裏返し子沢山奨励のアラブ圏という背景もあり、英雄の血は残せるだけ残そうみたいな感じでしょうか?
母体が安全な出産と、死産率や新生児死亡率は必ずしも一致しないので。
要するに今の所、見た目が幼くても出産が原因でシモヘイの嫁が亡くなったというケースは無い(何気にスゲェ……)ですが、産まれた子供に関しては……ということですね。

まあ、いずれにせよ無事に生まれても大きく言えば”サヌーシーの子”、具体的には嫁達の出元が引き取り”英雄の血を引く家の誉”として育てるので、シモヘイが父親の役割を果たすことは無いでしょうが。

ちょっと黒い事を言えば、王家やキレナイカ王国からシモヘイに求められているのは良き父親であることよりも、生きてる限り、いえ戦場で倒れたとしても”魔弾の勇者(سحر البطل آرتشر رصاصة)”として英雄であり続けることでしょうから。

さて次回はうぽってな話題でも。
それでは、次回もどうかよろしくお願いいたします。








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