白兵戦最強の転生特典を貰った。ただし転生先は貞操逆転世界とする   作:H-13

17 / 23
昨日は何故か同じ内容が2話分投稿されていたようで…。ご迷惑をお掛けしました!




鬼畜騎士、転生者の様式美と出会う

 

1 貞操逆転世鬼畜騎士♂

ぱーちー…豪華やねぇ

 

2 名無し@転生者の集い

イッチの気が抜けて何時ものやぁすら言わんくなったぞ

 

3 名無し@転生者の集い

お疲れ様やでなぁ。

 

4 名無し@転生者の集い

で今何しとるん?写真欲しい

 

5 名無し@転生者の集い

まぁこういったパーティは大体立食形式やろ

 

6 貞操逆転世鬼畜騎士♂

はい。→ https://syasin./……

 

7 名無し@転生者の集い

さんくす

 

8野蛮人ニキ

(・・)⊃ヤァ

 

9 名無し@転生者の集い

>8 お前がやぁ言うんかいw

 

10 名無し@転生者の集い

ほら、野蛮人ニキが一生行かなそうな光景やで

 

11野蛮人ニキ

一応ワイ侯爵やから結構行くんよな

 

12 名無し@転生者の集い

ふぁ!?!?!?

 

13 名無し@転生者の集い

え、それは予想しとらんかったw

 

14野蛮人ニキ

ねぇどんな気持ち?洞窟で寝てそうなワイが侯爵だった気持ちってどんな気持ち?教えて?

 

15 名無し@転生者の集い

うぜぇwww

 

16 名無し@転生者の集い

ひ○ゆきレベルでウザイのやめろwww

 

17 貞操逆転世鬼畜騎士♂

え、…?

 

18名無し@転生者の集い

イッチ?どうした

 

19名無し@転生者の集い

イッチがそれだけ書き込むの初めてか?

 

20名無し@転生者の集い

おーい!イッチ~!

 

21 貞操逆転世鬼畜騎士♂

……こいつ馬鹿なん?

 

22名無し@転生者の集い

あ、これ無意識に書き込んでるやつだ。たまにあるんだよな掲示板開きながら無意識的に心の声盛れ出してるの

 

23 名無し@転生者の集い

馬鹿貴族がイッチになんかしたんやろ

 

24 名無し@転生者の集い

流石にあの王様がそんな無法許すとは思わないんやけどな。ていうか竜王倒した相手に流石に突っかからんやろ

 

25 貞操逆転世鬼畜騎士♂

よし、ぶっ殺す

 

26 名無し@転生者の集い

イッチぃ!?

 

27 名無し@転生者の集い

早まるなイッチ!!!!

 

28 名無し@転生者の集い

イッチのブチ切れ初めてじゃね?

 

29 名無し@転生者の集い

言われてみれば。後で管理者ちゃんに共有してもらうか。

 

30 名無し@転生者の集い

兎にも角にもイッチが犯罪者に成りませんように。

 

31 名無し@転生者の集い

誰がイッチ怒らせたんや!

 

 

 

 

スレ民の予想通りイッチが参加したパーティは立食式のものであった。

 

食べている暇など無い。今回のメインはアリサとカインである。国王や公爵家侯爵家の当主がひっきりなしにアリサと話して関わりを持とうとしていた。

 

先の硬い式典ではない。女は相も変わらずに軍服での参加であったが招待されている者たちの配偶者である男は着飾りピアスも付け華やかな姿でパーティを楽しんでいた。

 

カイン?当たり前ながら軍服である。然しながらこうした表と裏で意図が違う言葉がひっきりなしに交わされる世界においてはカインは無能であった。

 

段々と死んで行くカインの表情を見たアリサは別行動を提案してくれていた。ギリギリまでカインもアリサにくっ付いては居たが居てもいなくとも変わらぬ現状に断りを入れて硬っ苦しい世界から無事に抜け出した。

 

「……男に生まれてよかった。」

 

片手にシャンパン入りのグラスを持って壁側に寄る。心の底からの本心であった。こんな世界に出なければ行けないと考えるとアリサには頭が上がらない。

 

「お隣、宜しいですか?」

 

ふと、聞いたことのある声音。天井の装飾を端から見て感心していたカインが目線を戻せば、エレア・ヴィマルが正装で立っていた。

 

高身長、長い手足には軍服が良く映えているものの、隠し切れようが無い男らしさが良いギャップとなっている。少し横へとズレれば、2人で横に並びわいのわいのと真っ黒な政治の世界から一歩離れて二人の雰囲気を出し始めた。

 

「結果的にはなりますがカイン様を除け者の様にして待たせてしまいました。申し訳ありませんでした。」

 

「いや、アリサには必要な事だったのだろうと思います。エレア様にその非はないと考えますが?」

 

「エレアで良いのですよ。ふふ、貴方様と居ると心地が良いのです。もう王族からは実質的に外れておりますから。カイン様の妻としてこれからはお願い致します。」

 

「ええ。では、エレアと。」

 

むず痒い。男を立てる女などこの世界では目の前のエレア以外皆無であろう。然し元々の気質がこの世界では女寄りだと言われるカインだからこそ、悪い関係では無いのだ。

 

エレアにとって惜しむらくはカインがエレアと出逢う前にアリサと合っていた事だろう。そうでなければ、カインとエレアは今のアリサとカインの様なお似合いの夫婦となっていた事だろう。

 

IFを語っていても仕方が無く、こうして結ばれたのだからと。生前、日本を思い出す中々初心で甘酸っぱい雰囲気に双方頬を赤らめて言葉が途切れてしまう。

 

「洛陽」と呼ばれる様になったとしても未だにカインは20に届かず、エレアも成人には届いて居ない。ならば、この様な時間も悪くないものであろう。

 

 

 

「あら、あら、あら。これはこれは「洛陽」カイン殿にエレア王女様では御座いませぬか。」

 

不意に、この空気感が分からぬ第三者から声がかかる。

 

「貴殿は?」

 

カインが問う。名も知らぬ男。カインと同じく政治に関わる気すら無くパーティと云う華やかな場所を楽しみに来たのだろう。小さく、ひょろひょろの。然しこの世界の女受けする可愛らしい容姿に綺麗な指先。宝石があしらわれたそれ等からそれなりに高位の配偶者だと当たりは付けられるが。

 

「僕はベリア侯爵家当主総代ザーリアが夫ズークである。」

 

「それで?何用だ。」

 

「女男の貴様と男女のエレア王女様を一目見ようと来ただけに決まっているだろうに。男とは思えぬ無神経さだなお前は。」

 

 

彼の声が届く範囲に居たもの達の会話が止まる。あからさまな視線を飛ばす者は居ないけれど、こんなカイン個人とファロス家を称えるパーティにて直球的な陰口を本人にぶつける者が居るとは。

 

「それで?」

 

感情が抜け落ちたカインの声音。一歩前に出ればエレアを彼の視界からずらす様に。

 

「嗚呼、妻が言う様に超人の類ではあろうが所詮男だな。背だけ高いだけで持て囃されて女と同等に扱われている気分はどうだ?」

 

ズークだけに限らず男に武の才を求めることは無い。この世界はそうである。まず肉体から違うのだ。160も無い彼がキャンキャンと小型犬の様に吠えているが彼にカインの特異性も何も見えることは無く上っ面のカインの顔やら体付き、無骨な女みたいな手を見て罵っているだけである。

 

「ファロス家もお前のおこぼれに与れた様だがアリサと言ったか?貴様の様な男が夫で不憫だなぁ?さぞかし惨めだろうよ。それに男女のエレア様だ。随分とお似合いだと思って笑えてきてしまったでは無いか。」

 

 

ブチ切れを通り越すと物事が良く見える。カイン個人だけではなくアリサも、エレアも。聞こえ方によってはエレアの母である女王ギルバすらも侮辱しかねない。

 

額まで真っ赤ならば、酒の飲みすぎなのだろう。酒に呑まれた。然し、酔っ払っていても絶対に言って良いことと悪い事の場所に確りとライン引きはされている。

 

「よく分かった。貴殿の言葉は聞くに耐えん。」

 

ワイングラスをエレアに持ってもらえば、左手にて気持ち良く語っている男の頭を鷲掴む。ぎゃあぎゃあと騒ぐが指に力を入れることによって黙らせる。

 

引き摺るように会場の真ん中まで歩き出せば、周りの貴族は必然的に道を空けてくれた。

 

「ベリア侯爵家のザーリア殿はいらっしゃるか!!!!」

 

戦場ですら響く声はこの会場の全てに響き渡るのは必然である。

 

あれだけ会話で賑わっていた会場は男として有り得ない大きな声とその手元でアイアンクロー擬きを喰らい暴れている男を見れば

 

 

 

 

 

し ─────────── ン………。

 

 

 

 

 

 

と静まり返ってしまった。

 

数瞬後に走る様に目の前に現れたのは若い女であった。

 

「私がベリア侯爵家総代ザーリア・ベリアである。我が夫が何かカイン殿に失礼を働いたであろうか!」

 

カインが彼から言われた言葉を掻い摘んで話し、聞いていた貴族からも大体はそうだったと確約が取れる流れの中でザーリアの顔は土色から青白い色へと3段階にて変化していた。

 

「ベリア家は私を侮辱した。私だけならば構わん。もう少し我慢しただろう。だがな、我が妻アリサと、まだ王女であるエレアすらも同じく侮辱した。これに私は許容が出来ぬ。」

 

「か、カイン殿、伯爵騎士殿。このザーリアが伏して謝罪申し上げる。我が夫の無礼、男の戯言を許して欲しい。」

 

「否、許さぬ。よくも言ってくれたな。戯言?それでエレアも、聞けばアリサも傷付くのは当然であろう。」

 

感情が荒ぶり盛れ出した魔力に呼応する様に全身を竜王の鎧が包み込む。指先の硬い部分が掴んでいる男の肌に突き刺さり血が滲み出ている。悲鳴の色がまた変わった。

 

「『洛陽』伯爵騎士カイン個人として貴様らベリア家に報復に赴こう。ファロス家及びエレアは完全に無関係である。これは宣戦布告である。先に手を出したのは貴様らだ。覚悟は決まっているであろうな?」

 

「カイン殿!!!」

 

悲鳴の様な声がザーリアから吐き出される。当たり前であろう。カインの本当の殺気を一身に受けているのである。もう土下座のような格好で懇願している

 

カインが軽く手を上げる。遠くから何かが壁を突き破り飛んでくる音が聞こえる。次の瞬間にはカインの手に竜王の槍が握られていた。

 

軽く槍を回した上で地面に石突を突き立てる。握っていた男の頭はもう興味もないとどこかへ放った。カインを包む莫大な魔力は呼応する様に威圧感も高まって行く。

 

竜を模したフルフェイスの内側には憤怒に染まったカインの顔がある。もう助からぬ、もう終わりだとザーリアは腰が抜け失禁しそうになった所に助け舟が届けられる。

 

「カイン・ファロス、そなたの祝いの場だ。その辺にしておけ。」

 

女王ギルバ当人である。その後ろには宰相ゼーラにアリサが居た。

 

ゆっくりと湧き上がる魔力を抑えながら鎧を収納、槍は近付いてきた近衛騎士に預ければ、膝を着いた。

 

「は。侮辱されたとはいえ場の雰囲気を乱しました。申し訳御座いませぬ。」

 

「良い。しかとその力強い魔力見させてもらったぞ。アリサと話していたが誠女勝りよ。安心してエレアを任せられる。それにエレアに呼び捨てにしろとでも頼まれたか?エレアもカインを気に入ったな。」

 

「恐縮で御座います。」

 

「良い、エレアの所に戻ってやれ。心配そうだぞ?……さて、ザーリア・ベリア。やらかしてくれたな。どうするつもりだ。」

 

「………っ!わ、私は!」

 

「ふむ、皆の衆!先程のカインの宣戦布告、我が名において許可してやろうと思う。だがな、それではつまらん。我らが最強の超人を見たくは無いか!!カインには追加で褒賞を出そう。明日正午!闘技場により『洛陽』カイン・ファロス対ベリア侯爵家を行う!!ベリア家が勝てば今日の失態、全て赦そう。負ければ取り潰しの上でベリア家全て老若男女関係無く打首だ。カイン・ファロス、これで良いか?」

 

「は、万が来ようとも負ける気は一切御座いません。」

 

「よく言った!ならば諸君!明日正午である!明日正午に闘技場にて雌雄を決しようぞ!ザーリア・ベリア。正午までに集められるだけの頭数を用意することを許可しよう。ああ、そこで伸びている阿呆は強制参加だ。元凶が安全圏に居るなど我は許さぬ。良いな?」

 

 

 

 

こうして、カインとアリサの王都デート計画は潰れたのである




これを書きたくて今転生者系書いてると言ってもいい。皆さんはこんな時どういった選択をしますか?イッチはこうしました⤴︎()

テンプレみたいな馬鹿は貴族では無く配偶者でした。竜王なんて物語の存在だから男には実感あんまり無いのです。そして楽しくて沢山飲んだ結果がアレです。

ザーリア・ベリア
20歳のベリア家長女。当主である母親が手が離せない急用が出来てしまった為にザーリアと夫のズークが総代として王都に来ていた。ズークはこうした大々的なパーティは嫁いで初めてだった為はしゃいでいた。今回一番の被害者。普通に良い子に役目を果たしてたのにナンデ…?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。