将来妹が鬼に殺されるかもしれないので絶対阻止したいお兄ちゃんの話 作:シグル
「屋敷を出た時とはまた随分顔付きが変わったなぁ」
帰宅した俺を出迎えたのは、この時間なら離れにいる筈の紅葉だった。
からから笑いながら縁側で酒を飲んでいる紅葉に溜め息をひとつ溢し、着替えてくると伝えて私室に向かった。
着替えを済ませて縁側に戻る。紅葉の横に先程まで無かった盃が追加で用意されているのを見て、俺は無言で隣に腰を下ろした。
「たまには星見酒もいいだろ?」
「曇ってるんだが?」
俺がときと屋にいる間に雨は止んでいたが、それでもまだ空はそれなりの雲で覆われている。それを視界にきちんと収めているにも関わらず"星見酒"とは…こいつもしかして酔ってるのか?
「言っとくけど俺が飲み始めたのはお前が帰ってくる少し前からだぞ」
素面だった。
「…美鶴殿はどうした」
「先に休んでるよ」
なんかもう面倒になったので突っ込みを放棄して問えばもっともな答えが返ってきた。もう夜も遅い。明日の事を考えればそれが正しい行動だろう。
「それで?もう大丈夫なのか」
俺の様子なんて気づいてないと言わんばかりに紅葉が口を開く。それに対し肯定を返せば「そうか」という至極簡潔な反応をされた。
ちびちびと酒を口に運ぶ紅葉を見やる。口角が上がってはいるが、先程の声音には心配の色がたぶんに含まれていた。朝絶不調だと言ったから気にしてくれていたのだろう。俺が帰って来るのを待って、酒まで用意して。そこまでしてくれる相手に言葉を濁すのは悪い。そう判断してぼそぼそと歯切れ悪く本日最大のやらかしを告白する。
「…馴染みの花魁に、色々と話してきた。あー、と…俺が目的を持って遊郭に通ってる事とか、雑談の体で情報をもらっていた事とか…俺の隣にいてほしいっていうのも、全部」
この時の紅葉の顔といったら、目も口も大きく開けて一言で言えば随分と間の抜けたものだった。それこそ、こんな状況でなかったら盛大に笑ってやったのにと残念に思う程。
「そ、れはまた…思い切ったな」
「俺もそう思う」
いや本当に。何だって言ってしまったんだか。
この短時間で繰り返し頭に浮かぶ後悔はしかし、同時にどこか晴れ晴れとした心地を抱かせるのだからどうしようもない。
伝えるつもりはなかった。それは確かだ。けれど心のどこかで
手元の酒を一気に呷る。カッとした熱が喉を焼いた。
「けど、彼女を想う気持ちはずっと前から俺の内にあったよ」
自覚があったかはともかく、少なくとも数年前にはもう。
「…そうだろうな」
先程までとは打って変わって静かに酒を口に含む紅葉は何故か嬉しそうだった。
「紅葉?」
こちらの訝しげな態度にこれまた静かに笑いながら続ける。
「安心してるんだ、俺は。お前が私情で動いた事が本当に嬉しい」
思ってもみない言葉に何度か瞬きを繰り返した。諫言されたり否定される事はないと思っていたがこの反応は予想外だ。
というか。
「…気づいてたのか」
「そりゃあもちろん。遊郭に持っていく土産を楽しそうに選んでたり、あとは報告してる時少し雰囲気が柔らかかったし」
「嘘だろ」
「な訳あるか。…まあ、土産に関しては子どもたちに渡すやつも似た感じだったから微妙なところではあったけど」
てっきり美鶴殿から聞いていたのかと思っていたが、この様子だと自力でその結論に達したんだろう。
すらすらと出てくる指摘に頭を抱える。ついでに顔も暑くなってきた。
大半が無自覚でやっていた事だからもうどうにもならないが、下手をすると天元にもバレてる可能性が…って、そういえばあいつ情報交換の度にちょっとにやついてたがまさかこれか?
気付きたくない事実に辿り着きそうで、今度は逆に血の気が失せてきた俺を尻目に紅葉は続きを促してくる。
「それで結果は?」
今になって何故こんな夜更けに大の男が揃ってこんな話をしてるんだろうと思えてきたが、それは一先ず無かったことにする。
「…来月、聞く」
「そうか」
確かに考える時間は必要だな、と納得している紅葉を横目に徳利に手を伸ばし盃を傾ける。
思い出すのはかつて耀哉にされたひとつの質問。
鬼殺隊に入って、色々な形の"家族"を見てきた。子を成し、先祖から受け継いできたものを継承していく一族もあれば、共に隊員として職務を全うしている夫婦もいる。中には奥方が三人もいるという誰かが聞いたら発狂しそうな夫婦もいる。言わずもがな俺の元継子なんだが。
そんな家族たちを見てきて、羨ましいと思った事は無かった。幼い頃から刀を振るっていたから誰かとの婚姻を意識したこともなかったし、あまねと耀哉が夫婦になったときも、輝利哉たちが生まれた時も、めでたいと思いはしても「いつか俺も」なんて考えは浮かんでこなかった。紅葉と美鶴殿が結婚した時もそれは変わらない。
そういう話が無かったと言えば嘘になる。藤の花の家紋の家の主人に娘はどうかと言われた事もあったし、女性隊員から声が掛かった事も少なからずあった。けれどいずれも心動かされる事はなく、必要性も感じないまま断り続け今に至っている。
だから、まさか自分が鯉夏に対してこんな感情を抱くようになるとは思わなかったんだ。
可愛い。傍にいたい。隣にいてほしい。色々な
冷たい夜風が前髪をさらう。
酒によって火照った身体が冷やされていく中、考える。
あの時と今とでは状況が変わった。
時透兄弟は屋敷を出たし、右も左も分からないような"子ども"ではない。
柱も俺を含めて十人になった。過去最高で九人だった事を考えると十分な戦力と言えよう。
珠世殿と胡蝶姉妹の共同研究も少しずつではあるが進んでいると報告を受けている。俺たちだけでなく天元も協力してくれるようになってからはますます血の集まりがいいらしい。
そしてもうひとつ。十の時に見た夢と結末は変わらなかったが、変わっている部分も確かにあった。耀哉に呪いの兆候が見られてから始めた浄化の儀式。いちいち数えていないからその回数は分からないが、それでもその回数分の意味はあった。
(未来は、無数の選択の先にあるもの、か…)
鬼が存在している以上、変わらず問題は山積みではあるけれど、それらを片付けるための柱で、隊士で、隠だ。俺はひとりではない。頼れる仲間が、支えてくれる存在がいる。ならば、もうひとつ守るものを増やしても大丈夫だろうか。たとえ彼女が頷いてくれなくても、鬼の脅威から優先的に守るくらいは、許されるだろうか。
隣の紅葉が盃を呷る。徳利の量的にそれが最後の一杯だ。
「紅葉」
「ん?」
「ありがとな」
心配してくれて。支えてくれて。…ひとりにしないでくれて。
そんな想いを込めて礼を告げれば、僅かに照れの色を濃くした紅葉がにっと笑ってこう告げた。
「当たり前だろう?だって俺は、お前の隠だからな」
一拍置いて吹き出したのはどちらが先だったか。俺か紅葉か、断言は出来ない。どちらにせよ言えるのは、今夜はゆっくり眠れるだろうという確信に近いものだけだった。
*****
よく眠れるだろうという勘は当たっていたらしく、その日の晩は特に夢を見るでもなく朝を向かえる事となった。
前日の不調はなんだったんだというくらいには調子も戻っていたため、残していた事務仕事を終わらせて夜には任務に赴いた。
担当警備地区の見回りに通常任務。報告書の作成と珠世殿たちの研究について。その他諸々の仕事を日々片付けていればあっという間に日にちが過ぎていった。
そして今日。いつだったか衝動的に購入した鼈甲の簪を手に取る。結局あまねに渡すことなく時間だけが過ぎてしまったそれを、じっと見つめてから袂に入れた。
小さく息を吐いてふと、自分の手が冷えきっている事に気がつきなんとも情けない気持ちになる。逃げ出したいと思う程の緊張などいつ以来だろうか。上弦の弐と対峙した時でさえこんな気持ちにはならなかったというのに。
今日は新月。鯉夏に想いを告げた夜から、およそ一月が経っていた。
これまでと同じようにそこそこ仕立てのいい着物に冬用の羽織を身に纏い外に出る。いつもと同じ道順をいつもと変わらない速度で歩きながら空を見上げた。夜の帳が降りて暫く経つが、まだ星の姿はない。月もないからただ暗闇が広がるばかりだ。
キンと冷えた空気を肺の隅々に行き渡らせるように吸い込み、静かに息を吐き出す。白く染まり溶けていく様を見つつ、そういえば鯉夏は冬の寒さが苦手だと何かの折りに言っていたなと過去に交わした会話を思い出した。
月が一つか二つ一気に進んだかのような、そんな季節外れの寒さだった。急な事で炭の数が足りず、火鉢の前に居てもなかなか暖まらない。そんな中、ふるりと身体を震わせ指先同士を擦り合わせて暖を取るその姿があまりにも寒そうで、無いよりはましだろうと俺の羽織を肩に掛けてやったのを覚えている。恐縮しきりだったが、俺は幸いにも彼女ほど寒さを感じていなかったのでいい感じに言いくるめてそのまま使わせた。暫くすれば火鉢からも暖を取れるようになったが、あまりにも俺の羽織を嬉しげに、大事そうに扱うものだから、結局帰るまで彼女に貸すことにしたのだ。
ふ、と当時のやり取りを思い浮かべて口元を緩める。さらに歩みを進めれば、袂に入れているものががさりと存在を主張した。
定番になっている土産物と、それに加えて今日はもうひとつ。受け取ってもらえるかは鯉夏次第だが、願掛けというか…希望を込めてつい持ってきてしまった。
受け取ってもらえなかったら今度こそあまね行きだな、と後ろ向きな事を考えていれば、見えてくるのは"ときと屋"の文字。
相も変わらず煌びやか場所だ。そして、鬼の気配も血の臭いもしやしない。…今日鯉夏が否の言葉を紡げば、俺はここでの伝を一つ失う事になる。そういう意味でも軽率だったと、一月前の自分のポンコツぶりに溜め息を吐きたくなった。
とはいえいつまでも門前に留まっている訳にもいかないだろう。意を決して門戸を潜る。室内の明るさに一瞬目を眇めるもすぐに慣れ、そのまま視線を走らせた。
「藤宮さま!お待ちしておりました」
大きな声と共に楼主が近寄ってくる。いつもにこやかではあるが今日は一段と笑みが深い。
「こんばんは、楼主殿。随分と機嫌が良いようだが…何かあったのかな?」
「ええ、ええ。それはもう…あ、申し訳ない。こんな所で引き留めてしまって。ささっ、どうぞこちらへ。鯉夏が待っておりますよ」
そう言う楼主は本当にご機嫌らしい。いつもは下男に案内させるのに今日は自らが先導していく程なのだから相当だ。
首を傾げつつも後を追っていく。そうして辿り着いた先の部屋には、既に人一人分の気配があった。間違いようもないその気配にぴくりと指先が震える。
「鯉夏、私だ。入るよ」
「──はい、親父さま」
何の躊躇いもなく開かれた襖のその奥。華やかな着物に身を包み、柔らかな表情でその顔を彩る、美しい
──ああ、好きだなぁ。
彼女の姿を映すだけで止めどなく溢れてくるこの想いを、俺はきっと、一生忘れやしないだろう。
「今日はこれを」
案内してくれた楼主は既にここにはいない。鯉夏と一言二言言葉を交わしたあと早々に去っていった。なんとなく雰囲気が「後はお若いお二人で」とでも言いたげなものだったのが少し気まずい。
その気持ちを抱えたまま鯉夏の正面に座り、用意した土産を渡す。両手で受け取り包みを開いた彼女の顔が、ぱあっと輝いた。
「まあ、可愛い!手鞠飴ですか?」
「ああ。甘いものばかりもどうかと思ったんだが、他に思い付かなくてな」
「ふふ、貴方からの贈り物ならなんでも嬉しいですのに」
両手で包み込むように持ちながら頬を綻ばせる姿に可愛いなという言葉が出てきそうになる。危ない。
それにしてもこれはあれだな。お膳立てされてる感じがひしひしと伝わってくる。楼主が
…いっそのこと酔ってしまいたいなと大して酔いもしないのに思ってしまった。まあここに酒は用意されていないんだが。
一瞬の静寂が場を支配する。それを敏感に感じ取ったのか、手の中の包みを脇に下ろした鯉夏がこちらを向いた。
「…お食事の前に、お時間頂いてもよろしいでしょうか」
「…ああ」
心臓の音が煩く響く。よく見れば鯉夏もいつもより緊張している様子だ。その証拠に小さくだが確実に深呼吸を繰り返している。
きゅっと腿に揃えられた指先が丸まった。
「私は、遊女です。これまで色々な方のお相手をしてきましたし、多くの遊女を見てきました」
静かに紡がれるその声に耳を傾ける。彼女の大きな瞳は、何かを思い出すように僅かに伏せられていた。
「お客様に本気で恋をした子、利用されて傷ついた子、愛し合っていたのに結ばれなかった子。そんな彼女たちを見て、私は絶対にここに来られる方に恋なんてしないと決めていたんです。けれど…気づいたら私は、一人のお客様のことをずっと待つようになっていました」
伏せられていた瞳が再度俺を映す。
「月に一度来られる、綺麗な方。まだ不慣れだった私を叱ることなく、優しく接して緊張を解してくれた。ここに遊びに来る生き物の事だとか、月が綺麗だったとか、そういう何の実にもならない話もちゃんと聞いてくれて。"私"のことを、見てくれた。そんな小さな優しさが私の中に降り積もって、どんどんと溜まっていったんです」
一度口を閉じて深呼吸をひとつ。細い肩に入っていた力が少しだけ抜けたのが見て取れた。
「…ずっと、不思議でした。数年間貴方と接して、貴方の人となりを知って、花街で遊ぶような方には思えなかったから。でもあの日、やっとその理由が分かりました」
部屋の灯りを受けてきらきらと煌めくそれが、ゆるりと綻んだ。
「ねえ、あかね様。貴方がお話をされていた間。そしてこの一月の間。お仕事だったのだと、ずっと利用されていたのだと知らされても、貴方へのこの想いが揺らぐことはなかったんです」
胸元の、着物の合わせ部分に手を添えて鯉夏は言う。
…このまま何も考えずに彼女を引き寄せて、抱き締めてしまいたいという欲が疼いた。その欲を理性で押し留め、小さく問う。
「…貴女に伝えた名前が、偽名だと言っても?」
「こういう場ですから、そういうこともありましょう」
「職業も明かせないのに?」
「そういう方はここでは珍しくありません」
「…大きな声では言えない仕事の可能性もあるんだぞ」
「そう警告をしてくださる時点で、貴方が優しい方だというのは分かっています」
「鯉夏」
「それに」
こちらの問いに間髪入れずに答えていく鯉夏はどこか楽しげで、思わず咎めるような声が口から溢れ落ちる。けれどそんな事はお構い無しに鯉夏は俺との間にあった僅かな距離を詰めると、今度は膝の上に投げ出していた俺の右手をそっと両手で包み込み口を開いた。柔らかな音が耳奥を擽る。
「貴方がくださった
ふふ、とどこか得意気に笑う鯉夏に肩の力が抜けていく。大きく息を吐いて、目の前の華奢な肩に頭を預けた。
「っ…あかね様…?」
急な出来事に狼狽える声が耳元で聞こえ、口角が上がる。
「鯉夏」
「…はい」
「…好きだ」
息を飲みそのまま呼吸を止めた鯉夏を、顔を上げて真っ直ぐ見つめる。
大きな瞳を更に見開き、震えそうになる口を耐えようとするその様子さえも可愛らしいと思ってしまうのだから、俺はもう末期なんだろう。
「きっと、俺よりも貴女に誠実であれる男も、俺よりも貴女に平穏を与えられる男もいるだろう」
鬼殺隊に所属している以上、俺たちはどう頑張っても一般人のような生活を送る事は出来ない。
「俺が貴女に誓えるのはほんの少しだけだけど」
泣かせないことも、永い時間を共に刻むことも決して誓えやしない。
それでもこれだけは、声に出して言える。
「この命ある限り、誰よりも貴女を愛すると誓う。誰よりも貴女を守り、貴女と共にあると誓おう」
だから。
「俺と、
俺に、貴女を守る権利を与えてほしい。
そんな願いを込めて想いを告げれば、正面にある大きな瞳が水気を帯び、煌めきが増した。
「──はい」
涙を目尻に溜めて柳眉が垂れる。けれどその表情は決して悲しみから来るものではないだろう。だって形のいい唇が綺麗な弧を描いているのだから。
鯉夏の背中に腕を回し抱き寄せる。僅かな抵抗もなく、その華奢な身体は俺の腕の中に収まった。
降り積もった雪が溶け、代わりに芽吹いたこの色鮮やかな想いの数々が今後も枯れることのないように。
どうか、これからも俺の隣で
・近年稀に見るポンコツ具合を発揮して"ねがいの蓋"を開けた人(26)
久しぶりに予知夢を見て精神的にぐらついた結果ポロっと告白しちゃった。まじポンコツ。
夢に登場した鬼に関しては今までもずっと考えてて、なんとなく正体は察してた。だから小さな抵抗だとしても何かしたくて結界張ったりしてたけど、今回の夢で妹と友人が自主的に外した可能性が出てさらにダメージが入る。
一人暮らしだったら回復までにもっと時間掛かってたから本当に自分の隠たちに感謝しかない。次の日には二人の好きなものを買って帰ります。
この度年下のお嫁さん(予定)が出来ました。正式に籍を入れるまで手は出さないと決めてるけど、今後理性を総動員する出来事があるかもしれない。
・"お月さま"に頑張って手を伸ばした人(18)
──偽名だったことも利用されてたことも、確かに傷つきはしたけれど、与えられた言葉も優しさも全部本物だと感じたから。だからどうか、私をお側に置いてください。
この人なんで花街に定期的に通ってるんだろう?って途中から不思議に思ってた。一晩分買ってるのに抱かないからそりゃ違和感は覚えるよね。ただ指摘したら会えなくなりそうだったから知らない振りしてた。
正式に籍を入れるまで手は出さないと言われて驚いたけど大切にされてるって感じてとても嬉しい。
この後鼈甲の簪を貰ってまた泣きそうになる。
・公私ともに支えるを地でいく夫婦
顔を合わせて本気で驚いた。顔色悪いしクマ出来てるしだるそうだし、これは絶対何かあったと瞬時にアイコンタクト。結果付き合いが長い相棒の紅葉が話を聞くことに。朝よりも夜の方が口が軽くなるかなと話を振ったらまさかの恋バナで吃驚した。即夫婦で情報共有。結果がわかり次第盛大にお祝いする予定。
ちなみに美鶴は細君とはお茶友だちです。最初はカチカチに固まってたけどもう慣れた。報告は自分でするからと口止めされてるけど本当はすぐにでも話に行きたい。
・夢で発破をかけたご友人(22)
初めての友人の恋バナにわくわくが止まらない。結果夢に出た。
やっぱり鬼殺隊の長だから、最高戦力の一人であるオリ主には変わらず任務に就いて欲しいと思ってる。それでも唯一無二の友人で、大事な義兄だから幸せを掴んで欲しいとも思ってる。難しいね。
後日結婚の許しを得にオリ主が訪ねてくるけど、1年半前に話題に出した時点で許可は出してるも同然。にこにこしながらご祝儀を出して気が早いと断られる未来があります。
・この度独り立ちした兄弟(14)
柱になって暫くは空屋敷で暮らしてたけど、「あおいさんも14で柱になってすぐにここに引っ越したんなら僕たちも」ってなった。恩人で憧れの人だから真似したい。
作者の解像度が低いせいで大した絡みもなく屋敷を出ることになってしまった。ごめんね。
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以下補足&あとがき
経験ないなりに頑張って書いた恋愛話()です。物足りないって言われても言い張ります。誰がなんと言おうとこれは恋バナ。
あおいは元々三男だったから小さい頃から結婚は意識してなかったし、家を出てからは、どうやったらあまねを救えるか&任務の事で頭がいっぱいだったのでその手の話題はずっと遠ざけてました。必要ならそれこそ見合いの席を設けられるだろうと思ってたのもあります。
それでも任務で助けた娘さんや藤の花の家から声を掛けられることもありました。その場合はその場でお断りした後暫く寄り付かなくなるので自然と話は流れます。
女子隊員はなんだろ…ミーハーな人が多いかな。あおいはどちらかというと単独任務の方が多いので接点は少ないけど、任務中に助けられたり気を遣われたりできゅんとなることがあります。何だろ。学校の若いイケメン先生に生徒がきゃーきゃー言う感じです。伝わりますかね…?
過去に堕姫と妓夫太郎が柱を20人弱倒してるって事は、そのうち何人かは派遣されてたんじゃないかなと思います。なのでこの話では匂わせる程度の情報は残ってるという設定にしました。
ちなみに産屋敷家の書庫は許可を取れば誰でも閲覧可能です。持ち出しは駄目。1話であおいが呼吸に関する資料を耀哉の自室で読んでますがそれはあれです。まだ隊士じゃなくてただのお友達だったからです。そういうことにしておいてください。隊士になってからはちゃんと許可取って書庫内で読んでます。
産屋敷家当主にのみ受け継がれている資料ももちろんありますが、それはまた別で保管されています。痣とか珠世さんについて書かれているものですね。それらは耀哉が「読むかい?」って差し出してもあおいは読みません。線引き大事。
最初は"惚れた男の弱った姿はきゅんとくる"っていう情報から、甘やかされて恋心を自覚→紅葉と恋バナ()して背中ぶっ叩かれる→告白と返事っていう流れだったんですよ。
なのに何回書き直しても全然素直に告白してくれない。どうしようかなぁって悩みに悩んで、いっそのことついポロっと言ってしまったって事にしようかという結論に至りまして。じゃああおいが口を滑らすのってどんな時?ってこれまた壁にぶつかり…。
本当は二回も予知夢を見せるつもりも無かったんです。予定としては任務で「人殺し!」って罵倒されて疲れきったことにするつもりで書いてたんですけど、よくよく考えてみたら15年任務についてたらそんな罵倒はもちろん、もっと悲惨な現場とかも何回も目にして耐性ついてるだろうなってボツにしました。
この日のあおいは、本人は気を張って普通を装ってますけどやっぱりどこかぼんやりしてるし、会話のテンポも比較的ゆっくりです。ただ隊服と口面をつけると意識が切り替わるので気づかれにくくなります。耀哉と紅葉と天元は気づくかな、付き合い長いので。
そういえば、竈門兄妹についてあおいから他の柱に話すつもりはありません。これには胡蝶姉妹も含みます。
主な理由としては、①お館様が沈黙を保ってるから、②今後の戦況を変えるかもしれない存在をみすみす斬るつもりはないから、の二つです。
①に関しては、多分公表する機会を伺ってるんだろうなとあおいは勝手に判断してます(正解)。人を襲わないという実績と利用価値を示さないと納得しない柱は多いだろうから、とりあえず目を覚ましたら色々試さないとなぁって考えてる最中です。書いてないけど。
②に関してはまだ仮定の段階だけど可能性があるから死なせるわけにはいかないって感じですね。露見すれば確実に斬れって言われちゃうので。寝てる姿しか見てないからまだ竈門禰豆子=鬼って認識です。ちゃんと起きてやり取りを交わせばその認識も変わる、はず。
鯉夏の「お月さまみたい」は彼女にとっては精一杯の口説き文句です。やっぱり彼女は遊女だから。自分から直接的な言葉を告げることは出来ないんじゃないかなぁと思いこういう形にしました。一夜限りの言葉なら仕事だから言えるけど、あかね(あおい)に対する言葉は全部本心だから、遊女の言葉だと思われたくない。という裏話があります。
鯉夏さんの身請け先についての情報が一切なかったからこそ出来た話。捏造し放題なのでは?!と暴走した結果の産物ですね。
私は言わせたい台詞とか書きたい地の文を最初に書き出してから肉付けしていくタイプなんですけど、最後のあおいの「きっと俺より…」から「俺と夫婦になってくれませんか」っていう台詞は絶対に言わせたいって思っていたので、今回書けてよかったです。そこに辿り着くまでが長かったですけどね。
ではでは。長かったのにここまで読んでくださり本当にありがとうございます!
また次話でお会いしましょう!