無個性の人間が個性を発現するパワーをどこにいくのか考えた時に、ヒーローと進化であれ?と思って書きました。
ぶっちゃ発想段階の殴り書きなので、出来次第再度投稿する。

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灰色の『個性(しんか)

 人生において分岐点は幾つも有る。その大小は人によって様々だろう。

 場合によっては、ノーカウント。

 それは人によってはそれは分岐点に値しないとさえ言われることもあるだろう。

 この世界(・・・・)では無個性になった人間は間違いなく分岐点で悪い方に進んでしまったと言われるだろう。

 親から遺伝する個性は、自分のせいでもなく、一概に親のせいとも言えない。

 強いて言うなら運のせい。運によって、悪い方に分岐されてしまった。どうしようもないこともある。

 少なくとも、彼女にとってはこの分岐点は悪い方向に傾いていた。

 雄英高校の入学試験のため彼女、麗日お茶子は前乗りをしていた。麗日の地元は三重のため、ビジネスホテルに一泊している。彼女が宿泊しているホテルは雄英高校から一駅離れたところだ。

 明日は入試に緊張し眠れないでいた。雄英高校ヒーロー科の入試倍率、驚異の300倍。並大抵の人間が入れる高校ではない。緊張しないはずがなかった。

 少しあったかいものでも飲もう。そう思い彼女はコンビニに買い物に出る。まだ、完全に街から光が消える前。時間は22時過ぎ。

 灯台下暗し、という言葉がある。意味は言わすがもがな。天下の雄英高校の近くで(ヴィラン)がいるはずない。法律を犯すわけがないと、麗日は安堵し夜に1人で外に出てしまった。

 

「嬢ちゃん1人かい?よかったら遊ばない?」

 

 後ろから声がかかる。

 ナンパだろうか。

 振り向くと身長は170cmぐらいだろうか、フードをかぶっていて顔はよく見えないが声からしておそらく男。

 返事をしていいのか迷ってしまう。夜に知り合いでもない1人の女性に話しかけてる時点で不審者なのは間違いない。

 コツっと男の右足が一歩前に出る。やけに静かな街並みに足音が響いた。

 ヒーローを志す学生とはいえ麗日は15の中学生。恐怖を感じても仕方がない。

 純粋な恐怖が、麗日の身体を支配する。麗日の個性、無重力を自身にかければ逃げれる可能性ば十分にある。

 だが、恐怖がその行動をその思考を奪う。

 

「無視?嫌だなぁ」

 

 姿が変わる。全身は灰色に染まり、人間の姿からかけ離れる。頭から角が生え、鼻は大きくなる。まるで、人間の型を模した牛だった。複合型個性というにはあまりにも異質だった。そして、彼女は異形型と発動型の複合の個性を見たことはない。麗日はその姿を見て人間と言うよりは怪人、怪物という印象を植え付けられる。

 その姿に腰を抜かす。

 

「あれ、ビビちゃったの?」

 

 声が出ない。

 叫ばなければとは思うのだが、恐怖で声が出なかった。

 恐怖に支配されて麗日の姿を見て、ゆっくりとその灰色の化物が近づいてくる。

 

「すげぇだろこれ、最近こんな姿になれるようになったんだぜ」

 

 麗日に取れる選択は1つしかなかった。

 彼女の個性は決して戦闘に特化したものではない。しかし、それが幸運にも逃げるという選択肢を迷わずに選べた。

 たかがヒーローを目指す学生だが、されどヒーローを目指す学生。確かにその1歩はかなり遅かったが、土壇場で逃げる1歩は出すことができた。

 まるで月の上で飛んでいるように、ふわっと飛びながら家やマンションの屋根を飛び移っていく。彼女の個性は『無重力(ゼログラビティ)』屋根から屋根へ飛び移る瞬間に自分の重力を無くしている。

 必死に逃げる。周りの景色が変わっていくのがわかる。地元ではない場所で、あてもなくとりあえず逃げたため今の場所がどこなのか麗日には全くわからなかった。

 もっと真剣に体育の持久走やっとけばよかったと不意に思ってしまう。

 疲労を嫌でも感じ始める。少し足を止めたい。

 どのくらい逃げただろうか、恐怖と緊張で時間感覚がおかしくなっている。

 後ろを振り返ると、こちらを探している素振りをしている灰色の怪物が見えた。

 こちらを見失ったのだろうか。6階のアパートの屋上に身を隠す。

 彼女の個性で注意しなければならないのは、無重力にしたからといって決して劇的に速く移動できるわけではないというところだ。

 無重力になったことによって、確かに重りが取れたように体が軽くなる。しかし、移動するための脚力は所詮は女子中学生のそれなのだ。

 言ってしまえば、縦横無尽に移動できるだけ。灰色の怪物が見失うほど決して速くはない。

 

「逃げ切れたと思った?」

 

 貯水槽の基礎のコンクリに背を預け座っていた目の前にドサッと灰色の何かが着地した。

 灰色の顔で表情なんてわからないが、まるでニヤリと口角をあげていそうな口調の声だった。

 

「いいよねぇ個性も持ちはさ。個性がない時代には誰もが夢見たことをこんなガキでもできるんだから」

 

 やっと逃げきれたと思った麗日にとって、絶望でしかなかった。

 屋上から飛び降りように逃げる。地面にぶつかる直前に個性を『無重力』を発動して着地しようとするが疲労とデメリットでもある酔いのせいで発動するタイミングを失敗して、速度を殺しきれずに地面に激突する。

 

「っっ!!!!?ごほっ、ごは、おうぇ」

 

 すさまじい、痛みと嘔吐感が麗日を襲う。

 灰色の怪物はまるで、段差が全くないようにアパートの屋上から飛び降りてきた。

 

「たすっ…!?」

 

「やっと捕まえたのだから、大声ださないでよ?」

 

 麗日が助けを呼ぼうとした瞬間、口に指を入れられ声を出すこと封じられる。

 麗日は涙が止まらなかった。

 これから夢であるヒーローになるための挑戦をするというのに、それすら叶わない。

 あぁ、親不孝ごめんなさいと、全ての感情が入り混じる。

 

「おいおい、泣くなよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この世人間の8割は個性を持っている。それは、人間がなんらかの形で進化したものだ。では、残りの2割の人間は本来進化するための力はどこにいったのだろうか。

 

───── Standing By 

 

「変身」

 

───── Complete 

 

 


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