白兵戦最強の転生特典を貰った。ただし転生先は貞操逆転世界とする   作:H-13

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皆んな読んでくれるんなら書くしか無いやろ!!!ほんと書き始めて1週間も経ってないのにありがとうございますm(_ _)m

小難しいことは前半だけなので我慢して読んでね。


男女水入らず【ロテンブロ】

この世界の人類の魔法というのは火水風土の四つで構成される所謂「属性魔法」と言われるものがベースとなって構成されている。

 

魔法とは竜種を中心とした高位種族が扱う「概念」に干渉する「属性魔術」を魔力を用いての再現である。

 

多くの多重世界において詠唱は魔法にとって必要不可欠なものだったりする。それを破棄したり重ねて唱える事により即効性や威力の上昇という汎用性の限りなく高い万人に扱える「魔法」となったりしている。

 

イッチが転生したこの世界においての基盤は「概念干渉による結果の発露」である。そこに詠唱なんていう陳腐な時間のかかるモノは必要無い。

 

逆に言えば使い手に全てが依存するのだ。器の大きさ、想像力、発想力、決断力、創造力…etc。

 

魔法はその模倣である。ならば詠唱が不要なのは必然である。

 

人類は肉体強度や純粋な生存競争で言ってしまえば平均以下である。貧弱なのだ。鍛えなくとも筋骨隆々なゴリラのようには絶対に成れない。鍛え、人類の中で超人と呼ばれる上澄みになれたとしても平均なのだ。

 

故に、人類が神と呼び二柱の竜神と共に天地創造を為したナニカはニンゲンの高い知力に目をつけた。

 

野生の魔物や竜などが10万分の1程度で発現する「固有魔術」。概念に干渉する基本魔術とは異なる埒外の力を持つ能力である。発現した時点で赤ん坊だとしてもその種族の長として認められると言えばその規格外さが分かるだろう。

 

そのナニカは固有属性を「固有属性魔法」という形に押し込み100分の1レベルに弱体化した。その状態で人類に祝福という形で授けたのである。

 

 

これがこの世界で差別が無い主な理由である。人類は等しく1つは神から賜ったモノを貰っている。それを必要以上に辱めるのは神への反逆である。

 

それが当たり前であり不変の常識なのだ。だからこそイッチは異端でありながらも大切に育てられ、皆から受け入れられているのである。

 

 

 

 

アーク・シューレゲルは元々王都に近い男爵家の生まれであった。男爵家と侮るなかれ。

 

シューレゲル家は「一定確率での固有属性魔法の複数持ち排出」という血筋である。

 

アークの実家は血筋全体的に「作物」にとってプラスとなる固有属性魔法を三代続いて排出したが為に一代限りの男爵から永世貴族へと平民から成り上がった過去を持つ。

 

 

故にアーク自身幼少期からひっきりなしに婚約の話が持ち上がっていた。家自体も固有属性のおかげで下手な伯爵に匹敵する土地が王家から与えられていたが故に結婚という強い縁を求めている家は国中数多であった。

 

数多の婚約候補者から選ばれたのがシューレゲル家のノエルであった。

 

固有属性魔法の中でも珍しい「治癒」回復系統所有者であり、婚約交渉も使者では無く当人が乗り出してのやる気の見せようであったという。ならばアークの領地や身内に作用する「恵み」の固有属性魔法でも釣り合うと判断されたのだ。

 

そんなアークが腰を落ち着かせる子爵領内には温泉が湧き上がっていた。農地に影響は出ないが通うのにそんなに遠くない。そんないい塩梅の場所。

 

これがアークの曖昧ながら悪い様には絶対に転ばない固有属性魔法の力であった。

 

残念ながら子4人には受け継がれなかったがその血はしっかりと次世代のシューレゲル家に根付いた。

 

 

 

「露天風呂!?貸し切り!?」

 

「シューレゲル家で管理してるからね。早めから告知出しとけばこうして身内だけで使えるんだよ。」

 

「久しぶりだな」

 

上からアリサ、ノエル、カインの言葉である。

 

竜王の素材を護衛して運んで来たリーナを待った後に、女5男2で露天風呂へ足を向けた。使い終わればその後は普通通り一般解放である。

 

シューレゲル領内の癒しであり慰安事業の一つの目玉。流石に貴族用と領民用は場所自体が違うのだが根本的な水質等は一切変わらないものである。

 

「さて。アリサ、あとはリーナさん。居らっしゃい。ここにいる間は身内だと思って過ごしてね?アリサは身内になったんだけど。」

 

「ノエルさん、ありがとうございます。」

 

「子爵様、ありがとうございます、ノエル様とお呼びさせて貰っても宜しいでしょうか…?」

 

「良いのよそんな。リーナちゃんは様付けなんかしなくていーの。」

 

「それでアリサさん?カインはどう?…抱かれてどうだった?」

 

「…ぶふっ!?!!」

 

真面目な雰囲気はそこそこに女だけで集まったら何をすると言われたら猥談である。男が居ないのだ、実の親が目の前に居たとしても気にするようなもんじゃない。

 

「うちの弟は絶対女の方に思考が寄ってるのは昔からわかってた事だもの。将来の立場はアリサが上だけど義理の妹なんだから、今はキリキリと吐きなさい?…昔は可愛い子を搾り取りたいなんて言ってたけど現実はどうかしら?」

 

「……………」

 

「んふふ、私も聞きたいわ?」

 

「……カインに、負けました。カインに手加減してもらわないと腹上死するから、毎日の相手なんて出来なくて…。おかしいでしょ!徹夜で10発も出して私が腰痛めて寝込んでるってのにカインは普通にリーナ達と一緒に基礎鍛錬やってるの!あの体力おばけ!鬼畜!カイン!」

 

「あらあら、あの子の有り余る体力は夜も健在なのね?」

 

「アリサ、大丈夫。歳下の異性が自分の持てない重さの剣一日中振り回してケロッとしてるのずっと見てきたから何時かはそれが当たり前になるわよ。」

 

「はぇ~、やっぱり団長凄い…」

 

リーナだけは話に入れていないようであったが、ゆっくりとした気持ちの良い時間は半分以上がカインについての話題で過ぎていった。

 

 

 

「僕は男爵家から出て来てからずっとこの子爵領に居るって決めてるからね。カインが伯爵領について教えてくれないかい?」

 

「そうですね…────」

 

二人きりの男風呂は女風呂と比べてしまえばこじんまりとした大きさ。然しこの程度が調度良い。

 

スレではワイとか使っているカインではあるが私、僕、俺と話す相手によって一人称を使い変える事くらいはやっている。

 

女風呂のわちゃわちゃした感じは一切無く、久しぶりに女抜きで息子と話せている父親は満足そうである。

 

カインも肉親を前に肩肘張らずに思うが儘に言葉を紡いで行く。

 

「カイン、お前は強い。母さんやカレン達よりも。だけど一人の私の子だ。一人で解決出来なかったら僕や皆に相談して頼るんだよ?それは伯爵家でも同じ。リーナ君や頼れる騎士団が居るんだ。頑張りすぎないように。」

 

口数少ない会話の中で、そうアークがカインに向けて言葉を送ればこくりと一つの相槌を打った。

 

幾つになろうと親は親、子は子である。

 

成人して嫁いだ超人。竜王に打ち勝った正真正銘の人類の頂点であっても、それは変わらない。それだけである。




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