陰の復讐者となりて   作:橆諳髃

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結構早めに投稿できました!

それにしても今やってるカゲマスというアプリが1周年で本当に毎日楽しくプレイしてます‼︎イベント期間中にギルドメンバーと協力して僕の討伐数やポイントを競い合ったりするのも魅力の一つだったりしますけど、やはりなんと言っても書籍やアニメではなかなか見られない様なキャラクターの会話でしたり、その場面ごとのシチュエーションが素晴らしく感じますね‼︎

では今回の話も読んでいただければ幸いです‼︎


36話 復讐者、この世界のネーミングセンスに対して物申す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 イータが俺の成分? を補充し終えたらしく離れた。顔を見ると少し物足りなさを感じた様に見えるが……

 

「マスターの邪魔は……したくない」

 

 別に抱き付かれた程度で邪魔だと思った事は無いんだが……まぁ本人がそう言うならこちらが気にする事でもないか。それで兄さんが漸くというか、何故俺がこの容姿になっているかを聞いてきた。それに対して俺は個人的な思惑も少しはあるが、ほぼシャドウガーデンの利益になる為に変装して予選から改めて参加する事を伝える。

 

 すると兄さんはまるでえぇ〜……と、納得いかない顔をしていた。確かに兄さんも予選から参加する以上俺とぶつかる可能性がある訳で、実力差では俺の方が上という事もあり、兄さんが負けた場合陰の実力者ムーブが出来なくなる事を危惧しているんだろう。

 

 因みに兄さんの変装時の名前は『ジミナ・セーネン』って名前にするらしく……

 

(にしたってそのまま過ぎるだろ⁉︎ 何だよジミナ・セーネンって⁉︎ ただ地味な青年をカタカナに直しただけじゃあねぇかっ‼︎)

 

 本当にこの世界のネーミングセンスって奴は……確かに俺自身もまともなネーミングセンスを持っている訳じゃあないけど、だからと言ってこれは流石に酷過ぎる! というより今兄さんが変装している人って過去に実在してた奴なのっ⁉︎ しかも名前もその通りだし……

 

「(まぁそんな事はどうでも良いか。それと、俺もむざむざ親族だからといって手加減なんてする気ないからな)まっ、そんな訳だからもし予選で当たった時は本気で相手するからな。ジミナ・セーネン?」

 

 その時には顔の部分に再度変装した顔付きに戻す。それで兄さんに対するいつもの鬱憤も少し乗せて、皮肉気味に、特に名前の部分をバカにした様な感じで一言告げてから部屋を出た。その後は変装したまま街中を練り歩いて様子を見て行こうと思う。

 

(にしても……いくら鬱憤が溜まっていたとはいえ普通あんな言い方しないんだがな。これも変装している人物に性格が寄っているせいか?)

 

 多分言動にもそれが現れてくるだろうから、人と接する時は気を付けないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side アイリス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は数日後に控えた武神祭を万全のものとすべく、隣国のオリアナ王国から現アリアナ国王とそれに付き添いで来ている宰相を招いて警備などの打ち合わせをしていた。それにしても……

 

(この国王……虚な表情をしている気が……)

 

 話しているのは隣にいる宰相が殆どで、宰相が言った事を国王が是の返事をする、というなんとも異質な感じがする。

 

(ドエム・ケツハット……ここ数年の間に宰相の地位にまで登り詰めた男という情報以外謎に包まれた男……)

 

 その口から発せられる声は、聞いた者の情緒を落ち着かせる優しげな雰囲気を醸し出していると感じた。でもこの男から出ている雰囲気は……どこか胡散臭い様にも見えて仕方がない。

 

(多分これは私が軍人だから疑り深い性格も相まって何でしょうけど……)

 

 そんな事を考えながら打ち合わせは進んでいって、やがて警備の話に入る。昨今はシャドウガーデンという黒ずくめの集団やそれと対立する様に姿を現したディアボロス教団という組織……どちらも大元に入ってくる情報は愚か、ちょっとした情報しか私達は手に入れられていない。

 

 だからこそ警備は万全の状態で臨みたいと意見したけれど……

 

「分かりました。ですがこちらの警備はこちらで請け負いますので、ミドガルの方々は自分たちの事を中心的に考え警備に当たって下さい」

 

「っ! し、しかし最近ではディアボロス教団やシャドウガーデンが世間を不安にさせています! 今回の武神祭でも途中何者かの襲撃があった時にも迅速に対応する必要がありますし、来賓側であるあなた方を危険に晒す訳にはいきません! ですからオリアナ王国側にも私達の兵を置かせて下さい‼︎」

 

 宰相ドエム・ケツハットのこちらを諭す様な声音に一瞬回答に遅れたけど、その魅惑してくる様な声音を跳ね除けて警備を万全の体制にする旨を伝える。だけど……

 

「アイリス王女からの進言……こちらからしても大変嬉しく思います。ですが私達にも自国を背負ってこの場にいるのです。ですから私達の警備はこちらに任せて下さい。それで良いですね、陛下?」

 

「……ドエム・ケツハットの命ずるままに進めよ」

 

(っ⁉︎ またその受け答えを……)

 

 虚な表情と表現したけれど、これはもう洗脳されていると言って等しい。私としてはすぐにでもオリアナ国王の具合を診てもらうように進言したいところ……だが

 

「分かりました。そちらの警備につきましてはオリアナ王国側での対応をお願いします」

 

 そう、隣の父であるミドガル現国王がこの場で1番の問題だと言って良い。本来なら相手の様子をみて駆け引きをするべき所を、昨今王都で大々的に起こったシャドウガーデンの襲撃や学園襲撃において大きな被害を被った影響で、いつもよりも保守的な考えになっているお父様。だから相手からの要求はこちらが損にならない限り相手の好きな様にやらせる。

 

(こんな時に私は……力がない……)

 

 過去武神祭を優勝したとはいえ、それも前の大会の時だ。当時は優勝した事も事実として、自分には力があると思った。紅の騎士団を設立するという点においても、自分はある程度の権力を手に入れたと思った。勿論自分の私利私欲の為に使うのではなく、妹や民達が幸せに暮らせる世の中を目指す為にその権力を欲したの。

 

(それなのに……何も出来ていない自分がいる)

 

 王都襲撃や学園襲撃事件、1番最近だとリンドブルムの大司教や司祭の失踪……私達は自分の手が届く範囲にはいた筈なのだ。なのに結果は何も得られていない……逆にシャドウガーデンやディアボロス教団という組織が暗躍して民達が不安に苛まれている。

 

(そもそも……思い込んでいただけかもしれない)

 

 周りからは力があると持て囃されてきたけど、世界で見てみたら結局は私も井の中の蛙というべきなのかもしれないと、ここ最近では強く思っている事だ。

 

(……そんな時に限ってあの人の姿が思い浮かんでしまうのは何でかしら)

 

 それは王都襲撃の際に会った1人の青年……名前はアスタロトと呼ばれていた。全身黒ずくめの衣装で、頭にはあまり見かけない被り物をしていたから顔までは見えなかった。だけどあの時少し触れ合っただけで……あの人は信用できる人物だと思ったの。

 

 もしかしたらそれも彼の思惑の内で、私を騙す為の演技かもしれない。そう考えてしまうと何を信じて良いか分からなくなるけれど……でも心の奥底では彼の事を信頼していると思う。だからこんな時に彼とまた会って話したいと思ってしまうのね。その後の結果がどうであれ、今の自分の迷いが晴れる気がして……

 

(彼は……今回の武神祭に現れるのかしら……)

 

 アレクシアさんはそう考えながらも今は当日の警備体制などについて詰めていく事が先だと自分に言い聞かせ、一旦思考を現実に戻しました。しかし彼女は、まさかアスタロトさんことアルジさんが学年の部で出場する事、また一般の部で変装して参加するという意味合いで物凄く近い位置にいるという事実を知りません……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミツゴシ屋上のシャドウガーデンが構えている拠点から出て数時間経つ。いつも歩く道や普段は歩かないところまで練り歩きながら、屋台に並んでる物を食べ歩きしていた。まぁ食べる時は座れるスペースで取っていたんだが……

 

(にしても何でこう視線が集まってくるかねぇ〜……)

 

 その視線は女性だけでなく男からも注がれて来る。しかも中には顔を赤らめてる野郎もいるし……

 

(現にナンパされかけたんだよなぁ〜……)

 

 まぁそれに対して俺は男だと答えると、ナンパしてきた奴らは滅茶苦茶ガッカリしていたし、中にはそれでも構わないと強行的な奴もいたから、そいつらは1発殴って撃沈させておいた。所謂正当防衛って奴な。だから俺は悪くない。

 

 一方の女性については……どことなく尊敬の眼差しっぽい視線に感じた。それもすれ違う人ほぼ全員からと言っても良い。二度見されるのは当たり前だし、中には目の前まで来て何故か握手を求められる始末……しかも身体がぷるぷる震えていて顔も物凄く赤くしてたな。まぁ断る理由もないからそれに応えたけど……

 

 それで握手した瞬間には、握手を求めた子がアイスみたくふにゃりと溶ける。まさかこんな描写が漫画とかの創作物以外で見れるなんて思ってなかったが、道のど真ん中で倒れられても困るから近くの座れる所まで運んでおいた。

 

 そんな事があってまた散策していると……

 

(ん? なんかあの路地裏騒がしいな……)

 

 野次馬が少し屯しているし、勘ではあるが少し気になる……

 

「取り敢えず行ってみるか」

 

 そう呟いて俺は少し騒がしい路地裏へと進んで行った。因みにこの間にもナンパされたが……定型分を言って丁重にお断りした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 地味な青年

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれ? なんか僕の心理描写の切替が変に扱われた様な気がするんだけど……まっいっか。

 

 それで僕が今何をしているかと……目の前の筋骨隆々な男に路地裏に連れ込まれて滅茶苦茶ボコボコに殴り散らかされていまーす!

 

(フッ! まさにこれこそ王道のモブだ‼︎)

 

 頭の中でこう考えている今もなお殴ったり蹴られたりしている。まぁ全然痛くも痒くもないんだけどね‼︎

 

「おい! これで俺とお前の実力の差は分かったな⁉︎ 分かったからとっとと田舎に帰って実家の農家を継ぐなりするんだな! そうしたらその貧相な身体も少しはマシな身体付きになるだろうよ‼︎」

 

 殴ってきた男の人は、ひとまず満足したのかそんな言葉を吐いてくる。確かにこれが一般的な精神や肉体の持ち主だったなら、怖くて蹲るとかしか出来ないんだろうけど、僕の場合は違う。確かにモブ道を極めているけれど、それとは別に陰の実力者も極めようとしているんだ。だからそのセリフに対して僕が返答するなら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フッ……これが貴様の力の全てか? 片腹痛いな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 決まった……そうそうこんな感じだよ! 最近はアルジが殆ど良いところを掻っ攫っていくものだからペースを乱されていたけれど、僕は本来こういう風にしていきたかったんだ‼︎

 

 それで僕の台詞を聞いた男の人は……傍目から見ても青筋を浮かべているのが分かる。それで大きな雄叫びを上げながら僕に一撃喰らわせようとしてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこまでよ……弱い物いじめなんてみっともないことこの上ないわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その台詞と同時に男の人が振りかぶろうとした右ストレートが止まる、否止められていた。見れば、さっき見かけた全身淡い紫色の鎧を身に纏った女の人が男の人の腕を止めていた。体格差で言えば2倍程男の人が大きな図体をしているし、腕の太さも止めに入った女の人の胴体以上に太いんじゃなかろうかというくらいだ。

 

 それをこの人は何でもないという風に止める。まぁ実力としては殴りにきた男の人と同じかそれ以上かな?

 

「ケッ、止めに入りやがって……。どうせソイツは予選すらまともに勝ち抜けないだろうから、俺が親切に止めようとしてたっていうのに」

 

「だからと言って殴り過ぎよ。止めるのであれば1発殴って示せば十分でしょう?」

 

「それで分かっていたならここまで殴りゃあしねぇよ。ソイツがいつまで経っても挑発じみたことをやめねぇからここまで大事になったんだろ?」

 

「でもやり過ぎて最悪死んでたら武神祭に出るどころじゃないわよ?」

 

「そこは弁えてるから、特に何も問題はないと思うけどな?」

 

「あなたねぇ……」

 

 僕を置いてけぼりにして2人の議論が白熱していった。ここからどうしよっか……2人の議論が終わるのを待つかなぁ〜ってぼぉっとしながら見ていると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんか騒がしいと思ったら……また会ったな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最近聞いた事があるなぁ〜と思って声がする方向に顔を向けると、路地の入り口に屯してこちらの様子を見ていた野次馬の群が綺麗に分かれていた。表現するならモーゼの十戒にある海が割れるイメージ……まぁこの表現を野次馬に対して使うのはどうかと思うけど……

 

 それで分かれて出来た道から1人の男がコツコツと靴音を鳴らして僕達に近付いてくる。肩まで伸びた黒い長髪、黒い瞳にバランスがいい目鼻立ち。黒い瞳が映える様に色付けされた、肌色よりも少し白い肌……そして身に纏っている衣装はところどころ薄いグレーが入っているけどほぼ黒で纏めている。

 

(まぁ変装したアルジなんだけどねぇ〜……)

 

 まさかこんなにも早く会うなんて思ってなかったなぁ……そう言えば変装時のアルジの名前聞いてない様な気がするなぁ〜。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地味な青年 side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 野次馬が群がっていた。まぁ俺も気にならないと言えば嘘になるから、少し通して欲しいって事を言ったんだが……何故か道みたいに綺麗に二手に分かれた。別に俺が何か悪さをした訳じゃあないと思うんだが……見方を変えたら1番近くで何が起こってるか把握は出来るな。

 

 それで事が起こっている中心は路地裏の様で、どうやら男2人と女1人の3人が野次馬の集まる原因らしい。

 

(……何やってるんだ兄さん)

 

 その内の1人がまさかの兄さんで……地面に尻餅を付いた状態だ。でも顔付きはキリッとしているんだよな。

 

(どうせそんな表情とかがあの大柄な男の琴線に触れたからボコボコにされた……って所だろう)

 

 だが様子を見る限りは怪我してねぇし、大柄の男もそれなりに力を持っているんだろうが……その程度じゃあ兄さんに傷一つ付ける事は出来ねぇな。

 

(それでもう1人は……あぁ、リンドブルムで女神の試練に参加してた子だな)

 

 確か名前は……イカン、苗字のフシアナスの印象が強過ぎて完全に出てこない……。まっ、今はそれを置いといて3人に話しかける。そうしたら3人とも一斉にこちらを振り向いた。大柄な男は少し威嚇じみた表情をして、フシアナスさんは一瞬驚いた顔付きになった。まぁ直ぐに元に戻していたが……

 

(それで兄さんは相変わらずのポカーン顔なのね……)

 

 今兄さんが何を思っているかは正直分からないが……そんなのはどうでも良いかと思って更に歩み寄る。

 

「なんだぁ〜? コイツと同じくらいひょろっちいガキが出てきたと思ったら、まさかコイツの連れか?」

 

「あぁ〜……そこの奴とは今日会ったばかりなんだが、その時に少し縁を結んだぐらいだな」

 

「詰まるところのちょっとの顔見知り程度だろ? いちいち回りくどい言い方してんじゃねぇよ!」

 

「悪い悪い。それで、この騒ぎはなんだい? そこら辺にいる野次馬から聞いてもよかったんだが、当事者に聞いた方がいいと思ってね」

 

「……そこの大柄な男、クイントンって言うんだけど、クイントンがそこに座っている彼に武神祭に出るのはやめろって脅していたのよ。その時に実力行使をしてて……」

 

「で、今の状況になったと」

 

「あぁ。もしかしてお前も武神祭に参加する気か? やめとけやめとけ! お前みたいなひょろっちい身体付きのガキが予選を突破出来る訳ねぇだろ! そこの陰湿っぽい男と同じでな‼︎」

 

「ちょっと! 言葉が過ぎるわよ‼︎」

 

「俺は事実を言ったまでだが?」

 

 とまぁまた2人だけの口論に発展しちまいそうだな。まぁ俺が横槍みたく入ったからそのせいかもしれねぇが……

 

「はいはい! 取り敢えず2人とも落ち着こう、な?」

 

「「っ⁉︎」」

 

 俺が手をパンパンッと鳴らして2人の口論を止めた。その時に2人は俺の方を驚きの目で見ていたが……

 

(そりゃあさっきまで立っていた位置と反対側に移動しているんだから誰だって驚くよなぁ?)

 

 現に兄さんのそばに立っている状態だし。

 

「……オメェなにもんだよ?」

 

「俺か? アンタからしたらひょろっちいガキにしか見えていないんだろう?」

 

「……ケッ、素直に名乗る気がねぇって事か。興が削がれた。もし予選で戦う事があったとしたら、俺が必ずぶちのめしてやるから覚悟しとけよ?」

 

 そんな言葉を吐いてクイントンって男は路地裏から去っていった。

 

「あなた……一体どうやって……」

 

「オイオイ……武神祭に参加する前に種明かしするとか芸がないだう? 

もし知りたいっていうならその時にできる範囲で教えてやるよ。まぁ組み合わせが上手くいったらな?」

 

「そう……あなた名前は?」

 

「あぁ、それも後から分かる事だろう?」

 

「秘密主義なのね……良いわ。一応だけど私の名前を教えておいてあげる。アンナローゼ・フシアナス。あなたを倒すのはこの私よ。覚えておいて」

 

 アンナローゼさんも俺にそう言って去って行く。にしてもたったこれだけの事をしただけなのに、なんかあの2人から目の敵っぽく見られたな……

 

「それで? 勿論怪我とか負って無いんだろう?」

 

「当然だ」

 

 兄さんはさっきまでの事が何事もなかったかの様にスッと立つ。地面に転がされていたから少し汚れているみたいだが……それもはたけば元通りだろう。

 

「始まる前から面倒な事に巻き込まれるとか……兄さんは何かに憑かれているのかねぇ?」

 

「俺としてはそれでも構わない訳だが……」

 

「さいで……それで今から受付に行くんだろ?」

 

「あぁ。途中あの大柄な男に目をつけられてなければ着いていたところだ」

 

「へぇ〜……」

 

「……なんだその疑いの視線は?」

 

「別に……それじゃあさっさと受付済ませに行くか」

 

「あぁ。そう言えば変装していた時の名前をまだ聞いていなかったが……」

 

「あれ? あの時言ってなかったか? まぁ良いや。それじゃあ名乗っておこうか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユーリ・ローウェル。これが変装時の名前だな……って、どうした兄さん? そんな微妙な顔して」

 

「いや……変装してるのに名前が目立つのはどうかと思うんだけど……ただでさえ美形で目立つ容姿してるのに」

 

「ほっとけ! 大体変装時の兄さんの名前がおかし過ぎるのが悪い! それとこの世界で生きている人達のネーミングセンスにも物申したい! 自分が名乗る、若しくは名前を考えるんだったらもっとマシな名前を考えて付けろってな‼︎」

 

「でも今の変装時の名前も、実際にこの人が名乗ってたものそのまま使っているんだけど……」

 

「……だから物申すって言ったんだろ?」

 

 たくっ……、兄さんや姉さん、シャドウガーデンの皆にローズ先輩とか普通に響きの良い名前なのに、なんでそこから離れた途端一気にグレードが落ちるのか……

 

(そういえば俺を引き取ってくれたお父さん達の名前も……)

 

 父がオトン・カゲノーで母がオカン・カゲノーだろ……いやマジでまともな名前付けろよ‼︎ 俺が元いた世界だったら普通に別称だぞ‼︎ 後はさっきのアンネローザ・フシアナスさんだろ? 本当に苗字が勿体無い‼︎ 後のヒョロ達についてはこの前も言った覚えがあるから省略するが、本当にこう……どうにかならなかったものかねぇ……

 

「そんなに悩んだ様な顔してどうしたの? 早く受付に行こうよ」

 

「……へいへい。さっさと受付済ませてとっとと休むか」

 

「まだ大会にも参加してないのに、疲れた顔して大丈夫?」

 

 一体誰のせいで疲れた顔していると思っているんですかねぇ……?

 

(よし決めた……兄さんと予選とかで当たったら、この姿で出せる全力……はやり過ぎだから、精々5割の力で負かしてやろう)

 

 そんな思いを抱えて、俺は兄さんと一緒に路地裏を出た。そこから先は受付会場まで一緒に行って普通に受付を済ませたんだが……兄さんの順番になって、呼ばれた時の表情がおかしく見えて笑いが漏れそうになったのは秘密だ。

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は3000文字程少なめで投稿しております。

さて、遂にアルジさんが変装した人の正体が分かりましたね!正解はユーリ・ローウェルさんでした‼︎こちらについてはこの章に入るだいぶ前から考えていた事なので、ようやく書けて満足しております‼︎

では、ユーリさんに関して少々解説していこうと思います!


解説



◾️ユーリ・ローウェル
出典:テイルズオブヴェスペリア
キャストボーカル:鳥海浩輔さん
性別:男(美形過ぎて声を聞かなければ普通に女性と間違えられる)
年齢:22歳
容姿:黒い長髪(背中まで伸びている)、白寄りの肌、黒い瞳でかなりの美形。
身長:180cm
利き手:左手
得意な事:料理全般、お菓子作り(かなりの甘党)
好きなもの:仲間、家族
嫌いなもの:私欲のために弱者を虐げる者(法で裁けない存在は暗殺も辞さない)

テイルズオブヴェスペリアの主人公であり、シリーズ中で主人公の中では珍しく成人している。逆境のなかにあっても常に余裕を失わない大胆不敵な性格。皮肉屋だが人情に溢れ、誰かを犠牲にする大義を厭い、目の前で苦しむ者たちを救うことを良しとする。その為私利私欲で弱者を虐げたりする存在(主に貴族など)を嫌う。

過去騎士団に入隊していたものの、自分が思っていた以上に内情が腐敗・硬直していた為に騎士団を抜けた。その後は自分が育った下町で用心棒の真似事をする。

武器は片手剣や片手で扱える斧を好んで使い、剣に至ってはまるでジャグリングをする様な型破りな我流剣術を使う。

ユーリさんの事を簡単にまとめたのならこんな感じでして、勿論某サイトからの引用はありますし、私目線で紹介している部分もありますので、違うと感じたら申し訳ありません。

さて、次回はいよいよ武神祭の予選にさしかかって行きます。次回の話でどこまで進めれるか未定ですが、この章もなんとか最後まで書いていきたいですね!

ではまた次回お会い致しましょう‼︎

今回アルジさんが変装していたのは、テイルズオブヴェスペリアの主人公でありますユーリ・ローウェルさんでした!また次回も変装会がございましたら同じ様にやるかもしれませんので、その時はまたよろしくお願いいたします‼︎それと同時に今回のヒントの出し方でどれだけの方が分かったのかについても確認いたします‼︎

  • 最初のヒントだけで分かった!
  • 追加ヒントでやっと分かった‼︎
  • 追加のヒントを読んでも分からなかった……
  • そもそもテイルズ作品に詳しく無い……
  • 活動報告とかに追加を載せて欲しかった……
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