【水星の魔女×結界師】義弟の言葉であと1歩踏み出せたシャディミオ(シャディクホルダーif) 作:駒由李
原作:機動戦士ガンダム 水星の魔女
タグ:クロスオーバー 墨村利守 クロスオーバー 年齢操作 未来パラレル コラボ シャディク・ゼネリ シャディミオ if
▼本編11話未視聴です! 今のうちに妄言吐き出しておきますね!! ネトフリ配信が楽しみだなァ
pixivより転載
どうも、トシモリ・ゼネリです。なんでこんなことになったって? 僕にもわからない。とりあえず僕は遥か未来にタイムスリップした結果大企業の養子になったとだけ言っておく。そしてそれより優先すべきことが目の前にある。
物憂げに溜息を吐く義兄のシャディクのことだ。彼の部屋で本を読んでいる僕は、ちらりと椅子に座る彼を盗み見る。彼の目の前にはモニターがあって、そこに今展開されているのは事業プランだ。――ここ数年の付き合いになるミオリネ・レンブランとの合同計画だった。
僕としては養父らにばれたらまずいと思って止めたのだが、シャディクは「トシモリは心配性だなぁ」と笑うしミオリネは「そのときはそのときよ」と宣った。結果、企画は通ったけどバレた。しこたま怒られ、ついでに僕も「なぜ止めなかった」と怒られた。理不尽。僕は止めた。
否――強く押しとどめたかと言われたら嘘になる。僕はシャディクが楽しそうだったから、強くは止められなかったのだ。そう、何事にも冷徹なシャディクが、ミオリネと楽しそうに――
それが今や、未練たらしく企画書を眺めて何時間も黙っていた。僕にもわかる。僕だからこそわかる。事業プランを通して見ているのはミオリネだ。シャディクと同時に補佐としてグラスレー社のCEOの養子になったから、彼女は僕の幼馴染とも言える。それでも関係が濃密なのはシャディクとだろう。僕が思うに、ミオリネは少なからずシャディクに好意を抱いている。シャディクは言わずもがなだ。
だから、ここで黙っていれば、義兄のことだ。ずっと黙ったままなのではないか。そしてすれ違って――
僕はそれが我慢ならなかった。思えば、これが転換点だった。
「あのさ、義兄さん」
「……何かな、トシモリ」
「僕には生家に兄が2人いた、って言う話はしたよね」
「年の離れたお兄さんたちだったってね。それがどうかした」
やや突き放すような言葉遣いも、彼の未熟さが見て取れた。まだ自分を取り繕えない。そこに、まだ可能性を見いだしたかった。
もう誰もすれ違わないで欲しい。僕は本に目線を落としてはいたが、意識はシャディクに向けて語り掛けた。
「その下の兄もね、幼馴染がいたんだ。僕にとってはお隣の優しいお姉さんだったけど、ウチの次兄に対する態度はツンケンしてた。少なくとも、僕が気付いた頃にはね」
「……続けて」
「そんな次兄は、幼馴染に対してずーっと恋慕を抱いてた。まっすぐなほどにね。幼馴染の方が少し年上だったのもあって、『アイツのいない世界なんて俺は知らない』なんて熱烈な台詞を吐いたこともあるらしい。とにかく、まっすぐで、性根は単純で優しい人。とにかく真摯に向き合った。結果として、幼馴染は『あんたのそういう優しいところが好きよ』と絆された。それでカップルが成立したわけだよ。僕がこの時代に来る直前にはおうちデートもしてた」
「……」
シャディクは黙っている。気付けば椅子を回してこちらに体を向けていた。僕は、本に目を落とす。先程からページは繰っていないけど。
「義兄さん。あなたに必要なのはミオリネに対する積極性だ。『君が欲しい』、そう言えば片が付く話だよ」
「……お前は」
「さて、説教臭い話はここまでにしようか。それじゃ義兄さん、この本借りてくね」
そう言って僕は、部屋を出た。残されたシャディクがどんな顔をしているか、僕は見ずに。
~数年後~
アスティカシア高等専門学園。そこに水星からやって来た赤毛の少女に、偶々居合わせた僕は説明した。
「ほるだー?」
「そう、この学校の決闘システムで1番勝ってる生徒に与えられる称号。今はシャディク・ゼネリだね」
「あの……ゼネリさんって、トシモリさん。あなたもゼネリですよね?」
「あぁ、シャディクは僕の義兄なんだよ。で、ミオリネ・レンブランはその婚約者ってわけ。ホルダーだからね」
「あの、ホルダーだからって言うのがよく」
「まぁおいおい理解すればいいよ。とりあえず、あの2人を邪魔する奴はいないってこと。それだけを理解してくれればいいよ」
僕はそうして、向こうでいちゃついている、僕の経営戦略科同士の同級生に声をかけに行った。いい加減授業の時間なので。
シャディク・ゼネリとミオリネ・レンブラン。彼らは学園内公認カップルであった。
End.