千手扉間に責任を取って欲しいうちはイドラの話   作:藤猫

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感想。評価ありがとうございます。感想いただけましたら嬉しいです。

どうしても、缶ビールを片手にしたカグヤの婆様の姿が離れなくて。
次から、それが自分であるなんての続きになります。

フォロワーさんが描いてくださりました。
https://x.com/fujineko56/status/1756600740720861481?s=20

活動報告の方に簡単な家系図載せました。


番外編:カグヤという女について 5

 

 

「そこはもう押し倒さんか!!」

だあーんと机に叩きつけられる音に、居間にいた全員の肩が震えた。

 

「お前!そこは、もう、そこまでいくのならいっそ押し倒さんか!!」

「突然なんだよ、婆様!?」

「どうもこうもないわ!もどかしい!!」

 

大筒木カグヤはぎりぎりと歯がみしながら吐き捨てるように言った。それに、部屋にいた人間がなんだなんだと視線を向ける。

時間帯は夜で有り、そろそろ寝るかとも思えるような具合だった。そこは、うちはオビトの管理するマダラ邸だ。里の中心部に有り、うちは一族が住んでいる地区からはだいぶ離れている。

カグヤに、家の主であるオビトと、うちはクズハとうちはカザリ、そうして千手狭間の視線が集まる。

そんなカグヤは、缶ビールを片手にばんばんと机を叩いた。

 

「ええい!ならば聞け!カグヤの奴のヘタレっぷりを!」

 

カグヤはそのまま、イルカとカグヤのやりとりとビール片手に熱く語る。

 

「もどかしいわ!それをやるぐらいなら、風呂場に裸で突撃しろとは思わんか!?」

「思わねえよ!!つーか、あんた、何を初々しい二人のあれこれ知ってんだよ!?」

「カグヤは妾にとって中継地点のようなもの!それぐらいは容易いわ!」

「何してんのあんた!?」

 

ぎゃーすかと騒ぐオビトとカグヤの婆様を見つつ、カザリとクズハは茶を啜った。

 

「うーん、大分外堀埋めてきましたね。」

「止めなくていいのかねえ。」

「それは、どちらの話ですか?」

「両方?」

 

カザリとクズハはそう言って茶を啜る。本来なら、二人は己の子どもと居を同じにしているが、それぞれ用事で実家を訪れ、そのまま長居をして、泊まることを決めてのんびりとしている。

ちなみに、オビトの両親と祖父に当たる三人は懸賞で当たった温泉に行っており留守にしている。

 

「そういえば、狭間はどう思ってるんですか?」

「なーにが?」

 

狭間は畳の上に転がって、ペン吉と将棋をしていた。そうして、寝転んだ背中の上で月兎がすやすやと寝ている。

 

「妹が男を作ったのだから、それ相応に思うことがあるのでは?」

「男って、カザリ、言い方・・・・」

「えー、でも。クズハの兄様もミコトちゃんが結婚するとき面白くなかったんじゃないの?」

 

それにクズハは少しだけ困った顔をした。

 

「・・・・うーん、まあ、フガク君もいい子だったし。婿に入ってくれたから。でも、確かに寂しかったかな?今は、孫達もいて楽しいものは楽しいけどね。」

 

のんびりとした声音でクズハが言えば、狭間はむうと顔をしかめた。

 

「のろけられた気分なんですがね。」

「それで、結局狭間はどう思ってるので?」

「・・・・いや、だってさあ。」

 

狭間はごろんと横になって手枕をして、カザリとクズハを見上げる。

 

「話せば話すほど良い奴なんだよなあ~。文句が付けらんない!あと、そこはかとなく、あの微妙なお人好しそうな空間感、俺も好みだしさ。」

 

狭間が転がった拍子に背中で寝込けていた月兎が転がる。そうして、事態を把握していないのか、きょろきょろと辺りを見回す。

 

「広間はどう言ってるの?あの子、カグヤのこと溺愛してたのに。」

「まあ、母上にくりそつだったしなあ。まあ、それはそれとして、別にカグヤと混同してるわけでもないし。素性も調べて埃もないから好きにすればって感じだな。母上はああいう人だし。というか、ペン吉は反対してたじゃん。そこら辺、どうなんだ?」

「・・・・そんなもの、カグヤの姫様に合う男などいるはずがないでしょう。」

 

将棋を指していたペンギンは不快そうに羽を組んだ。

 

「ですが、反対などしてみてください・・・・!カグヤ様に嫌われれば、爺は、爺は!!」

「ペンギンのくせに家老みたいで草が出そう。」

「ペンギンのくせに缶ビール片手に将棋打ってるの、だいぶ嫌。」

 

狭間達がわやわやとしているとカグヤが不機嫌そうに顔をしかめた。

 

「まったく、女というのはもっと図々しい方が可愛げがあってよいわ。」

「図々しいってな。だからといって、すぐに肉体関係を求めさせようとするのは悪い癖だぞ!?」

「そりゃあ、孕めば一発じゃからな。」

「とんでもないアンモラル発言にドン引きですわよ!!」

 

動揺のあまりお嬢様言葉を吐き出したオビトにカグヤははあとため息を吐きながら缶ビールを啜った。

言い換えれば、天女みたいな立場の人外をするには、あまりにも生臭すぎる光景だ。ちなみに、一番の気に入りは清酒らしい。

 

「大体な、子どもが出来ればちゃんと責任を取ってくれる奴ばっかじゃないからな?普通にとんずらする奴だっているんだぞ?」

「うちはそういうのないですね、とんずら。」

「まあ、うちはは血継限界の辺とか、性質的にね。千手は、前は婚外子とか普通にいたけど、アカリのおばさまがしつけたから。まあ、ね。」

 

そこでカグヤはちらりとオビトの膝の上を見た。そうして、その膝の上にいる存在の頭を撫でる。

 

「ほれ、これぐらい図々しい方が可愛げがあるぞ?」

 

そう言って膝の上に居座っているはたけカカシに視線を向けた。それにカカシはふてぶてしい表情でめんどくさそうにカグヤに視線を向ける。

 

「人の膝の上に居座ったあげく、R-18小説読んでる女の図々しさに可愛げを求めろと?」

 

もっともなご意見ではあるが、それにカカシが不機嫌そうにオビトの耳を引っ張る。

 

「可愛いでしょ!?」

「いててててててて!!おま、その態度でどこが可愛いと!?」

「わーたーしーは、かーわーいーいーでーす!!」

「わあった!わあったから!」

 

銀の髪は腰まで伸びており、豊かな胸に、ほっそりとした腰はまさしく絶世美女といって差し支えはない。

ただ、ひたすら、オビトに対して甘えている部分が目立つが。

 

「ただ、中身は見事にクソガキのまんまですねえ。」

「でも、あれだって対オビビだからまあ。」

「独りに降りかかる負担がひどくない?」

「いやあ、他の人には物腰柔らかなのにねえ。」

「でもさ、オビトも悪いからな。」

 

狭間はそう言いながら、オビトを見た。オビトはへいへいと言いながらまるで幼い子どもをあやすように頭を撫でて、抱きしめている。

カカシは機嫌よさそうな顔をしていた。

 

基本的にオビトの周りの殆どは、多かれ少なかれ弟妹持ちが殆どだ。そんな中、オビトだけは一人っ子であった。

幼い頃にきょうだいに憧れていたオビトの家にやってきたのが、サクモと、そうしてカカシであったのだ。

年が一つ下のカカシにさっそくオビトは兄ぶっていたのだ。もちろん、カカシにぼこぼこにされて、すぐにへこんでいた。

 

「名残だよな。カカシに対してはゲロ甘だもんねえ。」

 

などと狭間のつぶやきに、他の人間もうんうんと頷く。

それにカグヤの婆様はしみじみと言う。

 

「やはり、娘の一人でも産んでおけばよかった。息子は可愛くない。」

「息子だって可愛いですが?」

「カザリ、お前、その素直さを息子の前でみせてやらんか・・・・」

 

などと言っていると、玄関の戸が開く音がした。

 

「・・・誰だ?」

「あー、これは。」

「っばんわ!!起きてるか!野郎共!」

 

ばーんと障子を開けて入ってきたのは、淡雪のような髪をした女だ。

肩まで伸びた白い髪に、黒い瞳。

ややつり上がったアーモンド型の大きな瞳。愛嬌のある猫を思わせる、愛らしい女だ。

 

「ユリちゃん、どうしたの、こんな時間に?」

 

入ってきたのは、千手蔵間の長女である千手ユリ、現在はマイト・ユリだ。

 

「おおっす、アイス食べる?」

 

そう言ってドサリとスーパーの袋を置いた。中を見れば、高めのカップアイスが入っている。

 

「おや、これは大量に。どうしたんですか?」

「なんかね、くじで当たっちゃってさ。ガイは辛党だし、私も食べるのに限度があるからおっそわけ~。」

 

豊かな胸をたぷんと揺らしながら、ユリはきゃらきゃらと笑う。

まったりとした声音の後、皆がわらわらとアイスを見ている中、ユリはカカシの頭を撫でる。

 

「ふふふ、我が儘猫ちゃんめ、またオビトに甘えてるの?」

「いいでしょ、ここに定住するって決めたんだから。」

「俺の膝なのに?」

「そっかあ、あ、そう言えば。また、ガイが手合わせしたいって言ってたから時間あるときによろしくねー。」

 

間延びした、のんびりとした声音でそう言った。それにカカシはめんどくさそうな顔をした。

 

「またあ?というか、夫が自分以外の女に構うのっていいの?」

「えー?カカシとガイってそんな感じじゃないし。というか、私、カカシとガイに結婚して欲しかったのに。」

「あり得なさすぎて、一周回って笑うわ、その組み合わせ。というか、あいつがどんだけ結婚から遠いのかわかってんの?」

 

狭間のそれに、ユリは拳を握りしめた。

 

「えー!なんで?ずっと思ってたけど、なんでガイってモテないの?あんな面白い男なら、女なら数人は群がってもおかしくなくない?」

「おかしくなくなくないな。」

 

オビトの言葉に皆、思わず頷く。

マイト・ガイ。良い奴だ。良い奴だけど、あまりにも癖が強すぎる。

 

「なんでさあ!」

「つーか、お前だって別にガイと結婚したかったわけじゃないだろが?」

「うーん、あんまり、私は結婚するって感覚無くてさ。でも、ガイには結婚して欲しかったんだあ。ガイの子どもならものすごく面白いだろうし!」

「マジで誰に似たんだ。」

「どっちかというと、扉のおじさまの血が強い気がしますけどねえ。」

 

ユリはそのまま拳を握った。

 

「だからさあ!頑張って女の子にプレゼンしても、狭間とか、マヒルとか、あとオビトとかヤシロなんか紹介してって言われるし!」

「オビトのこと紹介して欲しい奴の名前教えて?」

「こーら、私的な暗殺は禁止ですよ?」

「でも、気づいたんだ。別に、私も女だから、ガイの子産めるって!」

 

喜々として語った女に、クズハが聞いた。

 

「・・・・ねえ、ユリ、さすがにやっちゃダメなラインは越えてないよね?」

 

それにユリは少しだけ黙った後、にっこりと笑った。

 

「掟は破ってないよ?」

「それ以外のラインは軽々越えたの!?」

「よくぞやった!これだ!この図々しさこそ、カグヤは持つべきなのだ!!」

「いらねえよ!!持つな!推奨すんな!!」

「まあ、殺し合ってる間に敵対氏族の、長の妹を孕ませた男の血筋だから、これぐらいは多少。」

「扉間様の悪口は禁句だよ、ここでは。」

 

そんなことを聞いている中、今まで黙っていたペン吉がばちんと音を立てて、駒を動かした。

 

「王手。」

「は?え、まじで!?」

 

八方から聞こえてくる騒がしい声の中、玄関から、ただいまと話題の中心の女の声がした。

 




ヤシロ
ちょろっと出た人。
綱手の息子、ダン似の優男。飄々としてる。いい人。
ユリ
みんな大好き火の玉娘。祖父の好奇心的なものが抽出されたような変わり者。研究者気質。顔はfgoのお虎さんを想像してくださると。

扉間は

  • 女の子が欲しいが、息子しか産まれない
  • 女の子がすぐに産まれる
  • 女の子が欲しくて、末っ子に産まれる
  • どっちでもいい
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