長編案と短編集   作:蒼羅

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ウルキオラの描写難しいな……。

※「北流魂街37地区 雪灰」の続編です。


まさかのお誘い

「本当は俺、春の海って書いて春海(はるみ)っつー名前なんだけどよ、こっち(尸魂界)に来てからは知り合いが居なかったのをいいことに音読みの春海(しゅんかい)で通してんだ。尸魂界(ソウルソサエティ)じゃあ自分で自分の名前をつけるなんてざらにあるしな。

じゃ、改めてよろしく」

 

場所を春海とやらの屋敷に移し、2度目の自己紹介。はたしてする必要があったのか。

他人の名前の由来なんぞに髪の毛の先ほどにも興味が無いウルキオラだったが、それでも話のネタになるかと思い「何故読みを変えたのか」と問えば「かっこいいからに決まってんだろ!」と返ってくる始末。

 

「……」

「……」

 

片や反応に困り口をつぐむウルキオラ。片や何故ここで沈黙が返ってくるのかよく分からないという顔の春海。

 

そもそもなんで俺はこんな男の戯言に付き合っているんだ。

今までの生活ではおよそありえなかった状況に頭を抱えたくなったが、とりあえず無表情で貫き通すウルキオラ。

 

(だがしかし、ただの人間ばかりが暮らす流魂街で無愛想すぎるのもよくない。相手が破面(アランカル)やら(ホロウ)やらなら愛想など二の次三の次だが、人間社会では明確な力の序列がない分愛想がものを言うという。

ならばやはりある程度愛想はあったほうがいいだろう。慣れない人間社会で面倒事はごめんだ)

 

やはりウルキオラはどこまでいってもウルキオラだと言うべきか、実に合理的だ。

だが、自分の愛想が平均以下だということには気付いていないらしい。

それこそ、愛想など二の次三の次な社会で生きてきたのだから仕方が無いのかもしれないが。

 

(大抵はここでウケるんだけどな……)

 

自身のノリが周囲の愛想笑いならぬ愛想ウケで成り立っていたことに気付いていない春海も春海である。

 

 

「ま、それはおいといてだ」

 

あんたの名前を教えてくれねえか、という声で我に返るウルキオラ。

お前がそれを言うのか、とはあえて言わない。

 

「……ウルキオラ・シファーだ」

 

「洋名か、珍しいな。

ま、これから長い付き合いになるんだし、宜しくな。ウルキオラ」

 

「……ああ」

 

ウルキオラでいい、と訂正したことなど数えるほどしかなかったのに、訂正せずに済んだのがなんだか久し振りのような気がした。

 

 

  */.

 

 

ウルキオラが名乗ったことで、ようやく話が本題へと移った。

 

雪灰は北流魂街の中でも西よりにあるということ、甘味処や居酒屋がないが、そのかわり流魂街には珍しい現世でいうファミレスのような店があるということ、この地区を東西に横切るように連なる集落には現在空き家が4つあり、どれに住むかはウルキオラが決めていいということ、どの家にも家財道具は前の住人が使っていたものが大体残っているので、あまり物に頓着しないのならこのまますぐに生活できるということ、そして、

 

「ここ雪灰では農業、その中でも特に農耕が盛んでな。住人の7割強が何かしらの植物を育ててる。人見知りが多いってのもあるかもしれねえが、ここは昔からそうでな。

あんたもまあ、その、人見知りじゃあなさそうだが接客業には向いてなさそうだし、農耕で生計を立てるのがいいと思うんだが」

 

 

農耕生活のお誘いである。

 




かつての第4十刃(クアトロエスパーダ)がまさかの農耕生活。
体力もあるし力もあるし、申し分ない……はず。
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