なぜお前はいつもそうなのだ!!バーヴァンシー!!(パチモン)   作:ジンジャエール

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戦闘シーン書いてる人尊敬するよ、永遠に書けないし下手すぎる。

あと、先行上映素晴らしかったです…



何故お前はいつも…28

極端に事実だけを羅列すれば、この局面は雀部長次郎にとってはまさしく詰みと言っていいだろう。

 

中の臓腑も潰れている。肺は片方が潰れ、目を擦れている。

身体的な詰みもさることながら、これまでの研鑽により磨き上げ、心血を注いだ卍解すら奪われてしまったのだ。

 

現状を羅列すれば雀部を絶望に突き落とすにたる理由は山のように出てきた。

 

しかし、築き上げてきた矜持だけは──折れていない。

 

(奪われた力は卍解のみ…始解は問題なく扱えている)

 

自分はもうすぐ死ぬだろう。

ならば…せめてこの情報だけは、護廷のために伝えなければならない。

その為にするべき事は、もう知っている。

 

(一刻も早くこの場から離れる…!)

 

プライドを捨て去り、目の前の敵から逃げ延びる。そして副隊長としての責務を全うすることを雀部は選んだ。

 

しかし、死刑執行人は無慈悲なのものだ。

 

まず貫かれたのは、足。この場から逃すまいとまるで足枷のように地面に繋ぎ食い止めている。

 

視線をそちらに向ければ、そこにいたのは他の者と同じフードを被った、顔の見えない男だった。

 

 

「…敵前逃亡、いや仲間へ情報を持ち帰る事を選んだか。確かにその行動はソウルソサティにとって英断だ──いずれにせよ騎士には程遠い」

 

「騎士だと…何の話をしている…!」

 

「…まさか、ただの死神のままで、皇帝のご息女を娶ろうとしていたのか。

いや、失礼。君は知らなかったのだったな。」

 

〝皇帝のご息女〟その人物を、たしかに雀部は知っている。

そして、長い人生の中で雀部長次郎が娶ろうとした人物はただ1人。

 

「椿殿…!まて、…まさか、生きているのか…?」

 

そんなはずはない。彼女は確かに炎に包まれ絶命するほどの熱量で燃やし尽くされたはず。

…滅却師の王、ユーハバッハと共に。

 

「それを知った所でどうする…君に一体何ができる?」

 

何もできない。千年前も、今も。事実に目を背けた結果の今なのだから。

 

他の滅却師が、グランドマスターと1番隊副隊長との間に何か因縁があったのかとギョッとしている中、それに対して怒りを滲ませる滅却師崩れが一匹。

 

「貴様…トリスタン卿の真名をこのような公の場で明かすなど恥を知れ…!」

 

リューダースは、以前トリスタンがはるか昔に椿という名前を与えられていた時期があることを本人から雑談程度に話されたことがある。

 

思い出話を語る、という雰囲気ではなく愚痴のような言い回しで『やばかった、初代はやばかった』としきりに言っていた。

あの時は彼女をよく思っていない団員がトリスタンの飲み物に酒を混ぜたことで起きたハプニングだったのだが。こんな事でもなければトリスタンが過去の話をリューダースやイーバーンにはしないだろう。

 

酒にすり替えた本人は、流石に毒を盛られたわけでもないのにわざわざこの何千といる聖兵の中から犯人を探すことはしないだろうと踏んだのだろう。

しかし、陛下の怒りようは凄まじく、人員を割いて犯人を見つけ出すとランスロットを通す事すらせず目の前で処断した。

 

その時のことはとても印象に残っている。主君の怒りは凄まじかったのもそうだが、それよりも記憶に残ったことは──

 

『ホント、あの時は椿殿、椿殿ってうるさくて仕方なかったぜ…ま、今も同じかもね。テメェらもアイツも、十分うざったいもの』

 

鬱陶しそうにしながらも目を細めて馬鹿にするように笑うその顔が、どこか寂しそうに見えたから。

きっと彼女の真名は、あの花の名前なのだと言うのが2人の虚の認識だった。

 

故に、思わず口に出してしまったのだ。

よりにもよってグランドマスターの前で。

 

 

「真名だと…?」

 

「は、はい!」

 

「そうか、つまりこの男が今言った名が真名だとトリスタン殿下はお前に話されたのだな」

 

「い、いえ。真名であるとははっきりと明言されませんでしたが…しかしこの者はトリスタン卿と深い仲、…ッひ、」

 

美しい蒼眼から湧き出る、殺意。圧倒的強者の霊圧は、破面崩れの滅却師を震え上がらせるには十分すぎた。

近くにいる聖章騎士たちですら思わず得物に手を伸ばしかけている。

 

 

「その過ぎた口はいずれ己の身を滅ぼすぞ」

 

「は、はッ!」

 

「まだ、」

 

(足掻け、足掻けッ、これまでの研鑽は、これまで元柳斎殿のために磨き上げた力は、このようなものでない…!)

 

──最後まで、足掻く。

 

──前に進め、雀部長次郎。

 

自分を鼓舞し、レイピアのような斬魄刀から放たれる雷、卍解に比べれば威力は劣るそれを、目の前の相手に向ける。

 

「…見事だ。その諦めの悪さは評価しよう……しかし、無駄な事だ。

君は全力で戦った時ですら、我々に敗北している。卍解に劣るソレでは到底私には届きえない。」

 

相手には、始解で行える全力の攻撃をぶつけようとしているように見えたのだろう。

それが、今雀部にできる最善手だと。

 

(見極めろ、見極めろ、)

 

雀部の出した雷は簡単に目の前の男にいなされる。けれど、雀部は、絶望などしていなかった。

 

雷は、まるである一定の位置に誘導しているように。

そして、きっとそれはすぐに気づかれることも分かっていた。

 

故に──

 

「これは、…」

 

それは瞬歩だった。

 

集中させた霊子を蹴り出し、雀部は自ら出した雷の壁の隙間を高速で移動する。貫かれていた足が痛み出すが、それすら今はどうでもいい。

 

目の前の男の距離は、もう少し。

 

しかし、相手も想定内なのだろう。すぐさま剣を雀部の方向へ向ける。

このままいけば雀部は斬られておわる。

 

──このままの速さなら。

 

そこに、始解で出した雷を乗せた。鈍い音と共に体を押し上げる光の後押し。

 

足は焦げ、すぐさま炭化したが、勝機は見えた。

足のない自分はこの男を仮に殺せたとしても、他の旅禍によりすぐさま殺されるだろう。

 

(護廷たる者、自らの命を惜しんでどうする!1人でも敵を倒し、護廷に尽くす!たとえ、相打ちになったとしても──)

 

これは、最後のチャンスだった。

 

(届くッ…!もうすぐ、)

 

狙うのは人体の急所である首を狙う。

確実に、今この場で倒せるように。

 

 

「さすがは一番隊副隊長を勤めていただけのことはある……始解を囮に自ら斬りかかるとは。それに、瞬歩を使うことは想定していたが、君が今行った歩兵の応用は陛下から頂いたダーテンには書かれていなかった」

 

 

雀部の斬魄刀は、男の肌を貫通することはなかった。

血が出なかった代わりに、顔を覆っていた布が取れて、目の前の男の顔が顕になる。

 

金髪の長い髪に、こちらを侮蔑の色で見ている蒼眼の瞳。同じ蒼のはずなのに、薄いか濃いかの違いでまったく違う色に見えてしまう。

 

「君が満身創痍ではなく、今のような負傷もなければ貫通していたかもしれないな。〝幸運〟な事に、そのような事にはならなかったが」

 

静血装、滅却師が使うそれを、雀部は知らない。

けれども何らかの技術で攻撃が通じなかったことだけはわかる。

 

 

(…もうしわけ、ありません)

 

無様に地にふせる。

 

懐から落ちた、赤く染った白椿の装飾は、見守るようにその様子を傍観していた。

雀部は、無意識にそれに手を伸ばしていた。

 

 

「無駄なことを」

 

あの人混みの中ですら純潔を保っていた椿は目の前の男が踏み躙ったことで散らされた。

白い花弁は余すことなく真っ赤に染まり、地面の汚れを吸い取り黒く濁り始める。

 

「副官はもう既に虫の息だと言うのに随分と遅い到着だ」

 

「よもや、この場から無事で済むと思っておるのか…?」

 

苛烈な炎の登場に冷めた目でその光景を見る。

そして、ユーグラム・ハッシュヴァルトは計画通りに円状の銀を手に取った。

 

 

 

 




小姑してるハッシュくんとこの後宣戦布告してやっぱり平和への礎にされるリューダースくん


おこポテ「西洋かぶれの騎士紛いの分際であの子の隣に立てるわけ無いだろうが、まさか陛下の殿下であるご息女に求婚したくせに何も捨てる覚悟もなくただついてきてもらおうと?あと名前を勝手につけるんじゃないただでさえトリスタンなんて何も知らない滅却師から呼ばれてるんだからそもそも彼女にはちゃんとした名前が(以下略)は?真名??
おまえおまえおまえおまえおまえおまえおまえおまえおまえ」   

平和への礎組「あの時の寂しそうな顔が忘れられない…」

愛娘ラブ陛下「やはり雀部長次郎を…」

偽バー(あの時は陛下ニウムを摂取できなかったから寂しかったなぁ)
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