陰の復讐者となりて   作:橆諳髃

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皆様おはようございます!こんにちは!こんばんは‼︎ 橆諳髃です‼︎

今回もお越し頂き誠にありがとうございます‼︎

さて今回はですね……えぇ、またサブタイトルでネタバレしちゃってますね……

原作本来のシドさんとアレクシアさんの絡みが見たかった方には申し訳ないですが、今回はアルジさんとアレクシアさんの絡みをご覧下さい!

それではどうぞ‼︎


24話 復讐者、友人と混浴してしまう…… R-15

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昨日アルファにお仕置きという名目で、俺が借りた部屋で一緒に泊まった。

 

(その夜何があったかだって? そんなの……想像に任せるとしか言いようが無いな)

 

 あぁ、あれはまた想像以上だったよ……確かにアルファとはこの前も一緒に過ごしたが……あれ以上だったという表現しかここでは言い表せない。

 

 今はというと……俺は小鳥の囀り(さえずり)で目を覚ましたところで、朝日がカーテンの向こう側から差し込んでいたんだ。

 

 それでアルファは……目が合った。

 

「ふふっ♡おはようアルジ。昨日もとても気持ち良かったわね♡」

 

 綺麗ながらもどことなく妖艶な笑みを浮かべたアルファが俺を抱き締め、頭を優しく撫でながら言ってくる。

 

(正直俺の精神年齢はアルファの何百何千倍の筈なんだが……正確な年なんてもう覚えてないけど……)

 

「ふふっ♡アルジったらバカな子ね♡この関係に精神年齢なんて関係ないわ。そこにあるものは……」

 

 アルファの顔が俺の顔に近付いてきて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私が貴方の事を心の底から……誰よりも愛しているって事♡それ以外の不粋なものなんてここではいらないでしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう言いながらアルファが俺の唇にキスを1つおとす。一瞬だったけれど、それが甘美で……その後見せたアルファの笑みが朝日に照らされてとても綺麗に見えたんだ。

 

(にしたってまたナチュラルに心を読まれたな……まぁそれも諦めているけどさ)

 

「ふふっ……」

 

 さっき心の中で思った事をまた読んだとでもいう様に笑ってきて、再び俺の頭を撫で始める。なんか手玉に取られているという感覚は正直あるけど……俺の事を愛してくれる彼女がご満悦であるのなら別に良いかって感じた。

 

 とまぁこの様に既に愛する人の尻に敷かれている本作の主人公がいた。

 

「あら? どこかの愚か者がアルジの事を馬鹿にした様ね……これは制裁が必要だわ」

 

「ん? 何か言った?」

 

「いぃえなんでも。さぁ、起きるのには少し早いから……もう少し……ね♡」

 

「全く……まぁでもアルファが俺にそう望んでくれるのなら、俺も全力で応えさせてもらうさ」

 

「ふふっ♡じゃあ……んっ♡」

 

 それから少しの間、アルジさんとアルファさんはイチャイチャしていたといいます……。そしてアルジさんを小馬鹿にした様な発言をしてしまった語り部さんはアルファさんにめっぽうキツいお仕置きを受けたと聞きました……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、私は準備があるから先に行くわね」

 

「あぁ。女神の試練とやらも明日だし、今日は前夜祭みたいなものだからな。それで怪しいのはここの教会だったか……」

 

「えぇ。でも昨日忍び込んだら……教会の大司教が殺されていたのよ。誰が殺したのかまでは分からないけど、恐らくは……」

 

「成程……『ディアボロス教団』の連中が邪魔になったからっていう理由でやったのか」

 

「そのようね。それで1番怪しいのは……そこの大司教の次に地位のある人間……司祭でネルソンという人物よ」

 

「はぁ……全く、いつのどの時代に行っても教会の連中ときたら……」

 

「中には敬虔な人もいるでしょうけど、上の立場につく者の殆どが陰で悪どい事をやっているのが殆どのパターンね」

 

「まっ、昔から分かってたことさ。あぁいう悪どい事をする奴らは……自分達が同じ目に合わないと気付かない。いや、されたとしてもまた同じ事するからな……そんな奴らはさっさとこの世界から退場させるに限る

 

「ふふっ♡貴方のその獰猛な目……そんな貴方も良いわ♡」

 

 俺の頬を愛おしそうに撫でながらそう言ってくる。

 

「あっ、そういえば帰ってから渡そうと思ってたんだが、良い機会だしこれを渡しとくよ」

 

 俺はアルファに昨日お土産屋さんで買った魔除けのアクセサリー、それとおまけで貰ったオリヴィエの妹だか妻だとかのアクセサリーも一緒に渡した。

 

「これは……」

 

「あぁ。話を聞く限りだと、この地でオリヴィエがディアボロスの右腕を斬り飛ばして撃退した伝説があって、それが後世に縁起が良い物として伝わったのか魔除けとしてこういったアクセサリーを作ったんだとさ。まぁ千年前の事なんて歪んで伝わっている事もあるし……多分『ディアボロス教団』も噛んでるんだろうな。それとそっちはオリヴィエの妹若しくは妻だった人物を模した物って聞いた。にしても今気付いたが……どことなくアルファに面影が似ているな」

 

「っ⁉︎ そ、そうね。でも世の中には自分と同じ様な顔が3人いるというし、千年も経てば同じ様な顔をした人なんて複数いてもおかしくないんじゃないかしら?」

 

「確かに言われてみればな……(でも最初少し動揺したた気がするな)」

 

 多分アルファの出自に関係があるのかもしれない。でも彼女に無理に話を聞く事でも無いから、その時が来ればアルファから話してくれるだろう。

 

「それで、他の『七陰』で来ているのは……」

 

「ベータとデルタ、イプシロンに『ナンバーズ』の『カイ』と『オメガ』、後は諜報担当数人ね」

 

「なるほど。少数精鋭という訳か」

 

「えぇ。それと昨日ベータと会ったことは彼女から聞いているわ。その時にローズさんと一緒にいる事も聞いたの」

 

「あぁ……それで昨日俺が宿の部屋を借りた時からいたのか……」

 

「それもそうだけど、元々貴方の下に行くつもりだったから……どのみち貴方が他の女性と一緒にいた事はバレてるわね」

 

「……すみません」

 

「ふふっ、貴方が優しい事は知ってるもの。意図しなくても向こうからアルジの方に来る事もね。でも女性関係に節操がない事はダメなんだから」

 

「うっ……仰る通りです……」

 

「ふふふ……♡いじめ過ぎちゃったかしら。ごめんなさいね♡」

 

 そう言いながらアルファは俺を抱き締めて頭も撫でてくる。抱き締める時はいつも俺の頭を自分の胸に抱き寄せる様にして、アルファの胸の柔らかさと温かさ、それと胸の鼓動がとても心地良い。またその時には既にスライムスーツに身を包んでいて、意図せず触れた箇所は彼女の肌と同じくらいスベスベしていた。

 

(あぁ……恥ずかしい事に変わりないけど凄く落ち着く……)

 

「あらあらアルジったら♡本当に可愛いわね♡」

 

「まぁ……こうされていて恥ずかしい事に変わりないけど……アルファにこうされていると凄く落ち着くから……」

 

「もぅ、不意にそんな事を言って……また貴方の事を可愛がりたくなってしまったじゃない♡」

 

「いや、でも今から準備に行くんだろ?」

 

「えぇ。だから今回の事が終わったら……ね♡」

 

「あ、あぁ……まぁ良いけど(あれっ? 俺何か忘れている様な……)」

 

「約束よ? それじゃあそろそろ行くけど……その前に」

 

 俺を一旦離したと思ったら、今度は瞳を閉じて唇を少し突き出してくる。

 

(……あっ、ま、まさかあれをやれと?)

 

 確かに前世でもドラマとか小説とかでよく見たシチュエーションではあるが……まさか俺がやる事になるとは……

 

(って、今更だよな……)

 

 こういった事をするのは今だに恥ずかしさを覚えるが、それはアルファも同じ事だろう。顔には出していないだけで、内心はドキドキとしてて鼓動が速くなってる。

 

 なら男の俺が後ずさる訳にはいかないだろ? そう思いながら俺は彼女の唇に自分の唇を落とした。

 

「んっ……♡はぁ……ありがとう。これで私はもっともっと貴方の役に立てるわ」

 

「そう言ってくれるのは嬉しいけど、無理はするなよ?」

 

「ふふっ、そっくりそのまま返すわ。じゃあ、行くわね」

 

 そう言ってアルファは借りた部屋の窓から一瞬の内に出て行った。まぉ常人では捉えられないだろうな。

 

「さて……俺は俺で朝の露天風呂とやらを満喫するか(にしたって……まさか兄さんもこっちに来ていたとはな)」

 

 魔力感知で昨日から兄さんがこの宿に泊まっている事は知っていた。まぁ兄さんもアルファから手紙を貰って来たんだと思うが……

 

(いや……それもあるけどそれは渡りに船の様な感じがするな)

 

 まぁ憶測だが、俺が姉さんとローズ先輩どっちと一緒に行くかになった日……先輩にタッチの差で負けてしまった姉さんは俺ではなく兄さんを誘ったんだろう。だがそれを察知した兄さんは面倒臭いからという理由でやり過ごして、そこに丁度アルファからの手紙が来てたから避難という名目でこっちに来たんだろうな。後はいつもの陰の実力者ムーブっていう中二病だな。

 

(それで丁度兄さんは……露天風呂か……少し時間をずらし……ん?)

 

 そこで俺はもう1人感知した。それはアレクシアさんの物で……

 

(あぁ……女神の試練の来賓としてか。確か『紅の騎士団』に入っていると聞いているし、来賓として招かれたのもそうだが、そっち関係でも来たって事か)

 

 取り敢えず兄さんとは鉢合わせない様にするか。会ったら会ったで面倒だし……俺も偶には羽を伸ばしたいからな……

 

 最初はそう思ったんだが……どうやら俺はここでも事件に巻き込まれる運命(さだめ)の様だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あああアルジくんっ⁉︎ どうしてここに⁉︎」

 

 その1つ目が今だ。兄さんが出たのを見計らって、ばったり鉢合わせしない様にそこも気を付けながら露天風呂に向かっていたんだ。

 

(だが兄さんが露天風呂を出た瞬間にアレクシアさんの魔力が何故か感知出来なくなったんだよな……)

 

 誘拐された時はそんな事は無かったはずだし、学園が襲撃される前だって一度もこんな事は起こらなかった筈だ。なのに何故こんな現象が起きるのか……?

 

(まぁ考えても仕方ねぇな……)

 

 そんな考えは遠くの彼方に追いやって、羽を伸ばすべく露天風呂に入ったんだ。湯船に浸かる前にしっかりと身体を洗って清潔な状態にし、それで湯船に浸かった。

 

「ハァ〜……(凄い……これは想像以上に良い……‼︎)」

 

 そう感じながら身体を風呂の淵に預けて一息つく。最初は瞳を閉じて湯船の温もりや鳥の囀りを感じる。そこから閉じていた瞳を開いて、目の前に広がる光景を眺めた。露天風呂を売りにしている事だけあって、目の前に広がる、まるで庭園を模した様な作りは疲れた心に癒しを与えてくれる。まぁアルファとの一夜も癒しだが……

 

 そこでふと俺は視線を感じた……それも右側の結構近い距離から……

 

(俺以外で誰かいたのか……全く最近の魔力感知はどうしたっていうんだ……)

 

 兄さんは普通に捉える事ができたし……魔力がごく僅かな人でも感知できるはずなんだが……

 

(でもアルファや姉さんは最近感知しにくくなったし、ローズ先輩は昨日の事がある。そういえばガンマもあの日以降感知しにくくなった様な……)

 

 そう思いながら右に顔を向けると……

 

「……あっ」

 

「あ、あああああ……」

 

 そこには顔を赤くしたアレクシアさんが俺の方を驚きの表情で凝視していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あああアルジくんっ⁉︎ どうしてここに⁉︎」

 

 という事で最初に戻るが……確かに兄さんと結構近い距離にいたとは思ったが……まさか混浴をしていたとは……

 

「(って……この状況は非常に不味いっ‼︎)ご、ごごごごめんっ‼︎ まさか入ってるなんて思ってなくて……さ、先出るかr「待って‼︎」……アレクシアさん?」

 

「ごめんなさい……私が取り乱しちゃって……」

 

「(えっ……えっ? いや何言ってんの?)いや、それが普通の反応だろ? それに確認してなかった俺が悪いんだし、アレクシアさんが謝る事じゃあないだろ?」

 

「うぅん。貴方にはお世話になってるし、それにこれくらいの事で動じたら王女としてまだまだだもの。それと……そっちに寄っても良いかしら?」

 

(……はっ? 今何を言ったんだ? そっちに寄る? どういう「じゃあ隣……し、失礼するわね」はぁっ⁉︎ 何をやって……っ⁉︎)

 

 少しの間思考がまとまらない中、アレクシアさんが俺の方へと寄ってくる。身体には大きめのタオルで大切な所は隠してあるものの、それでもアレクシアさんのも……いや皆まで言うまい……。とにかく俺の右隣に寄ってきた。

 

「ねぇ……学園が襲撃された時にアルジくんが重傷を負ったって聞いたけど……その、大丈夫だった?」

 

「ん? あ、あぁ……斬られた時は確かに痛かったけど……でも診てくれた先生が良かったから一命を取り留めて、それに傷跡もなく綺麗な状態で回復したんだ」

 

「そうだったんだ……その、どこを斬られたの?」

 

「丁度左肩から右脇腹にかけて……ここら辺からここら辺までバサっとな」

 

 俺が右手で斬られた箇所をなぞる様にすると、アレクシアさんが身体を前に乗り出す様にしてきて……

 

「……ホント、確かに斬られたなんて思わないわね」

 

(っ⁉︎ な、なななななぁーっ⁉︎)

 

 そこで予想外のことが起こる……それはアレクシアさんが俺の斬られた箇所を指でなぞってきたからだ。というかこんな事誰が想像するだろうか……

 

(って……み、右腕にあ、あの感触が……っ⁉︎)

 

 彼女は今俺の斬られたところをなぞっていて、アレクシアさんは自分のアレが俺の右腕に触れている事に気付いてない……というかなんで気付かないっ⁉︎

 

(それより俺はどうすれば良いんだよ……)

 

 無言でアレクシアさんから離れてしまうのは……なんだか彼女に申し訳ないし、ここはやはり声をかけてやめさせるべきだろう。あぁ、それが良い。

 

「なぁアレクシアさん、そろそろ「アルジくん」な、なに?」

 

「アルジくんが誰かの為を思っていつも行動しているのは……とても良い事だと思う。でも、それで自分が死んだら元も子もないでしょ? だから……もっと自分の事を大事にした方が良いと思う」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ん? こんな台詞……最近にも言われたな……)

 

 こういった台詞を言われるのは……心当たりが多過ぎるな。特に一夜を共にした2人……アルファとガンマから……

 

「それで……ね……ここ最近貴方が結構疲れている様だから……わ、私も何か力になりたいなって思って。その……今日の午後とか空いてるかしら?」

 

「えっ? なんでそんな事を?」

 

「さ、さっきも言ったと思うけど……アルジくんにはお世話になってるし……私も何か返したいの! 午前中は『紅の騎士団』での仕事があるから無理で……本当は今日1日貴方と一緒にいたいところだけど……」

 

「いや、お世話になってるお礼と言われてもだな……(というか何で俺と1日一緒にいたいんだ?)」

 

「その……午後は何か別の用事入ってたりした? それだったら……その、無理矢理誘ってごめんなさい……」

 

 アレクシアさんは誰が見ても分かるくらいにシュンとした表情になっていた。別に俺が何か悪い事をした訳ではない筈なんだが……

 

「(あぁ〜まったくなぁ〜……仕方ない。いつまでも女の子にそんな顔させちゃあいけねぇよな?)あぁ……まぁ午後は何も予定が無かったからその辺りの露店とか通りを見て観光しようかな〜って「本当っ⁉︎」うぉっ⁉︎ あ、あぁ」

 

「なら……午後私と付き合ってくれる?」

 

「あ、あぁ……はい……」

 

「っ‼︎ ありがとうアルジくんっ‼︎ なら私の用事が終わるのが大体お昼の3時くらいで終わるの。だからその時間に中央の通りに噴水広場があったから、そこで待ち合わせしましょ! もしかしたらこっちの都合で遅れるかもしれないけど……」

 

「まぁ待つことぐらい慣れてるから、それよりも仕事の方をしっかりした方が良いと俺は思う」

 

「そ、そう? でも私はこれでも優秀な方なんだから! 仕事も完璧にこなしてみせるわ‼︎」

 

「そうか。まぁアレクシアさんの事だ。そこまで不安には思って……いや、忠告をした方が良いかもしれない」

 

「えっ? どうしたの?」

 

「実はこれは俺のとある知り合いから聞いた話なんだが……ここの教会、表向きは良い事をしてるって話だが……裏では非人道的な事をしていると聞いた。だから気を付けて欲しい」

 

「アルジくん……どこでそれを聞いたのかは分からないけど、でもありがとう。肝に銘じておくわね。じゃあ私、そろそろ上がるから」

 

 そう言ってアレクシアさんは先に露天風呂を出た。俺は彼女の裸を見ないように前の景色を見て、彼女が立ち去るのを待つ。その時……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パシンッ‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(はっ? さっきの音は何だ?)

 

 そう思ったと同時にもう一回その音が聞こえて、それが鳴り響いた後に露天風呂の扉を開けた音がして、すぐに扉が閉まる音がした。という事はアレクシアさんがこの場から去ったという事で……

 

(にしてもさっきのパシンッて音は……タオルを何か柔らかい物、それこそ肌に勢い良くぶつけた様な……)

 

 そう言えば実家にいた頃、兄さんが風呂上がりにタオルで自分の身体にさっきの音みたくパシンッて勢いよく当ててた様な……それもタオルを平たい状態にし、股を経由して背中に勢い良く……

 

(ん? という事はさっきの音……それをアレクシアさんがやったのかっ⁉︎)

 

 ……何だろう、これは想像してはいけない気がする。だが俺がくる前に兄さんとアレクシアさんは同じ露天風呂の位置にいたんだ。

 

(ならばそこでいつもの様な世間話からの兄さんが去り際にその行動を取って、それをアレクシアさんも目撃して、あぁ、お風呂上がりはこういう事をするのが最近の流行なのね。と勘違いしててもおかしくない‼︎)

 

 本当にあの兄さんときたら……普段から適当な事ばかりしやがって‼︎ それにアレクシアさんにも余計な勘違い植え付けて……

 

(はぁ〜……これは1回兄さんを本気でシメた方が良いんだろうな〜……まぁシメたとしても1回じゃあ分からないだろうし、その都度何回もやって分からせるかぁ〜……)

 

 兄さんに対しての処遇的な物を勝手に決めた俺は、再度露天風呂を満喫して日頃の疲れを取って行った。まぁ……精神的疲れは少し残ってしまった状態だったが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side アレクシア

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私はアルジくんと別れてリンドブルムの教会に来ていたわ。表向きは良いという評判があっても、騎士団の方にはそれなりに後ろ暗い情報とかも回ってきたりする。王国の安寧を維持する為には、そういった細かい情報であっても調べる。それで何もなければそれで良いけれど、少しでもそういった悪事を見逃してしまえば後々大惨事になってしまうかもしれない。責任重大ではあるけど、私に任された仕事なんだからしっかりとやらないとね!

 

(それにアルジくんとはこの後会う事になっているし、それまでに早急に終わらせてみせるわっ‼︎)

 

 と、心の中で意気込むアレクシア。しかし現実は……

 

「はぁっ⁉︎ 大司教が何者かに殺害されたですって⁉︎」

 

 私達が当初怪しいと踏んで調査対象になっていた大司教が昨夜に殺されてしまったの。だから今回の事で代わりに受け答えしているのが次に偉い司祭でネルソンっていう頭の天辺が禿げたおじいちゃんなんだけど……

 

(コイツ……狸ジジイだわ……)

 

 こちらが何をいっても教会内を調べさせてくれないし、大司教が死んだばかりだというのに気色悪い笑みを浮かべる。挙げ句の果てに明日の女神の試練で忙しいからという理由で締め出される始末……

 

(どうしたら良いのかしらね……)

 

「アレクシア様……一旦王都に連絡して応援を呼び、強制的にでも調べるべきだと思いますが」

 

「いえ、それだと時間がかかりすぎるわ。それに応援が早く到着したとしても、教会側も馬鹿ではないだろうし、そんな後ろめたい物も処分する筈よ」

 

「ぐっ……どうすれば……」

 

「ともかく……今は引くしかないわ。明日は女神の試練があるし、私も来賓として呼ばれているからその時に何か情報が得られるかもそれない。貴方達は明日もう1回教会の方に行ってちょうだい。あのネルソンって司祭が女神の試練を取り仕切るでしょうから、今日よりも調べやすい筈よ」

 

「分かりました」

 

「お任せ下さい、アレクシア様」

 

 そして私達は一度リンドブルムの支部まで行って報告書などの作成をし、それがひと段落してからアルジくんとの約束の為に中央広場の噴水に向かったわ。その時には3時集合よりも30分遅くなってしまったのだけど……

 

(アルジくん……退屈していないかしら……)

 

 それで噴水広場に到着したら、そこには噴水の淵に腰掛けて本を読んでいるアルジくんがいたわ。

 

「ごめんなさいっ! 遅くなってしまって……」

 

「良いさ。そっちもそっちで仕事の方は大変なんだし、俺は観光という名目で来ているから、ここでの時間ならばまだまだあるからあまり気にしなくても大丈夫だよ」

 

 そう言って彼はニコッと私に笑いかけてくる。

 

(あぁ……いつもそんな顔をしてくれる)

 

 私が最初の頃に悪態をつきまくってた頃もそうだったし……私が攫われて助けに来てくれた時も、剣術の稽古をつけてくれた時も、そして今も……

 

(もぅ……なんだか最近アルジくんの事を考えてばかりよね……)

 

 でもそれが不快に感じる事なんてなくて、逆に高揚感を覚えるというか……彼の為に私にできる事はないかって考えたりしてて。

 

(それにしても今日のアルジくん……いつもよりも大人びて見えるわ)

 

 いつもが学生服のイメージしかないからそう思ったのかもしれないわ。まぁ彼って他の人達よりも飛び抜けて大人びているし、だからキッチリした格好も似合っているって個人的には思ってる。

 

 そして今日はカジュアルなスタイルの彼がいたわ。上は黒い薄手のジャケットでその下に白いシャツ。下は赤を少し濁らせた様な色合いのパンツスタイルだったわ。それで首には木で作られた様な丸いアクセサリーを綺麗な紐でかけられていたの。

 

「そういえばアレクシアさんの私服姿って初めて見たけど……綺麗に纏っているよな。アレクシアさんに合ってると思う」

 

「っ⁉︎ そ、そう……かしら///」

 

「ん? どうしたんだアレクシアさん。急に顔が赤くなったが……ま、まさか疲れが出たとかか⁉︎ それなら今日はゆっくり休んだ方が」

 

「い、いぃえ別にぃ⁉︎ つ、疲れてなんか無いわよ⁉︎ ただ急いできたから少し暑かっただけで……」

 

「そ、そうか……なら待っててくれ。熱を冷まさせる」

 

「えっ? それって」

 

 どうやってと問おうとした瞬間、アルジくんが私の頭に触れない位置に手を翳してくれたの。そこから冷たい風が流れてきて、私の身体を包んでくれる。実際に急いできたから暑かったのは確かだけど、アルジくんがそうしてくれたおかげで私の身体の余分な熱が取れたの。

 

(でもどうやったらこんな芸当が出来るのかしら……)

 

 魔力操作は、魔剣士であれば誰であっても出来て当然のものよ。それが上手い下手関係なく……まぁ魔剣士になる人達は大抵が上手いんだけど……

 

(でもいまやった様に、何も物質を介さずに魔力操作をしてあまつさえ放出できるなんて……)

 

 しかもただの魔力を垂れ流すという訳ではなくて、それを冷気に変えて放出していたわ。そんな人なんて聞いた事がないし、出来たとしてもかなり魔力を消費する筈……

 

(なのにアルジくんはそれを何でもないというみたいに使ってる……私も剣術だけじゃなくて魔力操作の仕方も一から教わったほうが良さそうね)

 

「アレクシアさん? どうかした?」

 

「えっ? あ、あぁ……アルジくんって相変わらず凄いなって思って……魔力操作で何も介さずに、しかもちゃんとした冷気に置き換えてやってるんだもの。私もそういった類を習った方が色々と便利だなって思って……」

 

「あぁ、そういう事か。でもこれはコツさえ掴めば誰でもできるよ。この前の治療と同じ様な具合でさ」

 

「そ、そうなんだ……なら……私もその魔力操作の仕方を教えて欲しいなって」

 

「……ごめんけど今はダメだよ」

 

「えっ? ど、どうして?」

 

「だって今のアレクシアさんは剣術の基礎から少しの応用を習っている段階なんだ。その時にも魔力操作は当然してもらってると思うけど、それを疎かにしている状態で急にそんな事をしてしまったら大事故に繋がるかもしれないんだ。だから今は剣術の範囲内で我慢して欲しい……」

 

 アルジくん……ちゃんと私の今の状態も考えて言ってくれるんだ……

 

(こんな事……言われた事なかったな……)

 

 幼少の頃から姉と比較されて、それをなんとか払拭したくて無理もした事もある。

 

 でもアルジくんは……私個人として見て、それで考えていってくれる……

 

(こんなの……嬉しいに決まってる……。だって……こんなにも見てくれる人なんて……お姉様以外でいなかったもの……)

 

 だからだと思う……彼の事をよく考える様になったのは。そして……彼の事を考えている時が楽しいと感じて、こうして彼と何気ないやり取りをしているのが嬉しくて……正直ずっと彼の隣にいたいなと思った。

 

「……ありがとうアルジくん」

 

「えっ? なんでお礼を?」

 

「だって、私の事をそんなにしっかり考えてくれてるんだもの。それが何だか嬉しくて……で、でもいつか! いつか私の剣術が今よりももっと上手くなった時は……改めて教えてくれる?」

 

 その言葉を言うだけで、私の心臓は鼓動を早める。ただ頼み事をしているのに、それが告白をしている様で……

 

(あっ……そっか……私、アルジくんの事をいつの間にか……)

 

「ん〜……分かった。今よりもアレクシアさんの剣術が上達して、俺が良いと思った時には、精密な魔力操作の仕方を教えるから」

 

 そう言ってくれたアルジくんの顔が……いつもの様な笑みを浮かべてはいるんだけど、何だかとても綺麗に見えてしまった。

 

「本当っ⁉︎ ありがとう! アルジくんっ‼︎」

 

 そして私はあまりにもその返事が嬉しくて彼に抱き着いてしまったわ。それこそ告白をOKしてもらった時みたいに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(えっ? えぇっ⁉︎ 俺は今何で抱き付かれているの⁉︎)

 

 俺は今自分がやられている事に驚きと疑問が交互に思い浮かんでいる状態で、正常な動作が出来ないでいた。

 

(だって最初あんなにも俺の事を毛嫌いしていたアレクシアさんだぞっ⁉︎ 今はその関係も改善されて仲の良い友人関係くらいになったと思ってるんだが……)

 

 でもこれは何だか違うと感じる。異性の友人でこんなにも容易く抱き付いてくるなんて……

 

(あれ? でもこの感覚をここ数日間感じてた様な……)

 

 そう……なんだかローズ先輩と同じ感じがするんだよな……。でも結局その正体が何なのかが分からない……

 

「アルジくん? どうかしたの?」

 

 アレクシアさんが抱き付きながら俺に言ってくる。身長の関係で彼女が俺を見上げる様な姿勢となる。

 

(な、なんか恥ずかしいなこれ……)

 

 アルファやガンマと一夜を共に過ごしたというのに……未だにこの不意打ちとかこういった類の物には慣れない……最近だと女神様が面白おかしく見る為にわざと俺にこんなステータスっぽいものつけたんじゃ……と思ったりする。

 

「あらアルジくん、少し顔が赤いわよ? もしかして待たせすぎちゃったから体調壊したのっ⁉︎」

 

「い、いやいやっ⁉︎ たかだか少し待った程度で俺は体調が悪くなる事なんてないが?」

 

「でも実際に顔が赤いわよ⁉︎ 少しおでこを出して! 手で測るから‼︎」

 

 俺が拒否する暇もなくアレクシアさんは俺のおでこに掌を当ててくる。

 

(あっ……なんかこうされるのも気持ちが良い様な……)

 

「ん〜……熱はあんまり無いみたいだし……じゃあどうして顔が赤く……っ⁉︎」

 

 そこでアレクシアさんがある事に思い至ったのか顔を赤くする。そして見上げていた顔を俺の胸元を向く様に俯かせて……

 

「も、もしかして……アルジくんもこうされてドキドキとか……してる?」

 

 再び顔を上げているものの、目線は違う所を向いていて……

 

「ま、まぁ……不意打ち気味にこうされたら……な」

 

 俺もぶっきらぼう気味にそう答える。すると彼女はよそに向けていた視線をこちらの目を見る様に向けてきて……

 

「そっか……そうなんだ……アルジくんも、年相応にそう思うのね」

 

「年相応って……俺の事を何だと思ってるんだよ? どこぞの聖人君主って訳じゃあ無いし……基本的に俺は普通の人間なんだが?」

 

「剣術とか魔力量から見ても貴方は普通の人間なんかじゃあ無いわよ‼︎ でも……貴方にも意外と可愛い面があるんだなって思って」

 

「か、かわっ……っ⁉︎」

 

「ふふっ……そう、今の顔の様なね♪でも……私ももっともっとアルジくんの色んな表情を見て見たいわ。いつも浮かべている様な笑み以外で、怒ったり悩んだり悲しんだり……色んな表情を」

 

「えっ? それって……」

 

「さて、ここに突っ立ってばかりだと日が暮れちゃうから、そろそろ行きましょう?」

 

「あ、あぁ……」

 

 アレクシアさんの抱き付きから解放されて、今度は彼女の方から手を差し出してきた。多分手を繋ごうって意味なんだろうが……

 

(いや……これは明らかにマズイだろっ⁉︎)

 

 だって今アルファ達は教団側の事を調べて潜伏してる所なんだよ? そんな時に俺がアレクシアさんと手を繋いでいる所を見られでもしてみろ……昨日と同じ状況になりかねないだろっ⁉︎ ただでさえアルファから釘を刺されたばかりだというのに……。というか抱き付かれた場面を見られて時点で普通に終わってると思う……

 

(でもこんなに嬉しそうに笑うアレクシアさんの気遣いとか色々と無碍にするのは……嫌だな。……よしっ)

 

 俺は心の中で決心した。例え見られたとしても堂々としよう。それでアルファや他の『七陰』から追及されたらその時はその時でなんなりと罰を受けよう。

 

 そうして決心したアルジさんは、アレクシアさんの差し出す手を握って街中を巡っていったといいます……。そしてそのところはしっかりとアルジさんを監視していた『シャドウガーデン』の子達にバッチリと見られ、それをアルファや他の『七陰』に連絡が行き渡りました。これによりアルジさんのお仕置きは確定したといいます……

 

 

 

 

 

 

 

 

————おまけ————

 

 

 

 

 

 

 

 いや〜やはり我らが主人声のアルジはヘタレですなぁ〜。まぁそのおかげで私も上手い事を言える訳だけどねぇ!

 

「ちょっと良いかしら?」

 

 ん? おやこれはこれはアルファ様ではございませんか! こんな一介の語り部の私に何用でございましょう?

 

「あなた……私のアルジの事を馬鹿にしたわよね?」

 

 へっ? 馬鹿に? はてさて何の事やr「因みにこれが証拠よ」えっ……

 

 そこにはアルジさんの事を馬鹿にした瞬間の語り部さんの様子が記録されていました……

 

 い、いえいえっ⁉︎ あの私ですねっ⁉︎ 決してその様な意図で言ったつもりではっ⁉︎

 

「いぃえ、許せないわ。問答無用よ……覚悟しなさい」

 

 いやっ⁉︎ ちょっ⁉︎ ご勘弁をっ⁉︎ ギャァァァァッッッッ……

 

 アルジさんを馬鹿にしてしまった語り部さんは次回の回に出られない程の重傷を負いました……

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さて書き終わりました!

今回は作中通りシドさんとアレクシアさんは混浴していますが、ちゃっかり我らが主人公のアルジさんもアレクシアさんと混浴しましたね……これはアルファや他の『七陰』達からもお仕置きは確定だと思いますっ‼︎

まぁその内容をこちらで載せるのかそれともR-18版の方に載せるのかはまた決めようと思います。

さて、次回は少し観光した後に女神の試練前編に渡り書いていく予定です!今回も早めに書き上がる予定ですので、それまで皆様お待ちいただきます様お願い致します‼︎
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