山田兄がバンドを止めたい話   作:コンソメ

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本作の虹夏は少し歪んでいます。


第3話

「兄貴がPAさんを攫って行った?」

 

「うん、STARRYに久しぶりに来たかと思ったらPAさん借りていくから店長によろしくって言って消えてった」

 

「何してるんだ兄貴………」

 

ライブハウスでバイトをしている最中に突如来訪した日夏は、PAさんの今日の給料を現ナマで置いてPAさんを攫った。唖然とする虹夏は声を掛けることができなかったが、久しぶりに見た彼は以前見たときよりも元気だったように思う。

 

「最近、お兄さんとはどう?」

 

「全然帰ってこないから会ってない。たぶん女の家に泊まってる」

 

「あー」

 

不機嫌な山田と何かを察した虹夏。

 

「まったく女にだらしなすぎる。だからバンドマンはクズと言われる」

 

「リョウはクズじゃないみたいな言い方だね」

 

「私ほどクズからほど遠いベーシストはいない」

 

「隣のクラスに借りてたお金、返したんだよね?」

 

「………そ、それよりも兄貴のこと。けしからん」

 

顔の良さを生かして女からお金を借りるリョウと顔の良さと立ち回りで女の家に転がり込んで居候する兄。この妹にしてこの兄というべきだと虹夏は感じていた。自分も口説かれたし。

 

「………日夏さんは女の家に泊まっても手は出さないと思うなあ」

 

虹夏自身は日夏と何度か話しており、リョウと日夏両方の主張を聞いていた。

 

日夏はリョウが怒っていることを理解しているが故に距離を取ったが、逆効果だと虹夏は断言した。リョウは音楽を楽しそうにしている兄が好きだし、セッションする時も嬉しそうに笑っている。リョウは決して自分よりもうまい兄が音楽を止めることに怒っているのではなく、大好きな兄が音楽をやめてしまうことを寂しく思っているのだ。

 

「兄貴は私に相談してから行動すべき」

 

無茶苦茶なことをいうリョウを見て困ったように笑う少女は、少しだけ羨ましく思った。リョウにこれだけの執着を向けられている彼を。同時に、そんな彼の懐に入りこめている事実に優越を覚えていた。

 

自分が中学生のころから日夏を知っている虹夏だが、彼が笑顔になったところを数えるほどしか見たことがない。まさに孤高のバンドマンであった。

 

「日夏さんに振り向いてもらえるようにまずはギターの子を探さないとね」

 

きっと自分が泣きつけば彼はギタリストを紹介してくれる。しかし、それでは意味がないと虹夏は思っている。自分の夢のためにはその方が良いが、日夏にはよくない。きっと、彼は救いを求めている。だから、振り向かせるのだ。リョウと自分の音で。

 

そうしたら………彼はまた笑ってくれるだろうか。

 

「あ、そうだ。虹夏、お金貸して。今日の昼食代がなくなってしまった」

 

「とりあえずリョウは正座しようか」

 

 

 

 

 

 

『MHFFM』を語るスレです。アンチは帰ってください。信者も怖いので回れ右。

 

1:名無しのファン

伝説のワンマンバンドマン『MHFFM』は何故チャンネルを消したのか

SNSだけ残ってるの謎だよな

 

2:名無しのファン

一時期は誤BANとか言われてたけど

 

3:名無しのファン

数ヶ月音沙汰ないからな

 

4:名無しのファン

レーベルに問い合わせが殺到しているらしい

 

5:名無しのファン

全部一人でやっているからな、きついだろ

 

6:名無しのファン

精神的に?

 

7:名無しのファン

失恋ソング歌ってる最中に泣いてたからな

 

8:名無しのファン

動画終盤に泣き崩れて有名になった男だぞ?

 

9:名無しのファン

あんなピュアな男がバンドマンなわけないだろ?

 

10:名無しのファン

数週間後にバチバチにピアス開けて中指立てたのは笑った。闇落ちで人気を得た男。

 

11:名無しのファン

失恋後と前で演奏レベルが変わった。ギター以外もマジで上手くなった。

 

12:名無しのファン

昔からギターと曲は最高でした

 

13:名無しのファン

ベーシストはクズしかいないとインタビューで言い残し、数多くのベーシストを敵に回したが数日後にプロのベーシストが不倫をして報道された結果、無駄にバズッた男だ。消されたんだろ?

 

14:名無しのファン

ベーシストはみんなクズ

 

15:名無しのファン

『MHFFM』振ったのもベーシスト

 

16:名無しのファン

want to be popularが好きだわ。マジで歌詞がすごい

 

17:名無しのファン

失恋ソング以外は攻撃的な歌詞しかない

 

18:名無しのファン

それがいい、それでいいんだ

 

19:名無し

>>18

わかる

 

20:名無しのファン

 

21:名無しのファン

 

22:名無しのファン

絶対に万人受けだけはしない。しかし、彼が売れたのは歌詞の悲鳴が我々に理解できるからだ。それを可能にした演奏技術。恐ろしいぜ。辛口クソ評論家に刺さる人には刺さる、高校生らしからぬ深みのある楽曲と評される魅力を完璧に理解させる演奏こそが人気の根幹。

 

23:名無しのファン

マジでこれです

 

24:名無しのファン

わかる

 

25:名無しのファン

最近だとギターヒーローさんもこれに近い演奏ができてる

 

26:名無しのファン

顔でファンになった奴だっているだろ

 

27:名無し

ギターヒーローさんとコラボして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちなみに日夏が自分に付けた『MHFFM』は彼女を落とすという決意から来ています。
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