☆10
足利一葉様 s.horse46様
☆9
黒蛇二等兵様 青嵐・パーシー様 ウルフェンAN様 ワートリ大好き様 テト·ストラトス様 おしなべき様 hukuyuji様 トマト0527@様 HAZIME00様
☆8
石油様 ethel様
☆7
白竜王様
こんなにも沢山のご評価を頂きました! ありがとうございます‼︎ これを励みにまた頑張って構想を練って書いていきます。
それで今回は……はい、戦闘シーンを中心的に書こうとしたらサブタイトルにも書いてある通りの表記をつける結果となってしまいました。
戦闘シーンを待ち望んでいらっしゃる読者の皆様方……大変申し訳ございません! 次は戦闘シーン中心で書いていきますので、何卒宜しくお願い致します!
それでは本編をどうぞ!
アルジが騎士団に連行されて5日後……アルジからはこの場でこれ以上何も情報を得られないと判断した騎士団は彼を釈放した。しかし釈放された時のアルジの姿は、人の尊厳など関係ない様に下着姿のままで、荷物は麻袋に乱雑に纏められて放り出された。
身体は治療など一切されておらず、鞭で叩かれた後が痛々しく残る。そして指の爪も全て剥がされた様だ。
「おら! とっとと帰れよ“無能な特待生様”‼︎」
「穢らわしい田舎領主の出でありながら俺達に刃向かうからこうなるんだよ! さっさと田舎に帰ってママのオッパイでもしゃぶってな‼︎ ゲッヒャッヒャッヒャッ……‼︎」
そう言いながらアルジを尋問した者どもは詰所へと去って行く。それを確認したアルジは素早く制服に袖を通した。通す前に邪魔にならない所へと移動する。そして傷が付いている所を水で濡らし、常備していた包帯を巻き付けた。これで制服などに自分の血痕がつく事は無いだろう。
(魔力を通せば1発なんだが……どうやら監視が付くっぽいしなぁ〜)
指の爪も剥がされたが、この程度も魔力を通せば治る。だが急に治ったのを確認されたら流石に怪しまれるからそんな事はしない。
「あ、アルジ〜……大丈夫?」
そこに声をかけたのは兄さんだ。なんか罪悪感を抱いている様な顔つきをしてんな〜……
(いや……自分がモブらしい事が出来ずに残念がってる顔ってのもあるな)
まぁどちらにせよ俺の事を心配している事に違いないだろう……し、心配しているよな?
(さ〜て……ここに止まっておくのもアレだし、寮にk「アルジーーーっ‼︎」ん? この声は……)
声が聞こえた方向に顔を向けると同時に、途轍もない衝撃を受けながら地面に倒れ込む。まぁ痛い事はないんだが……。そして俺に衝撃を与えて倒れ込ませた人物は十中八九……
「ね、姉さん……急に飛び込んできたら危ないだろう?」
「うぅ〜……アルジぃ〜……」
姉さんが俺の胸辺りに顔を押し付けて抱き締めてくる。
(にしてもこの抱き締める力……滅茶苦茶強いんだが……)
まぁ抜け出せない事は無いんだが、この5日間姉さんに物凄く心配かけちまったし、これぐらいだったら全然甘んじて受け入れるとしよう……
(でもこの力……普通にやったら背骨が折れるよな?)
えっ? 何故俺はそんな状況で冷静に考えているかって? それに背骨が折れる程度なのに何故背骨が折れないのかと? まぁ一般的に鍛え方が違うからな……
そんな的外れな事を思いながらアルジは、その場で十数分もの間クレアになすがままにされる。それを近くで見ていたシドは、さっさと帰りたいな〜と思っていたが、ここで帰ると姉の逆鱗触れてしまうと同時に考えた為そのままポケーッとしていた。
side シド
「アルジ……怪我は大丈夫? 痛く無い……訳ないわよね」
それからようやくクレアに解放されたアルジは、クレアに心配されながら寮への帰り道を歩いていた。そしてシドは黙って後ろから着いて行く。
「あぁ、これぐらい大した事ないさ」
「でも貴方の爪が……全部剥がされて見ていて痛々しく感じてしまうわ。お姉ちゃんの前だからって強がらなくても良いのよ? 甘えても良いのよ?」
「その言葉自体嬉しいんだけど、まぁ大丈夫だよ。それに甘えたい時は素直に甘えるからさ」
「そ、そう? でも甘えたくなったらいつでも言うのよ? お姉ちゃんがいつでもアルジの疲れを癒してあげるから」
「あぁ、ありがとう姉さん」
「う、うんっ///」
(僕って一体何を見せつけられているんだろう……)
僕から見てもアルジと姉さんは……周りからすればイチャイチャしながら歩いているカップルに見える。アルジの事を多少なりとも心配してきたんだけど……自分は別に来なくても良かったかもしれないって思えてくるよね?
(でもこの場に来てなかったら最悪……)
うん、どちらにせよ姉さんからの制裁を受ける事になるだろうとも考えたから、とりあえず来ていて良かったかな……
sideout
「それにしても私の可愛いアルジを傷つけてくれた奴ら……」
クレアはそう呟いてアルジが連行された詰所の方角を向いて……
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す……」
「(ヒェッ⁉︎ ね、姉さんが詰所の方を向きながら殺すって連呼してるっ⁉︎ それもハイライトさんが仕事してないっ⁉︎ というか一刻も早く詰所に乗り込んで俺を尋問した奴らを皆殺しにする気満々なんだがっ⁉︎ こ、これは一旦落ち着いてもらわないと……でなければ姉さんが殺人犯になってしまう‼︎)ね、姉さん……俺、 この5日間水浴びとかもしてないんだ。それに身体中傷だらけで1人でシャワーとか浴びるのも難しいから……て、手伝って欲しいかなぁ〜なんt「えぇっ! 分かったわ! お姉ちゃんに任せなさい‼︎」あ、ありがとう……(ふぅ、なんとか落ち着いてくれたな)」
それにしても俺を尋問した奴ら……俺の羞恥心を使ってまで姉さんが貴様らを殺める事を止めたんだ。代償は後々キッチリと精算させてもらうぞ……
アルジさんがそう決心した為、アルジさんを尋問した2人は後々酷い目に遭うそうです……
姉さんに少し支えられながら寮への道を歩いていく。すると前から白いローブを着た人が近づいて来て……
「後で貴方の部屋に行くわね……」
その言葉を残した後、兄さんにも何か告げて後ろの方へと去って行った。幸い姉さんには聞かれていない様だな。
そして白いローブを着た人が俺達を過ぎ去って行ったと同時に、今度は白い小鳥が音もなく俺の右肩に乗る。すると……
『アスタロト様、聞こえますか?』
『あぁ、その声はコトハさんだな』
その小鳥はコトハさんが使役する動物で、小鳥経由で俺とコトハさんは念話を開始した。
『いよいよ『ディアボロス教団』がこの王都で本格的に動き出しそうです』
『あぁ、それなら俺も尋問を受けながら奴らの動きを感じていた所だな』
『はい。そちらに関しては『シャドウガーデン』の方々と連携して複数箇所の施設を襲撃する予定です。こちらからはオルバ様が指揮を執られます』
『そうか。こちらは多分アルファが現場指揮を執って、ベータがそのサポート。全体指揮はガンマが執り行う手筈だろう。まぁとりあえずはそれで問題ないと思うが』
『私もそれに異論はありません。ですが一つお耳に入れておきたい事があります』
『……俺も何となくだが、少し不安要素がある。多分その事になるだろうが、一応聞いておきたい』
『では……数日前から王都近郊にて魔力の乱れが観測されています。もしかすれば何か得体の知れないものが攻め立ててくるかもしれません。それも巨大な何かを伴って……』
『分かった。取り敢えず念話を常時使える様に回路は開いたままにしておこう』
『畏まりました。また何か動きがありましたらお伝え致します』
『あぁ、よろしく頼む』
そしてコトハさんからの念話を一旦終了する。俺の右肩に乗っていた小鳥は、自らの役目を果たした為に俺から離れて飛び去った。
(さて……最後はかなり面倒な事になりそうだし、幾らか気を引き締めていこうか)
これからこの王都で何が起こってしまうのか……最悪の状態を想定しながらもどこか余裕そうに考え事をしていた。
ようやくの事で自室へと帰ってきた。上流貴族や特待生に割り振られる寮には、小さいながらも浴槽が備え付けられてある。俺は帰り道で頼んだ通り姉さんに背中を洗ってもらうのを手伝ってもらった。にしてもだ……
(姉さんが俺の前を洗いたいと言い出した時はマジで焦った……)
手伝ってもらうとはいえ男女の仲に変わりは無い。だから俺は腰にタオルを巻いてシャワーを手伝って貰ったんだが……
(最初姉さんがタオルも一切纏わず浴室に入って来たのは予想外だった……)
既にシャワーを浴びていつでも身体を洗える様に準備していた事が功を奏したのか、姉さんの大事な部分は湯気で遮られていた。漫画の世界だけしかないシチュエーションだと思っていたからガチで油断していたよ……
(でもそれだけじゃあなかったんだよなぁ〜……)
タオルを纏う事を渋る姉さんを何とか説得して纏ってもらい、俺の背中を洗って貰った。にしても説得するのは中々骨が折れたよ。何であんなに渋るのか……
だがそれ以外にも、背中を洗ってもらう最中に……明らかにタオルとは違う感触が俺の背中に伝わってきた。違和感を感じて姉さんの方を振り返ったが……姉さんは何事もなかったかの様に石鹸の泡が浸透したタオルを持っていた。持っていたが……
(なぁ〜んで姉さんの胸辺りが泡まみれになっているんですかねぇ〜……)
背中を洗った際に偶々胸にも泡が付いたというならまだ分かる。
だが! それでは説明が付かないほどの量の泡が付いていたんだ‼︎ という事はだ……あの感触は……
(……や、ヤバい! 想像しただけで……)
俺の理性はこの世界に来て通常の青少年並みになってしまった。だから自然と……
「あらアルジ……どうしたのそんなに顔を真っ赤にして? まさか……お姉ちゃんと一緒に入って興奮しているのかしら? それだったら……とても嬉しいわね♡」
(あ、あの顔……俺の反応を見て楽しんでいる顔だ!)
いつもより優しい感じも醸し出されているが……それよりもまず俺の反応を見て悪戯する気マンマンじゃあねぇか⁉︎
「ふふっ……もぅ……お姉ちゃんはアルジにだったら何をされても文句なんて言わないのに。そんなに我慢していると……身体、壊しちゃうわよ?」
そう言いながら俺の背中に密着してくる姉さん……って
(タオル越しでもその弾力が伝わってくるんですけどっ⁉︎ ちょマジでやめてくれ姉さん‼︎)
「あら? あらあらあら? もぅ、アルジもちゃんと男の子なんだから♡ 素直に甘えてちょうだい♡ ね?」
(こ、今度は抱きついてくるだとっ⁉︎)
そんな状況だと……分かるよな? な⁉︎ 正直そこら辺からあまり記憶には残っていないが、何とか無事に身体を清潔には出来た。そして姉さんも自分の部屋に帰って行ったんだが……
最後の姉さんの満面の笑みは何だったんだ……もしかして……
(いや、いやいやいやいくら何でもそれは考えすぎだ! うん! 絶対にそうに違いない‼︎)
そんな現実逃避にも似た様な事を思いながら、俺は部屋着に着替えてベッドの上に横たわる。
(全く……少し休めると思ったら逆に精神的に疲れが溜まった。それもこれも全部あの尋問官達のせいだ! 絶対にタダじゃあ済まさねぇ……)
八つ当たりに等しい考えである事はアルジにも分かっている。だがそう思わなければ今の羞恥心のはけ口を確保出来ないでいるのである。
(にしてもアルファはいつ来るんだろうな……)
さっき姉さん達と帰ってくる時にすれ違った白いローブを纏った人物は後で俺の部屋に来ると言っていた。その人物こそアルファであり、後数時間もしないうちに『ディアボロス教団』の関連施設を襲撃する指揮を執る事になっている。その最終調整みたいな感じで俺に報告に来るって事なんだろうが……
そんな事を目を瞑りながら考えていると、ふと重みを感じた。まぁそれもそこまで重いというわけではないのだが、少し衝撃が乗っかってきた様な感じだ。それと同時に目の前から甘い匂いが漂って来る。そんな異変を感じて目を開けてみたら……
「ふふっ♡昔と変わらず目を瞑った顔も可愛いわね。欲を言えばもう少し見ていたかったのだけれど……」
2年前の容姿とは見違えるほど美人な女性に様変わりしたアルファが、優しい顔をしながら俺の顔を覗き込む様に見つめていた……って
(ちょ、ちょちょちょちょちょちょっと待て⁉︎ 俺気配察知もしていたのに何でアルファが俺の目の前にいるんだ⁉︎ 姉さんといいアルファといいアサシンみたいな能力身に付けてるんですけどっ⁉︎ えっ⁉︎ まさか俺って何かよからぬ事をして殺されるパターン⁉︎)
「もぅ、アルジは何を明後日な事を考えているのかしら? 貴方のお姉様や私達が貴方に何か危害を加える事をする訳がないわ。まぁ……貴方を襲って食べちゃいたい気持ちはあるのだけれど♡」
「あれっ? なんかさらりと俺の思っている事に対しての答えが帰ってきたんだけど……それに最後なんか言った?」
「いいえ、何も言っていないわ。それよりも身体は……清潔にしたようね」
「あ、あぁ……まぁアルファと折角会うのだからあのまま汚い姿は晒せんさ」
「そんな事気にしなくてもいいのに……」
そう言いながらも何故かアルファが俺の服を脱がそうとしてくる。今俺が着ているのは部屋着だが、前側をボタンで止めれるやつだ。だから俺が止めようと思った時には既に全部外れていて……
「……酷い傷ね。でもこれぐらいなら貴方の魔力で治せるでしょう? それに指の爪だって」
「まぁそうなんだが……監視が付いている中で変な事は出来ねぇし」
「……そうね。それにしても……(私のアルジに対して)酷い事をしてくれるわね。アルジを傷付けた奴らは、関係者全て粛清すべきね」
「(あれっ……なんか後半聞き取れなかったけど不穏な事を呟いていた気が……ここは何か別の話を……っ!)そ、そういえば今日のアルファの服、それって魔剣士学園の制服だよな? どうしてそんな物を着てるんだ?」
「これ? これは……その……貴方が入学し始めた頃に他の女の子達から告白をされていたでしょう? それに先生方からも……」
「えっ? ま、まぁ最初の頃はな。でもそれと何の関係があるんだ?」
「そ、それは……あ、貴方も成長した訳だし、女の子に対しての見方も変わったのかもしれないと思って……だって今の年頃の男の子って、こういうヒラヒラな衣装が好みだったりするんでしょ? 現に貴方も告白されて顔を赤くしていたみたいだし……それが何だか妬ましくて……」
「ま、まぁその……告白されて顔を赤くしたのは、現にそういった経験が少なかったからで……(この世界に転生する前までは全然へっちゃらだったんだが)か、簡単に言えば自然と反応してしまうだけだ」
「私がこうして密着していても顔を赤くしてくれないくせに?」
アルファが上目遣いで俺を見つめてくる……
「そ、そんなの……必死こいて我慢しているに決まっているじゃあないか」
「えっ……」
「〜〜〜っ⁉︎ あぁもうっ! いちいち可愛いなチクショウ‼︎」
「あ、アルジ?」
「はいはいそうですよ! 幼少の頃から姉さんやアルファ達『七陰』みたいな可愛くて美人な女の子と接していたら普通に赤面しちまうよ‼︎ でも……俺も15になったんだし、少しはアルファ達の前で男らしくしようと思って何事もない様に振る舞おうとして必死なんだよ! でもそんなん無理に決まってんだろ⁉︎ 目の前にこんなに綺麗で可愛い女の子がいて、それで昔からこんな俺に対して優しく接してくれて! しかもここまで密着されてたら……普通に顔も赤くなっちまうよ‼︎」
あぁ……俺は一体何を言ってるんでしょうねぇ〜。目の前のアルファがあざといというか何というか……多分あれ狙ってじゃなくて無意識でやってるんだろうなぁ。言い換えるなら天然って事だろう。
(にしてもその場に流されて変な事言っちまった〜……これ絶対嫌われるパターンだろ。ま、まぁアルファ達が嫌ったとしても俺のやる事なんて変わりないし……た、例え俺1人でもディアボロス教団は殲滅しt「……ふふっ」ん?)
「ふふふ……そう……アルジは私の事をそういう風に見てくれていたのね」
(え、えぇっ〜とぉ……この反応はどっちなんだ?)
「もぅ……そんな事言われたら……私も照れてしまうわ///」
(よ、良かったぁ〜っ! 何とか嫌われてないみたいだ‼︎)
「じゃあ……もうこの格好になっている意味も無いわね」
そう言ってアルファは魔剣士学園の制服からいつものスライムスーツになった……って
(や、ヤバイ……こんなの最早反則だろ……)
昔からアルファ達の黒衣は見てきたが……幼少の頃と比べて身体の成長が著しい。2年前の容姿とは明らかに違う。背も俺より少し低いぐらいだが、それでもスタイル抜群だし。何より……
(何でこの世界の美人な人達ってこうピンポイントに大きくなってんだろうな……)
しかも昔と違ってその……む、胸の装甲の上部分が開いている創りだし……
(そんな格好になって密着されてたら……普通に恥か死ぬに決まってんだろうがコンチクショーッ‼︎)
「あら? 顔が赤いわよアルジ。もしかして……今の私の姿に興奮してくれているのかしら?」
「そ、そそそそそれは……」
「無理に隠そうとする必要は無いわよ? それにそんな貴方の様子がとても可愛いし♡ほら、もっと貴方の顔をよく見せてちょうだい」
「い、いいいいいや! こ、これ以上今のアルファの姿を間近で見たら……」
「見るだけ? 私は知っているのよ? 貴方は昔から、私達のこの姿をマジマジと見ていたんだから。多分無意識のうちだったのかもしれないけど、でもそれは貴方の好みってことなんじゃないかしら?」
そう言ってアルファは更に密着を強めてくる。挙げ句の果てに足も絡ませてきた……
スライムスーツは身に付けている者のイメージでどんな服装にもなれるし、材質だって思いのままだ。そしてアルファが纏う黒衣は実用的に優れていて、防御面でも兄さんが扱うスライムスーツと遜色ない程の硬さと柔軟性を発揮する。
そして何より……すっごくスベスベしている。まるで本人の肌質と同じくらいに……だから俺の身体がどんな反応を起こすのか……分かるよな?
「っ⁉︎ ……ふふっ♡アルジったらおませさんなんだから♡ 表情で隠そうとしても、貴方の身体はとても素直で正直だわ」
「あっ、え、えぇっとこれはだなっ……その……」
俺は……マジの一般男性と同じ性欲なんだ。だからそんな反応を身体が起こしたとしてもなんら不思議ではない。自分としては情けないが……
それでなんとか言い訳をしようとするが……言葉が出てこない。そんな隙を付いてアルファが更に密着を強めてきて……
「もぅ……私も我慢が出来ないわ」
「えっ……っ⁉︎」
視界がアルファの顔だけ映し出したと思ったら……唇に柔らかい感触と同時に甘い味がした……
(も、ももももしかしてこれは……)
「んっ……はっ……ふふっ、本当に可愛いわアルジ♡ねぇ……もっと貴方を感じさせて?」
side アルファ
「あ、アルファっ⁉︎ ちょ、ちょっとまっ⁉︎」
アルファはアルジを強く抱きしめて、そして何度もキスの雨を降らせた。それに対してアルジは戸惑うだけで、何故こんな事になっているのか考えられない程頭がショートしかけている。
それから数分後、一旦アルファからのキスが止んだ。あまり息継ぎせずにやった為かアルファは少しだけ呼吸を整える。そしてアルジも急な事でほぼ呼吸が出来なかった為か息が少し荒い。
「はぁ……はぁ……あ、アルファ……これは一体……」
いきなりの事で思わずそう聞き返すしか出来ないアルジの顔は、少し困惑した表情を見せる。その表情を見たアルファは綺麗な笑みを浮かべ、アルジの両頬を手で包み込む様に触れながら言う。
「……本当は、全てが終わった後にしようって、そう思っていたの。『ディアボロス教団』の魔の手から世界を救って、私達も暗躍する事が無いくらい平和な世の中になって、そうしてから改めて……貴方に私の気持ちを伝えて、こういう事をしようと思っていたの。いたのだけど……」
「あ、アルファ?」
「やっぱり……我慢なんて出来ないわ。だからここで正直に言うわね……。
私はねアルジ……貴方の事を愛しているわ」
side out
そう言われて俺は……また思考が停止してしまった。こんな風に告白されるのは、この世界だけじゃなくてこれまでの転生してきた世界線でも経験してきた。シチュエーションは違えど、一緒に行動してきた仲間達からや、旅をしてきた中で関わってきた人達から好意を寄せられてきた。
そして好きな人に告白するという、本人達から見ればとても勇気ある行動を俺にしてきてくれた。それ自体は……素直に嬉しく思う。だって、こんなにも不器用だと思っている自分の事を好ましく思ってくれて、それどころかずっと一緒にいたいと言ってくれるのだから……。そんなの、嬉しいの一言しか出ないに決まってる。
(でも俺は……その世界で役割を終えれば消える定めだった)
そう、それが今まで告白されても断ってきた理由だった。例え俺が告白してきた女性を好きだったとしても……。俺は、その世界線での役割を終えればいつしか別の世界へと転生、転移を繰り返す存在として女神様達と契約した。
だから……残酷だと分かっていながらも俺に好意を寄せている人達からの告白を断り続けて来た。その事が……俺を慕ってくれていた人達が1番悲しくない選択肢だと考えたから。一緒に添い遂げる人がいつの間にか自分の側から消えていて、どこを探しても見つからなくて悲嘆にくれるより……俺がその告白を断って甲斐性がない男だと思われた方が、相手をあまり傷付けない様に出来るのではないかと……告白される度そう思いながら、自分の気持ちにも嘘を付きながらでも断り続けて来た。
(だがこの世界では、俺の寿命が尽きるまでいる事になっている……)
アルファから告白を受けるとは、正直考えてもみなかった。確かに慕われていると感じていたし、彼女は何かと俺の事を気にかけたりもしてくれていた。シャドウガーデンの事もあるのに、兄さんや俺が立ち回りやすい様にバックアップもしてくれて……。でもそれは、ディアボロス教団を討ち果たす為だけにやっているんだと、俺はどこかで自然とそう感じていたんだ。
でも今アルファの口から紡がれた俺に対しての告白は……ディアボロス教団云々関係なく……ただ本当に俺の事が愛おしくて出た言葉なんだろうなと、これまで違う世界線で受けてきた告白と全く同じ……俺を想って出た言葉だと……
それに俺は……目の前で綺麗な笑みを浮かべているアルファの事を、好ましく思っている。今取って付けたように思っている訳ではない。多分俺は……前々から気付かない内に彼女の事を好きになっていたんだろうと。
(だが……こんな俺で良いのか?)
俺に告白してくれた子達は、俺への気持ちを包み隠さず口に出してくれた。俺が過去に何をしてきたとか、そんな事を何も知らないまま……
(そもそもこんな事を、信じて貰えるわけがない……)
俺がこの世界とは違う世界線を旅してきた事を……そこで培った力や知恵、技術がそのまま移された世界でもなんのデメリットも無しに使える事を。それを踏まえて……俺はこの世界に生まれた人間ではない事を……
そして、その考えを元に卑怯にも俺を慕ってくれた人達からの告白を蔑ろにしてしまった……。それをアルファが聞いたら……
(幻滅……するだろうな)
それが……とても怖い。今まで話してこなかった俺の裏側を知られるのが……好ましいと思っている人から拒絶されるのが。
(俺は……どう答えれば良い?)
そんな問いかけに誰も応えてくれないのは分かっている。でも今の俺には……そんな無駄な事だと分かっていても頭の中で問いかけるしか出来ない。アルファの純粋な想いに……どう応えたら良いのか。
他から見れば一瞬から数秒の事かもしれないが……俺からしたら数分から数時間にも感じる程の迷いと問いかけが、俺の頭の中を駆け巡る。同じ内容が何度も出ては消えを繰り返していた。
アルファの告白に対して快く承諾したいと思うと同時に、これまでの世界線の話を正直にして、告白を断って来た自分の卑怯さと、それを知られてしまった時に彼女から幻滅されるのではないかという恐怖がせめぎ合って……
でもその時、俺の視界が黒一色になった。
(あぁ……考え過ぎで気を失ったか。いつの間にかメンタルもクソ雑魚ナメクジ並になってたって事だよなぁこれは)
アルファも……考えに考えた末勇気を出して告白をしてくれたのに。
(目が覚めたら……アルファに土下座でも何でもして謝って、今回の告白は断ろう。あぁ……それが良い……それで……良いんだ)
じゃあ、今度は早く目を覚まさなくてはいけないよな? だから俺の身体よ、出来る限り早く目覚めてくれよ。大事な作戦が控えているのに寝過ごしたって事にならば面子なんて立たないし……ほら、早く目覚めろよ俺の身体‼︎
って思ってるんだが……俺の身体は中々目覚める兆しがない。こんなに思考が働いているというのに……
(ん? そもそも何で俺は気を失っている筈なのにこんなに思考が出来ているんだ?)
しかも思考が出来ているだけじゃあ無い。自分の身体が温かくて柔らかい何かに包み込まれていて、目の前からはとても良い匂いがしてくる。それに俺の顔辺りを包み込む何かは、他のところよりも柔らかい……
(あれ? この感覚……どこかで……)
そう考えていると同時に、俺の後頭部が撫でられている様な……いや様なじゃあない。現在進行形で撫でられている⁉︎
ここまで感覚がハッキリとしているという事は……俺は今普通に、いつもと変わらず覚醒状態だという事で……
「ごめんなさいアルジ」
(えっ? なんか少し上の位置からアルファの声が聞こえた様な……っ⁉︎ も、もしかして今の俺の体勢は……)
それで察してしまった。今俺がどんな状態であるのかを……
(俺……今アルファに抱き締められているのか⁉︎)
俺がそんな鈍い思考をしている時、続けてアルファが俺に語りかける。
「貴方が……いつもとは違う困った顔をしていたの。今まで私が見た中でも……上手く説明が出来ないのだけど、とても深刻そうに見えたわ。多分その顔は……貴方が魔剣士学園で告白された時とは全く違う表情をしていると思ったの」
(そうか……俺はそんな顔をしていたのか)
必死に思考を巡らせていたから、自分の顔がどうなってるかまで気が回らなかったか。アルファには申し訳ない事しているなホントに……
「私達は……私は貴方がいるから凄惨な過去から解放されて今を生きていけるの。貴方が目の前を照らし出してくれるから、私も迷わずに前を進んで来れたの! 貴方が今何を悩んでそんな表情になっているのか……今どんな心情を浮かべているのか分からない私が……とても悔しい。いつも私達に与えてくれているのに、そんな貴方の力になれないのが……歯痒くてたまらないの‼︎
でも私達に……私に何か出来る事があるなら言って。今の様に1人で悩まないで。貴方の悩みに対して上手く応えれるかなんて分からない……分からないけど! 貴方の悩みを……共有する事は出来ると思っているから‼︎」
(っ⁉︎ あぁ、俺は……今みっともない顔しているよな)
アルファの温かい言葉に……俺は泣いた。顔面がくしゃくしゃになって、目から溢れんばかりの涙が出て来て……声をあげて泣いた。
そんな俺を……アルファは優しく撫で続けてくれた。迷いのある思考を晴らしてくれる様に撫でてくれた。俺の不安を拭い去る様に背中を一定のリズムで叩いてくれた。
(……ここまでされたら、嘘なんてつけねぇよ)
だから言おう。俺もアルファの事が好きだと。そして……俺の過去を踏まえた上でそれでも好きでいてくれるかを……
「ありがとう。みっともない姿を……晒しちまって」
「うぅん、良いのよ。それに……貴方があんなにも感情的に泣ける事も知れて、私は嬉しいわ。それに……そんな貴方を慰める機会もそうそう無いと思うし、私としてはとても役得だったわ♡」
「えっ? それに?」
「何でもないわ。それと……告白の返事は別に急いでいる訳でも無いの。私が我慢出来なかったから思いの丈をぶつけてしまって……だかr「いや、俺も今この場でアルファに応えるよ」そ、そう……」
アルファの顔は、さっきの綺麗な笑みとは打って変わってどことなく不安そうな顔を浮かべていた。その不安のある顔も綺麗だなと思った事に間違いはないが……今は……
「アルファ。俺は……いや、俺も君の事が好きだ」
「っ⁉︎ ほ、本当に? 嘘……じゃないわよね?」
「こんな時に俺がそんな下らない嘘を言わない事ぐらい、アルファが1番知っているだろ?」
「……ふふっ。夢……みたいだわ」
「夢なんかじゃあねぇよ……でも」
「でも……なに?」
俺は呼吸を整える。俺の……今まで隠して来た事を言う為に。受け入れてもらえるか分からないが、どんな結果になったとしても受け入れよう。それが悪い結果だったのなら……それは今まで俺が卑怯な事をしてきた罰だと思って甘んじて受けよう。
でもこれだけは言える。どんな結果になろうとも……この世界の裏で暗躍し他者を傷付けることも平気で厭わない連中を狩り尽くすと。
「……聞いて欲しいんだ。俺の全てを。今までアルファ達と出会う前の……これまでの俺の事を」
そして俺は語り出した。俺が本来生きてきた世界で唐突に死んで、女神様に魂を拾われた事を。拾われた後別の世界に転生・転移して、まずその世界での一生を終えた事。その後も女神様達に言われるがまま、別の世界を旅してきて今の様な強さを手に入れて来た事。そして……今回の様に俺を慕ってくれる人から告白されて、それを自分の保身の為に踏み躙ってきた事を……
アルファは何も言わずに最後まで聞いてくれた。口を挟む事なく最後まで……
(でも……多分幻滅されるんだろうな)
今俺達はベットに腰掛けて座っている状態だ。そして話はしっかりと聞いている事は感じ取れたけど……段々アルファの顔が俯いていった。その反応を見て俺は、アルファが今まで俺に抱いてくれた像を壊してしまったんだとも感じたんだ。
(それはそうだろう……今まで慕ってきた人がこんなにも甲斐性なしなんだから。でも……)
誰かに打ち明けられてスッキリした気持ちがある。今までの自分を包み隠す事なく言えたからだろう。だから……
(彼女達が受けてきた苦しみは……最後まで俺も寄り添う)
例えこの事がキッカケにアルファ達『七陰』や『シャドウガーデン』の面々から拒絶されたとしても……それだけは最後までやり遂げたい。
「ありがとう。最後まで聞いてくれて……でも、分かったと思う。俺がどれ程卑怯な人間なのか……だから、もしこの話を聞いて俺の事を幻滅して嫌いになったなr「……ない」……アルファ?」
そう問いかけようとした時、アルファから抱き付かれていた。その衝撃を殺しきれずベットに倒れ込む形になる。そしてアルファの方から……くぐもった声が聞こえてきた。
「貴方を幻滅するなんてあり得ない! 貴方を嫌いになるなんてあり得ない‼︎ だって貴方は……これまでとても頑張ってきた、自分の現状に葛藤しながら生きてきた貴方を……卑怯なんて言える訳ないじゃ無い‼︎
例え私が……貴方の話を聞いて卑怯だという印象を受けたとしても、私を救ってくれた事に変わりがないの‼︎ だって私は……救ってくれた時から私は……貴方の事が好きだったんだから‼︎」
「アルファ……」
「今回の告白が断られたとしても、私は貴方の側を離れようだなんて微塵も思わない! 何回断られたとしても……私は貴方を好きでい続ける! 貴方が私を拒絶し続けても、貴方が私の想いに良い返事を返してくれるまでしつこく貴方を愛し続ける‼︎ 良い返事をしてくれた後も愛し続ける‼︎ だから……自分を卑下する様な事、言わないで?」
俺は……こう言われるなんて思っても見なかった。皆俺の過去を言えば、言ってしまえば幻滅して離れていくんだろうとばかり思っていた。
でも彼女は……アルファはそうじゃなかった。こんな俺に……最後まで一緒にいると言ってくれた……
(幸せだ……)
大切な作戦の前なのにこう思っている自分は……やっぱり姉さん達が言う様にどこかズレてしまっているんだろう。ズレているんだろうが……この感情に嘘はない。寧ろ清々しく思っている。
「ありがとう……アルファ」
そして今度は俺が、俺の胸にしがみつく様に泣いているであろうアルファの事を優しく抱き締めながら頭を撫でた。昔よく彼女からせがまれていたみたいに……彼女が良いと言うまで撫で続けた。
「ごめんなさい……取り乱してしまったわ」
「いや良いよ。俺もさっき慰めて貰った様なもんだし、それに俺にはこんな事ぐらいしか出来ないんだから。これぐr「こんな事じゃないわ」……えっ?」
「貴方は、貴方が思っている以上に私達に与えてくれているの。今までだってそうだった。貴方には……数えきれない程沢山のものを貰っている。だから皆貴方達に着いて行こうと思うの。『悪魔憑き』だと蔑まされた怒りや悲しみ、復讐心も持ち合わせている事は確かだけど……だけどそれ以上に、貴方から今まで与えられた全てがとても愛おしくて嬉しいの」
「そ、そうか……俺は別に、普通の事だと思ってやってきたんだが」
「それが嬉しいのよ。全く……アルジはどこかズレているわね」
「まぁズレてるっていうのは姉さん達からも言われてる。でも……これが俺なんだろうなって思うんだ。それと告白……とても嬉しかったぜ。例えその場の雰囲気や勢いであったとしても、嬉しかった」
「っ⁉︎/// うぅっ……そ、その……改めて思い返してみれば恥ずかしいわ。も、もう少しムードとか気にすれば……」
アルファが俺の腹の上で女の子座りをしながら指同士をモジモジさせていた。そして綺麗な顔を少し俯かせて赤くさせていた。その視線も俺の顔を見たり見なかったりで、俺を見た時が若干上目遣いの様に見える。その仕草が……
(チクショーッ‼︎ これマジで天然でやってるんだよな⁉︎ 漫画だけの世界観だと思ったらリアルで!しかも目の前で! 挙げ句の果てに俺の腹の上でそんな仕草してる女の子いるんですけどっ⁉︎ こんなの……)
「こんなの……惚れるなって言われるのが可笑しな話だろ」
「な、何か言ったかしら?」
さっき俺の口からうっかり漏れ出た言葉は、どうやらアルファには聞こえなかったらしい。まぁそれで良いんだが……
(ホント……俺も鈍感なものだな)
そんな事は今は良いとして……改めて伝えよう。
「アルファ」
「っ⁉︎ な、何かしらっ⁉︎」
「俺は……
アルファの事が好きだ」
「っ‼︎ えぇ……えぇ‼︎ 私も……アルジの事が大好き‼︎」
そして俺達は……どちらともなく口付けをした。唇を離した時には……アルファの顔は幸せな顔に満ち溢れていた。
「こんな時でなんだけど……今、とても幸せだわ」
「そうか」
そんな短いやり取りを交わして、再度抱きしめ合う。
「ねぇアルジ」
「どうしたアルファ?」
「……こんな良い雰囲気で言う言葉ではない事は理解しているのだけれども、先に伝えておくわ。
他の子達も貴方の事が好きよ」
「……えっ?」
アルファさんからの別の意味での告白を受けて、今度はアルジさんが数秒間呆然としていました……
そして数分後……
(……って、俺は何を言われたんだ? ほ、他の子も俺の事が好き……?)
いや、でもさっきアルファから告白されて俺も告白を返したところだし……でも今後、他の子達からもアルファの様に告白をしてくる子達がいる……と?
(そ、そんな事になったら俺どう返せば良いんだよ⁉︎ 他に好きな子がいるし、しかも今その子と付き合っているからごめん……っていう様な返事しか出来ないだろこれ⁉︎ だ、だが……勇気を持って俺みたいな奴に告白してくれた子を傷付ける訳には……)
「ふふっ……アルジったら、変な顔をしながら何を考えているの?」
「何を考えているのって……他の子から告白を受けた時にどうことわr「断らなくても大丈夫よ?」……へっ?」
「アルジは田舎の出身といえど立派な貴族の1人よ? それに……貴方程の実力があれば侯爵の地位なんて簡単になれるもの。そうしたら夫人の1人や2人いたっておかしくないでしょう?」
「い、いやいや……俺は別にそんな地位なんて欲しいと思った事は」
「えぇ、それも分かっているわ。さっき言ったのは例え話よ。それに貴方の事は私と、告白をした子達で養うもの」
(あっれぇ〜……なんか数年前にどっかで似た様な事を言われた気が……)
「ふふっ……貴方の呆気に取られた顔、とても可愛いわ♡ もう相思相愛の仲だと分かったのだし……貴方の事を食べちゃっても良いかしら?」
「た、食べっ⁉︎」
「冗談よ冗談。これから大事な作戦が始まるのだから、貴方の事を可愛がるのはそれが終わってからにするわ」
(あっ、そこの所は確定事項なんだ……)
「それにしても……ここ数日間まともな食事をしていなかったわよね? だからこれを買って来たわ」
アルファがそう言って取り出したのは、『まぐろなるど』と呼ばれるこの世界でのファストフード店で商品化されているものの1つ、マグロのフライをタルタルソースや野菜などと一緒にバンズで挟んだ物だ。
「はいアルジ……あーん♡」
「えっ……はっ?」
「ほら、はやく口を開けて?」
「い、いやいや⁉︎ 自分で食べるから‼︎」
「良いから。あーん♡」
「(あぁ……これってどうにもならないパターンだな。はぁ〜……仕方がない)……あーん」
仕方なくアルジは口を開けて、そこにアルファが一口食べれる程のバーガーを運ぶ。
「……うん、美味しい」
「ふふっ、そうよね。私もこの味は好きだわ。じゃあ私も……はむっ」
「っ⁉︎ えっ? ちょっ、アルファ⁉︎」
「あらどうしたの?」
「ど、どうしたのって……そ、そこの部分……俺が口にした所なんだが……」
「えぇそうよ。とても美味しいわよね♪」
「とても美味しいわよね、じゃあなくてだな……そ、そそそそれ……間接キスになって……」
「本命のキスをしたのに今更かしら? 本当に……アルジったらズレているんだから」
「そのだな……俺だってさっきのキスと告白は凄く勇気を振り絞ってだな……」
「ふふふ……分かっているわ。貴方があまりにも可愛い反応をするものだから揶揄っただけよ」
アルファがいつもの様に綺麗な笑みを浮かべながらそう言ってきて、またあーんしてと目で言ってくる。
(はぁ〜……まっ、こうする事でアルファが笑顔になれるのなら安いものだな)
恥ずかしさはあるが……そんなものと比べたら安いものだと感じた俺はアルファのなすがままにされた。
戦闘シーンを描こうと思ったら最初から最後までイチャイチャ回で書き終わってました。しかも継ぎ足しながら書いている為にくどい表現が多々あったかと……読み直して修正するべきと感じたら出来る限りで修正していきます……
次回はちゃんとした戦闘シーンと、取り敢えずアレクシア王女誘拐編を終わらせる予定です。まぁ書いている内に2話分になりそうですが……
取り敢えず本日はここまでとします。また次回も見て下さると幸いです。