昨日の夜ふっと思いついて眠れなかった話。
設定は3作の中で一番出来てるんだけど、実はプロットはどれよりも組みあがってなかったりする。
「また妖気が近付いてきた。これで今週何回目かしらね。四魂の玉もなくなったっていうのに……」
まだ慣れない巫女装束に着られているかのような娘が呟く。
「いや、それだけじゃねえ」
だが、接近するもうひとつのにおいに気付いたのは、犬耳を生やした銀髪の半妖だった。
「死人と墓土のにおいもしやがる」
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巫女装束の娘をおぶり、半妖の少年は走る。
脳裏をよぎるのは、背中の娘に似た、かつて愛した巫女。死んでなお、無理やり鬼女裏陶によって自分の骨と墓土で蘇らされた桔梗。
(いや、桔梗のはずがねえ。あいつは俺達で看取ったはずだ)
ねえ、という巫女の声にはっとする。
「霊力でも妖気でもない、この変な感じ、最近よく出てくるあの妙な妖怪に似てない?」
「……確かに似てるとは思うけど、ちょっと違うんじゃねえか?」
「そうねえ、あいつらよりも複雑というか、うーん……何かが混じってる感じがするかも」
ああ、と返して犬耳の少年は前を向く。
目的地は目と鼻の先だ。
「とりあえずかごめはここで待ってろ。雑魚妖怪ばっかだし、さっさとぶっとばしてくる」
「ちょっと待ってよ犬夜叉、あたしも行く!」
「こんなの俺ひとりで充分だっつーの」
「違う、この妙な感じをちゃんと確認したいのよ!」
かごめと呼ばれた巫女と犬夜叉と呼ばれた犬耳少年が押し問答しているうちに、妖怪が暴れているであろう森の中から、随分と色白な男の人がふらりと出てきた。
おそらく妖怪たちに追われてきたのだろう。息も絶え絶えといった様子で木に手をついている。
顔は伏せられていて、見えなかった。
「……誰あれ」
「知らねえよ。かごめはあいつのこと見てろ。俺は妖怪共をシメてくる」
「はいはい、分かったわよー」
あっという間に犬夜叉は森の中へ消えていく。
相変わらずの犬夜叉の背中に向かって答えながら、かごめは男の人に歩み寄った。
「あのー、大丈夫ですか? ……え!?」
男の人の身体が、ゆっくりと前に傾いでいく。
ちょっちょっちょっちょ! と無意識に口走りながら駆け寄り、かごめはなんとかその身体が倒れきる前に支えることが出来た。
(こりゃあ、楓ばあちゃんに預けた方が良さそうね……)
近くの木に彼をもたれさせ、持ってきた矢で寄ってくる妖怪を蹴散らしながら、かごめは思った。
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妖怪たちを難なく蹴散らし、未だ起きる気配の無い男の人を渋々おぶった犬夜叉とかごめが村に帰ってきた頃には、もう日が傾いてきていた。
この村の巫女である楓に事情を話し、家にお邪魔したふたりは、犬夜叉がおぶってきた人を布団に寝かせ、楓と共に顔を覗き込む。
「確かにこの者から感じる力は、あの妙な化け物と似とるのお」
「おい楓ばばあ、俺はさっきから死人と墓土のにおいは間違いなくこいつからしてるって言ってるだろ!?」
「わしは別にお前の鼻を否定してはおらぬよ」
「……どういう意味でい」
「わしにもこいつが何者なのか分からん。死人だからといって化け物でないとは限らぬし、化け物だからといって死人でないとも限らぬ。人間でもあり怪物でもある、というところが妥当かの」
「人間でもあり怪物でもある……?」
「まあそこから先は、本人に聞く方が早いだろうて」
いつの間にか、男が目を開けていた。
時間が無いいいい(;ω;)
書こうと思ったところまで書ききれないこの屈辱。