どうやらSCPと言うのになったらしい   作:YY:10-0-1-2

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 この間の投稿からもう3ヶ月くらいですってよ、奥さん。
 ……3ヶ月!!?

 えっいやあの、お気に入り登録者が600人越えしてるんですけど、怖いんですけど。


ファイル55 その男、人間

 

 

 目を開く。

 あの事件から、しばらくが経ったように思える。いや、正確にはまだ1週間も経っていないのだが。

 

 相変わらず、機動部隊の人達は俺の収容されている部屋の前に突っ立って、何か話している。

 俺は、腕と脚、体すら固定された状態で、目の前を見る。

 壁や天井、床からタレットが俺の頭を狙って動かず、監視カメラは俺を常に見つめている。

 

 俺は再び、眠りにつくかのように目を閉じる。

 もちろん、1度目が覚めてしまっては、なかなか眠りにつくことは出来ない。

 

 ……だが、心を虚無してただひたすらに数字を数えていれば、いつか眠りにつけるはずだ。

 

 

 いつから数えてたっけか。

 何万いったところで終わったんだったか……。

 

 寝たあとからずっと、1秒ごとに数えていた……から、おおよそ……あー、めんどくせぇ……1からでいいや。

 そう思っていると、ドアがノックされる。

 

 「……優磨、起きてる?」

 

 声からして、ソフィア博士だろう。

 そうだ、ソフィア博士は俺の研究員だ。報告書を書き上げる研究員だ。

 

 だから来たのだろうか。

 

 「……帰ってください」

 

 久々に話すから、声が変だ。

 俺は今どんな顔をしているんだろうか。やせ細ってんのか、いや、吸血鬼のせいで体型は維持されてんのか……?

 

 「いや、そういう訳には行かないよ」

 

 ソフィア博士はキッパリとそう言う。

 

 「……どうせ、アイリスとかもいるんでしょ?」

 「っ、しっかりしてよ優磨!!」

 

 ガシャンと扉が叩かれる。アイリスの声だ。やっぱりいるじゃないか。

 その後、アイリスは泣きそうな声で呟く。

 

 「もう、寂しいよ……いなく、なんないでよ……」

 

 そんな声を出されれば、動揺しないわけが無い。

 だが、舌を噛みきって一旦思考をリセットする。

 

 ……ダメだ、ダメだろうそれは。

 

 「寂しく、なんてないだろ。ライツ博士も、ソフィア博士もいる。カインだって、いる」

 

 その時思い出したのは、シガーロスの顔。ダメだダメだと首を横に振る。

 

 「俺は、人を殺した。もう、戻れない」

 「そんなこと言ったら、私もだよ……」

 

 アイリスは静かに言う。

 

 「私は、財団に言われて……色んな仕事してきたよ」

 「……」

 「アベルが暴れた時、私……なんて思ったと思う?」

 

 アイリスは、俺に問いかけるように言う。

 俺は、黙りこくって続きを促す。

 

 「……『なんで、ここにいるんだろ』って」

 

 アイリスは乾いた笑いを出し、続ける。

 

 「……だからね、お願い優磨」

 

 アイリスは、泣き声を抑えるかのように震えた声を出す。

 

 「帰ってきてよ……」

 

 俺は目を閉じて、意識を暗闇の中へと落とす。

 ……あぁ、これ以上聞けば多分俺は、帰りたいと願ってしまう。

 だから、これ以上は何も聞かない。何も聞きたくない。

 

 

 ……俺は、もう人間じゃないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───……結果的に言えば、今回の騒動は財団史にも残る大きな騒動となった。

 

 

 まず1つは、一時的とは言え、SCP-035の収容違反を許したこと。

 そして、SCP-???-JPの暴走、及び能力の大きさを改めて再確認したこと。

 だが、それはSCP-239の活躍によって鎮られ、現在は5m×5m×5mの鋼鉄製の密封された独房に収容されている。

 

 

 この暴走によって、SCP-???-JPのオブジェクトクラスはeuclidからketerに。報告書も大きく書き換えられることとなった。

 

 我々が危惧していたSCP-239の暴走等はなく、今はSCP-105と共に過ごしているとの事。

 だが、それも時間の問題のはずだ。

 

 彼女はまだ幼い。

 いつ感情が暴走するか分からない。

 

 ……また、()()をあの子に打つことは御免蒙りたい。

 

 「ギアーズ博士、どうするんです?」

 

 私は、報告書から目を離して、部下であるアイスバーグに目を向ける。

 

 「……彼は、ライト博士も言っていたように財団にとって有効なはずだ」

 「まさか、ライト博士の()()に賛成するんですか!?」

 

 私は静かに頷く。

 アイスバーグは、少し考え込んだ後に、ツカツカト歩いてきて机の上に置いてある報告書を手に取る。

 

 「……彼の報告書は穴が空くほど見ましたが……しかし、無茶じゃないですか?」

 

 あぁ、ライト博士とライツ博士、そしてソフィア博士の作戦は無謀だ。

 だが、彼にはSCP-239の借りがある。

 

 ……そうだな。

 

 「彼は確か、サイト17に居たかな?」

 「えぇ、まぁ……そのうちどこかに収容されるでしょうけど」

 

 私は立ち上がり、外に出る。

 

 

 さて、彼を一目見てみるとしよう。

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