陰の復讐者となりて   作:橆諳髃

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凡そ1ヶ月ぶりの投稿となります。

さてサブタイトルのR-15の指定についてですが、今回は念の為につけた物でありますので過激要素はそこまでないと私自身感じております。あっ、途中でたしかそんな描写をした様な……なら付けてても問題ないですね、うん!

何はともあれご覧頂きましたら嬉しく思います!


31話 復讐者の後日談3 R-15

 

 

 

 

 

 

 ネルソンってハゲが管理していた施設を波紋で全て消失させた。正直波紋にはそれ程の力はない。ただ俺の場合は少し特殊で、呼吸を強めていく事で普通の人にも攻撃として浸透したり、無機物をも木っ端微塵レベルにまで破壊する事が可能だと、波紋を教わった世界で知った。まぁそれを教えてくれた人は物凄く驚いていたが……

 

 それで施設も無くなったから、自動的にあの空間から締め出しを喰らってリンドブルムの地に戻ってきたのが今の状況だ。

 

 それで今俺は森の中にいて、木に背を預けて座っている。何でかと言われれば少し休憩しているだけっていう話でもあるんだが……

 

「すぅ……」

 

 俺の膝を枕にしてアウロラが眠っている。気付いたらアウロラが俺の隣で地べたにうつ伏せで眠ってたから、それだと身体を痛めるだろうなと思って俺が膝枕してあげている状態だ。

 

「んっ……んぅ……えっ……アルジ?」

 

「おはようアウロラ。よく眠れたか?」

 

「え、えぇ……久々に快眠だったと思うわ……って、ここは?」

 

「あぁ、ここはリンドブルムにあるどっかの森の中だよ。気が付いたらここに飛ばされてて、アウロラがうつ伏せで寝てたからこうやって膝枕してるところだな」

 

「そ、そう……っ‼︎/// ひ、膝枕っ⁉︎」

 

「あぁ、なんかこうしたらすごく気持ちよさそうな顔して寝てたから、起こすのも悪いと思って」

 

「そ、そそそそうなの……何だか申し訳ない事しちゃった様な……」

 

「何をいうかと思ったら……この千年あんな退屈なところにいたんだから、別にこれぐらいちょっとしたご褒美だろ? まぁ年数考えたらご褒美のうちにも入らないかもしれないが……」

 

 正直この体勢は俺も照れ臭く感じる……さっきまでアウロラが眠っていたからそこまで感じなかったが、いざ起きている状態で意思疎通していると……段々と恥ずかしくなってきた。

 

(そういえば誰かに膝枕したのってアウロラが初めてじゃあないか?)

 

 今まで俺はされる側だったし、そう考えたら新鮮な気がする……か?

 

「ご、ご褒美……そぅ、ふぅ〜ん……」

 

「えっ? 俺ってなんかおかしな事言ったか?」

 

「いぃえ、別にそういう事では無いわ。ただご褒美だというのなら……別の物が良いなって思って」

 

「別の物?」

 

「えぇ。例えば……」

 

 アウロラが上体を起こしながら俺の耳元に顔を近付けてきて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方の事を本当の弟にしちゃう……とかかしらね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はっ? お、俺をアウロラの弟に?」

 

「えぇ。言っておくけど、これでも結構本気で言っているのよ?」

 

 と言われたんだが……

 

「まぁでも……それも叶わないかな」

 

 さっきの表情とは裏腹に、笑ってはいるがどこか悲しそうな表情を見せるアウロラは……どんどん身体が透けていく。

 

「ふふっ、分かっていた事よ。あの施設を維持していた核を破壊した時点で、私はこの身体を保てないって」

 

 俺の頭をまるで本当の姉さんがやる様に優しく撫でて来る。多分この世界からいなくなってしまう事が名残惜しいからだとも思うが、彼女が生きた時代は今から千年前……帰りを待っている人も当然いない。だからこそ、奇跡的に俺みたいな人と会えた事を最後まで実感していたいのだと勝手ながら俺は思う。

 

「……アウロラはそれで満足か?」

 

「う〜ん……いぃえ。欲を言えばもっと身近で貴方の事を見ていたいと思ったわ。だって私以上に戦える人なんて、あの時代ではオリヴィエしかいなかったし、それに貴方と一緒にいると自然と心が落ち着くのよ。だから本音はもっとこの時代を貴方と一緒に生きて行きたい……かしら」

 

「そうか」

 

「でも……さっきも言った様にあの施設と一緒に貴方は施設を維持していた核も壊した。だから私を構築していた魔力も結構限界なの」

 

「……もし、アウロラがこの時代をまた生きれる方法があるって言われたらどうする?」

 

「えっ? ま、まぁそれは……少しでも可能性があるならすがりたいけど……」

 

「分かった。なら俺に任せろ」

 

「えっ? ……っ⁉︎ そ、それって……」

 

「あぁ、残念ながら施設を維持してた核っぽい物はこの有様で起動しそうにないが、でもなんとかこの指だけは残った」

 

 俺が取り出したのは、俺と同じくらいの大きさの赤い指だった。これは施設の維持をしていた魔力核があった部屋に鎖で厳重に吊るされていた。俺が見た時は、大きな円柱の水槽の中に人ではありえない大きさをした何かの左腕が鎖で雁字搦めになっていたが、俺が波紋を流した事によりその左腕もこの指を残して消し飛んでしまった。

 

(アルファが言うには、あの腕がディアボロスの腕で、そこから抽出された成分で『ディアボロスの雫』が出来ると聞いていた。だからそれ程までに再生能力も強いという話だったが……)

 

 だが俺が取り出した指は再生をしようとしているものの上手くいってない様で、指の付け根が再生と崩壊を繰り返している様に見える。というか一種のホラーだなこれは……

 

(まぁこれでなんとかアウロラをこの世界に繋ぎ止める事が出来る)

 

 ディアボロスの正体がアウロラである事は何となくだが分かっていた。そして左腕があの施設にあったという事は、どこかに本体があるかもしれない。この施設の様にどっかの遺跡に封印されてたりな……

 

 そしてここからが本題だ。

 

「俺はこの指を使ってアウロラ……あなたをこの世界に繋ぎ止める事が可能だ。全盛期の実力まで元に戻す事は叶わないだろうが、それでもこの世界に止まりたいと願っているのなら……俺に任せて欲しい」

 

「……私が過去に何って呼ばれてたか知ってる?」

 

「勿論知ってる」

 

「危険人物なのよ? 私が全盛期でないとしても、今の世界を生きる人達では敵わない実力を持ってるのよ?」

 

「それも承知している。あの試練の時の手合わせが真の実力でない事も理解しているさ」

 

「でも……私を生かしてたら貴方に迷惑がかかるんじゃ……」

 

「ハンッ! そんなのは昔から慣れてる。それにアウロラが生きてて迷惑だなんて思っていないし、これからはそんな思いもさせるつもりはない。だから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺とこの世界を一緒に生きてみないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side アウロラ

 

 

 

 

 私は目の前のアルジの台詞が、最初は理解出来なかった。確かに最初はコロシアムの中で、ハッキリと覚えてはいないけどこの子と戦った。その時は全く違う姿はしていたけど、所々アルジだと感じる所作はあったからあの空間で会った時も直ぐに分かった。

 

 それで話をしていく内にアルジと話すのが楽しくて、揶揄って慌てているところも可愛いなって感じたの。まるで本当の姉弟の様に……それはもうあの子の側にいる事に落ち着きを感じた。

 

(でも彼が私の……本当の姿を知ったらどう思うかしら……)

 

 『災厄の魔女』というのが……人々に植え付けられた私のイメージだ。多分物語としても語られるでしょうけど……私は化物だった。自分からそう望んだわけでもないのに人に仇なす存在として……恐怖の対象にされた。

 

 その伝説上の物語は……多分アルジも知っていると思う。だから私はアルジに自分の過去を知られるのが怖かった。他の人なら別にどうでも良いって感じるけど……

 

(この子にだけは……嫌われたくない……)

 

 そう思っていたけどアルジはそんな事は関係ないとでもいう風に、それどころか真逆な事を言われたわ。俺とこの世界を一緒に生きてみないか、って……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だから私は……いつの間にか泣いていた。私がまだ小さな頃と同じ様に瞳から涙が出て……手で拭ってもまた瞳から涙が溢れてきて……それを見たアルジはとても心配そうにしてくれるけど、その様子も嬉しくて更に泣いちゃって……

 

(あぁ……涙が止まらない。でも……嫌な涙じゃない)

 

 それは多分……彼が私の側にいるからだと思う。彼の側は……とても安心出来る……

 

(そっか……私はアルジの事……)

 

 そう思ってしまった。多分彼は、困っている人は放っては置けない性格だから他にも私と同じ様な心境の人が多いと思う。いいえ、多分彼と付き合っている人もいるんだろうなって。

 

(でもこの気持ちは……気付いてしまったこの気持ちを諦めたくない。だから……)

 

 まだ涙が止まりそうにないからいつもよりぐちゃぐちゃな顔付きになっているかもしれないけど、それでも私は彼に顔を向けて言ったの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私を……私と一緒に……生きて欲しい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アウロラからの返答を受けて早速俺は持っていた指に魔力を流した。それで安定したのかその指は形を球体に変えて、スゥーっと消えかけてたアウロラの身体の中に入っていったんだ。

 

 それで消えかけていたアウロラの身体が赤色に光ると、まるで弾ける様に光は取り払われた。さっきまで消えかけていたのが嘘の様に、千年ぶりくらいになるだろうちゃんとした肉体を持ったアウロラが目の前にいて、なんとか彼女をこの世界に繋ぎ止める事に成功した……のは良かったんだが……

 

え"っ……なんで服着てないの……?

 

 さっきまではしっかりと服を着ていたのに……光が弾けたら何故かアウロラが纏っていた服が無くなっていた。それで俺はアウロラの身体を見てしまったんだ……。時間にしては1〜2秒程だったと思うが、予想外の事で思考がフリーズしてしまって結果的に見てしまったんだ。

 

 それを知覚してからは早くて、俺は身体ごとアウロラとは反対方向を向けた。

 

「あら? 身体ごと背けてどうしたの?」

 

「ふ、服っ! とにかく服を着てくれ!」

 

「ん? あぁ……そういう事ね」

 

 どうやら漸く彼女も理解した様だ。にしても声の様子から緊張が見られないのは何故だ?

 

「き、着替え終わったか?」

 

 拘束を解いた時も大体これくらいの時間で終わってたから、多分着替えただろうと思って聞いたんだが……

 

「えいっ!」

 

「っ⁉︎ ちょなにをっ⁉︎」

 

 その問いかけの代わりに俺の背中にアウロラが抱き付いてきた。

 

(というかこの感触は⁉︎)

 

「ふふっ♪どう? ビックリしたかしら?」

 

「ビックリもなにも……まだ服を着てないよな⁉︎ というかなんでその格好で抱き付いてくるんだよ⁉︎」

 

「なんでって……貴方の反応を見たいからに決まっているじゃない! ほらほらどう? 私の柔肌は♪」

 

 アウロラが俺の背中に2つの柔らかく、そして男性にとって理性を崩しにかかる凶暴な塊をこれでもかと押し付けてくる……いや本当になに考えてるんですかアンタは⁉︎

 

「と、年頃の女性がそんな事をするんじゃあない!」

 

「あら? これでも私千年は生きているのよ? 年頃もなにも無いと思うんだけど……それより中身がおばあちゃん以上の私の事を女の子扱いしてくれるのね? 私としてはとても嬉しいわ♪」

 

「お、女の子扱いするのは当然だろ? 確かにあの空間に千年いたからと言っても、アウロラの精神は今を生きる女性と同じくらいにしか見えないし……というかもうそろそろ離れて服を着てくれ‼︎」

 

「ふふっ、はいはい分かったわ。……ほら、着替えたからこっちを向いてちょうだい?」

 

「……にしては衣擦れの音1つしなかったと思うんだが?」

 

「あらバレちゃったわ? 振り向いた時に私の姿を見せてまた赤面させようとしたのに……」

 

「そんなイタズラはいらないから早く服を着てくれ‼︎」

 

 もぅ、しょうがないわね〜、と言いながら後ろでアウロラが服を着ている音が聞こえる。

 

(はぁ〜……全く、俺だって健全な男子である事を理解して欲しい……)

 

 にしても何故近くにいる奴は助けてくれないんだ……こっちに来ている事は事前にコトハさんからも通達されてたし、奴自身がオルバさん達の構える拠点からリンドブルムまでどれくらいの日数で到着できるかも兼ねてこちらに来たいと聞いている。

 

(まぁ俺が奴に別の名前を付けた時にオマケした物があったから、その性能をテストする名目だろうなぁ〜)

 

 当初それを使った時は僅か数秒で効果も解除されて大粒の汗を流しながら四つん這いの状態になっていたが……あれからどれだけ成長した事だろうか?

 

 と、そんな事を考えながらアウロラの方を振り向くと、いつもと同じ黒衣になっていた。

 

「それで、これからどうしようかしら?」

 

「そうだな……一先ず俺が知っている人の所に行ってもらおうと思ってる。それで後々になるかもだが、俺が属している所にも顔を合わせてもらって……後はアウロラが決めたら良いと思ってる」

 

「アルジが知ってる人? それって大丈夫なの?」

 

「あぁ。俺が『ディアボロス教団』を殲滅する事を知ってて、それで俺に力を貸してくれる人達だから安心して欲しい。……それで? いつまで様子見してるんだよ?」

 

 すると近くの木陰から1人の人物が出てきた。ソイツは全体的に紫色の装衣を纏っていて、白い手袋と膝下まである白いブーツを履く。胸の位置には貴族出身であるかの様なエンブレムが刺繍されていて、佇まいも見ただけで英才教育を受けたと思うぐらいの所作だ。

 

 そして1番の特徴は顔全体を覆うフルフェイスのマスクを着けており、完全に身バレ防止を徹底している格好だった。

 

「(まぁ俺はコイツの正体を知っているけど……)ずっと近くにいたのになんですぐに来ないんだよ、ディエール?」

 

 そう、目の前にいる者こそ数ヶ月前に俺が『ディアボロス教団』から引き抜いた存在で、アレクシア王女を誘拐した主犯格のゼノン・グリフィだ。

 

 あの時俺と戦って目が覚めたのか、兄さんにトドメを刺されそうになった時は潔く散るつもりだったと言っていた。だが結果として俺が奴に少しばかり与えていた魔力がトドメを刺される前に発動して、地下遺跡から外に転移した……とまぁ種明かしすればこんな感じで、この世界の魔力は少しばかりの工夫をするだけで何にでも形を変えてくれる。本当に便利だよこの世界の魔力は……

 

 それで後はオルバさんの預かりとなって、事件の数日後に俺と奴はオルバさん達が構えている拠点で再会した。その時にも最初会った頃の様なドロドロとした思惑は消え去り、ただ純粋に強くなりたいという意志をその瞳に感じた。

 

 それで表現の仕方としてはおかしいかもしれないが……『ディアボロス教団』から結果的に引き抜いた人材となる。それで元の名前を名乗るのは本人としても不味いと思うから別の名前をこれからは名乗る様に伝えた。

 

 そして付けた名前はディエール・ボードウィンだ。

 

「取り込み中だと思ったんだが……違ったのか?」

 

 真面目な風を装ってそう聞いてくるんだが……にしても取り込み中に見えた? 俺の困っている表情を見て……

 

「……絶対心の中で楽しんでたよな? そうだったら戻った時覚悟していて欲しいんだが?」

 

「っ⁉︎ ……すまない。君のそういった表情や仕草を学園生活では見た事が無かったからね。おふざけが過ぎた様だ」

 

「……言う事はそれだけだな?」

 

「……すまなかった」

 

「全く……謝るんなら最初からやるな。まぁ素直に謝ってくれた事だし、戻ったらさっき言ってた半分で済ませてあげよう」

 

「あぁ……判断を誤ってしまったか……」

 

 そう思うのならさっさと出てこいって話だ。それだけでこんな事にはならなかった筈なんだが……にしたってあれから数ヶ月しか経ってないのにキャラ変わってないか?

 

「まぁともかくとして、一時アウロラをオルバさんのグループに預けようと思うんだが」

 

「そうか。まぁオルバ殿もそこの女性を引き取る事に関しては文句は言わないだろう。何せアルジくんが決めた事だからな」

 

 そのやり取りをして、彼女の事をディエールに任せる。

 

「それで君はこれからどう動く?」

 

「あぁ、まずはリンドブルムの様子を見てみようと思う。立て続けに大司祭やハゲが亡くなるないし行方不明になったからな。教団側も何らかの動きをしてくるだろうと見越している」

 

「それは君達『シャドウガーデン』の構成員に任せた方が良いんじゃないか?」

 

「それもそうなんだが……彼女達は何かと働き過ぎだと思うし、俺も常日頃から彼女達の力になりたいと思っているからな」

 

「いや、働き過ぎなのは君の方なんだが? 俺が教団側にいた時は君の様な働き方をした奴は見た事ないんだが……」

 

「そうか? でも彼女達の平和を勝ち取る為なら、身を粉にしてやるだけだ」

 

「そ、そうか……ま、まぁ取り敢えず彼女は一旦私達の預かりとしよう」

 

「あぁ頼む。それじゃあアウロラさん、少しの間だけどお別れだ」

 

「そう……でもまた会えるわよね?」

 

「あぁ、近日中にはまたそちらに顔を出すよ」

 

「分かったわ。なら別れる前に1つお願い毎をしても良い?」

 

「それは?」

 

「それはね……えいっ! んっ……」

 

「っ⁉︎」

 

 俺は今不意を突かれた顔になっている事だろう。アウロラが俺に正面から抱きついて来たと思ったら、その勢いのまま唇を奪われてしまったから……だから少しの間だけ思考が鈍る。

 

「ぷはっ……ふふ♡今はこれだけにしてあげるわ。だから今度会った時は……もっともっと貴方を感じさせてね?」

 

「えっ? はっ……?」

 

「んんっ‼︎ 取り敢えずそろそろ行くぞ」

 

「分かったわ。エスコートをお願いね、紫色の騎士様?」

 

「まぁ出来うる限りはしよう。じゃあまたなアルジくん」

 

 その言葉を残してアウロラとディエールはその場を後にした。その場に残された俺はというと、アウロラにキスされた数秒後に漸く平常通りの思考になって、ため息を少し吐いてからリンドブルムの町の方角へと向かった。そしてリンドブルムの現状を見た俺は……自分の犯した過ちに後悔しながら1日中困っている人を見つけては手助けをするなどして奔走した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side アルファ

 

 

 

 

 

 

 店と店の間を流れる小さな川を木製の小舟が優雅に渡っている。そこに乗るのは誰もが美女と認めるだろう女性が4人。まぁアルファとイプシロン、それとナンバーズのカイとオメガの4人である。

 

「アスタロト様の一撃によって施設は壊滅。施設に保管されていた魔力の核やオリヴィエが扱っていた剣は、予測になりますが一緒に跡形もなく砕け散ったかと」

 

 イプシロンがアルファに向けていつもの様に報告をする。それをアルファはこれまたいつもの様に聞いていた。

 

「そう。確かにあの一撃ではどんな存在であろうと消し飛んでしまうでしょうけど、結果としては上々ね」

 

「確かに……ですが未だにアスタロト様が放ったであろうあの攻撃がどんな方法を用いてしたものなのか分かりませんね」

 

「そうね……取り敢えずその事はまたミドガル王国に帰って『七陰』を集めてからにしましょう。勿論その時にはアルジも呼んで」

 

「そうですね。それにしても今のリンドブルムの様子は……」

 

「えぇ。アルジの攻撃の余波で湖の水が街に打ち上げられて町中が水浸しになってるわね。本当なら徒歩で歩けるこの道も川の様になっているし」

 

 私達がそんな事を話していると、遠くの方から……

 

 

 

 

なにかっ、なにか俺に手伝える事はありませんかっ⁉︎ ……はいっ! ではすぐに‼︎ うおぉぉぉっっっ‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あのアルファ様……この声ってもしかして……」

 

「えぇ、十中八九アルジね。多分今回の被害は自分がした事だと負い目に感じて町の復興を手伝っているんでしょうね」

 

「町の復興は『ミツゴシ商会』が担当するとの事で幾らかの構成員を派遣しているのでは?」

 

 

「そうね。でもアルジはそれだと納得しない子だから、彼が思うままにさせた方が良いわ」

 

 舟を漕いでいるカイとオメガが街中で響くアルジの声に反応してアルファに問いかける。アルファはあの子らしい事だと結論付けて、さっきまで行っていた会話の続きに戻る。そんな最中でもリンドブルムを復興するために街中を駆け回るアルジの声はさながらBGMの様だ。

 

「そ、そうですか……それと例のオリアナ王国の報告についてなのですが……」

 

「宰相のドエム・ケツハットの事ね。今度ミドガル王国で行われる武神祭で来賓で呼ばれている人物。でもその正体は『ディアボロス教団モードレット派』に属する構成員ね。最近だとミドガル王国の王様を意のままに操っているという話ね」

 

「はい。武神祭では何らかの行動を起こすものかと」

 

「それが何かはまだ精査している段階ではあるけど、これまでと同じ様に気を引き締めていきましょう」

 

 リンドブルムの事が終わった後にも起こる『ディアボロス教団』の暗躍……次がどういった計画なのか凡そは掴めているものの、未だ全貌までには至らない。

 

 しかしそれでも彼女らは行動していく。『ディアボロス教団』というこよ千年を自分達の思うままに世界を動かして来た害悪を滅ぼす為に……

 

 そしていつの間にか彼女らの姿は舟から消えていた。まるで最初から勝手に舟が川の流れに沿って漂って来たかの様に……

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side アレクシア

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は今姉様と一緒に温泉のサウナにいた。今回の査察についてと、その裏で動いていた『ディアボロス教団』の企み。そしてその組織を追っているであろう『シャドウガーデン』と、そのトップの1人に立っているであろうアスタロトと呼ばれた存在……

 

 姉様には教会の査察として送り込んだのが、まさかそんな大事になっているとは思っていなかった為に怒られてしまったけど、ただアスタロトの名前を出した時に……

 

「アスタロト……そう、彼もこの場に現れたのね……」

 

 その顔は残念そうな顔をしていて、多分彼に会って話だけでもしたかったんだろうなと私は思ったの。だって私もあの場にいて、彼から流れ出る魔力を感じ取ってそう思ったくらいだから。それにこの前の王都襲撃の時に姉様がアスタロトに会った事は知っていたし、その時に彼と触れ合って悪い心根の人ではないと感じ取った事も聞いたわ。

 

(彼は……話をまとめる限り『ディアボロス教団』という組織の壊滅を願って動いている。私達はその事について全然情報が分かっていないから何が正義なのかも分からないけど……)

 

「とにかく、今は『ディアボロス教団』と『シャドウガーデン』が対立している事は分かったわ。でもどちらが正義で悪なのか、それともどちらとも悪なのかは調べてみないと分かりません。現に『シャドウガーデン』が王都を襲撃している事は事実だし、やはりそれぞれの組織の情報を集めるしかないわね」

 

「でも『シャドウガーデン』に所属しているアスタロトって人の事は? 私もそんなに近付け無かったけど、悪い人では無かったと思うわ」

 

「えぇ……確かに私もそれには賛成します。でもお父様方は確固たる証拠がない限り『シャドウガーデン』と関わりあるアスタロトも悪の人間であると判断するでしょう。私は本当はそんな事にはなって欲しくないけれど……」

 

「……そうですね(それに私も個人的に色々とやらないといけないわね)」

 

 姉様と合流する前、私とローズ先輩、それとナツメ・カフカの3人は『シャドウガーデン』に所属する人の案内であの遺跡から脱出出来た。それで私達はリンドブルムの近くにある森の中に移されたの。

 

 そこを歩きながら私達は話したわ……私達も何か行動を起こすべきではないかと。私達は現状において何も知らな過ぎる。だから敵が誰かも分からないし、攻められた時も後手に回ってしまう。そうならない為に少しずつでも今回の事を踏まえてこの国、いえもしかしたら大陸全土に渡っているかもしれない私たちの身の回りで起こっている事について考えて対処するべきだと。

 

 ナツメ・カフカは私が提案した事を聞いて、私達と共に行動してくれる人員についてや拠点についてを聞いて来た。正直今考えたばかりだから、そこまでの事は頭が回ってなくて、だからナツメに対しての問いにはこれから考えると答えた。そしたらとても呆れた表情をしていたわね……

 

(アイツだって同じ問いをされたらすぐには答えれないと思うんだけどね‼︎)

 

 でもアイツは本をこれまでに何冊も書いて来ている。だから……悔しいけど私よりも頭の回転は早いと思うわ。それにこれまでの活動で色んなところに伝はあると思うし。

 

 それで私とローズ先輩は一国の王女の立場だから、私達でもそれなりに情報収集は行えるはず!

 

 そして私達は一種の同盟関係になったわ。昔からある御伽噺の3人みたいに、勇者と賢者、あとの1人は足手纏いとナツメは言ってきたけど、足手纏いは勿論ナツメよね?

 

 とまぁリンドブルムの街中に着くまではこれからの事を話し合って解散。後日ミドガルに戻り、日を改めて集まる事にしたわ。それまでの間に情報収集はしっかりして、少しでも分からない事を分かっていかないと。

 

(そういえばアルジくんは……私達の同盟に参加してくれるかしら?)

 

 アルジくん程の実力者がいてくれたら、私としてはとても心強いと思う。だって彼は学内ではあるけど武神祭の本戦に向かう為の試合で優勝した程の実力だし、それに王都襲撃で攫われた私を助ける為にゼノンに立ち向かってくれた。

 

 だからどうにかアルジくんを私達の方に引き込めないかも話していたら、ローズ先輩は物凄く賛成してくれた。だって顔がとても輝いていたし……

 

(でもナツメ・カフカは微妙な反応なのよねぇ〜……まぁアルジくんと会った事ないだろうから仕方ないんでしょうけど……)

 

 まぁアルジくんについては実際に呼び出して私達の話を聞いてもらい、引き入れる計画を立てようと思ってるわ。そう話しているうちに街中に辿り着いて、そこで解散となった。それで今は姉様と一緒にこの地で起きた事の情報共有をしているところで……

 

「それにしてもあれ程危険な事はしない様にと言ったんですけどね?」

 

「ま、まだその事を責めてくるの⁉︎ さっきごめんなさいって謝ったじゃない‼︎」

 

「それでもです! 貴方は末席とはいえ『紅の騎士団』の一員で王女の立場、それもまだ学生なのだから危機管理はしっかりしなさい‼︎」

 

「わ、分かってたわよ! でも私もいつの間にかあれよあれよと巻き込まれたんだから仕方ないじゃない⁉︎」

 

「仕方なくありませんっ‼︎ それにそうは証言していても実際は興味を持ったから首を突っ込んだのでしょうっ⁉︎」

 

「うっ⁉︎ あ、あぁ〜何だか暑くなってきたから私は先に出ますね姉様‼︎」

 

「ちょっ⁉︎ 待ちなさいアレクs『バタンッ‼︎』……全くあの子ったらいつも私を心配させてっ……『パシンッ‼︎』ん? 何ですかこの音は?」

 

 アレクシアがサウナ室から出て数秒後、何かを何かに勢いよくぶつける音が聞こえた。ムチで人を叩く音とまでは言わないものの、それに似た様な音をアイリスは聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ふぅ〜……漸く片はついたな)

 

 俺が施設を破壊した余波でリンドブルムに隣接していた湖の一部が街中に流れ込んでしまった。人的被害は無いのが救いだが、建物や道路は大きな被害を被っていた。

 

(こ、これは……

 

 

 

 

 

 

 

マズイッ‼︎

 

 

 

 

 

 

 何故ここまで焦るかと言うと、俺はいつも兄さんに対して苦言を呈してきたからだ。無闇矢鱈に建物や人員に被害を及ぼさない、陰から悪の組織の動向を伺う、そして滅ぼすという観点から無関係な人を巻き込まない。

 

 俺はそれを信条にして出来る限りをやってきた訳だが、だが兄さんは自分の興味のある事だけ探究する。だから自分が行動した時に出てしまった被害の事は全く考えないし自分で始末も付けない。そんな対応に俺は口酸っぱく言ってきた訳だが……

 

(こ、これじゃあ俺も何もいえないじゃあないかっ‼︎)

 

 だからこそ、少しでも早くリンドブルムが元の街並みに戻る様に奔走した。壊れた施設は材料から全て俺が用意してきて修繕ないし所々ガタが来ていたところはリフォームしていく。備品が壊れていた場合も同じだな。

 

 それがあらかた済んだら、今度は水浸しになった街だな。全てとはいかないだろうが、街中の水を湖に戻す作業をした。これについては街と湖が最も隣接している地区に何個か大きめのホースを設置。街中の水を吸い出して湖に戻す代物で、アルファ達にも見せた事がない装置だ。

 

 だがただ戻すだけでは、街中の細かいゴミとかも湖に放出してしまう事になるから、綺麗な水質にする濾過機能も勿論付いている。これで数時間程経てば、街中の水は引いていくだろう。

 

 しかしながら装置ばかりに頼ってもいられない。自分自身も行動しなければ……という事で魔力を用いてホースで吸い切れなかった水を集めて濾過した後、それを湖に戻した。

 

 そんな事をしていれば日もすっかり暮れていて、昨日の夜から動いてばっかだなと気付いてからは借りている宿に戻って行った。

 

 まぁそこまでは良かったんだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あらお帰りなさい。待っていたわ」

 

「お、お帰りなさいアルジ様!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺が借りている部屋にアルファとベータがいたんだ。それも黒衣を纏った状態で……

 

「そう言えば私と別れた後の事も聞いたわよ? アレクシア王女と街中でデートしていたんですってね?」

 

「ゔっ……」

 

「それに……スンスンッ……他の女性、しかも裸で抱きつかれたのかしら?」

 

「ゔぇっ⁉︎ そ、そんな事まで分かるのかよっ⁉︎」

 

「当たり前じゃない。貴方の事が誰よりも好きなんだもの♡それぐらい朝飯前……と言ったところかしら?」

 

「……申し訳ありませんでした」

 

 隠していたわけではないが、正直ここまで言い当てられたのなら素直に謝るしかない……という事でジャパニーズDO・GE・ZAをして謝る。

 

「あの……アルジ様? その体勢は……」

 

「……相手に本当に悪かったと自覚した時に行う最上位の謝罪の仕方だ」

 

「な、なるほどっ! これも『陰の叡智』なのですね‼︎」

 

 俺は顔を地面に向けて謝ってるからベータが今どんな表情をしているか分かr……いや、多分輝いた顔をしながらメモを取っているんだろう?

 

(だが土下座に対してそんなに書き込むことあるか?)

 

 そんな事を思っていると文字を書いている音とは違うペンの走らせ方をベータがしている事に気付いた。

 

(って……ちょおい! まさか今の俺の体勢をメモ帳に書き写しているんじゃっ⁉︎)

 

 内心でそう思っていた最中もベータは俺の周りを回りながらペンを走らせる。いや、そんなに丁寧にメモに取るな‼︎ 改めてそんな事されたら恥ずかしいだろう⁉︎

 

「もぅアルジったら……顔を上げてちょうだい」

 

 ベータの方に意識を集中し過ぎてたから、アルファがいつの間にか俺の目の前にいる事に気付かなかった。そして俺に頭を上げる様に促してくるんだが……

 

(だが俺は世間的にも彼女に対して酷い事をしている自覚がある……お世話になっている人達のお願いとかを断れないからといって幾ら何でも節操がないって……)

 

 後は女性たちの方から俺の方に身体を寄せてきたり、今朝あった様にアウロラにいきなり抱きしめられたりだな……

 

 毎回毎回アルファには申し訳なさを感じているものの、女性の特に友人やお世話になっている人からのお願い事にはめっぽう弱い。正直呆れられても仕方ないんだ。だからこれは俺の我儘みたいなものだが、アルファがそう言ってきたとしても易々と頭を上げる訳にw「もぅ、この子ったら頑固なんだから」っ⁉︎

 

 俺が必死に頭を地面に当てて顔を上げない様にしていたのに、それをアルファはいとも簡単に俺の顔を持ち上げて、それで胸に抱き寄せられていた。俺の顔はアルファの胸から感じる温かさと何もかもを包み込むかの様な柔らかさを感じて、さっきまで意固地に感じていた物が徐々に霧散していく感覚がした。

 

(それに加えていつもの様に頭を撫でてくるこの感触は……)

 

「ふふっ♡確かに貴方は友人や好かれている女性からの推しに弱いけれど、でもそれだけ貴方が魅力的という証拠なの。そんな貴方が私は誇らしく思うわ。それに……例えどれだけ多くの女性が貴方に言い寄ったとしても、貴方の隣を譲る気なんてないもの。だから貴方はいつもの様に堂々としていてちょうだい

 

 ……何というか男前の台詞をアルファから言われた。でも俺としては凄く安心して、頭と一緒に地面に着けていた筈の手をアルファの腰に回して俺からも抱き締めていた。

 

「んっ♡ふふふっ、甘えん坊なんだから。それとアルジは今日リンドブルムの復興を支援していたわよね。それも朝からこの時間まで。お風呂を沸かしてあるから、今から一緒に入りましょう?」

 

「えっ? い、一緒に?」

 

「何を躊躇う必要があるの? もう互いの裸は見せ合った仲なのだからそんなに恥ずかしがらなくても良いのよ? それに私は貴方を癒してあげたいし……」

 

「そ、そうか……そう、だよな。悪い、過敏に反応し過ぎた」

 

「良いのよ。貴方のそういうところも可愛いと思っているから、私としてはそんな表情も見れて嬉しいわ」

 

「ま、またサラッとそんなことを……」

 

「ふふふ、いつでも言ってあげるわよ。あっ、ベータもこの際だから一緒に入りましょう?」

 

「え、えぇっ⁉︎ わ、私もですか⁉︎」

 

「ちょアルファさんっ⁉︎」

 

「だってベータもアルジの事が好きでしょ? ならこういう事は早めに経験するに越した事は無いわ」

 

「そ、そうなんですか? な、なら……私もご一緒したいです……」

 

「い、良いのかベータ⁉︎ その……異性と一緒にお風呂に入るのは……」

 

「……もうアルファ様が先に言ってしまいましたけど、私からも改めて言いますね。私……ベータも貴方の事をお慕いしています。だから私の事も……アルジ様の彼女にして下さい! 私も貴方様と一生を添い遂げたいです‼︎」

 

「……分かった。ベータの想い……しっかりと受け取った。こんな節操のない俺でがっかりする事が多くあるかもしれないが、こんな俺でも良ければ……宜しくお願いします」

 

 俺はアルファの抱擁から一旦離れて、しっかりとベータに面と向かって返事を返した。するとベータの瞳から涙が溢れてきて、口を手で隠しているものの嬉しいって言葉が聞こえた。そんな彼女の事が愛おしくて、俺からベータの事を抱き締めていた。

 

 抱き締めた瞬間彼女の身体はビクついていたものの、徐々に緊張が解けたのか彼女の方からも俺の背中に手を回してきて、頭を俺の胸に押し付けてきた。その時間も……俺にとっては愛おしい時間だった。

 

 ベータとの抱擁をしてから数分後……俺はいつもの様に俺の事を慕うと告白してくれたベータにも俺の過去を話した。正直全員が全員俺の事情を理解してくれるとは思わないし、受け入れられなかったらそれも仕方ないと思っている。

 

 でもベータもアルファやガンマと同じく、俺の過去を聞いても俺の事を嫌いにならず、俺とずっと一緒にいてくれると言ってくれた。その言葉が嬉しくて、ありがとうって感謝しながらまたベータを抱き締めた。

 

 ベータは急に俺が抱き付いたものだからモジモジしていた。まぁそんなところも可愛いなって思うんだけどな。

 

「もぅ……またこの子は私の前で……」

 

「あ、アルファ⁉︎ こ、これは……その……」

 

「ふふっ♪冗談よ。さ、お湯が冷める前に入りましょう」

 

 そして俺はアルファとベータと一緒にお風呂に入った。1人部屋だから浴槽も1人用で、ギリギリ2人入れるかどうかだったからそこは俺が魔力を用いて一時的に風呂場を拡張させた。簡単に言ったら空間に干渉するやり方だが……

 

 それで浴槽も広くなったからゆったりと入る事は出来たんだが……裸の美女2人に挟まれながら入ったものだから……正直恥ずか死ぬ思いをした事は記憶に留めておく事にする……

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さて、これにて女神の試練と欺瞞の都編は後日談含めて全て終了です!いやはや最近は私事で忙しくしていて中々更新が出来ていませんでしたが、次回からは1期の最終パートに当たります。次の投稿がいつになるかは未定ですが、出来るだけ早く仕上げようと思います!

解説

◾️ディエール・ボードウィン

元『ディアボロス教団』のラウンズ候補。本名はゼノン・グリフィ。アレクシア王女誘拐事件の張本人であり、表の顔としてはミドガル王国の剣術師範代でありアレクシア王女の婚約者でもあった人物。事件の際にアレクシア王女を助けにきたアルジに嫌と言うほど実力差を叩き込まれてしまい、だがそれが返って本人の強さを追い求める指針にもなった。

今ではオルバが管理する組織に入っており、オルバ直々に指南してもらっている。また偶にやってくるアルジにも模擬戦という形で勝負をして実力をメキメキ上げている真っ只中。

またアルジからとある世界の悪魔の名を冠する力を付与されており、それを1日でも早く扱える様に特訓している。

尚名前の由来はただ単に転載した事のある世界で出会った人物との声が似ていたからと、家名のボードウィンに合う響きで適当に付けただけである。

「アルジくんに追いつく事は一生かかっても難しい事は理解しているが、彼に一太刀でも入れれる様に頑張るつもりだ」byディエール




ではまた次回お会い致しましょう!
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